元山岳部の独断と偏見で選出!「きっつい」ロング山行【西日本編】

2019/11/05 更新

大学山岳部出身の編集部員Nが独断と偏見で選ぶ「きっついシリーズ」第3弾。今回は西日本(近畿・中国四国・九州)エリアの様々な山の中から、総合的に「きっつい」登山ルートをご紹介します。
「西日本には低山しかないから、難しく山は少ない」なんてイメージも覆すこと間違いなし。一度足を運んでみたくなる、そんなコースをまとめているので東日本在住の人も要チェックです!


アイキャッチ画像出典:PIXTA

西日本の山は高くない?

大山、蒜山
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「西日本」とは一般的に、近畿地方から中国・四国・九州までの広範囲を示しますが、実は標高2,000m以上の高所山岳はありません。
日帰りで歩ける山が多く、「難しい山はあまりないイメージ」という方も多いのではないでしょうか?

西日本には魅力的なロングコースが多数ある!

須磨アルプス
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もちろん“標高”だけが登山の難しさを決めるわけではありません。西日本には、標高差1000mを超えるスカイランニングのフィールドや、歴史や信仰と関わりのある魅力的なルートが数多くあるんです!
今回はそんな西日本にあるロングトレイルの中でも、とりわけ「きっつい」コースをご紹介します。

鈴鹿セブンマウンテン

鈴鹿山脈
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岐阜県及び三重県と滋賀県との県境沿いに位置する鈴鹿山脈。南北に多くの山々が連なっていますが、その中の藤原岳・竜ヶ岳・釈迦ヶ岳・御在所岳・雨乞岳・鎌ヶ岳・入道ヶ岳の7山の総称して『鈴鹿セブンマウンテン』と呼びます。
元々は、昭和39年(1964年)に始まった登山大会の名称。現在、この大会は開催されていませんが、今でも“鈴鹿山脈の代表的な山”としてその名が親しまれています。

鈴鹿セブンマウンテン縦走路【西藤原駅~椿大神社】

鈴鹿セブンマウンテン縦走路概念図
【体力レベル】★★★★★
1泊2日~2泊3日
コース全長:約42km
コースタイム:25時間30分
参考:ヤマプラ
【技術的難易度】★★★☆☆
・ハシゴ、くさり場を通過できる身体能力が必要
・地図読み能力が必要
凡例はこちらをクリック:グレーディング表
鈴鹿セブンマウンテン縦走は、藤原岳→竜ヶ岳→釈迦ヶ岳→雨乞岳→御在所岳→鎌ヶ岳→入道ヶ岳のルートで縦走するのが一般的。1,000m級の山々の尾根を繋ぐ、アップダウンがある縦走路です。
技術的難易度が高いわけではありませんが、全長はフルマラソンレベルで「超きっつい」コースなのは言うまでもありません。トレランでは1泊、縦走登山は2泊するのがベター。

大峯奥駈道(おおみねおくがけみち)

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標高1,000~2,000m級の山脈が連なる紀伊山地。吉野・大峯と熊野三山を結ぶ「紀伊山地の零場と参詣道」は、2004年に世界遺産にも登録されています。
この吉野から熊野本宮に至る「大峯奥駆道」は約1300年前に開かれた山岳ルートになっており、“西日本で最も過酷な縦走路”ともいわれています。『日本最古のロングトレイル』として憧れを持つ方も多い神秘的なエリアです。

古道ロングトレイル【吉野山~熊野本宮大社】

大峯奥駈道
【体力レベル】★★★★★
5泊6日~7泊8日
コース距離:約90km
【技術的難易度】★★★☆☆
・ハシゴ、くさり場を通過できる身体能力が必要
・地図読み能力が必要
凡例はこちらをクリック:グレーディング表
もとは修験道の修行場として開かれた道であり、「大峯奥駈道」は熊野古道の中で最も険しいルートになっています。総距離はなんと約90km!標高差も非常にあり、体力に自信のある上級者でも6日はかかると案内されているほど。山も深く、エスケープルートも少ないため、一般の登山者が利用できるコースではありません。
道中の最高峰は八経ヶ岳の1915m。また、道中の山上ヶ岳(大峯山)は今でも「女人禁制」の文化を守っているのでご注意ください。

六甲全山縦走大会

六甲山
出典:PIXTA
「六甲全山縦走大会」とは神戸市の主催で、毎年11月に開催される登山イベント。西の須磨から東の宝塚までの尾根をたどりながら、1日で六甲全山を縦走するというハードな行程。
新田次郎の小説『孤高の人』でも有名な、加藤文太郎が最初に歩いたとされ、憧れを持つ登山者も多いロングトレイルです。

全山縦走【須磨浦公園駅~宝塚駅】

六甲全山縦走路
【体力レベル】★★★★★
日帰り
コース距離:約56km
コースタイム:約18時間
参考:ヤマプラ
【技術的難易度】★★★☆☆
・ハシゴ、くさり場を通過できる身体能力が必要
・地図読み能力が必要
凡例はこちらをクリック:グレーディング表
六甲全山縦走コースは、六甲山系の尾根伝いにのびるハイキングコースを繋げたもの。コースの距離は公称56km、最も高い山は「六甲山」で、山頂の高さは931m。
コース上には山小屋などがないため、1日で完遂することが原則。健脚者のみに成し遂げられる「きっつい」トレイルです。

KOBE六甲全山縦走大会 HP

石鎚山系ロングトレイル

石鎚山
出典:PIXTA
西日本最高峰、標高1,982mの石鎚山。主峰の天狗岳を中心に「瓶ヶ森」「伊予富士」「笹ヶ峰」など個性豊かな山が連なる石鎚山系をつなげるロングトレイル。
正式なルートの発表はまだされていませんが、全長約60kmに及ぶコースになる予定で、変化に富む地形や渓谷美、特有の高山植物などの自然が楽しめる素晴らしいエリアです。

石鎚山系 公式WEBサイト

くじゅう17サミッツ

九重連山
出典:PIXTA
「くじゅう17(いちなな)サミッツ」とは、九重連山の中で標高1,700mを超える9座(大船山・北大船山・白口岳・稲星山・中岳・天狗ヶ城・久住山・三俣山・星生山)をすべて踏破することと提唱されています。
一日で制覇した人は「くじゅう17サミッター」を名乗れるそう。

九重連山縦走路

九重連山
【体力レベル】★★★★★
日帰り~1泊2日
コース距離:約20km
コースタイム:約12時間
参考:ヤマプラ
【技術的難易度】★★★☆☆
・ハシゴ、くさり場を通過できる身体能力が必要
・地図読み能力が必要
凡例はこちらをクリック:グレーディング表
牧ノ戸登山口~三俣山~北大船山~大船山~白口岳~稲星山~中岳~天狗ヶ城~久住山~星生山~牧ノ戸登山口

くじゅう17サミッツの回り方は多数ありますが「牧ノ戸峠」を起点とするのが一般的。九州本土の最高峰は中岳(1,791m)を中心にぐるっと回るイメージ。
1dayでこなすとなれば早朝出発も必至。“きっつい”山行ですが、国の天然記念物に指定されているミヤマキリシマなどが楽しめる素晴らしいコースです!

「やり遂げる登山」に挑戦しよう

湯布院の夜明 朝霧
出典:PIXTA
西日本には標高2,000mを超えるような高い山はありませんが、魅力的な山は沢山あります。今回ご紹介したのはそのほんの一部です。
東日本に住んでいる方も、大型連休を利用して、ロングトレイルなどの長距離登山に挑戦してはいかがでしょうか!

【登山時の注意点】

・登山にはしっかりとした装備と充分なトレーニングをしたうえで入山してください。足首まである登山靴、厚手の靴下、雨具上下、防寒具、ヘッドランプ、帽子、ザック、速乾性の衣類、食料、水など。
・登山路も複数あり分岐も多くあるので地図・コンパスも必携。
・もしものためにも登山届と山岳保険を忘れずに! ・紹介したコースは、登山経験や体力、天候などによって難易度が変わります。あくまでも参考とし、ご自身の体力に合わせた無理のない計画を立てて登山を楽しんでください。
・体力レベル・難易度の範例はこちら

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YAMA HACK編集部 生井
YAMA HACK編集部 生井

YAMA HACK編集部。大学時代に山岳部に所属し、縦走からクライミングまでオールラウンドに活動。トレイルラン・ボルダリング・沢登りなど、山を軸とした様々なアクティビティの魅力を発信してきます。

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