厳冬期でも快適な保温力&操作性!finetrackのグローブレイヤリング「トリプルシールド」を雪山登山で検証

これから訪れる冬シーズン、雪山登山で特に保護したい指先に欠かせないのがグローブ。けれどもインナー・アウターの使い分け程度で、ウェアほどにはこだわっていないのでは。今回はfinetrackが提唱する「トリプルシールド」と名付けられた3枚のグローブを重ねて雪山登山へ。その実力を検証してみました。

目次

アイキャッチ画像撮影:washio daisuke

どうしてる…?雪山登山でのグローブのセレクト

雪山登山でのグローブ…何を使っていますか

撮影:washio daisuke(雪山登山でのグローブ…何を使っていますか)

低温・強風・雪による濡れなど過酷な条件が重なる雪山登山において保護したいのが、凍傷になりやすい末梢部、特に指先です。
素材や厚みからチョイス可能なグローブですが、筆者の場合

・インナー:保温性を重視したウールや吸湿発熱素材
・アウター:防水性を重視したGORE-TEXなどの防水透湿素材

の2枚重ねが従来のスタイルでした。

ただしインナーは日常生活でも使えるスペックのため、厳しいコンディションでは冷たさを感じることもしばしば。またアイゼンの着脱などで雪に触れると濡れてしまい、指先が不快なだけでなく凍傷の危険を感じながら下山した経験も。

アウターもレインウェア同様の薄さのため防寒性は低く、状況によっては厚手のスキーグローブに付け替えることもしばしば。当然のことながら荷物もかさばりますし、ザックから厚手のグローブを取り出して付け替える行動自体が手間になってしまいます。

そんな中、日本のアウトドアブランドfinetrack(ファイントラック)で気になるアイテムを発見しました。

ファイントラックが提唱する3枚重ねのグローブレイヤリング「トリプルシールド」

3枚重ねのグローブレイヤリング「トリプルシールド®︎
提供:finetrack(3枚重ねのグローブレイヤリング「トリプルシールド」)

ウェアにおいても独自の5枚重ねのレイヤリングを提唱するファイントラックが展開しているのが「トリプルシールド」という3枚重ねのグローブレイヤリング。それぞれのグローブが防水透湿性・撥水性・ストレッチ性を備え、快適で操作性にも優れています。

筆者のこれまでのグローブ使用法と比べると、インナー・アウターの2枚ではなくインナー・ミッドレイヤー・アウターという3枚でのレイヤリングが大きな違い。早速、雪山登山で実際に使用して、そのスペックを検証してみました。

「トリプルシールド」を構成するアイテムをチェック!

今回「トリプルシールド®︎」を検証するアイテム

撮影:washio daisuke(今回「トリプルシールド」を検証するアイテム)

ファイントラックからはグローブレイヤリングを構成する様々なアイテムがラインナップされていますが、今回チョイスしたのは以下の3アイテム。内側から順番に

*1st・パワーメッシュインナーグローブ:優れた撥水効果で肌から濡れを遠ざけるグローブ
*2nd・フラッドラッシュサーモ:3rdに付属している保温性・吸汗拡散性・撥水性に優れたグローブ
*3rd・エバーブレススノーグローブ:防水透湿性と耐久性に優れたグローブ

の3種類です。
「トリプルシールド®︎」を検証した雪の立山連峰

撮影:washio daisuke(「トリプルシールド」を検証した雪の立山連峰)

これらのアイテムを携えて向かったのは、北アルプス・立山連峰。室堂から出発し、浄土山(2831m)と雄山(3003m)をめぐるコース。

気温は2℃前後・風速も5m/s程度と雪山登山では比較的おだやかなコンディション。早速さまざまなパターンでのグローブレイヤリングを試してみました。

温かいけど蒸れない!快適なグローブ内環境を実感

いきなりの急登で手からも発汗が

撮影:washio daisuke(いきなりの急登で手からも発汗が)

今回のルートは室堂から稜線まで、いきなり標高差200m以上の急登から始まります。まずはグローブレイヤリングの組み合せの違いを体感するために

*左手:素手に3rd・エバーブレススノーグローブのみを着用
*右手:素手に2nd・フラッドラッシュサーモと3rd・エバーブレススノーグローブを重ねて着用

とそれぞれ着用の仕方を変えて行動開始。

手汗で蒸れるグローブ内…1st.パワーメッシュインナーグローブは必須

手も発汗しやすい急登で痛感したパワーメッシュインナーグローブの必要性

撮影:washio daisuke(手も発汗しやすい急登で痛感したパワーメッシュインナーグローブの必要性)

急登での行動は手からもかなり発汗します。素手に3rd・エバーブレススノーグローブのみの左手は、手汗による暑さと蒸れでかなり不快な状態に。たまらず1st・パワーメッシュインナーグローブを装着しました。

すると、生地が薄いためグローブ内の暑さはダイレクトに感じるものの、手汗を感じることはなくなったのです。ちなみに右手は2nd・フラッドラッシュサーモに優れた吸汗拡散性があるため、蒸れも左手ほどは感じません。ただし行動を続けるうちに、手の表面の発汗による濡れが少しずつ気になるように。

やはり撥水効果が高く“手の濡れ”が気にならない「1st・パワーメッシュインナーグローブ」は必須。ウェアのレイヤリングでも肌に直接触れるドライレイヤーが重要なのと一緒ですね。

「トリプルシールド」で快適に行動!

ホワイトアウトの稜線でも快適な「トリプルシールド®︎」

撮影:washio daisuke(ホワイトアウトの稜線でも快適な「トリプルシールド」)

浄土山の稜線はホワイトアウト状態で次第に風も強くなってきました。ここでは両手とも

*1st:パワーメッシュインナーグローブ
*2nd:フラッドラッシュサーモ
*3rd:エバーブレススノーグローブ

の3枚重ねで行動。

掌も指先も完全にドライな状態をキープしつつ、強風下でも保温性はバッチリ!快適な状態で登山を続行することができました。

絶対に指を濡らさない!優れた撥水・防水性

雪に触れても濡れを感じにくいパワーメッシュインナーグローブ

撮影:washio dasuke(雪に触れても濡れを感じにくいパワーメッシュインナーグローブ)

今回の検証は筆者ひとりで行ない、写真もカメラやスマホを雪の上に置いて自撮りしたものです。こうした場面ではパワーメッシュインナーグローブのみを着用し、撮影後は機器に付着した雪を払わないといけません。

これまでインナーグローブとして使用してきたウールや吸水発熱素材のグローブは、この時に濡れてしまうと乾くまで時間がかかるのが難点でした。

しかしパワーメッシュインナーグローブは優れた耐久撥水性があるため、濡れた感じもあまりなく、グローブ自体はドライでした。

左:フラッドラッシュ®︎サーモ/右:エバーブレス®︎スノーグローブ

撮影:washio daisuke(左:フラッドラッシュサーモ/右:エバーブレススノーグローブ)

もちろん、フラッドラッシュサーモとエバーブレススノーグローブも撥水・防水性はバッチリ。それぞれ単体で雪に触れてみましたが、雪がグローブに付着しにくいため手が濡れることはありません。

優れた撥水性のある1st、2ndを重ね、さらに防水透湿性のある3rdを重ねることで、手からの発汗を素早く放出するだけでなく、外からの濡れにも強いことを実感できました。

あわせてチェック!各アイテムの操作性

各アイテムにストレッチ性があるため3枚重ねでもストレスなくピッケルを握ることが可能

撮影:washio daisuke(各アイテムにストレッチ性があるため3枚重ねでもストレスなくピッケルを握ることが可能)

防水性・保温性に加えて、グローブにおいて重要なのが操作性です。

「トリプルシールド」を構成するグローブは各アイテムともストレッチ性に優れており、行動中の基本となるピッケルやトレッキングポールを握る動作は3枚重ねでもスムーズ。

加えて、各アイテムでどこまで細かい作業ができるかをチェックしてみました。

3rd:エバーブレススノーグローブ|ジップ開閉=○・アイゼン装着=△

エバーブレス®︎スノーグローブの操作性

撮影:washio daisuke(エバーブレススノーグローブの操作性)

もっとも厚手のエバーブレススノーグローブ。ザックの各ベルト調整やウェアのジップ開閉はスムーズに行うことが可能。

アイゼン装着もフルワンタッチ式であれば問題ないでしょうが、バンド式の場合は固定するためのループにバンドを通す作業が少し困難。しっかり締めるのは、少し難しいと感じました。

2nd:フラッドラッシュサーモ|アイゼン装着=◯・靴ひも調節=△

フラッドラッシュ®︎サーモの操作性
撮影:washio daisuke(フラッドラッシュサーモの操作性)

続いてフラッドラッシュサーモでアイゼン装着したところ、厚みもそれなりでストレッチ性もあるため、スムーズに行うことが可能でした。

靴ひも調節は△としましたが、蝶結びをすることは十分に可能。ただし留め具ひとつひとつに靴ひもを通して締め上げていく際に、少し力を入れにくいと感じました。

1st:パワーメッシュインナーグローブ|オールOK!ただし薄い生地に注意

パワーメッシュインナーグローブの操作性

撮影:washio daisuke(パワーメッシュインナーグローブの操作性)

もっとも薄手のパワーメッシュインナーグローブは、ほぼ全ての操作を素手と同じ感覚で行うことが可能。

薄手のメッシュ素材なので、マジックテープ(面ファスナー)を操作する際は、生地が傷つくこともあるので気を付けたいところですね。

最後まで手を守り抜く!3枚重ねのグローブレイヤリング「トリプルシールド」の心強さ

絶対に手を濡らさない・冷やさないために

撮影:washio daisuke(絶対に手を濡らさない・冷やさないために)

経験者の下で雪山登山に初めてチャレンジする人がたたきこまれる知識のひとつが「休憩時などでグローブを外した際には、必ずウェアのポケットやザックにしまう」こと。グローブを風に飛ばされ失くしてしまったら、手や指に即凍傷の危機が迫るからです。
けれども、ついうっかりザックや岩の上に置いたままにしてしまうというミスも皆無とは言えません。

ファイントラックが「トリプルシールド」で目指したのは、3層いずれかのグローブが尖った岩角やアイゼンの爪などで多少ダメージを受けても防水性を喪失しにくいという、バックアップ的な発想。しかし前述の通り、万が一いずれかのグローブを失くしてしまっても、残り2枚のグローブがあれば凍傷の危険性を大幅に下げることが可能です。

快適性と安全性を両立できるグローブレイヤリングを、今冬の雪山登山で実践してみませんか。

今回紹介したアイテム

ファイントラック パワーメッシュインナーグローブ

重量:12g
素材:ポリエステル85%、ポリウレタン15%

ファイントラック エバーブレススノーグローブ

重量:205g
素材:
アウター表:70デニール4WAYストレッチナイロンタフタ
アウター裏:20デニールポリエステルニット
中間層:エバーブレス®メンブレン
グリップ:牛革
インナー表:ポリエステル94%、ポリウレタン6%
インナー裏:ポリエステル100%