◯泊◯日で◯◯山に行くとしたら…。登山者4名の「ザックの中身」を大解剖!

2021/07/29 更新

「あのザック、何が入ってるの?」……とすれ違う登山者を見て思ったことはありませんか? 今回は4名のまったく違うスタイルの登山者に「ザックの中身」を披露してもらいました。同じ1泊2日でも小屋泊とテント泊、街を経由するロングトレイル歩きと無補給アルプス縦走とでは、どれくらい荷物に違いはあるの?!

アイキャッチ画像:PIXTA

たとえば◯◯岳に登るなら……。あなたは何を持っていく?

登山荷物イメージ
出典:PIXTA
同じ山に行くのでも、山行日程(日帰り・小屋泊・テント泊)や登山スタイルによって「ザックの中身」は大きく変わります。登山をしている時に「あの人のザックの中身って何が入っているんだろう……」と気になったことはありませんか?

今回は、山行スタイルの異なる4名の登山者にどの大きさのザックで何を持っていく?のモデルプランをインタビュー。その装備や山行を選んだ理由やこだわりの携行品を教えてもらいました。さっそくみなさんのザックをのぞいてみましょう!

38Lで1泊2日小屋泊|大好きな山小屋で快適に過ごす

yama_jyo_saoriさん
提供:@yama_jyo_saoriさん
都内で働く@yama_jyo_saoriさん。山へは日頃のリフレッシュに行くため、1泊2日の小屋泊でのんびり過ごすのが基本スタイル。日帰りでは味わえない山での夕焼け、星空、朝焼けを見るのが醍醐味だそうです。

燕山荘を選んだのは、小屋から見える夕焼けに赤く染まった燕岳に涙が出るほど感動したからといいます。小屋ではリラックスできるのか、夕飯ではつい炊きたての白米を2〜3杯もおかわりしてしまうのだとか。

今回のザックの中身には、山小屋で快適に過ごすヒントが詰まっていました。

38Lのザックの中身は…

yama_jyo_saoriさん荷物
提供:@yama_jyo_saoriさん
使用しているザックはオスプレー/ケストレル38。38Lであれば、今回の1泊2日小屋泊としては一般的なサイズです。

 
衣類個数
レインウェア(上下)1
フリースジャケット1
ダウンジャケット&パンツ1
Tシャツ1
靴下1
インナーウェア1
タイツ1
手袋/帽子各1
宿泊個数
インナーシュラフ1
1
カメラ関係個数
カメラ本体1
レンズ1
食品個数
携行食1食分
飲料水1.5L
小物類個数
ヘッドライト1
モバイルバッテリー1
ファーストエイドキット1
タオル・手ぬぐいなど1
洗面具・メイクなど1
保温ボトル1
コンパス1
サングラス1
ティッシュペーパー1
ウェットティッシュ(除菌ティッシュ)1
地図1
筆記用具1
熊鈴/ホイッスル各1
日焼け止め1
ゴミ袋1

こだわり①|締め付けNO!部屋着代わりの「メリノウール上下」

メリノウール
提供:@yama_jyo_saoriさん
登山中に履いている機能性タイツの締め付けからの解放と冷えの防止のため、小屋に着いたらすぐにメリノウールのインナーに着替え。肌に触れた時のさらさら、ふわふわした着心地がお気に入りで、夏は涼しく、冬は暖かく保ってくれるので1年中着ているとのことです。

こだわり②|安心の清潔感!「シルクライナー&エアー枕」

インナーシーツ エアー枕
提供:@yama_jyo_saoriさん
山小屋の寝具は共用のため、やはり気になるもの。肌に触れるシーツ部分はシルクライナー(インナーシュラフ)、顔周りはエアー枕を持参することで安心してぐっすり眠るそうです。

こだわり③|乾燥対策も怠らず!「枕元の保温ボトル」

乾燥対策水筒
提供:@yama_jyo_saoriさん
小屋では空気が乾燥しやすいので、寝るときはお湯を入れた山専ボトルを枕元において、起きてすぐ飲めるように。保温ボトルなので、朝起きて寒い時にもすぐに温かいお湯が飲めるお助けギアです。

70Lで1泊2日テント泊|山だ!酒だ!宴会だ!の食料歩荷派

@yuji_campさん
提供:@yuji_campさん
都内勤務会社員の@yuji_campさん。休日仲間に山でおいしいごはんとお酒を振る舞って楽しむのが、山を登る目的のひとつ。毎回テーマを決めた山メシを用意するのが楽しみとのこと。

先ほどの@yama_jyo_saoriさんが同じ1泊2日だったのに対し、なんと70Lの大型ザックを背負い、八ヶ岳にある「青年小屋」のテント場に行くといいます。

理由は大量の食材やお酒。毎回総重量は19kgを超えるそう。「遠い飲み屋」の異名を持つ小屋で山仲間に「ふるまい」をするのが、大きなザックの秘密でした。

70Lのザックの中身は…

@yuji_campさんの荷物
提供:@yuji_campさん
モンベル/エクスペディションパック 70Lとテント泊とはいえ、1泊2日の山行で使用するにはかなりの大型サイズ。いったい何が入っているのでしょうか?
衣類個数
レインウェア(上下)1
Tシャツ1
靴下1
インナーウェア1
タイツ1
手袋/帽子各1
レインポンチョ1
ソフトシェルジャケット1
宿泊個数
テント(ペグ、ガイラインなど含む)1
寝袋1
シュラフカバー1
シュラフマット1
1
カメラ関係個数
カメラ本体1
レンズ1
三脚/自撮り棒各1
ゴープロ1
食品・飲料個数
食料3食分
携行食3食分
飲料水3.5L
粉末ドリンク4
缶ビール1
ペットボトルに移し替えた酒類1.3L
調理器具個数
クッカー3
バーナー2
カトラリー(箸)1
ガス缶2
マグカップ1
水筒(ハイドレーション含む)2
ナイフ1
保冷バッグ2
トング・お玉など3
ティーポット1
調味料セット1
小物類個数
ヘッドライト2
モバイルバッテリー/予備電池3
ファーストエイドキット1
タオル・手ぬぐいなど1
洗面具・メイクなど1
ライター1
コンパス1
サングラス1
ティッシュペーパー/ウェットティッシュ各1
トレッキングポール1
地図1
筆記用具1
熊鈴/ホイッスル各1
日焼け止め1
携帯トイレ1
ゴミ袋1
ハンドライト1
リペア用ダクトテープ&シート各1
エマージェンシーシート1

こだわり①|安定感抜群!「CB缶用ストーブ」

SOTOバーナー SOTOバーナー
提供:@yuji_campさん
同行者への「ふるまい」は大量の食材を使って大きな鍋で料理をすることが多く、低重心の五徳だと大きな鍋でも安定しやすいそう。またOD缶より安価なCB缶が使えるバナーの方が経済的。

そのため「SOTO/レギュレーターストーブ FUSION」を携行しています。安定感があるので料理の取り分けがしやすかったり、鍋を火にかけたまま、他の調理ができるのもいいとのことです。

30Lで7泊8日テント泊|軽量化命!のロングトレイル歩き

@amy.misatoさん
提供:@amy.misatoさん
福井在住の専門職@amy.misatoさん。休日はULハイカーとしてフットワーク軽く登山を楽しんでいます。

過去にみちのく潮風ロングトレイルを1人で歩いたときは、80Lのザックが「念のため」と持っていった荷物でいっぱいになり、なんと20kg以上もの重さがあったそう。そのときのつらい経験が軽量化を目指すきっかけになったといいます。もう一度あの道を軽やかに歩きたいと、軽量化に特化したパッキングを目指しました。

とはいえ、ザックの中はただ軽量化しているだけではなく、“テンションが上がる”ギアもあり、ロングトレイルを楽しむ工夫があります。

30Lのザックの中身は…

ザックの中身
提供:@amy.misatoさん
ザックはULギアブランドとして知られるOGAWAND/アクペリエンス。実はこのザックは15〜30Lの可変式。それに約0.9Lの「山と道/Zip Pack」 を側面に装着します。なのでおおよそ30L程度。

80Lから30Lへの減量はすごいですね!
衣類個数
レインウェア(上下)1
フリースジャケット1
Tシャツ3
靴下2
インナーウェア2
帽子1
ウィンドシェル1
シェル(上下)1
宿泊個数
テント(ペグ、ガイラインなど含む)1
寝袋1
シュラフマット1
食品・飲料個数
食料※現地調達あり2食分
携行食8食分
飲料水1L
調理器具個数
クッカー2
バーナー/アルコールストーブ各1
カトラリー(箸)1
ガス缶/アルコールボトル各1
マグカップ1
水筒(ハイドレーション含む)1
ナイフ1
五徳・風防1
カッティングボード1
小物類個数
ヘッドライト1
モバイルバッテリー1
ファーストエイドキット1
タオル・手ぬぐいなど1
洗面具・メイク用品など1
ライター1
コンパス1
サングラス1
ティッシュペーパー/ウェットティッシュ各1
トレッキングポール1
サンダル1
折りたたみ傘1
地図1
筆記用具1
熊鈴1
日焼け止め1
ゴミ袋1
ストラップ1
メモ用紙3
洗濯バサミ・細引き1
ハッカ油1

こだわり①|「折った歯ブラシ、短い鉛筆」で無駄を削る

折った歯ブラシと鉛筆
提供:@amy.misatoさん
スタッフサックに洋服を入れて座布団や枕にしたりと、複数の機能をギアに持たせることが多いULスタイル。それでもさらなる減量をと、歯ブラシの柄を切り、鉛筆を短くすることで、1g単位で軽量化していきます。

こだわり②|「折りたたみ傘」を使い、ツェルトに前室をプラス

ツェルトと傘
提供:@amy.misatoさん
設営したツェルトのポールにストラップで折りたたみ傘を固定するだけで前室ができるというアイデア。雨の日の出入りがラクになる上に、お気に入りの柄が無機質なツェルトに加わるだけで、雨でもテンションが上がるそうです。また、長期のトレイル山行では雨に降られる確率も高く、傘があるだけで安心。歩行中も使える一石二鳥のギアです。

こだわり③|着替えは最低限!気になるニオイは「ハッカ油」でごまかす

着替えとハッカ油
提供:@amy.misatoさん
7泊8日でも着替えは2着(写真のうち1枚は行動中に着用)。1着につき約3~4日間も着っぱなしとなるので、やはりニオイは気になります。防臭・防虫も兼ねて「ハッカ油」を服にかけることで、ニオイ軽減&清涼感が得られるとのこと。

85Lで3泊4日テント泊|無補給で挑む、南アルプス縦走

and_wanderさん
提供:@and_wanderさん
長野県塩尻在住の会社員@and_wanderさん。グループでもソロでも安全を考慮した重装備で、険しい道を確実に進むのが彼の山行スタイルです。

いつか行きたいと思っていた、山頂までのアプローチが長く、途中の補給が難しい南アルプスを今回は想定しました。今までの3名とは違った、過酷な山行だからこそ身体を気遣うギアが詰め込まれていました。

85Lのザックの中身は…

@and_wanderさん荷物
提供:@and_wanderさん
今回登場したザックの中では最も大きなグレゴリー/バルトロ85L/span>」。3泊4日と縦走としては少し長めではありますが、@amy.misatoさんの7泊8日に比べると半分の日程。

この容量の大きさには「無補給」「南アルプスの稜線歩き」というリスクヘッジが含まれているようです。
衣類個数
レインウェア(上下)1
ダウンジャケット&パンツ1
Tシャツ4
靴下3
インナーウェア3
タイツ1
手袋/帽子各1
アームカバー3
宿泊個数
テント(ペグ、ガイラインなど含む)1
寝袋1
シュラフマット1
インナーシュラフ1
1
エマージェンシーシート1
カメラ関係個数
カメラ本体1
レンズ2
三脚/カメラホルスター各1
バッテリー3
食品・飲料個数
食料5食分
携行食4食分
飲料水4.5L
プロテイン類5
調理器具個数
クッカー1
バーナー1
カトラリー(箸)1
ガス缶1
マグカップ1
水筒(ハイドレーション含む)2
ナイフ1
小物類個数
ヘッドライト1
モバイルバッテリー1
ファーストエイドキット1
タオル・手ぬぐいなど1
洗面具・メイクなど1
ライター1
コンパス1
サングラス1
ティッシュペーパー/ウェットティッシュ各1
トレッキングポール1
サンダル1
地図(マップケース含む)1
筆記用具1
熊鈴/ホイッスル各1
日焼け止め1
携帯トイレ1
浄水器1
ゴミ袋1
細引き1
古新聞1

こだわり①無補給登山の必需品!「携帯浄水器」

ソーヤーミニ
提供:@and_wanderさん
小屋までの道のりが遠く、水を補給することができないルートでは、携帯浄水器の「ソーヤーミニ」を使い、沢の水から飲料水を確保しています。生水をそのまま飲む行為にはお腹をこわす危険性があり、遭難リスクも高くなるため絶対にやらないそう。もし浄水器を忘れたら、その日の山行は中止にするくらい大切なギアとのことでした。

こだわり②|「乾燥野菜とプロテイン」で栄養を確保し、安全登山

食料
提供:@and_wanderさん
以前の山行ではカロリーを重視して炭水化物ばかりを食べていたため、肌や爪がボロボロに……。その教訓を踏まえ、無補給山行ではとにかく栄養が取れるものを重視してセレクト。
朝食にはカロリーメイトと行動食にもなるグラノーラ。グラノーラは牛乳代わりにプロテインを入ることでタンパク質を十分に補います。夕食は乾燥野菜を使ったラーメンやカレーでビタミン類もバランス良く摂取できるよう工夫しています。

あなたは〇〇の山へ行くなら何を持っていく?

荷物まとめ
出典:PIXTA
山小屋泊、宴会テント泊、ULロングトレイル、無補給重装備登山の4パターンの「ザックの中身」。それぞれの山行スタイルに適した、快適に、楽しく、安全に過ごすためのヒントを発見することができました。

この4名のスタイルはあくまでも一例。次の山行、あなたならザックに何を詰めていきますか? 登る山やそこで起こりうることを想像しながら、荷物の足し算引き算を考えることも、山の楽しみのひとつ。その過程もぜひ楽しんでくださいね!

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hayashiyuki

登山をこよなく愛する30代前半の人。日本山岳会に属しながらもゆるゆるULハイカー風。ただ、本当はULハイカーではなく、軽くなった分、焼き肉の鉄板とステーキと生米を入れて歩く、中身の詰まったULハイカー。 登山情報とたまの山めし情報を発信中。 https://www.instagram.com/mt.yuki_f/

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