自然と一体になれるテント『ヘネシーハンモック/エクスペディション2.5』|定番道具のモノ語り#3

2020/11/11 更新

質実剛健、丈夫さが必要な機能である山道具。だからこそ発売から10年以上も経つ道具や、10年以上問題なく使い続けられる定番の山道具があります。そんな山道具の中から、ライターPONCHOが愛用してきたモノを紹介。今回は第3回、2004年頃に購入したヘネシーハンモック社のエクスペディション2.5について。


アイキャッチ画像:PONCHO
質実剛健、丈夫さが必要な機能である山道具。だからこそ発売から10年以上も経つ道具や、10年以上問題なく使い続けられる定番の山道具があります。

そんな山道具の中から、ライターPONCHOが愛用してきたモノを紹介。

今回は第3回、2004年に購入したヘネシーハンモック社の『エクスペディション2.5』について。

歩き旅、ロングトレイルで愛用者の多いハンモックテント

撮影:PONCHO ※2004年に購入したヘネシーハンモック/エクスペディション2.5
ハンモックというと、キャンプやリゾート地で木陰に吊って、昼寝を楽しむモノ。そんなイメージが強いかもしれません。

でも、上の写真のようなタープと蚊帳、ハンモックで構成されるハンモックテント、そして下の写真のような重さわずか150g程からある超軽量ハンモックは、欧米のロングトレイル=長距離自然歩道を歩くハイカーから広まり、愛用されている“歩き旅のための寝床”であり、“休憩用のチェア&ソファー”です。

撮影:PONCHO ※エクスペド/トラベルハンモックプラス
そんなハイカー用のハンモックの中で、私はスイスのアウトドアブランド<エクスペド>の超軽量ハンモックをハイキングで愛用していて、YAMAHACKでは「山ハンモックのススメ」という記事を書きました。

この記事では、ハイキング途中の休憩、またはハンモックでのんびりと山を味わうことを目的にしたハイキングの楽しみ方をまとめています。


また、ハンモックテントの元祖である『ヘネシーハンモック/エクスペディション2.5』も2004年から所有。このハンモックテントでキャンプをすることから、私の“山ハンモック”ははじまりました。

ヘネシーハンモックの特長

撮影:PONCHO
ヘネシーハンモックはカナダのメーカーで、1999年に創業。日本での取り扱いは、アウトドアショップのエイアンドエフが2003年から行なっています。

ちょうど2000年代中頃は、ウルトラライト=ULハイキングを日本でも実践する人が出てきたタイミングでした。

そしてヘネシーハンモックがロングトレイルを行くハイカーに愛用された軽量なハンモックテントだったこともあり、当初はギア好きでもあるULハイカーから注目を集めました。

道具好きにはたまらないギミック

撮影:PONCHO
しかし私がヘネシーハンモックを購入した理由は、UL道具だからということではありませんでした。

自立式山岳テントの重さが1,500g前後。当時のヘネシーハンモック最軽量ハンモックテントが860g、私が手に入れたエクスペディション2.5でも1,130g。確かに、軽量コンパクトさは魅力のひとつです。

でも軽量コンパクトさ以上に、私はヘネシーハンモックの道具としての唯一無二性に惹かれました

まず3~5mの樹間に吊るすため、「地面のデコボコ」「傾斜」「ぬかるみ」を気にせずに済む快適さは、当然ながらテントとはまるで違うもの。

通常のハンモックと違い、蚊帳となるバグネットに覆われているので、虫に襲われる煩わしさもありません。背中側から生地を通して蚊に刺されることがあるという人もいましたが、私はマットを敷いて寝ていることもあり皆無。

なにより気に入ったのが、ハンモック本体下部に設けられた細長い開口部=スリットから出入りし、寝転ぶと自動的に閉まるギミック。この道具を使う人にワクワクを与えてくれる、最高の仕様です。蚊を内部に侵入させずらくするためのデザインが、恐らく意図せず、この道具に遊び心を宿しています。

使い込んで気付いたこと

撮影:PONCHO
エクスペディション2.5を購入し、キャンプで使い、自転車やカヤックツーリングで使い、さらに気が付いたことがあります。

それまで使ってきた山岳テントをはじめとするアウトドア道具は、自然の厳しさから自分を守るものでした。

でもヘネシーハンモックは、自然の厳しさ、そしてやさしさを感じる道具でした。自然に挑むための道具ではなく、自然と一体になれる道具でした。


自然との一体感

撮影:PONCHO
一体感、それは、ヘネシーハンモックに寝転んだ時に見える景色から感じられます。

山岳テントでも、フライシートを外して空を見上げて眠ることはできるでしょう。でもハンモックテントなら、タープを外して美しい空を見上げ、ユラユラと揺られながら風を感じられます。生きているように踊る梢、静かにゆったり流れる雲、瞬きをする光を眺めていると、自然のリズムと同調していく自分に気付くのです。

風に揺られていると、自然への感度もアップするようです。

夜明け前からさえずりはじめる小鳥の鳴き声、夏であればハンモックテントの周囲すべてから蝉時雨が響き、自分の意識が森に溶けていくような感覚になります。

自然を体感することの先にある、自然と一体になれる感覚を、私はヘネシーハンモックで初めて経験しました。

山で使ったきっかけはハセツネ

撮影:PONCHO
キャンプやツーリングでは何度も寝泊まりしていたヘネシーハンモックでしたが、もし悪天候になったら・・・と躊躇していたのが、ハイキングでの使用でした。自分の経験値で、果たして山でもヘネシーハンモックを使いこなせるのか・・・自信がなかったのです。

それが制限時間24時間で71.5kmを完走する『日本山岳耐久レース』、通称『ハセツネ』に2004年秋に出場し、完走したことが自信となり、ヘネシーハンモックをテントに使った軽量装備でハイキングをしてみようと思えたのです。

ハセツネでは、山を移動するための最小限の装備で、20時間近くを移動。しかも真夜中の山中を歩き、走り続け、時にエマージェンシーシートに包まってトレイル脇に寝転んだりした経験は、1日で私の山の経験値を大きくアップさせました。

宇宙を浮遊しているような時間

双子池ヒュッテ・雌池
出典:PIXTA[双子池(雌池)] ※双子池ヒュッテ泊の北八ヶ岳ファストパッキング時には、軽量化のためカメラを持たなかった・・・
そうして2005年の夏、ヘネシーハンモックを装備した軽量ハイク、今風に言えばファストパッキングを試しに山に向かいました。北八ヶ岳・双子池ヒュッテの雌池の畔にあるテント場です。原生林に囲まれたその場所は、ハンモックを吊すのに最適だろうと思ったのです。

結果は、最高でした。

標高2,034mと高いこともあって、虫に悩まされることもありません。池の畔に吊り下げたヘネシーハンモックに寝転び、満点の星空と星空を映した水面を飽きることなく見続けました。

寝転んで、風に揺られながら星々を見ていると、宇宙を浮遊しているような感覚になりました。そこには、どこまでも静かで、いつまでも穏やかな時間が流れていました。

現行のヘネシーハンモックはさらに快適に!

撮影:PONCHO ※ヘネシーハンモック/ハイパーライトA-SYM ZIP
さて私が使っているエクスペディション2.5はすでに廃番です。現在、日本で取り扱われている中で近いモデルは『エクスペディションA-SYM ZIP』ですが、オススメは最軽量793gの『ハイパーライトA-SYM ZIP』です。

“A-SYM”とはハンモック形状がアシンメトリーを意味し、寝心地のよさをさらに向上させた形状のこと。ZIPは、ハンモック部と蚊帳部分をジッパーで開閉でき、出入りをしやすくしたモデルです。

ハンモック下部に設けられたにスリットから出入りするモデルの方が遊び心はありますが、日本では取り扱いなし。その代わりにソファーのように横座りがしやすく、ハンモック本体だけなら487gと軽量なので、デイハイクでも装備したくなるものです。

撮影:PONCHO
もしヘネシーハンモック、そしてハンモックテントで、今までよりもっと自然を感じてみたいと思ったら是非!

ヘネシーハンモック ハイパーライトA-SYM ZIPの詳細はこちら

それでは、よい山旅を!

紹介したアイテムはこちら

ITEM
ヘネシーハンモック ハイパーライトA-SYM ZIP
収納サイズ:16×28cm
重量:793g(ハンモック487g、フライ211g)
耐荷重:90kg
対応身長:180cmまで
付属品:ハンモック本体、ウェッピングストラップ(2本)、フライシート、スタッフバッグ
本体素材:30デニールハイテナシティーハイスレッドカウントナイロンタフタ(ヘビーデューティーリップストップ)
フライシート素材:20Dシリコンナイロン

ITEM
ヘネシーハンモック エクスペディションA-SYM ZIP
収納サイズ:20×32cm
重量:1160g
耐荷重:113kg
付属品:本体、ウェビングストラップ(2本)、フライシート、スタッフバッグ
本体素材:210デニールオックスフォードナイロン
フライシート素材:1.9オンス70デニールポリウレタンコーティングポリエステル



紹介されたアイテム

ヘネシーハンモック ハイパーライトA-S…
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ヘネシーハンモック エクスペディションA…
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PONCHO

登山、トレイルラン、自転車、キャンプ、旅をテーマに雑誌、WEBで企画、執筆する編集・ライター。低山ハイクとヨガをMixしたツアー・イベント『ちょい山CLUB』を妻と共に主催する山の案内人。

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