初めは土地の所有者から許可を得て始めた山の整備でしたが、その噂は瞬く間にご近所さんの間で広がり、”うちの土地もやってくれ”との声が続出しました。
次第に個人の活動では収まりきらなくなり、CLAMPのお客さんを中心に集まったメンバーの力を借りてその整備範囲を拡大。
現在は「トレイル整備&ライド」というCLAMPの月例イベントにまでなっています。
自立した活動を継続するために
活動が広がるにつれ、整備した山にポジティブな変化が。
それは、野生動物による獣害が軽減されたり、地域の避難場所としての活用が始まるなど、色々な形で地域貢献を果たすようになっていったのです。武村さんも、まさかこんな形で人の役に立つとは想像していなかったそう。
しかし、山の整備には人手が必要。地域の為にもなるとはいえ、ボランティア頼りでの継続は難しいという課題がありました。
「人員や機材の確保にはどうしてもお金が必要です。かといって補助金に頼っていては自立した活動とは呼べない。そこで、自立に向けた手段のひとつとしてCMMの開催を決めました。」
実際、大会で集まった収益金は森林整備の活動費用に充てられているそう。みんなで遊んで、地域のためにもなる。そんな理想的な仕組みを象徴するのがCMMなんです。
また、大会はこの活動によって整備されたトレイルが舞台。「自分たちで整備したトレイルを、自分たちで走る」という面白さを多くの人と共有できるのは、この上ない贅沢。みんなで大会を育てていくという感覚が非常に楽しそうです。
自分たちの遊び場作りをきっかけに始まった活動が次第に地域貢献になり、ついには世界的な山岳レースのお墨付きの大会へと繋がっていく。そんな展開は、誰も予想だにしなかったでしょう。
「CMMに参加したお子さんが、大きくなってOMMに参加するようになったら嬉しいですね。」
武村さんが思い描くそんな未来も現実のものになるかもしれません。
自転車屋じゃなくなる可能性だってある
「基本、受け身なんですよ。お客さんを初め、周りの人に求められた事をやってきて今がある。僕自身、もともとこだわりが強くあるわけじゃないですし、自転車屋じゃなくなる可能性だってあると思っています。」
非常に柔軟で、時局に合わせて刻々と変化しする活動は、自転車屋という一言で片付ける訳にはいきません。ここでは、その最新の活動の一端をご紹介しましょう。
CLAMP完全オリジナル<HAAAP!>
武村さんも着用しているこちらの<HAAAP!>は、CLAMP完全オリジナルのアイテム。前後にツバがあるスタイルのキャップはトレイルランナーに人気ですが、こちらはよりハットに近い形。深くかぶれて、サイドにまで達するツバが特徴です。
前後で長さが異なるツバは、サイクルキャップのように跳ね上げた状態でも着用可能。後ろのツバは首の日除けにもなります。自転車や釣り、トレッキングなど様々な遊びに対応できる汎用性の高い帽子が欲しいとの思いから誕生したアイテムです。
「完全にオリジナルで、市販品には無い形です。自転車のヘルメットの下にも被れます。普段使いにもおすすめです。」
今年の6月中旬には正式に登場予定。価格は6,930円(税込)で、現在予約受付中です。気になる方はお店までご連絡を!
気に入ったアイテムを長く使うための<リぺラボ>
「2018年にはリペアやカスタマイズを行う<リぺラボ>という部門を立ち上げました。CLAMPには服飾のプロが居るので、その力も借りてウェアやギアの修理・カスタムにも注力していきたいと思っています。」
リペアしながら長く使い、カスタムによってオリジナリティを出す。武村さんが目指すのは、そんな道具との付き合い方です。新しい製品を買い続けるというライフスタイルに違和感を感じている方への、一つの解答になるかもしれません。
「オンラインでウェアやギアが買えるのが当たり前の時代。それでもわざわざお店に足を運んでもらいたいので、CLAMP限定のアイテムや、カスタムのウェア・ギアを充実させていくつもりです。」
アウトドアでも良い食事を<真空ごはん>
最後にご紹介するのは<真空ごはん>。伊那市で人気の「創作バル FLATT.」と共同で開発した、真空パック&冷凍の保存食です。
あくまでも『生活』が中心と考え、外遊びをその活力にしてほしいと考える武村さん。その資本である健康な体作りには良い食事が不可欠だと考え、商品の開発に至ったそう。
真空&冷凍にこだわったのも、レトルト食品と異なり栄養素を損なわずに長期保存可能という理由からです。