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THE NORTH FACEが目指す先は?夜の山小屋でホンネを語ってもらいました(3ページ目)

本さん

撮影:YAMA HACK編集部

編集部
青柳
ブランドとしての考え方についてはとても理解できますし共感するのですが、たとえば新入社員は実際どうなんでしょう。
山は登らないけど、ザ・ノース・フェイスが好きなんです!」みたいな人はいるんですか?

本さん
そのあたりについてはきちんと理解してくれている人が多いです。アウトドアが好きでザ・ノース・フェイスに入りたい!と言ってくれる人ももちろんいますよ。

ただ、お店のスタッフとして採用されている人とかに隅々まで浸透できてるかというと難しいところもある
これはうちに限ったことじゃなくて、直営店はいわゆるファッション要素をそこまで意識していない”ガチ登山ブランド”のお店でも同じ悩みを持ってたりします


編集部
草替
それは分かります。私も前職は某マンモスマークの”ガチ登山メーカー”の直営店で働いてましたが、最初は山の経験なんてなかったんです。
でも、山について知らないと商品がなかなか売れない。だから山を始めました。

本さん
そう思ってもらえたらいいんですが、うちの場合はファッションのお客様も多いから、無理に山に行かなくても成り立ってしまう部分もあります。
ただ、本質的にザ・ノース・フェイスってアウトドアブランドだし、そこを忘れてほしくないっていう思いは強いんです。
だからこういう登山研修もやってるわけですし。逆に、人気があるからこそ登山のイベントをしたりとか本質的なことに意味を見いだせているという部分はあるかもね。

編集部
青柳
それこそ人気がなかったらブランドを維持することで精いっぱいですもんね。
結局はバランスの問題なんですかね。

本さん
実質、山だけ考えてたら難しいでしょうね。

太田さん
山のブランドだっていう自負を持ってないと軸がぶれちゃうんです。
ぶれるときっとファッションとして好んでくれているお客様も離れてしまう。どんどんダメになっちゃうんです。

西村さん

撮影:YAMA HACK編集部

西村さん
でも本当にザ・ノース・フェイスっていろんな顔があって、いろんな会社、業界とお付き合いがあるんですね。逆に言うと、アウトドア市場を引っ張っていくポジションにあるからこそ、いろんなことをやってかなきゃいけないという意識がある。

だからこそファッション市場と結びついてしっかりと業界をリードしていくのは一種の必要な手段だとおもう。


編集部
青柳
なるほど。そうしていろんな業界と接点を増やす中でみなさんの言う「ザ・ノース・フェイスを選んでくれたお客様をフィールドに呼び込む」という目的を果たしているんですね。
全部つながっているんですね。

撮影:YAMA HACK編集部
本さん
そう、そうなんです!結局、いろんなところとコラボしたりタウンユースのアイテムも展開したりもするんだけど、ザ・ノース・フェイスはあくまで登山を軸にしたブランド

だからこういう研修をしながら、ブランドの根本を理解する活動が必要なんですよ。

フィールド研修はどうなっていく・・・?

硫黄岳へ

編集部
青柳
今回のようなフィールド研修は始めてどのくらいになるんでしょうか?

本さん
もう10年ぐらい。自分と西村さんは8年前くらいから参加してるかな。そろそろ交代しなきゃいけないんだけどね。今研修を受けている人たちの中から、引っ張ってくれる人が出てきたら嬉しいね。

上田さん
あと、研修を受けた人同士が自発的にメンバーを誘って、仕事じゃなくても山に出かけるような流れができたら一番理想だね。

編集部
青柳
受け身で研修を受けてたらなかなかそういう流れにはならないですからね。研修を通して山の楽しさや厳しさが伝わればいいですね。

最後に、この研修を通して、どうなってくれればいいと思いますか?


本さん
どうか、ザ・ノース・フェイスから離れないで・・・。

なんちゃって(笑)
突き詰めると、道具や服は命を守るためのものです。お客様の命を預かっているという自覚をもって接客してほしい。
そのためには当然自分のスキルアップは必要だし、お客様が求めているものに答えてほしい。嘘はつけないわけだから。そういうプロ意識を持ってお客様に向き合ってほしいかなと。


本さん

撮影:YAMA HACK編集部

編集部
青柳
(すごく良いこと言ってるのに、半分寝てる・・・!)

伊藤さん
研修でやったから「これが山登りだ」と思うんじゃなくて、あくまでいろんな山登りの一つの形であることを知ってほしい。
その上で、これからいろんな形態の登山を体験することで、自分にとって楽しいスタイルを見つけてほしいなと思います。

上田さん
僕は接客とか人付き合いは苦手だし、自分が思う登山の魅力を無理に押し付けようとは思ってない。ただ、お客様なりに楽しんでほしいとは思ってるし、やっぱり天気のいいときに素敵な思い出を作って欲しいとは思ってるんだよね。

今回参加してるのは接客の人たちだから多分接客が好きなんだろうけど、お客さんと会話して商品を買ってもらうだけで終わらせてほしくない。山のことを知って、正しく接客してほしいかな。実体験があるからこその「正しい接客」には意味があると思う。

編集後記

硫黄岳の集合写真

撮影:YAMA HACK編集部

インタビューの翌日は研修メンバー全員で硫黄岳に登頂し、無事下山。もちろん、編集部の2人も同行させてもらいました。

普段は店舗に立っているスタッフと話していると、とにかくお客さんに自分たちのブランドをどうやって伝えていくか、そのために「自分たちがどうあるべきか?」を考え、熱く語ってくれる人が多いこと!

本さんの「服や道具は命を守るもの。お客様の命を預かっているという自覚をもって接客してほしい。」というセリフは、おしゃれさだけを突き詰めたブランドからはなかなか聞けない言葉で、改めてザ・ノース・フェイスは登山のブランドなんだなと再認識させられました。

今度お店でザ・ノース・フェイスのアイテムを見つけたら、ぜひこの言葉を思い出してみましょう。ブランドの見方が今までとは少し違って見るかもしれませんよ。

 

<THE NORTH FACEのイベント情報>

昨年夏に開催し、盛大な盛り上がりを見せたアウトドアアクティビティと音楽を融合したイベント「MOUNTAIN FESTIVAL」が今年も開催されます。自然豊かな非日常のフィールドの中で、音楽だけでなくSUPやMTB、ボルダリング等を体験することができる2日間。200名限定イベントなので興味がある方は要チェック!

MOUNTAIN FESTIVAL

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