筆者が2010年頃から愛用している『フーディ』は、パタゴニアの『R1フーディ』です。カタログを調べると2002年に『R1フーデッドプルオーバー』というフーディ仕様の商品が登場。2004年に『R1フーディ』という現在に続く名前がありました。
ほぼ同時期に発売されたのがスウェーデンのフーディニ『パワーフーディー』です。現在、同社のアイコン的アイテムとなったこのフーディーは、2001年にプロトタイプを制作。2003年に発売されました。
ところで、『フーディ』に使用されている表面ジャージ、裏面起毛の軽量フリース素材を世界ではじめて商品化したのはパタゴニアで、それは1999年に登場した『レギュレーター』シリーズからです。恐らくこの素材の登場が、その特性を生かしたウエアのデザイン、つまり『フーディ』開発のきっかけとなったのだと思われます。
そこで15年以上の時間を掛けて熟成された、元祖フーディのパタゴニア『R1フーディ』とフーディニの『パワーフーディー』の特長を見ながら、『フーディ』が持つ機能を、詳しく解説したいと思います。
フーディの特長①表面ジャージ&裏面起毛フリース
そもそも表面ジャージ素材、裏面起毛の軽量フリース素材は、パタゴニアとフリース素材を開発したポーラテック社の協同開発によって誕生しました。それが1999年に商品化されたポーラテック・レギュレーターです。裏面起毛フリースはマス目状=グリッド状に加工され、保温性とそれに反する薄さ=軽量性を両立、吸汗速乾性も装備した素材です。
パタゴニア『R1フーディ』の2019年モデルでは、身頃の生地に「ポーラテック パワーグリッドプロフリース」を採用。軽く、ムレにくく、しかし寒くない保温力を有しています。
一方、フーディニ『パワーフーディー』は、ポーラテック パワーストレッチプロフリースを採用。こちらはグリッド状の裏面ではない分、保温性が高いです。パタゴニア『R1フーディ』よりも、寒い場所&季節で活躍する、厚みのある生地になっています。
このように同じ『フーディ』でも採用される素材によって、その特長は少しずつ異なります。是非、素材、またその厚さや裏面の加工の違いをチェックしてみてください。
フーディの特長②高いストレッチ性で動きに対応
2004年の最初の『R1フーディ』はややゆったり、それまでのフリースジャケットと大きくは変わらないシルエットでした。しかし現在では、よく伸縮する素材を採用。体のラインに沿ったタイトめのフィット感です。上の写真は2019年モデルですが、グレーの切り返し部分のサイドパネルや裾は、同社ベースレイヤーのキャプリーンサーマルウェイトと同素材を採用。体にしっかりフィットしながら動きに追従します。
この伸縮性、運動性の高さは、『R1フーディ』に限らず、『フーディ』の大きなメリットです!
フーディの特長③地味だけど大事!甲まで覆う袖口で保温力をアップ
袖口に開けられた親指を通す穴=サムホール。これを使用せずに普通のジャケット同様に着ることもできますが、このサムホールに親指を通すことでハーフフィンガーのグローブのようになり、手首から甲までを覆ってくれます。グローブを忘れた・・・・・・という時でも温かく、グローブを親指を通した袖口ごと装着すれば保温力もアップ。天気によって気温の変化が激しい時期に、重宝する機能です。
フーディの特長④寒さを防いでくれるフード!
急な天候悪化、または予想していたよりも気温が低かった・・・・・・ということは、山ではよくあること。袖口のサムホール同様に、保温性を持ったフードは、天候、気温の変化に対応するための『フーディ』が装備する機能です。このフードを被ることで、大抵の寒さは乗り越えられるでしょう。また上の写真のパタゴニア『R1フーディ』のようにバラクラバ状に頭と顔を包む形状であれば、その対応力は一層高いものになります。
このように幅広いシチュエーション、季節で、行動着としても、保温着としても活躍してくれるのが『フーディ』です。その対応力の幅の広さが、ミッドレイヤーとしてのおすすめの理由なのです。