COCOHELI 山岳遭難対策制度(ココヘリ) 550万円までの捜索救助を実施 入会金1,100円OFFで申込む

山好き鞄職人が理想をカタチにした〈Vlaminck〉のバックパックから見る、ガレージブランドの底力とは?(2ページ目)

背負った時にわかる圧倒的な軽量感

ブラマンキザックを背負っている人
パッキングは下に軽いものを入れ、肩甲骨あたりの体に近い場所に重いものを入れるのが基本。
BLANCには、登山者が頭を悩ませなくても、この基本に沿ったパッキングができるような工夫がされています。

例えばテント泊装備の場合、底に収納するシュラフやテントはコンパクトになるものが多く、底が平らで広いと次に入れる重いギアたちも下にきてしまいがち。それを防ぐために、下部を斜めに狭くして少しでも上に重いものがくるようにしています。

底を斜めにすることは重心を上にするメリットだけでなく、下りの大きな段差で底面を擦りにくくなるため、バランスを崩しにくくなるのです。

ブラマンキザックを背負っている人
バックパックのカタチは逆台形。歩いた時に腕が当たりにくいだけでなく、正しくパッキングできた時に横ブレしにくくなります。

また、下部に向かって細くなる形状は、バックパックが膨らまずきれいなカタチを保つことが可能。本体も四角ではなくラウンド状になっており、パッキングをしたときに美しい背負姿になります。

ブラマンキのザック
BLANCの軽量感に欠かせないのが、「引き寄せ」の機能。ロールトップを止める役割の細引きをショルダーハーネスと連結させることで、背負心地の向上や肩への負担軽減に寄与します。
調整に慣れが必要ですが、BLANCの軽量感の実現に欠かせません。

引き寄せの場所も前側(背中の反対側)から引っ張ることでカラダへのフィット感を向上させます。

ショルダーハーネスの厚みはグレゴリーやカリマーの大型ザックのような肉厚タイプなので、軽量バックパックを背負って肩が痛くなる人にも、ぜひ試してもらいたいバックパックです。

ブラマンキのザック
カラダに触れるヒップベルトと背面メッシュは異なる素材を採用。
ヒップベルト部分は肉厚ですべりにくい素材を使っており、左右にカラダを振ってもズレにくく、しっかりと荷重を腰に乗せてくれます。背面のメッシュは抗菌仕様で汗対策もバッチリ。

必要な機能だけだから、見た目も美しい

ブラマンキのザック
「必要だと思ったものを必要な部分に配置しただけなので、正直前側はデザインしていないんです。なので、リリースした時は売れるのか心配でした(笑)」
と新屋さんはBLANCのデザインについて語ります。

バックパックの強さを出すため、素材は強度のあるコーデュラナイロンを採用。クラシックな見た目のBLANCにピッタリの質感です。

slider image
slider image
slider image
slider image
{"pagination":"true","pagination_type":"bullets","autoplay":"true","autoplay_speed":"3000","direction":"horizontal","auto_stop":"false","speed":"300","animation":"slide","vertical_height":"","autoheight":"false","space_between":"0","loop":"true"}

左右大きさ違いのメッシュポケットは大きいほうにウェア類、小さいほうに水筒など、形状からそこに入れるものが想像しやすくなっています。決まった部分に荷物を入れておくことで、「あれ?どこにいったかな?」なんて無駄な時間を減らすことも可能です。

ショルダーハーネスには歩行時に親指をかけておくループもあるので、楽に歩けますよ。

slider image
slider image
{"pagination":"true","pagination_type":"bullets","autoplay":"true","autoplay_speed":"3000","direction":"horizontal","auto_stop":"false","speed":"300","animation":"slide","vertical_height":"","autoheight":"false","space_between":"0","loop":"true"}

ヒップベルトのポケットは大型で、行動食やスマートフォンを入れるのにピッタリ。

ブラマンキザックに荷物を入れている
前側には、バックパック内にアクセスできる大きなチャックがついており、スムーズに荷物の出し入れができます。

よく使うものを右側(距離が短いほう)に入れおくと、出し入れが楽です。

快適に山を楽しむための道具づくりに挑んでいく

ブラマンキのザック
Vlaminckのロゴは、登山ブランドには珍しい「ミシン」をモチーフにしたデザイン。

「ミシンはベタだなって、最初は思っていたんです。やっぱり山なので三角っぽいデザインにしようと思っていたんですけど、最終オーダーの直前にやっぱりこっちだなって変更しました。結果、自分の原点である職人というものを表せたと思います」

ミシンの上には旗と登山者が描かれています。そこにはこんな思いが込められていました。

「自分の人生において仕事や職人であるということが9割で、残りの1割が遊びなんです。でも、仕事よりも遊びである登山が上ということを表しています」

職人として、確かな技術でものづくりをしつつ、遊び手としての気持ちを大切にしている新屋さんらしいブランドの姿勢です。

機能性と軽量性を両立させる

ブラマンキの取材の様子
「開発に時間をかけたのは、表のデザインではなく背中側の機能や全体の形状。ルックスや重量については重視せず、あくまでも軽量感を作り出すことを大切にしています。

ある意味バックパックは命を預かると言っても過言ではないので、デザインや重量だけがフォーカスされる昨今の傾向にとても不安を覚えました」

一見奇抜にも見えるデザインは、自身もアウトドアを楽しむ新屋さんが必要だと思ったものを落とし込んだ必要最低限の機能。
また、重量を重視していないと言いながらも、縫製や不要なパーツを減らすための細かな工夫がデザインに落とし込まれています。

「父親が山好きで、それこそ母親が僕をおなかの中に抱えながら山に行ってる写真もあって(笑)。昔からアウトドアはやっていたので、そのころからフレーム入の無骨なデザインのバックパックが好きでした。

最近は素材の進化でフレームなしでも成立するものが増えてきましたけど、せっかく自分がつくるならしっかりしたものを作りたくて」

流行りのものではなく、自分の好みや信念が商品には反映されています。

職人としての確かな技術を発揮していく

ブラマンキの工房

ロゴのもととなったミシン

「鞄職人はそれなりの伝統技術をきちんと学んでなるものなので、いろいろガレージブランドがある中でも、作ることには絶対の自信を持っています

命を預かるといっても過言ではない、山の道具。確かな技術を持った人の商品であれば安心です。
Vlaminckのアイテムには、鞄職人としてのものづくりへの自信とアウトドア好きとしての道具への探究心が備わっています。

2021年11月末より、新たに「BLANC quatre」という40L (BLANCは60L)のバックパックのウェブオーダーを開始予定。
こちらもBLANC同様細かなところまで気が配られており、「軽量感」を感じられる仕上がりになっています。

まだ、若いブランドであるVlaminckが今後どのようになっていくのか、注目していきましょう。

Vlaminck HPVlaminck Instagram

この記事を読んでいる人にはこちらもおすすめ

2 / 2ページ