西日本の山は高くない?
「西日本」とは一般的に、近畿地方から中国・四国・九州までの広範囲を示しますが、実は標高2,000m以上の高所山岳はありません。
日帰りで歩ける山が多く、「難しい山はあまりないイメージ」という方も多いのではないでしょうか?
西日本には魅力的なロングコースが多数ある!
もちろん“標高”だけが登山の難しさを決めるわけではありません。西日本には、標高差1000mを超えるスカイランニングのフィールドや、歴史や信仰と関わりのある魅力的なルートが数多くあるんです!
今回はそんな西日本にあるロングトレイルの中でも、とりわけ「きっつい」コースをご紹介します。
鈴鹿セブンマウンテン
岐阜県及び三重県と滋賀県との県境沿いに位置する鈴鹿山脈。南北に多くの山々が連なっていますが、その中の藤原岳・竜ヶ岳・釈迦ヶ岳・御在所岳・雨乞岳・鎌ヶ岳・入道ヶ岳の7山の総称して『鈴鹿セブンマウンテン』と呼びます。
元々は、昭和39年(1964年)に始まった登山大会の名称。現在、この大会は開催されていませんが、今でも“鈴鹿山脈の代表的な山”としてその名が親しまれています。
鈴鹿セブンマウンテン縦走路【西藤原駅~椿大神社】
- 【体力レベル】★★★★★
- 1泊2日~2泊3日
- コース全長:約42km
- コースタイム:25時間30分
- 【技術的難易度】★★★☆☆
- ・ハシゴ、くさり場を通過できる身体能力が必要
・地図読み能力が必要
鈴鹿セブンマウンテン縦走は、藤原岳→竜ヶ岳→釈迦ヶ岳→雨乞岳→御在所岳→鎌ヶ岳→入道ヶ岳のルートで縦走するのが一般的。1,000m級の山々の尾根を繋ぐ、アップダウンがある縦走路です。
技術的難易度が高いわけではありませんが、全長はフルマラソンレベルで「超きっつい」コースなのは言うまでもありません。トレランでは1泊、縦走登山は2泊するのがベター。
大峯奥駈道(おおみねおくがけみち)
標高1,000~2,000m級の山脈が連なる紀伊山地。吉野・大峯と熊野三山を結ぶ「紀伊山地の零場と参詣道」は、2004年に世界遺産にも登録されています。
この吉野から熊野本宮に至る「大峯奥駆道」は約1300年前に開かれた山岳ルートになっており、“西日本で最も過酷な縦走路”ともいわれています。『日本最古のロングトレイル』として憧れを持つ方も多い神秘的なエリアです。
古道ロングトレイル【吉野山~熊野本宮大社】
- 【体力レベル】★★★★★
- 5泊6日~7泊8日
- コース距離:約90km
- 【技術的難易度】★★★☆☆
- ・ハシゴ、くさり場を通過できる身体能力が必要
・地図読み能力が必要
もとは修験道の修行場として開かれた道であり、「大峯奥駈道」は熊野古道の中で最も険しいルートになっています。総距離はなんと約90km!標高差も非常にあり、体力に自信のある上級者でも6日はかかると案内されているほど。山も深く、エスケープルートも少ないため、一般の登山者が利用できるコースではありません。
道中の最高峰は八経ヶ岳の1915m。また、道中の山上ヶ岳(大峯山)は今でも「女人禁制」の文化を守っているのでご注意ください。