【メーカー担当者にズバリ直撃vol.9】 “自社ブランド以外”で愛用している山道具をベタ褒めしてください! <アライテント>編
いつも山道具に触れている“審美眼”を持ったアウトドアメーカーの担当者たち。自身が山に行くときのウエアやギアは、どんな風に選んでいるのでしょうか。自社製品はもちろんですが、ライバルメーカーの製品を使う場面もあるのでは!? そこで今回は、<アライテント>を直撃! 実は愛用している「他社製品」をぶっちゃけてもらいました!
2020/11/06 更新
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制作者
YAMA HACK編集部 荻原
YAMA HACK運営&記事編集担当。もともと旅行が好きだった延長で山へ登るように。山の魅力やワクワクするような山道具など、アウトドアにまつわるあらゆる情報をお届けしていきます。
YAMA HACK編集部 荻原のプロフィール
アイキャッチ画像撮影:YAMA HACK編集部
「実は、コレ愛用してます」な自社ブランド以外の山道具を教えてください!
ブランドを背負って自社製品の広報活動に日々励んでいる各メーカーの担当者たち。しかし、プライベートな山行では、ライバルでもある他のアウトドアメーカーの製品を使うこともあるのではないでしょうか?

撮影:YAMA HACK編集部
メーカー担当者が自社ブランドの製品をおすすめするのは当然のこと。ならば、『実は愛用している他社の製品をベタ褒めしてもらおうではないか』というのが当企画なのです。
早速、実際に使っている“自社以外”の山道具を紹介してもらうべく、担当者を直撃しました!
▼前回の記事はこちら
第九弾は、<アライテント>福永 克夫さんがぶっちゃけ!

撮影:YAMA HACK編集部
ズバリ、愛用している他社製品は?

撮影:YAMA HACK編集部(ヴァランドレのシュラフ、モデル名不明)
私が愛用しているのは、<ヴァランドレ>の冬用シュラフです。
<ヴァランドレ>のシュラフって、海外遠征や本格的な高所登山などプロフェッショナルな人が使うイメージがあって…あまり馴染みがなかったので、使用感など気になります!
実はこれ、30年ほど前から使っているんです。現役バリバリで山に登っていて、まだ若かった頃ですね(笑)
30年ですか!? そんなに長く愛用されているとは驚きました。
【ベタ褒めポイント①】とにかく暖かい
山登りをもう50年くらいやっているわけなんですが、若い頃ってお金がないんですよね。冬用のシュラフもいいものが使えなかったんです。

撮影:YAMA HACK編集部(フランス発ダウン製品の最高級ブランド<valandre>。石井スポーツが日本の正規代理店を務める)
だから当時、<天山(テンシャン)>という割と手ごろに買える中国のダウンメーカーがあって、そのシュラフを使っていました。ただ冬はそれだと寒くてしょうがなかったので、インナーシェルシュラフを入れて使っていたんです。
だけど考えてみると、ダウンって膨らむから暖かいんですよね。寝袋の中にもうひとつ寝袋を入れたりすると、ロフト(嵩高)をつぶしてしまって結果的にあまり暖かくなかったんです。
石井スポーツが<ヴァランドレ>を輸入し始めた直後くらいだったかな、「ものすごくいい」ということを越谷さん(石井スポーツアドバイザー)なんかに聞いていて。そんな繋がりもあって、思い切って購入しました。

撮影:YAMA HACK編集部(ヴァランドレには、極限の環境でも使えるグースダウン製シュラフが充実している)
<ヴァランドレ>のシュラフは、今だと10万円を超えるモデルが多いですよね。当時でも結構高価だったのでは…
今よりは安かったですが、当時としては高価でした。でも、実際に入ってみると、その良さがよく分かりました。ダウンの質が良いのでしょうね。冬に暖かく眠れるのはもちろんですが、夏に使っても暑くなりすぎないんです。
【ベタ褒めポイント②】故障せず長持ち

撮影:YAMA HACK編集部
ファスナーレスのモデルを選んだというのもあるんですが、故障しないところもいいですね。ジッパーって結構噛んでしまったりするでしょう?
よくやります…無理に直そうとすると、破いてしまいそうで怖いんです。故障しないというのは、福永さんが長年愛用されていることが証明していますね。

撮影:YAMA HACK編集部(道具を大切していることが伺える、首元のリペア跡)
一ヶ所だけ焼け焦げを作っちゃって、自分で修理しましたけど(笑)
ファスナーがない分、軽いし収納もしやすいです。ファスナーレスは不便だという人もいますが、慣れると気にならないですよ。
今ってかなりコンパクトになるシュラフが多いですが、それに比べると収納サイズはやや大きい印象ですね。
ダウンシュラフは、ぎゅうぎゅう詰めればいくらでもコンパクトにできるので、大きさは全く気にならないですね。このシュラフを持って、昨年の冬も35Lのザックで山に行きましたよ。重量も同じクラスのダウンシュラフとしては、当時、ものすごく軽かったんです。
【ベタ褒めポイント③】羽毛抜けもなく、ふかふか

撮影:YAMA HACK編集部(頭から足元までふかふか)
ダウン製品って羽毛が抜けたりしますが、このシュラフは30年経ってもあまり抜けないですね。そこが優秀だなと。袋は当時のままでボロボロですけど、シュラフは今もふかふかです。
本当にふっかふか!30年使っているようには見えないですね。

撮影:YAMA HACK編集部(ちょっぴりくたびれた表情が、たくさんの山の思い出が詰まっているだろうことを物語っている)
シュラフ自体の品質もそうですが、福永さんが道具をとても大切にされているからこそなんだろうなと思いました。なにか気を遣っていることはありますか?
あまり小さく詰めすぎるとロフトが戻らなくなるので、保管するときは広げた状態で、押し入れの天袋に入れています。
テント泊道具を一通り揃えるとなるとお金がかかるから、最初はとりあえず安いシュラフを選んだりすることもありますが、長い目で見たら選び方がまた変わってきますね。
テントなんかは使っていくと床に穴が開いたり汚れたりというのはあるけど、シュラフってあまり壊れるところがないので、中途半端なものを買うより、思い切っていいものを買った方が、結果的には長持ちすると思います。

提供:福永さん(今も冬は雪山を楽しんでいるそう)
最近よく行く山は、奥秩父・大菩薩嶺など。人よりも鹿のほうが多いようなエリアを歩いています。
石井スポーツ|ヴァランドレ製品一覧<valandre>オフィシャルサイト
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