実は昭和新山は私有地にある珍しい火山。当時郵便局長だった三松正夫さんが、昭和新山の荒廃を守るため、この地を買い取りました。
彼は1943年の体感地震や溶岩ドームの隆起をはじめ、刻々と変わる地形の定点観測を続けました。「ミマツダイヤグラム」と呼ばれる彼の記録は、昭和新山の成長過程が記録されている世界でも貴重な記録です。この記録は、昭和新山の麓にある「三松正夫記念館」で閲覧することができます。
よし、昭和新山に登ろう!……ちょっと待って!

そんな世界的にも有名な昭和新山、登ってみたいですよね。しかし昭和新山は”登れない山”。私有地にあり、かつ国の天然記念物であるため、特別な許可がないと入ることはできず、一般登山者の入山は制限されています。
ぐるっと一周!昭和新山の魅力を堪能
昭和新山は同じジオパークに認定されている「有珠山」と一緒に楽しむのがおすすめ。昭和新山の目の前にあるロープウェイを使えば、有珠山の火口付近まで簡単に登ることができます。
有珠山(うすざん)って?
洞爺湖の南にある有珠山は標高737m、100年で4度も噴火活動が観測された活発な活火山です。昭和新山同様、粘性の強いマグマのため、噴火の度に山容が大きく変わっているのも特徴です。
おすすめジオパーク巡り【昭和新山~有珠山】
観光のスタートは昭和新山から。ところどころ噴き出している水蒸気を見ると、現在も活動を続けている大地のエネルギーを感じることができるでしょう。
昭和新山を堪能したら、三松正夫記念館でその歴史に触れましょう。世界の火山学者から絶賛されているミマツダイアグラムをはじめ、スケッチ、写真などを展示しています。
今度は昭和新山を上から堪能しましょう。昭和新山の近くにある有珠山ロープウェイ山麓駅から、一気に有珠山山頂へ。昭和新山の姿と一緒に、約2万年前の火山活動でできた有珠山を間近で観察しましょう。ロープウェイからも昭和新山を望むことができます。