エアライズ

これぞ正統派!アライテント「エアライズ」なら“1年中”“どんな場所でも”快適

2022/09/08 更新

アライテントのエアライズは、多くのユーザーに長く愛されている「山の定番テント」。今回は実際に設営してみて、その性能をレビューします。購入時に比較されることの多い「トレックライズ」やモンベルの「ステラリッジ」など、他のテントとの違いも解説。また、冬用の外張りなど、充実のオプションも紹介します。

目次

アイキャッチ画像撮影:筆者

山岳テントの定番<アライテント>エアライズ

エアライズ

撮影:筆者

半世紀以上にわたり、テントやザックなどの登山用品を作り続けている「アライテント」。その高い品質で、高所登山者や極地探検隊などのエキスパートから一般登山者まで、多くのユーザーに愛されています。その中でも「エアライズ」は、日本の山岳テント場では必ずと言っていいほど見かける定番。なぜ、そんなに愛されるのでしょうか?

軽量性・耐久性・居住性の高いバランス

ライペンのブランドタグ

撮影:筆者

エアライズの良さは、トータルバランスに優れること。4シーズンテントの中では最軽量ではありませんが、2人用で1550gと十分に軽量です。しかもこれだけ軽いテントでありながら、山岳でガンガン使える高い耐久性も維持。また、居住性も損なわれておらず、高いレベルでバランスが取られています。

今回は実際にフィールドで試しながら、その性能のバランスをチェックしてみました。

今回使用したテント
・エアライズ2
・2人用(最大3人)
・フライシート色はオレンジ

【エアライズ2仕様】

重量1550g(本体+フレーム+フライシート)
サイズ設営時:間口130×奥行210×高さ105cm
収納時:本体30×15φcm、フレーム38cm
カラー本体:クリーム
フライシート:オレンジ/フォレストグリーン
グランドシート・フレームスリーブ:チョコレート
素材本体:28dnリップストップナイロン
フライ:30dnリップストップナイロンPUコーティング
シート:40dnナイロンタフタPUコーティング
フレーム:NSL9フェザーライト(DAC社製)

移動が快適!持ち運び便利で設営もラクラク

テント本体

撮影:筆者

山岳テントとしては、携行性や設営のしやすさが重要。実際に細かく見ていきましょう。

テント本体・フライシートが分割可能で収納性抜群

エアライズ収納

撮影:筆者

テントとフレームは別に収納。画像左のテント本体のバッグの中にはテントとフライシートが縦に入っています。

エアライズ収納
撮影:筆者

フライシートは別袋になっているので、テント本体とフライシートを分けることもできます。バックパックに収める際、収納スペースに合わせてパッキングできますね。複数人で荷物を分担して持つ場合にも便利です。

設営・撤収は手間いらず

移動を繰り返す山岳縦走において、携行性とともに重要なのが「設営・撤収のしやすさ」。エアライズはとても簡単でしかも素早く設営できます。設営手順は以下の通り。

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撮影:筆者

①.テントを広げる。
②.スリーブにフレームを押し入れる。
③.フレームの先端がスリーブの先端まで届いたかを確認。
④.フレーム付け根のテント本体を掴んでフレームを押し込み、グロメット(ハトメ)に差し込む。
⑤.2本ともフレームを押し込む。→テントが立つ。
⑥.ガイラインが結ばれていれば、ほどいておく。
⑦.前後を確認しフライシートを掛ける。
⑧.この時点でガイラインをフライシートのガイラインホールヘ通す。
⑨.テント後部をフライシートのバックルで接続。
⑩.テント前部をフライシートのリングをフレームの下にまわり込ませて引っかける。
⑪.テントの4隅、ガイライン4箇所、後左右のフライシートのテンションコード3箇所、前室、前室のガイライン、計13箇所をペグダウンし、張り具合を調整して完成。

手順は多いように見えますが、一つ一つがワンアクションで、特に難しいところもないので迷わず立てられます。今回は約7分程度で完成しました。慣れれば5分以内で立てられるのではないかと思います。

撤収も簡単、ひとつだけ注意点が

エアライズ テント フレームの抜き方

撮影:筆者

撤収は基本的に設営手順の逆で、特に難しいところはありません。ただ一つだけ注意点が。テントからフレームを抜く時は、上の画像左のように「引っ張る」のではなく、右のように「押し出す」ようにしましょう。引っ張るとスリーブの中でフレームが外れてしまい、抜き出しにくくなります。

過酷な環境にも対応!安心の耐久性

アライテント エアライズ

撮影:筆者

設営後に気になるのが耐久性。山では強風や雨など過酷な環境が予想され、耐久性に不安があると心配で眠れないどころか、テントが倒壊してしまう最悪の事態も予想されます。

高耐久でよくしなるフレーム+風に強いスリーブ式

エアライズのフレーム

撮影:筆者
フレームは高耐久でよくしなる素材。万が一破損した時のために「リペアチューブ(緊急フレーム補修用チューブ)」が付属しています。

エアライズのスリーブ

撮影:筆者

設営構造は「スリーブ式」。フレームにテントの荷重が均等にかかり、破損にも強いのが特長です。2本のフレームがテント全体をしっかりと支えている姿を見ると安心感があります。

テント本体に接続されたガイラインでしっかり固定

エアライズのガイラインホール

撮影:筆者

ガイラインはテント本体に接続されているので、フライシートのホールから外に出してペグダウンします。設営の容易さからフライシートにガイラインを接続するテントもありますが、エアライズはあくまでも耐久性重視。しっかりと固定されるので安心です。

風に強く、狭いところにも設置可能な「短辺側出入口」

テントの出入り口の位置(長辺側と短辺側)の違いによる耐風性

作製:筆者

テントを設営する場合、基本的には風対策のために出入口を風下に向けます。エアライズの出入口は短辺側。風上側は出入口の反対なので同じく短辺側、つまり面積が狭い側なので風の影響を最小限にできます。

また、短辺側出入口だと、狭い岩棚にも設置しても出入りできるというメリットも。出入口の位置にも意味があるのですね。

凍結を防ぐファスナーのフラップ

エアライズ ファスナーフラップ

撮影:筆者

エアライズの出入口のファスナーにはフラップが付いており、雨や雪がファスナーに付くのを防ぎます。厳冬期はこれが無いとファスナーが水分で凍結して、開閉できなくなってしまうことも。ファスナーから吹き込む風を防止するので寒い時に効果的です。

過酷な山岳での設営にも対応、十分に強いフロア

エアライズのフロア素材

撮影:筆者

山岳のテント場できれいに整地されているところはほとんどありません。砂地や岩の上に設営する場合、フロアの耐久性の問題が出てきます。上の画像はフロア下に手を入れてみたところ。適度な厚みを感じる素材で安心感があります。

実は、エアライズの純正フットプリント(※1)が発売されたのは2000年。本体の発売から13年間は、フットプリントなしでも問題なく使用されていたのです。当時から採用されている布地は同じなので、エアライズのフロアに高い耐久性があることがわかりますね。

※1…フットプリント
地面の小石などによってテント底面が傷つかないように、テントフロアと地面の間に入れるシート。耐久性とともに防水性を高めます。

自分で防水処理すれば完璧

シームコート

撮影:筆者

エアライズには「シームコート」という防水処理液が付属しています。これは機械縫製では対応が難しいフロアコーナーの縫い目部分の防水処理を、ユーザー自身が行うためです。

シームコートの塗り方

ちょっと面倒な気もしますが、施工は意外と簡単。エアライズの防水性能を完璧にするためにも、最初の設営時にぜひやっておきましょう。

スペースは必要最低限?気になる「居住性」もチェック

エアライズの室内スペース

撮影:筆者

耐久性が高いことは十分わかりましたが、テントである限り居住性はやっぱり気になります。

過酷な環境にも耐えられそうな室内、でもちょっと狭い

エアライズの室内

撮影:筆者

ファスナーをしっかりと閉めればメッシュ部分なども無いので、室内は完全に閉じられます。過酷な環境にも耐えられそうで安心感十分。

エアライズの室内に座っている人

撮影:筆者

室内空間は必要最低限で、フロアの広さは実質2人まで。風の影響を小さくするため壁は傾きが大きく、天井部分がちょっと狭く感じます。耐風性重視なのでここは我慢するところかも。

ちょっと狭い出入口、靴置き場として考えたい前室

エアライズ出入口

撮影:筆者
出入り口は短辺側に配置されているため少し狭いと感じるかもしれません。その反面、ファスナー部分が短いので開閉が素早いというメリットもあります。

エアライズの前室

撮影:筆者

前室スペースも出入口同様、広いとは言えません。靴を置くスペース程度に考えておいた方がいいでしょう。

天井にはループ5カ所、フロアポケットが1つ

エアライズの天井ループ

撮影:筆者

天井には小物やランプを吊るす事が出来るループが5カ所。自由にカスタムすることができます。

エアライズの室内付属ポケット

撮影:筆者
フロアには小さめのメッシュポケット。スマートフォン程度なら収納できます。狭い室内なのでうまく使って有効活用したいポイントです。

通気性より保温性重視のベンチレーター

エアライズ ベンチレーター

撮影:筆者

ベンチレーターは出入口の後方ではなく、横方向の長辺側についています。これは外からの風を通すためではなく、あくまでも換気用の配置。この設計を見ると、エアライズは寒い時期にも対応できるよう考えられているのがわかります。

カラーバリエーションは2色!かぶりやすいので目印をつけると良いかも

エアライズ カラーバリエーション

カラーは2色(オレンジ、フォレストグリーン)。山岳テントとしては一般的な色数ではありますが、ユーザーが多いモデルであるため、テント場でかぶりやすいというデメリットがありそうです。間違えないようにガイラインに印を付けるなど工夫が必要かもしれませんね。

トレックライズや<モンベル>ステラリッジテントとの違いは?

エアライズの購入を検討する時に多くの人が比較するのが、同じアライテントの「トレックライズ」やモンベルの山岳テントの定番「ステラリッジテント」。それらとの違いをまとめました。

トレックライズは3シーズン山泊を楽しむテント

アライテント トレックライズ

撮影:筆者

大きな違いは出入口位置と大きさ。トレックライズは使い勝手重視で長辺側に出入口があり、前室を大きく取っています。より快適に山でのテント泊を楽しみたいのならトレックライズがおすすめです。

しかし、重量を比較すると100gほどの差があり、エアライズのほうが持ち運びには便利です(エアライズ2:1550g、トレックライズ2:1680g)。また、トレックライズに冬用の外張りオプションは無く、3シーズンのみの対応なので、厳冬期の使用も考えているのであればエアライズを選びましょう。

まとめ

■携帯性重視、雪山でも使うならエアライズ

■快適性重視、3シーズン居住性で選ぶならトレックライズ

▼「アライテント トレックライズ」についてさらに詳しく知りたい方はこちらをチェック

ステラリッジテントとの主な違いは「設営方式」と「生地の厚み」

モンベル ステラリッジテント

出典:PIXTA

モンベルのステラリッジテントはエアライズと同様、4シーズン対応の山岳テントです。一番の違いは「設営方式」。ステラリッジテントは「吊り下げ式」で、エアライズは「スリーブ式」。一般的には、吊り下げ式のほうが設営が簡単、スリーブ式のほうが強度が高いと言われています。

しかし、エアライズのスリーブの末端は袋状になっているので、反対側に回ってポールの先端をグロメットに指す手間がかかりません。結果的に、設営時間に大きな差は出にくいと考えられます。
エアライズ

撮影:筆者

もう一つの大きな違いが、素材として使用されている布地。フロア部分でみると、エアライズには「40dnナイロンタフタ」、ステラリッジには「30デニール・バリスティックナイロン・リップストップ」が使用されています。ステラリッジの方が生地が薄い分、2人用のモデルでは320g軽量ですが、厚手の生地を使用したエアライズは、耐久性に安心感があります。

まとめ

軽量性重視ならステラリッジテント

■耐久性・堅牢性重視ならエアライズ

▼「モンベル ステラリッジテント」についてさらに詳しく知りたい方はこちらをチェック

オプションで機能を拡張!エアライズは1年中使える

”いつでもどこでも”使えるように、オプションや関連品が充実していることもエアライズの特長。
夏の平地にはテント本体を総メッシュにできる「カヤライズ」、冬山では冬用外張り、ツーリングやキャンプを楽しくするDXフライなど、様々な季節やシーンに対応できます。一年中、使い倒せそうですね。

カヤライズ

フロア以外総メッシュの夏用テント本体。エアライズのフレーム・フライシートを流用できるので、最小限の出費で暑い夏に最適なテントが手に入ります。

アライテント カヤライズ2本体のみ 2人用(最大3人)

【重量】900g
【サイズ】設営時:間口130×奥行210×高さ105cm
     収納時:38×19cm
【素材】本体:モスキートネット(ナイロンメッシュ)
    シート:40dnナイロンタフタPUコーティング

冬用外張り

冬季の保温、耐風性能アップのための冬用外張り。厳冬期にフライシートの代わりに使用します。耐水性よりも通気性を重視しているので、雨や湿った雪の時の使用には向いていません。

アライテント エアライズ2用外張

【素材】30dnリップストップナイロン
【重量】610g

DXフライシート

標準のフライシートの代わりにDXフライシートを使用すれば、前室が広くなりエアライズの居住性が格段にアップ。長期間のキャンプや、サイクリング用テントなどにおすすめです。

アライテント エアライズ DXフライシート2

【サイズ】前室面積:0.67㎡(通常の2倍) 前室張り出し:75cm
【素材】30dnリップストップナイロンPUコーティング
【重量】710g

4シーズン様々なフィールドで使うならエアライズ

エアライズ

撮影:筆者

標準セットのエアライズを設営して細部を見てみると、過酷な山岳での使用を前提としたつくりで、定番と言われるのも納得でした。また、真夏用の「カヤライズ」、雪山用の「冬用外張り」、前室を拡張して居住性を高める「DXフライシート」と、豊富なオプションが揃っているのもエアライズの魅力。
軽量コンパクトなエアライズと多彩なオプションを使えば、「いつでもどこにでもいける」そんな気にさせるテントでした。

アライテント エアライズ

アライテント エアライズ1 1人用(最大2人)

【重量】1360g(本体+フレーム+フライシート)
【サイズ】設営時:間口100×奥行205×高さ100cm 
     収納時:本体29×14φcm、フレーム38cm

アライテント エアライズ2 2人用(最大3人)

【重量】1550g(本体+フレーム+フライシート)
【サイズ】設営時:間口130×奥行210×高さ105cm
     収納時:本体30×15φcm、フレーム38cm

アライテント エアライズ3 3人用(最大4人)

【重量】2070g(本体+フレーム+フライシート)
【サイズ】設営時:間口185×奥行220×高さ115cm
     収納時:本体39×16φcm、フレーム38cm

アライテント エアライズ4 4人用(最大5人)

【重量】2600g(本体+フレーム+フライシート)
【サイズ】設営時:間口230×奥行230×高さ120cm
     収納時:本体40×18φcm、フレーム45cm
     前室張出:70cm 後室張出:30cm

アライテント カヤライズ

アライテント カヤライズ1 本体のみ 1人用(最大2人)

【重量】700g
【サイズ】設営時:間口100×奥行205×高さ100cm
     収納時:33×18cm
【素材】本体:モスキートネット(ナイロンメッシュ)
    シート:40dnナイロンタフタPUコーティング

アライテント カヤライズ3本体のみ 3人用(最大4人)

冬用外張り

アライテント エアライズ1用外張

【素材】30dnリップストップナイロン
【重量】570g

アライテント エアライズ3用外張

【素材】30dnリップストップナイロン
【重量】800g

DXフライシート

アライテント エアライズ DXフライシート1

【サイズ】前室面積:0.60㎡(通常の2倍) 前室張り出し:72cm
【素材】30dnリップストップナイロンPUコーティング
【重量】690g

アライテント エアライズ DXフライシート3

【サイズ】前室面積:1.71㎡(通常の2倍) 前室張り出し:120cm
【素材】30dnリップストップナイロンPUコーティング
【重量】970g

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