COCOHELI 山岳遭難対策制度(ココヘリ) 550万円までの捜索救助を実施 入会金1,100円OFFで申込む
釈迦ヶ岳

釈迦ヶ岳|釈迦如来像がお出迎え!修験道でもある二百名山の日帰りコース

奈良県の山深く、十津川村と下北山村の境にある日本二百名山の一つが『釈迦ヶ岳』。山頂がユネスコ世界遺産・大峯奥駈道のルートであることでも有名で、アクセスが悪いにも関わらず多くの登山客に人気の山です。山頂には釈迦如来像があり、登山者を出迎えてくれます。さらに山頂は遮るもののない360℃の大パノラマが広がっており、大峯山系随一の絶景ともいわれています。今回は釈迦ヶ岳への最短ルートと、平安時代から開かれていたという歴史の長い前鬼コースを紹介します。

本ページはアフィリエイトプログラムを利用しています。

目次

アイキャッチ出典:PIXTA

釈迦ヶ岳とはどんな山?

登山道からの釈迦ヶ岳
出典:PIXTA
標高山頂所在地最高気温(6月-8月)最低気温(6月-8月)
1,800m奈良県吉野郡十津川村、下北山村20.5℃6.6℃

釈迦ヶ岳は、奈良県十津川村と下北山村の境にある大峰山系の山で日本二百名山の一つ。眺望の良い山頂はユネスコ世界遺産・大峯奥駈道のルートとなっていることから、アクセスが悪いながらも多くの登山者で賑わいます。
山頂には、 釈迦ヶ岳の名前の由来ともなった「釈迦如来」が鎮座し、登山道から三度上り下りして釈迦ヶ岳に祈願すると願いが叶う、と言う伝説もありますよ。

山頂からは大峯山系随一の眺望が!

釈迦ヶ岳 山頂からの景色
提供:ヤマレコ/yamasurf

ピラミッド型の山頂は大峯山系随一の眺望で、360度の大パノラマが広がります。仏生ヶ岳、八経ヶ岳に弥山や孔雀岳、その先に大台ヶ原など紀伊山地の山々を見渡すことができる絶好の展望スポット。

見晴らし抜群!笹の尾根道

釈迦ヶ岳 笹の尾根道
提供:ヤマレコ/kurosiroko

釈迦ヶ岳山頂付近は緩やかな笹の尾根道が続く気持ちの良い場所。見晴らし抜群で、晴れている日は大日岳を目にしながら登山を楽しめます。笹の緑と白と青のコントラストが最高!

注意!ツキノワグマの生息地です

熊出没注意の看板
提供:ヤマレコ/kumatori

釈迦ヶ岳周辺はツキノワグマの生息地。目撃情報が多数寄せられており、様々な所に注意喚起の看板あります。熊よけの鈴をつけるなど必ず対策をしていきましょう。

▼熊に出会ってしまったら?!

釈迦ヶ岳の天気と地図をチェック

釈迦ヶ岳に行く前に現地の天気をこちらでCHECK!また、事前に地図を用意してルートを確認してください。

釈迦ヶ岳のふもと(十津川村)の10日間天気

日付10月18日
10月19日
10月20日
(月)
10月21日
(火)
10月22日
(水)
10月23日
(木)
10月24日
(金)
10月25日
10月26日
10月27日
(月)
天気曇時々雨
曇時々雨
雨時々曇
雨時々曇
曇のち晴
曇のち晴
晴時々雨
晴時々雨
曇時々雨
曇時々雨
曇時々晴
曇時々晴
晴時々曇
晴時々曇
曇時々雨
曇時々雨
雨時々曇
雨時々曇
晴時々雨
晴時々雨
気温
(℃)
25
16
25
18
25
17
22
14
16
12
21
13
22
11
20
13
20
17
19
13
降水
確率
50703090903020709090

釈迦ヶ岳の登山指数

日付10月18日
10月19日
10月20日
(月)
10月21日
(火)
10月22日
(水)
10月23日
(木)
登山
指数
B A A A C A
登山指数の留意点

登山をするための快適さを、山頂や山麓の気象条件から、気象学的知見を用いて登山指数A~Cで表現をしています。降水量、風速、雲量などを総合的に考慮し、気象条件を独自計算したものです。
ただし、以下のリスクは含まれておりません。

  • 雷の発生の可能性
  • 前日の天気による道のぬかるみ
  • 局地的大雨
  • 土砂災害の発生の可能性
  • 雪崩の発生の可能性
  • 噴火の可能性
  • 積雪の有無
  • 濃霧
  • 低温または高温
  • 虫やヒルなどの発生状況

山の天気は大きく変わりやすいため、登山指数はあくまで目安としてご利用頂き、最新の気象データや天気図、各登山道情報をご確認ください。
なお、本情報に基づいた行為において発生したいかなる人物の負傷・死亡、所有物の損失・損害に対する全ての求償の責は負いかねます。ご了承下さい。

釈迦ヶ岳周辺の山と高原地図

ユネスコ世界遺産『大峯奥駈道』

大峯奥駈道
出典:PIXTA(大峯奥駈道)

大峯奥駈道(おおみねおくがけみち)とは、奈良の吉野山と熊野三山を結ぶ修験道の修行の道。熊野三山へと通じる参詣道である熊野古道の一つであり、一部はユネスコ世界遺産にも登録されています。その歴史は古く、修験道の開祖である役の行者によって8世紀に開かれたとされ、1300年の伝統が今も引き継がれています。大峯七十五靡(なびき)と呼ばれる神仏が宿るとされた拝所・行場が遺跡として残り、祠や仏像などが点在し厳かな雰囲気が漂う山岳信仰の場。

出典:新宮市観光協会

大峯奥駈道の縦走路は総距離が約90km。標高1,200m以上の急峻な山岳が連なる大峰山脈の尾根を沿うようにして続く、熊野古道の中で最も険阻なルート。宗教上の理由から女人結界のある山上ヶ岳を通過するので、全てを縦走できるのは男性のみとなります。

大峯奥駈道のマップはコチラ

最短ルートで山頂へ【太尾登山口コース】

釈迦ヶ岳へはいくつかルートがありますが、初心者にもお勧めできるのが太尾登山口コース。十津川村側からスタートする山頂への最短ルートです。

合計距離: 8.3 km
最高点の標高: 1746 m
最低点の標高: 1300 m
累積標高(上り): 866 m
累積標高(下り): -866 m
【体力レベル】★★☆☆☆
日帰り
コースタイム:3時間45分
参考:ヤマプラ
【技術的難易度】★★☆☆☆
・登山装備が必要
・登山経験、地図読み能力があることが望ましい
凡例はこちらをクリック:グレーディング表

太尾登山口(70分)→古田ノ森(55分)→釈迦ヶ岳(45分)→古田ノ森(55分)→太尾登山口

太尾登山口
提供:ヤマレコ/shigezoo

太尾登山口の駐車場は、20台ほどは停められそうなスペース有り。登山口には登山ポストがあるので必ず登山届けを出しましょう。また、トイレもあるのでここで済ませておくと安心です。

釈迦ヶ岳 分岐
提供:ヤマレコ/shigezoo

登り始めはブナ混じりの雑木林を歩きます。分岐点まではクマザサの生い茂る緩やかな登りなので、ゆっくりと悠久の森を体感しましょう。

釈迦ヶ岳 尾根道
提供:ヤマレコ/Route309

分岐点を過ぎると広く開放的な尾根道となり、爽快な山歩きを楽しめます。特に右側の展望が良く、大日岳の尖峰がちらちらと見え隠れします。晴れた日は青空とのコントラストも素晴らしく、最高に気持ちがいい!

釈迦ヶ岳 千丈平
提供:ヤマレコ/shigezoo(千丈平)

やがて、やや急な斜面を登りつめた古田ノ森のピークを過ぎれば釈迦ヶ岳の山頂が見えてきます。そこからさらに急な登りとなり、千丈平へと辿り着きます。千丈平周辺はバイケイソウで覆われていて、太古の息吹を感じます。また、テント場と水場もあるので休憩するのも◎。

釈迦ヶ岳 山頂 釈迦如来像
出典:PIXTA(釈迦ヶ岳山頂)

山頂には一等三角点が設置され、釈迦如来の銅像が安置されています。この釈迦如来像は大正13年に、大峯開山以来の強力「岡田雅行氏(オニ雅)」が一人で担ぎあげたといわれており、釈迦ヶ岳のシンボル。なお、近年、釈迦如来立像基部石積が崩れてきているため、石組みには登らないようにしましょう。

歴史の長い登山道【前鬼口コース】

続いて、平安時代から開かれていたという歴史ある下北山村側の前鬼口コースを紹介します。前鬼口から歩く事もできますが、かなり距離があるため小仲坊までは車でのアクセスがおすすめ。

合計距離: 8.38 km
最高点の標高: 1747 m
最低点の標高: 806 m
累積標高(上り): 1465 m
累積標高(下り): -1465 m
【体力レベル】★★★☆☆
日帰り
コースタイム:6時間30分
参考:ヤマプラ
【技術的難易度】★★★☆☆
・ハシゴ、くさり場を通過できる身体能力が必要
・地図読み能力が必要
凡例はこちらをクリック:グレーディング表

小仲坊(140分)→太古ノ辻(40分)→深仙ノ宿(50分)→釈迦ヶ岳(35分)→深仙ノ宿(35分)→太古ノ辻(90分)→小仲坊

小仲坊
提供:ヤマレコ/pers(小仲坊)

前鬼口コースは、かつての宿坊跡と石積みが随所に残されている小仲坊からスタート。

階段道
提供:ヤマレコ/1155

よく整備された階段道が多い、栃の巨木が生い茂る原生の森の中を二つ岩へと向かいます。

二つ岩
提供:ヤマレコ/1155(二つ岩)

いくつもの涸れ沢を越え、尾根筋に出てしばらく行くと道の脇に「二つ岩」と呼ばれる巨岩が現れます。セイタカ童子とコンガラ童子の姿とされ、修験者が勤行を行う神聖な場所なので厳かな気持ちで通行しましょう。

大日岳 分岐
提供:ヤマレコ/hiro75398

二つ岩からは笹の茂る急坂を登れば太古ノ辻を経て大日岳との分岐へと出ます。余裕のある人は大日岳経由もおすすめ。ただし、大日岳へ行く鎖場は、経年劣化により足場が脆くなっており、危険が伴うため注意が必要です。

灌頂堂
提供:ヤマレコ/hiro75398(灌頂堂)

大日岳分岐から上り下りを繰り返せば、灌頂堂(かんじょうどう)と避難小屋が佇む深仙の宿に至ります。正面には大日岳を望むことのできる風光明媚な場所。200mほど北に進むと、万病に効くという言い伝えのある「香精水」が湧いており、乾いた喉を潤し休憩するのにもピッタリ。ただし、水量が少ないため飲料水はしっかりと持参しましょう。

釈迦ヶ岳ジグザグの登山道
提供:ヤマレコ/hiro75398(山頂への登山道)

釈迦ヶ岳までの稜線は、仙人の住む他界と考えられている特に神聖なエリア。奥駈道の厳かな雰囲気の中、山頂への最後の坂をジグザクと登っていきます。山頂手前から釈迦ヶ岳の東を眺めると、山腹に巨大な岩塔が無数に屹立している五百羅漢が目に入ります。やがて太尾登山口方面からの道と合流し頂上に到着。

釈迦如来像
出典:Facebook/新宮山彦ぐるーぷ

山頂からは、大峰山系の最高峰である八経ヶ岳をはじめ七面山などぐるりと360度、紀伊山地の山々を堪能できます。晴れていれば、遠くに熊野灘を望むことができる抜群の景色が待っていますよ!

釈迦ヶ岳へのアクセス・山小屋・宿情報

釈迦ヶ岳へのアクセス・山小屋・宿情報をご紹介。バス停から登山口まで遠いので、マイカーで行くのが便利です。電車・バスで行くのはかなり時間かかるので、公共交通機関を利用する場合は前泊がおすすめ。

太尾登山口までのアクセス方法

【電車・バスの場合】
大阪駅→JR環状線→JR和歌山線→五条駅→奈良交通バス 十津川または新宮駅行き→旭橋下車→タクシーまたは徒歩(徒歩約4時間)
【車の場合】
南阪奈道路 葛城IC→国道165号→県道30号→県道261号→国道310号→国道168号→登山口

小仲坊までのアクセス方法

【車の場合】
国道169号線「前鬼口」→前鬼林道ゲート→小仲坊
※落石・崩壊の多い場所のため要注意

深仙小屋

深仙小屋
出典:Facebook/新宮山彦ぐるーぷ(手前が深仙小屋)

深仙小屋は無人の避難小屋で近くにはテント場も有ります。地元の人たちが大切に手を入れて維持しているので、利用の際にはマナーを守りましょう。

【施設情報】
住所:釈迦ヶ岳・大日岳鞍部
営業期間:通年(無人)
料金:無料

小宿坊

小宿坊
提供:ヤマレコ/pers

吉野と熊野の縦走路のほぼ中間にある小仲坊は、鬼の子孫が1300年間、守り続けている宿坊です。修験者だけでなく一般の方も宿泊可能ですが、必ず予約してから行きましょう。

【施設情報】
住所:吉野郡下北山村前鬼30
電話番号:(平日)072-834-1074、(現地)07468-5-2210
料金:1泊2食付 8,000円、素泊まり4,000円

周辺には他にも神秘的な場所がたくさん!

釈迦ヶ岳周辺には、神秘的で圧倒的な自然を感じられる景勝地が点在しています。せっかく紀伊半島の奥地まできたので、釈迦ヶ岳登山とセットで楽しんではいかがでしょうか。

神秘の池「明神池」

明神池
出典:PIXTA(明神池)

役小角が作ったの池神社の御神体として崇敬が厚い明神池。美しく静かな水面の神秘的な池からは不思議なパワーを感じられます。様々な不思議な伝説が残っており、魚釣りをしたり自然を汚すことのないようにしましょう。

【駐車場情報】
住所:奈良県吉野郡下北山村池峰
電話番号:07468-6-0001(下北山村役場)
料金:無料

前鬼・不動七重の滝

前鬼・不動七重の滝
出典:PIXTA(不動七重の滝)

池原ダムの上流にある、深い山間より七重となって落ちる関西随一の名瀑。総落差およそ約160mの滝は、その迫力ある姿から日本の滝百選にも選ばれています。滝が一望できる展望台が前鬼口へのアクセス経路上にあるので、登山とセットで訪れやすいのも魅力的。

【駐車場情報】
住所:奈良県吉野郡下北山村前鬼
電話番号:0746-86-0016 (下北山村観光協会)
駐車台数:約5台
料金:無料

幻の奇勝 石ヤ塔(いしやとう)

幻の奇勝 石ヤ塔
出典:PIXTA(石ヤ塔)

生い茂る原生林の中に100m近くある無数の岩塔が何本もそそり立つ景観地。紅葉の季節にはカメラマンで賑わう撮影スポットでもあります。アクセスする際には林道を通るため、細心の注意を払って通行しましょう。

【駐車場情報】
住所:奈良県吉野郡下北山村村上池原
電話番号:07468-6-0001(下北山村役場)
駐車台数:数台
料金:無料

古えの修験道を歩きに釈迦ヶ岳へ登ろう!

釈迦ヶ岳・五百羅漢
出典:PIXTA(釈迦ヶ岳・五百羅漢)

雄大な展望と神秘的な雰囲気が漂う修験の道が魅力である釈迦ヶ岳。決してアクセスが良いとは言えないロケーションでありながら、多くの登山者が訪れるのも納得のパワースポットです。長い歴史の中で、人々が育み継承してきた修験の厳しさを登山を通して体験しに出かけてみてください!

【登山時の注意点】
・登山にはしっかりとした装備と充分なトレーニングをしたうえで入山して下さい。(足首まである登山靴、厚手の靴下、雨具上下、防寒具、ヘッドランプ、帽子、ザック、速乾性の衣類、食料、水など。)
・登山路も複数あり分岐も多くあるので地図・コンパスも必携。
・もしものためにも登山届と山岳保険を忘れずに!
・紹介したコースは、登山経験や体力、天候などによって難易度が変わります。あくまでも参考とし、ご自身の体力に合わせた無理のない計画を立てて登山を楽しんで下さい。

編集部おすすめ記事