雨が止んだらラッキー!って登り始めてない?

でも、ちょっと待ってください。今日の登山はどんなところを歩きますか?もしかしたら、知らないうちに『鉄砲水』の危険に晒されることになるかもしれません。
恐ろしすぎる鉄砲水とは?

沢の一部に、岩や土砂、流木などがたまり、それが水をせき止めることで天然のダムができます。その天然ダムがたまった水の圧力に耐えきれずに決壊し、せき止めていた土砂や流木などと水が一気に流れ出すことで発生します。
雨がやんでもまだ天然ダムが決壊せずに残っていることがありますので、雨が降っている時はもちろんですが、雨が止んだからといっても安心はできません。特に長雨や大雨の後では用心するのが賢明です。
1トンのブロックが動く!?鉄砲水の威力

また、水深15cm~20cm程度の浅いところでも、速い流れに漫然と足を踏み入れれば、払い腰の要領で簡単に足をすくわれてしまいます。転んだら頭部打撲のリスクはもちろん、運が悪ければそのまま流されて行ってしまいます。
低山でも要注意!鉄砲水が起こりやすい条件とは?

では、発生する条件はどんなものなのでしょうか?
①山崩れが多い山

②累積雨量が多い(長雨や大雨)

③上流で雨

④沢筋や枯れ沢
【沢筋】
水が濁っている場合は、いつ増水するかわかりませんので、速やかに流れを離れましょう。
【涸れた沢や登山道】

「この岩はどこからどんなときにどんな風に来たのか?」「なぜここは木がないのか?」など、普段から景色をよく観察し、リスクを読み取ることが大切です。
異変は早めにキャッチ。知っておこう!鉄砲水のサイン

山では『雨が降ったら沢、川から離れる』です。できるだけ早く異変に気づけるように、鉄砲水のサインを知っておきましょう。
もし川が増水してきたのを確認したら、高いところへ一目散へ逃げましょう!雨の前後に沢沿いを歩くときは、大きな岩やより高い斜面などを確認しながら登ってください。
水没しそうな場所に取り残されないような行動をすることがそもそも大事ではありますが、万が一、川の中に取り残されてしまったときは…状況によっては渡渉することも。渡渉の方法については、メンバーの力量によって方法が変わってくるため、事前に勉強しておきましょう。
しかし、一番大切なのは「鉄砲水に遭わないように避けること」。鉄砲水のリスクを考慮し、事前に計画を立てましょう。
雨雲の確認

晴れ予報だったのに、雨に降られることもよくあります。今いる場所に雨が降っていなくても、笠雲(山頂に雲がかかっているような状態)が出ていたり、うろこ雲が空を覆っていたり、太陽に雲がかかっていたり、積乱雲が発達している時は要注意。雨が近い兆候です。
黒い雲が出てきたら、いつ降り出しても不思議ではありません。短時間も川は増水して危険な状態になることがあります。
川の濁りや落ち葉

雨の前後は、いつもよりも雲や地形に注意しよう!

最後になりますが、事前の下調べと備えも大事にしてくださいね。