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シンプルなデザインと優れたクッション性が話題の<On>

シューズデザインのアイコンであり、機能の核といえるのが「クラウドテック」と呼ばれる独特のソール形状。

<On>のシューズを体験した人たちからは、「雲の上を走っているようだ」と言われる優れたクッション性を発揮。足に、いつまでも快適さを提供してくれます。

新作「クラウドウルトラ」は長距離、長時間対応のトレイルシューズ!

それは<On>らしさであり、ガードをゴテゴテと装着していないので、いかにも軽やかな見た目。アッパーとソールの淡いイエローカラーは、ダーク系やナチュラル系カラーが多いハイキングパンツにもよく似合いそう。トレイルランナーやスピードハイカーなら、ショーツの足元にアクセントとなり、カラフルなジャケットやバックパックとも相性がよさそうです。
最大の特長は、高いクッション性を実現した2層構造のミッドソール

対してこの「クラウドウルトラ」は、長距離、長時間のトレイル移動を快適にすることを目的にしたシューズだそう。それを可能にしたのが、ブランド独自のクッションシステム「クラウドテック」の2層構造です。

これにより既存モデルの単層の穴よりも、足裏に掛かる圧力を幅広く受け止め、分散でき、足への負担を軽減してくれます。他のトレランシューズと履き比べてみると、特にカカト部の衝撃吸収性、フワフワ感は高めです。
トレイルを走って感じたのは、とにかくよくグリップすること!

そこで感じたのは、路面に対して吸い付くように接地する高いグリップ力です。雨天でのテストはできていませんが、前日に降った雨に濡れたトレイルでは、ズルッと滑るようなことは一度もありませんでした。
初めて履くシューズはどれほどのグリップ力があるかわからないので、恐る恐る動き出すのが常ですが、この「クラウドウルトラ」はすぐに安心してスピードを出せるほど、わかりやすくグリップしてくれます。
高グリップの理由は、パターン×溝×材質


アウトソールに使用されているラバーは、粘着性の高い素材。足裏全体が地面に吸い付くような感覚は、このラバーによるところも大きいと思われます。
とはいえ、この「クラウドウルトラ」を履けば絶対に滑らないかというと、そうではありません。滑りにくい機能を活かす、足裏全体を地面に着地させる足運びができてこそ効果を体感できるものです。
ローカットシューズにありがちな異物侵入を防止

でも「クラウドウルトラ」の履き口は、ソックスのように足首によくフィットする形状。少しくらいドタバタ走り、歩いても、異物が入ってくることはありませんでした。長時間、長距離移動の際、ストレスが軽減されることは間違いありません。
しなやかなアッパーが、ソックス状のソフトなインナーを包み込む

また細いシューレースはベロが薄いと甲に食い込み、ヒドい場合には痛みが出ることもありますが、このインナーは厚みとクッション性があるので、シューレースのあたりをまったく感じません。

足幅の広い私は、履きはじめ、側面に配されたガードに少し締めつけられている感覚がありました。しかし2~3日履き込んでいくうちに、アッパーの生地が足に馴染み、足とシューズの一体感がさらにアップ。締めつけ感も気にならなくなりました。
でも、ちょっと履きにくいことは事実・・・・・・

通常のシューズよりも履き口が狭いので、履くのがやや手間です。とはいえ、異物侵入を防ぎ、足とよくフィットするプラス点を考えれば、これくらいの手間は許容範囲。
と、感じていたのですが、さらに履き込んでいると、履き口がしなやかになり、まさにソックスのようにすんなり着脱できるようになってきました!
意外と硬めの走行感とその理由

高いクッション性が特長のため、厚底シューズのような路面から浮くような走行感を想像していたので少し意外でした。

反発力を生む内蔵プレートがカギ

近年、ランニングシューズで流行している厚底ソール+カーボンプレート同様に、この「クラウドウルトラ」は、クラウドテックの高いクッション力を備えたミッドソールに樹脂製プレートを組み合わせることで、足が受ける衝撃をやわらかく受け止め、その力を樹脂製プレートの反発力で推進力に変えているようです。
実際につま先を支点にシューズを曲げようと押してみると、明らかに多くのトレランシューズよりも硬いのです。しかも力を緩めると跳ね返りも強め。

トレイルの下りでは、跳ねるように駆けおりていくこともあるので、カカト部から中足部の2層構造のクッション機能を、もう少し前、足の付け根部まで延長してもらえると、さらに足の負担が減ると感じました。
ですが、長時間、長距離を走る際には、細かい足運びや足裏全体で着地することが基本。そこまでは必要ないだろうと、開発者は判断したのかもしれません。
プレートの硬さは、重い荷物を背負うハイカーに恩恵あり


スタイルはローカットのトレランシューズですが、ミッドカットのトレッキングシューズ同様のソールの硬さがあり、しかもトレッキングシューズにはない反発力を備えています。重い荷物を背負っていても、足裏の疲労は軽く、前に進む推進力を得てラクに移動できそうです。
他にも細かいけれど、機能的なアイデアを装備

あらかじめ回転させて締め込んでおけば、移動中に疲労で足がムクんできた際、パーツを回転させてシューレースをサッとユルめることができます。反対に下りなどで足のブレを防ぎたいと感じた際は、パーツを締め込む方向に回転させ、瞬時にフィット感を変更できるのです。
ベテランがやっているシューレースの処理も簡単

見た目がすっきりとするだけでなく、ランナーとしてそしてハイカーとして、きちんとしている感も演出できるでしょう。
性格を知って、より快適なトレイルシューズに

このプレートは中央付近が細めに成型されていて、プレートをねじれやすくすることで、裸足の時のように前足部とカカト部を独立して動かせ、足の持つ力を発揮できるようになっています。
快適さを得るまで、慣らし期間が必要かも

なぜなら普段通りに足を動かしているのに、普段以上に足を動かせてしまうからです。だから、「クラウドウルトラ」に足が慣れ、筋肉が順応する慣らし期間が必要に思えます。

シンプルさとスタイリッシュな見た目に反して、足の力をサポートし、最大化する機能性の高さが魅力。その恩恵を受けるために、さらに履き込んで、私の足を「クラウドウルトラ」に馴染ませたい!そう思わせるシューズです。
それでは皆さん、よい山旅を!
