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【山ビールのお供】ヤキヤキ親父が語る「ホテイのやきとり」50年の知られざる秘密(2ページ目)

名産品の輸出がピンチ!「やきとり」に白羽の矢が

ホテイの町がある静岡は、ミカンの産地として有名。またマグロの遠洋漁業の拠点である焼津港があります。

いまほどさまざまな保存加工方法がなかった昭和初期に、それらの特産品を「缶詰」に加工し、輸出拠点の清水港から世界へと輸出するため、缶詰工場が栄えていました。

静岡の特産

出典:PIXTA、イラスト出典:いらすとや

ヤキヤキ親父
第二次世界大戦後はうちの社長が営んていた缶詰工場も景気がよかったのだけど、昭和40年代ごろに衰退の兆しが見えたんだ……

日本は好景気で人件費も高騰、輸出向け缶詰での国際競争力の低下によるものでした。そこで缶詰工場は急ピッチで「国内向け缶詰」への方向転換を余儀なくされました。
ヤキヤキ親父
マグロは原料の供給が不安定。そこで目をつけたのが、サラリーマンがつまみながら一杯やっている「やきとり」というわけなんだよ

サラリーマンとやきとり。いまも昔も変わらないんですね。これを家庭で手軽に食べられるようにしようという作戦に出たのです。

「串はどうするの?」問題も発想の転換でクリア!

焼鳥串問題

出典:PIXTA

やきとりを缶詰にする。そのアイデアはユニークなのですが、肝心なものが抜けています……それは「串」。赤ちょうちんでサラリーマンが片手に串を持ちながら、というのが「みんなのイメージするやきとり」。
いまでこそ、ヤキヤキ親父の「ホテイのやきとり」をごく自然に食べているけれど、よくよく考えると「串に刺さってない」というのは衝撃的。

ヤキヤキ親父
確かにそうなんだけど、串は食べるためにあるのじゃなくて、焼くためにある。だからなくてもいいんじゃないかと考えたんだ。

串がなくてもやきとりだと認められるように「国産鶏肉を炭火で香ばしく焼き上げる本物の味わい」を缶詰にしようと思ったんだよ。これは50年経ったいまも変わらない「ホテイのやきとり」の原点なんだ

炭火焼き風ではなく、本当に炭火で焼いている!


提供:ホテイフーズ

「国産鶏肉を炭火で香ばしく焼き上げる本物の味わい」とは言ったものの、炭火焼き風なのでは?と思っていました。そこへ、ヤキヤキ親父が出してきた2枚の写真。

ヤキヤキ親父
うちのやきとり工場なんだけど、缶詰作ってるようには見えないでしょ(笑)。うちのやきとりは専門の職人が炭火の火加減も調整してるんだよ。

ヤキヤキ親父曰く、簡単にここにたどり着いたわけではないと言います。

1970年の発売開始当初はまだ機械化されておらず、自作の炉で手焼き。炉を増やしたものの、今度は工場の排煙設備が追いつかなくなり、煙が充満したことで消防車が出動する騒ぎに。

炭火焼きだけではなく、ほかにも国産鶏肉の原料調達や時代に合わせたタレの調整など、味にこだわり続けた50年間。そのあいだの累計販売数は9億個とヒット商品となっているのです。

9億個といってもピンとこないかもですが、1日の鶏肉の使用量は1日6t(約1万羽)というと、そのすごさが伝わりますよね?

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