もう一度アタックするチャンスがあるかどうか今はまだ分からない。僕もシェルパもまだ若く、登りたい気持ちの方が強かった。もし、ふたりだけだったら間違いなく上がっていただろう。シェルパが僕に最終のジャッジを求めてくる。心は頂に向かっていたが、無事に降りれなくなるかもしれない、この言葉で僕は決断した。
この山に挑むと決めた時から、当然ある程度の覚悟はしていた。命さえあれば、多少の凍傷やケガでは諦めない。僕の体を心配してくれた多くの人たちには申し訳なくて誰にも話すことはできなかったが、密かにそう決めていた。
けど何があっても命は守らなくてはならない。それは、僕が写真家だからだ。写真家は写真を見てもらって初めて価値を持つ。だから必ず生きて帰る。多くの人たちの心に写真を届けたいから僕は撤退することを選んだ。
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【個展開催のお知らせ】
この紀行文を書いているネイチャーフォトグラファー・上田優紀さんの個展が開催されます。
キヤノンギャラリー銀座: 12月13日〜19日(15日はギャラリートークも予定)
キヤノンギャラリー名古屋: 1月17日〜23日
キヤノンギャラリー大阪: 2月14日〜20日
上田さんが感じるままに撮影したアマ・ダブラムの写真をぜひ身近に感じてみてください!