「山頂ビール」のつまみと言えば……
延々暑いなか、急登を登った先にあるもの。呪文のようにつぶやいていたアレ。それは山頂でのご褒美ビール。
つまみを作るよりもまず1杯となるのが人情ですが、小腹も減ったし何かつまめるのもがあれば……。
うーん……もちろん悪くないのだけど、うーん……。
「らっしゃい!!」……誰かが呼ぶ声がしたぞ?
今日持ってきた食料は何だっけ?とザックをガサゴソしていると、何やら声が聞こえてきました。
ねえさんが食べたいものって、これじゃないかい?
「や、やきとり!脂が焦げた香ばしいあの香り……」
「でも、私が持ってきたのって、缶詰だったよな……」
ビールの泡が消えちまうよ。早く開けなって!!
そう言えば、このおじさん。どこかで見たことがあるんだけど、誰?
ヤキヤキ親父が語る、50年のやきとり繁盛記
言われるがままに缶を手にとって見ると、さっきのおじさんがいました。
ビールを飲みながら、ヤキヤキ親父がどうして「やきとり」を缶詰にしたのか、身の上話を聞きました。これがなかなか波乱万丈。みなさんも山頂でビールを飲みながら読んでくださいな。
意外と流行に敏感だった?「塩レモン味」誕生話
うちは若いお客さんも多いんでそれに合う味を出そうと、2020年3月に「塩レモン味」っていうのを出したんだ。
ヤキヤキ親父が取り出した「新作」という缶詰。ひと口食べると、レモンの爽やかさがはっきりと!
山にわざわざスライスレモンを持っていけないし、最近は山小屋でもレモンサワー系酎ハイを置いているところが多いので(そしてビールより安い!)、ばっちり合いそうです。
意外と流行に敏感なヤキヤキ親父。これまでにも「激辛味」や「カレー味」に挑戦したことがあるらしい。
実はうち、元々やきとり屋じゃなかったんだよ。静岡が名産地のミカンとマグロを缶詰にして売ってたんだ……
50年間も繁盛し続けているやきとり屋が、元はミカンとマグロの缶詰? 何やら事情がありそうです。