山をきれいに保つためにはどうすれば良い?クリーンアップ登山実施レポート

2021/08/18 更新

高尾山をきれいにするために「クリーンアップ活動」を行ったYAMA HACK編集部。今回の記事では、クリーンアップの様子と「どうすれば山のゴミを減らせるか?」というワークショップで出たアイディアをまとめました。


自然のためにできることってなんだろう?

山のごみ 登山やアウトドアの楽しさを発信しているYAMA HACK編集部。もちろん、自分たちもフィールドに出て、自然を楽しんでいます。
そんな時、ふと目に入ることがある「地面に落ちたゴミ」

動物が食べてしまったり、自然に還らず環境に負荷をあたえてしまったりなど、山にゴミが落ちていて良いことはありません。
また、ゴミで溢れた登山道や山頂なんて見たくないですよね?

麓から山頂まで。目につくたくさんのゴミたち

高尾山 アクセスの良さと魅力の多さから登山者やランナーだけでなく、観光目的の人たちにも人気がある高尾山。
たくさんの人がアウトドアにふれる機会を作るには絶好の場所ですが、残念なことにたくさんのゴミが捨てられているんです。

多くの人に登山やアウトドアを楽しんでほしい編集部としては、自然に触れる入口となるこのエリアをきれいにしたいと考えていました。

やってきました!クリーンアップ活動

高尾山クリーンアップ とにかく、行動あるのみ!というこで、高尾山エリアで定期的に清掃活動を行っているMt. TAKAO BASE CAMP(マウント高尾ベースキャンプ)さんと一緒にクリーンアップ活動を行いました。

今回のコースは下の通り

クリーンアップコース

Mt.TAKAO BASE CAMP→1号路→山頂→稲荷山→Mt.TAKAO BASE CAMP

上りは、多くの人が通る1号路を通り、ロープウェイやケーブルカー乗り場を通って山頂広場へ向かうコースです。下りは、1号路を通らない稲荷山コースを選択しました。

多くは”うっかり”ゴミ!だけど、そうじゃないものも……



ゴミは、可燃、ペットボトル、缶、ビン、包装プラスチック、古布、不燃の7つに分別しながら回収しました。
※分別方法は自治体により異なるため、事前に確認してください。
今回拾ったゴミの重さは下記の通りです。

▼可燃:約850g
▼ペットボトル:230g
▼缶:180g
▼ビン:180g
▼包装プラスチック:50g
▼古布:150g
▼不燃:150g

※アルミ缶の重さが350mlで約15g。500mlのペットボトルで約35g程度。
連休最終日で多くのゴミがあると思っていましたが、先にゴミ拾いをしている人がいたおかげか、予想よりは少ない印象。しかし、それでも山にあるべきでないゴミがたくさんありました。

圧倒的に多かった「塩分タブレット」



この日拾ったゴミで圧倒的に多かったのが、塩分補給のためのタブレットの包装。登山で失った塩分を補給するために食べるのは良いですが、ポケットに入れたと思ったゴミが入ってなかったり、落ちてしまったりしたのでしょうか。エリア問わず、たくさん目にしました。

塩分タブレットで補給することは大切ですが、ゴミ袋にゴミを入れるところまで油断しないようにしましょう。

マスクは感染対策としても、環境保護としても落とさないように

山のごみ マスクも、ポケットなどからうっかり落としてしまったものだと考えられます。

不織布と聞くと、「綿素材で自然に還りそう」と思われることもありますが、それは間違いです。多くの不織布マスクの素材はプラスチック由来のため、自然には還りません。そういった観点からも、マスクは落としてなくさないようにしましょう。

ポイ捨ては山でなくてもNG!必ず携帯灰皿を使いましょう。

山のごみ 麓の街にも山の中にも大量に落ちていたのが、タバコの吸い殻。

ポイ捨て自体ありえないことですが、山火事になる危険もあるので喫煙者のかたは必ず携帯灰皿を使ってください。また、喫煙は許可された場所でのみ行いましょう。

人が止まる場所はやはりゴミも多い



たくさんの人が休憩するベンチの周りは、ゴミが集中しやすいポイントです。
ベンチに忘れられたアメも、そこに放置されればゴミになります。うっかりがないよう、出発前に確認を忘れずに。

きれいな山を守るために、何ができるのだろうか?

高尾山クリーンアップ クリーンアップを行った後に、「高尾山に来る人がゴミを出さないようにするには?」というテーマで約1時間半ワークショップを実施しました。

そこで出たアイディアの一部をご紹介します。

強制ではなく、自発的にやりたくなることが大切

高尾山クリーンアップ
編集部大迫
タバコの吸い殻のような意識的に捨てられているゴミもあったけど、塩分タブレットのような無意識で落としてしまったゴミが多かったですね。

編集部村岡
そこは分けて考えてないとね。

例えば無意識に落としてしまったパターンの対策だと、出発する時にゴミを落としていないか楽しく確認できる方法があれば良いよね。キャッチコピーとか作って。

編集部浅野
575(ごーしちご)だったり、子供が楽しんでできるようなことがいいですね。

編集部村岡
ベンチのところに天狗が吹き出しで「ゴミ大丈夫?」とか言っているとおもしろいし、説教臭くなくて良い。ちょっとで良いから、目に入ることが大事

MTBC 堀
確かに。忘れ物がないかを振り返ることはあっても、ゴミを落としていないかで振り返ることはないですね。

そういうアクションを広げていけたら楽しくゴミを落とさない雰囲気を作れそうです。

編集部荻原
あとはゴミ拾いアプリみたいなもので、楽しんでできると良いよね。

編集部大迫
高尾山に訪れる人みんながやりたくなるような雰囲気や仕組みづくりが必要ですね。強制的にやらせるのではなく、自分からやりたくなってもらうことがポイントです。

「山でゴミが捨てられない」ということは常識ではない?

高尾山クリーンアップ
編集部宮下
登山者からすると「山にゴミを捨てる場所がない」っていうのは普通ですが、これって意外と知らない人多いんじゃないですか?

編集部川尻
そうそう。登山初心者からすると驚くポイントだよね。私自身が初心者だったころもそうだったし、最近友達を山に連れて行く時にも驚かれる。

編集部浅野
アウトドアをやっている人だと当たり前でも、そうじゃない人からすると当たり前じゃないっていう部分は、忘れてしまいがちですがとても大切な視点ですね。

編集部荻原
高尾山って電車で来る人も多そうだから、駅や電車に「山の中にゴミを捨てるところがないこと」を伝えるための広告があると良さそう。

編集部宮下
山に来る途中で、自然と目にしているっていうのは大切なポイントです。

小さなことでも続けて積み重ねよう

編集部大迫
いろいろ面白いアイディアがでたけど、行動しないと何も変わりません。山のゴミを減らすためにどういうことだったらできますかね?

編集部宮下
マイボトルを使う!山でゴミになりそうなものを少しでも持ち込まない工夫が大事だと思います。

編集部川尻
やっぱりマイボトルは絶対だよね。登山者だったらみんな何かしらの水筒とかボトルは持ってそうだし、それを普段から使うだけでも変わると思う。

MTBC 内田
Mt. TAKAO BASE CAMPもmymizu(マイミズ※1) の給水スポットにもなっているので、マイボトルを持ってそういうのも活用してほしいです。

あと、給水ボトルのレンタルを行うことでmymizuみたいなサービスをドンドン使ってもらえるようにしたいです。

※1)mymizuとは、使い捨てプラスチック消費を減らすことなどを目的としたプラットフォーム。アプリで給水できるスポット情報の提供などを行っている。
編集部大迫
mymizuのアプリはマイボトラーには本当に助かります。

まだまだ色々知られていないことってたくさんあると思うので、そういったことを知るきっかけをYAMA HACKでも発信しないといけないと、改めて感じました。

あと、小さくてもいいからまずはできることをやるのが大切。やるといろんなことがドンドン見えてきます。

MTBC 堀
クリーンアップを続けることもそうですが、そこでどれくらいゴミがあったかなどの情報を発信することもやっていきたいと思います。

編集部大迫
僕自身もそうですし、ゴミ拾いってやってみると宝探しみたいで面白いんですよね。いろんな角度で情報を発信し続けることで、高尾はもちろんいろんなフィールドをあるべき美しさを保つ活動につなげていきましょう。

クリーンアップという山の楽しみかたを

高尾山クリーンアップ 今回ご協力いただいた、Mt. TAKAO BASE CAMPの2人に今後のクリーンアップ活動について聞いてみました。

クリーンアップで自然を楽しむ輪を作っていく

高尾山クリーンアップ
MTBC 内田
今日のクリーンアップとワークショップを通じて、高尾というエリアでは「当たり前と思っていることがそうじゃないこともある」ということを思い出しました。

今後何か企画を考える時、ここに来る人たちは「それぞれ知っていることのベースが違う」ということを意識して、いろんなことをやっていきます。

MTBC 堀
普段からクリーンアップ活動している人たちは、活動を通じて仲良くなってきています。理想は私たちがいなくても、お客さん同士でつながって、活動が拡がっていくのが理想です。なので、今後もクリーンアップなどの活動を通じて、リアルな情報を発信します。クリーンアップ

自分たちが遊ぶフィールドを守っていく行動を

山のごみ 本来、山にないはずのゴミを探しながら歩いていると、どこにゴミがよく落ちているのかなどのゴミに関することだけでなく、足元の植物や虫などにもよく気づくようになりました。

またクリーンアップ活動自体、なんだか宝探しをしているようでとても楽しかったです。
クリーンアップに興味がある人は活動に参加してみたり、それが難しい人はマイボトルを使うようにしてみたりと、まずはできる行動を続けてみましょう。

Mt. TAKAO BASE CAMPで行われるクリーンアップ活動情報はHPやSNSで発信されます。気になるかたはチェックしてみてください。

Mt. TAKAO BASE CAMPInstagramアカウント

ゴミ拾いのアイテム紹介

高尾山クリーンアップ 左はミニサイズのトング。手で掴むのに抵抗がある時に便利です。
右の袋はモンベルから発売されているゴミを入れられる袋。こういったものを持っていると、ゴミをまとめられるので大変便利です。
モンベル O.D.ガベッジバッグ4L

Mt. TAKAO BASE CAMPでのゴミを減らすための取り組み

最後にMt. TAKAO BASE CAMPでのさまざまな取り組みを見ていきましょう。

■シェアボックス

高尾山クリーンアップ スタッフがそれぞれ要らなくなった服を持ち寄ります。山に行くための動きやすい服がほしい時や泊まる時のパジャマとしてなど、個人で使わなくなったものをスタッフ同士でで使うような仕組みがあります。

■mymizu(マイミズ)

マウント高尾ベースキャンプ 世界20万箇所から無料で給水できるポイントを紹介したアプリ。上手に活用することで美味しい水が飲めるだけでなく、飲料代の節約が可能です。
mymizuについてもっと知りたい■繰り返し使えるストロー

高尾山クリーンアップ プラスチック製のストローではなく、何度も使用可能なステンレス製のストローがカフェで使用されています。ストローも冷えているので、冷たい飲み物もより一層美味しく感じました。

取材協力:Mt. TAKAO BASE CAMP

\ この記事の感想を教えてください /
GOOD! BAD

関連する記事

関連する山行記録 byヤマレコ

山のごみ
この記事が気に入ったら
「いいね!」をしよう
YAMA HACK編集部

YAMA HACK運営&記事編集担当。登山をきっかけに自然の力に魅了される。山で飲むコーヒーが大好き。何かあれば必ず山に行き、心身共に整える。山について新しい視点を与えられるような記事作りを心がけて日々執筆活動を行う。

登山専用コミュニティサイト「ヤマレコ」