今年もやってきました、山の日!

2016年からはじまった「山の日」。今年は東京五輪が予定されていたため、毎年8月11日だった山の日が10日に移動し、3連休になりました。
今年はコロナ禍や長引く梅雨で例年のように山に行けずモヤモヤしている人も多いのではないでしょうか?
そんな中、家の中でテントを張ってみたり、「山の思い出」や「山への想い」をSNSなどでリレー形式で発信したりと、さまざまな山の楽しみ方が生まれました。特に、YAMA HACKでも取り上げた「#おうちで山談義」は多くの方が山の思い出を語って楽しんでいました。今回はYAMA HACK編集部5人が#おうちで山談義のように思い出の登山とそこで感じたことについて、語ってみます。
「こんな景色があったのか」と教えてくれた燕岳〈荻原〉
仕事柄、「思い出の山はどこですか?」と聞くことは多いのですが、自分が聞かれると正直困ってしまいますね(笑)。これまで登ったどの山もそれぞれに思い出があり、一つだけを選ぶのが難しいのですが・・・
なかでも、山頂からの景色を見たときの衝撃が大きかったのが、登山をはじめた4年前、北アルプスで最初に訪れた「燕岳」です。
それまで登っていた丹沢や奥多摩・奥秩父の山にもたくさん癒されましたが、北アルプスの壮大な景色は全くの別物でした。
目の前に広がる美しい山並みに圧倒されつつ、「こんな景色があったのか」と感動したのを覚えています。
「いつかあの山に登りたい」「あそこの稜線を歩きたい」そんなことを考えながら、沈んでいく夕日に長いあいだ見惚れていました。
燕岳での時間が、今も私を山に向かわせるきっかけになっているように思います。今年は無理かもしれませんが、いつか地方遠征もしたいです。
いくつもの”大変”を乗り越えて、成長を実感した立山〈川尻〉
“忘れられない思い出の山”と聞かれたら、YAMA HACK編集部メンバーで「立山」に行った、2泊3日の研修登山がまっさきに出てきます。
初めての3,000m級の山、初めてのテント泊、初めてのアイゼン歩行など、他にも私にとって”初めての体験”をたくさんさせてもらった山行です。
雪のまだ残る絶景に感動した事はもちろんですが、何より今まで味わったコトのない「達成感」をたくさん体験できた山行でした。
良いことばかりではなく、大変なこともたくさん・・・。本当に、たくさんありました(笑)。
ただその経験があったからこそ、よりリアルな登山者の悩みや疑問に寄り添えるようになったのではないかと、今ではこの経験をさせてもらったことに感謝しています。
山の絶景を見ることも楽しいですが、「誰と、どこに、どう登るのか」という事も私にとっては大事なポイントです。
大好きな仲間と登る山って、本当に楽しいですよね。
誰もが予想しなかったコロナウイルス、台風や洪水といった自然災害など、思うように山を楽しむことができない日々が続いています。
今年はコロナウイルスとうまく付き合いながら、ゆっくり自分のペースで山歩きを楽しみたいです!テン泊したい・・・。
登山ではなく、歩く「山旅」の魅力。4泊5日の信越トレイル〈村岡〉
北アルプスのような絶景はなく、写真のような山道を5日間かけて歩く「信越トレイル」。インスタ映えもしないし地味ですよね(苦笑)。
しかし、16の峠を越えながら長野と新潟の県境にある里山を約80km歩く、魅力たっぷりの日本の「ロングトレイル」です。
天水山からゴールの斑尾山までですれ違ったのは、3組のみ。4泊のうち3泊は、私のテント1張のみ。最初は不安で熊鈴を5割増で鳴らしながら歩いていました。
緊張感がほぐれたのは、2日目。人生初の「トレイルエンジェル」に出会ってからです。
トレイルエンジェルというのは、ハイカーをサポートしてくれるボランティアのこと。クーラーボックスには「水は足りていますか?(中略)この後も楽しいトレッキングを!」とあり、水が用意されていました。1人だけど独りではないんだ……と心強く、硬貨と引き換えに1本もらいました。
また、荷物をおろして休んでいたら、かわいい「トレイルエンジェル」も登場。
山岳大国の日本。静かに内省的な思索を深めたり、小さな出会いに心躍ったりできるロングトレイルがあることも、とても素敵なことなのではと思います。
今年は山行予定を組むのも一苦労ですが、「自分だけの喜びが見つかる山」を見つけるチャンスかなと。遅めの夏休みには、また静かなトレイルを歩こうと思います。
天国のような幻想的な世界、雲ノ平〈宮下〉
折立から入り、雲ノ平〜水晶岳〜鷲羽岳〜黒部吾郎岳へ行ってスタート地点に戻る、4泊5日プラン。
いざ!と意気揚々と登っていると、薬師沢小屋から雲ノ平の急登で豪雨。荷物の重みと急坂の岩場に、半ベソを掻きながら無心に登り続けました。