登山用のGPS地図アプリを徹底比較!特徴とおすすめポイントを解説!

一昔前はハンディGPSが主流でしたが、なかなか手が出しにくく、所持している人は稀でした。しかし、スマホの普及で登山用のGPSアプリを使う人が急増化。今回は特に人気の登山用GPS地図アプリ4つを実際に山で使って検証。そもそもスマホアプリで十分なのか?性格なのか?気になる質問に答えつつ、あなたにピッタリなアプリをご紹介します。


アイキャッチ画像作成:YAMA HACK編集部

あまりにも便利すぎる登山用GPS地図アプリ

登山用GPSアプリ
撮影:YAMA HACK編集部
登山をするとき、最低限の遭難対策として「地図とコンパス」の必要性は何十年も前から声高に叫ばれてきました。しかし、それだけでいいのでしょうか?今やほとんどの人がスマホを持ち、アプリで1,2タップすればGPSで現在地がわかる時代。

YAMA HACKでは、登山をするときに従来の地図とコンパスに加え、登山用のGPS地図アプリも準備していくことを強く推奨しています。

なぜかというと、とにかくものすごく便利だから。

スマホのGPSアプリは登山で使えるのか?

山と高原地図
撮影:YAMA HACK編集部
では、登山用GPS地図アプリは果たして”使える”のでしょうか?「アプリを使わない」選択をしている多くの人が次のような勘違いをしています。

GPSの精度が不十分では?

NO。数年前と比べて現在のGPS精度は非常に高精度になっており、ほとんど誤差なく正確に探知することができます。

 

圏外だったらGPSは使えないのでは?

NO。圏外でも使用することができます!GPS地図アプリは事前に地図のデータをダウンロードするため、圏外でも地図上に現在地を表示させることができるのです。

電池の消耗が激しいのでは?

NO。山中で電池消耗が激しいのは圏外エリアで電波を探しているから。「機内モード」に設定すればGPS以外の通信を遮断するため、電池の消耗は大幅に削減することができます(機種・使用年数にもよりますが1時間使っても3〜7%程度)。

お金がかかるのでは?

ほぼNO。ほとんどのアプリが無料、またはワンコイン以下で提供されています。

GPSアプリに頼りすぎて地図が読めなくなるのでは?

NO。紙地図とコンパスだけで読図をするのは訓練がいりますが、地図アプリは紙地図とコンパスで現在地を把握する手間を省き、GPSで現在地を正確に測位しているからこそ、周りの地形と地図を見比べて地図読みの練習になります。

 

アプリは難しくて使いづらいのでは?

NO。ほとんどのアプリでわかりやすい説明書が用意されています。少なくとも現在地の把握はのアプリでも非常に簡単です。


GoogleマップやiPhoneのマップではだめなのか?

疑問
出典:PIXTA
Googleマップなどの地図アプリは非常に便利ですが、インターネットに接続していないと地図が見れないため、圏外の多い山の中での使用は不向きといえます。

仮にインターネットにつながっていても登山ルートの表示がなかったり、等高線もおおざっぱなので登山での使用には向いていません。一方、登山用のGPS地図アプリは事前に地図データ自体をダウンロードすることができ、圏外環境でもGPSによって現在地を把握することができます。

人気4アプリを徹底比較!

では、どのGPSが”使える!”のでしょうか?今回比較するのは特にダウンロード数が多いこちらの4アプリ。

アプリ一覧
作成:YAMA HACK編集部(左からYAMAP、山と高原地図ホーダイ、ジオグラフィカ、ヤマレコMAP)
●YAMAP<公式サイト
会員数No.1のGPS登山地図アプリ。国土地理院の地形図とユーザーの軌跡データをもとにした独自の詳細地図により、登山道に現在地、コースタイム、水場等の情報を直感的に把握できる。地図は無料・無制限でダウンロードでき、山行の記録を他のユーザーとシェアするSNS的な機能も充実。 PCを使えば地図の無料印刷も可能。有料版(4800円/年)はさらにフルカラーの立体プレミアム地図が利用でき、イベントへの参加特典もある。
●山と高原地図(通常版)/山と高原地図ホーダイ<公式サイト
圧倒的な支持を誇る紙の登山地図「山と高原地図」のアプリ版。見やすい配色とコースタイム、ルート上の情報を細かく網羅し、しかも最新版の紙地図と同じ調査成果を閲覧することができるのが特徴。アプリは「山と高原地図(通常版)」と「山と高原地図ホーダイ」の2種類あり、「山と高原地図(通常版)」は1エリア500円(紙地図の半額)、「山と高原地図ホーダイ」は400円/月で全59エリア使い放題。
※エリアごとに購入する「山と高原地図(通常版)」アプリには登山計画機能はありません。
●ジオグラフィカ<公式サイト
地形図をベースにしたGPS地図アプリ。オンライン時に地図を表示させるだけで地図データが自動保存されるため、ダウンロードにかかる時間はほとんどなし!また、特徴的なのは音声によるガイド機能がついているところ。定期的に現在地や標高を音声で読み上げるため、いちいちスマホを見なくても現在地を把握することが可能。ヘビーユーザーには保存できる地図のキャッシュを大幅に増やせる機能制限解除(960円)がおすすめ。
●ヤマレコMAP<公式サイト
登山SNS最大級の「ヤマレコ」謹製アプリ。ほかのユーザーが歩いたGPSのログ「みんなの足跡」が地図上に表示されており、自分のGPSログもそのままヤマレコにアップすることができる。ネットがつながるエリアでは自動で現在地を共有することができる「いまココ」機能や、オンラインで登山届が提出できる「コンパス」との連携など、非常に付加価値が高い。

機能別の比較

それぞれのアプリの基本機能はおおむね下表のとおり。

比較表
登山用GPS地図アプリは基本的にネット環境で事前に地図をダウンロードし、山の中ではオフライン(機内モード)にしてGPSで現在地を把握します。

結論からいうと、すべてのアプリで現在地を正確に把握することができます。

そのうえで、

①情報量が多く、見やすい地図はどれか?
②どの山でも使えるか?
③ナビゲートしてくれるか?

など、気になる点をそれぞれのアプリの特徴にあわせてご紹介します。

①情報量が多く、見やすい地図は「山と高原地図」アプリ

比較
作成:YAMA HACK編集部(①YAMAP、②山と高原地図ホーダイ、③ジオグラフィカ、④ヤマレコMAP)
4つのアプリを高尾山付近で起動して同じ場所で表示させてみました。見やすさという点では個人によって評価が分かれるところですが、編集部で多数決をとったところ、標高ごとのグラデーションやテキスト情報など、「山と高原地図(ホーダイ)」が最も見やすいという結果になりました。次いで地図上に明確にルートやコースタイムが記載されているYAMAP。ポイントは地図の情報量でした。

情報量なら圧倒的に「山と高原地図」――とはいえ注意点も

高尾山
提供:昭文社
登山計画を立てる上で特に参考になるのがコースタイム・水場・危険個所の表示ですが、山と高原地図とYAMAPにはこれらの情報を全て地図上に表示することが可能。

山と高原地図に関してはさらに詳細な道の情報や見どころまで網羅。一方、縮尺に関してはほかのアプリが1/25000までの縮尺地図があるのに対して山と高原地図は一部を除き1/5万まで。等高線も半分に減っているため、細かな地形や急斜面などを地図上から読み解くのはやや難しくなります。雪山など詳細な地形の把握が必要な時は縮尺の大きな地図アプリを使った方がよさそうです。

「みんなの足跡」が面白い!「雪崩傾斜」まで表示できるアプリも!

みんなの足跡
提供:ヤマレコ(左:一般に紹介されていない回り道もわかる、右:槍ヶ岳の「北鎌尾根」など、熟達者向けバリエーションルートも表示)
コースタイムやテキスト情報とは別の視点で見てみましょう。

ヤマレコMAPにしかない「みんなの足跡」は地図上にヤマレコの登山者が歩いたログがオレンジで表示される機能。通常の登山ルートだけでなく地形図上にはないようなマイナールートまできれいな線として表示されるため、情報の少ない里山・低山やバリエーションルートを目指している人にはとても心強い情報といえるのではないでしょうか。例えば、写真左のような里山で通常の地図には載っていない尾根道と巻道を明確なルートとして見ることができます。

雪崩傾斜図
提供:ジオグラフィカ
また、ジオグラフィカには地形図上に様々な情報を重ねて表示させることが可能。「雪崩傾斜」を選択すれば特に傾斜の急な雪崩危険エリアを赤色で表示させることができるため、雪山では大いに役立つでしょう。

②どの山でも幅広く使えるのは「YAMAP」と「ヤマレコMAP」

提供:YAMAP(編集部員の地元の里山でもコースタイム付きで表示された)
気に入ったアプリを入れていても、実際に登る山の地図がダウンロードできていないと意味がありません。
山と高原地図は基本的に主要な山岳エリアのみとなりますが、それ以外のアプリはほぼ全国の地図をダウンロードすることが可能。特にYAMAPはコースタイム付きでルート表示されている場所が非常に多いので、マイナーな低山でもきちんと計画を立てることができます。 また、コースタイムの表示こそないものの、ヤマレコMAPの「みんなの足跡」も非常に有効です。玄人向けのマニアックなルートほど、この2つのアプリが力を発揮するでしょう。
ヤマレコMAPの計画書提出
提供:ヤマレコ(「〇」をつなぐだけで直感的に登山計画ができる。ボタン一つでコンパスにも提出が可能)
なお、ヤマレコMAPは唯一、オンラインで各県警に登山届を提出できる「コンパス」とも連携しています。登山計画の作成~提出までの一連の流れが簡単にできる点は非常に便利ですね。
※登山計画ができるのは「みんなの足跡」ではなく「一般登山ルート」のみ。
ジオグラフィカコース情報
提供:ジオグラフィカ(左図:関東エリアのコース一覧、右図:コース情報を地図上に表示)
ジオグラフィカは地図とは別に用意されたコース情報をアプリ上でダウンロードすることになります(※)。2018年8月時点で登録されているのは全216コース。ほかのアプリと比較するとやや少ないですが、ある程度人気の山であればベンチや見どころ、山小屋などのコース情報を閲覧することが可能です。(コース情報は随時更新中)
※コースのダウンロードができるのはAndroid端末のみ

里山メインでなければ「山と高原地図」も十分整備済み

提供:昭文社(欲しい地図を選択してダウンロードすればオフラインで表示可能)
「山と高原地図」は紙地図として発行されているエリアのみ。ただし、日本百名山をはじめ全国の主要な山を整備しているため、里山やマイナーな低山メインで登っていない限りはほぼ網羅できていると考えていいでしょう。

地図のダウンロードをサクッと終わらせたい時は?

ジオグラフィカとヤマレコMAPには、地図を表示させるだけでキャッシュ(自動保存)される機能があります。ほかのアプリはダウンロードに時間がかかるものが多いのに対し、事前に計画する段階でGoogleマップのように地図を眺めておけばダウンロードしたことになるので、とっても便利。

③音声ナビまでついた機能充実アプリは「ジオグラフィカ」

ナビ機能
出典:PIXTA
現在地の確認やコースタイムなどは、スマホを見ながらであれば常に把握することはできます。しかし、豪雨や吹雪の時にまで毎回スマホを取り出すのは現実的ではありません。そんな時におすすめしたいのが音声ガイド機能。

今回紹介しているアプリの中では、唯一「ジオグラフィカ」が音声によるルートや標高の案内をしてくれる機能を持っています。事前にルート作成しておき音声案内をさせておけば、最後までスマホを見ずに、迷わず下山できることも可能かも!?

結局、私にオススメのアプリは?

地図アプリをつかう人
出典:PIXTA
それぞれのアプリに特徴がありますが「結局、自分におすすめのアプリはどれ!?」と思った方もいるのではないでしょうか?そこで、登山スタイル別におすすめのアプリをご紹介します。

●YAMAP
全国のほとんどの山のコースタイムや水場の情報入り地図が無料・無制限でダウンロード可能。
・里山などの低山から日本アルプスまで幅広く登る人
・コースタイムや水場などの情報がほしい人
・活動記録をつけたい人、YAMAP内のコミュニティで共有したい人

●山と高原地図(通常版)/山と高原地図ホーダイ
主要な山岳エリアについて最も詳細な登山道情報が収録されており、綿密な計画を立てやすい。
・これまで紙の「山と高原地図」を使っていた人
・コースタイムや水場などの情報がほしい人
・綿密な登山計画を立てたい人

●ジオグラフィカ
地図のダウンロードが楽なうえ、音声ガイド機能は唯一の特徴にして大きな魅力。
・音声ガイド、ナビゲーション機能が欲しい人
・雪山などスマホを取り出しづらい場所に行く人、いちいちスマホを取り出すのが億劫な人
・オリジナルコースを作ったり、カスタムするのが好きな人

●ヤマレコMAP
ルート表示など基本的な機能に加えて超マイナールートも表示される「みんなの足跡」は玄人から見ても心強い。
・マニアックなルートを含む低山から日本アルプスまで幅広い山域に出かける人
・登山届の提出も一緒に済ませたい人
・山行記録をつけたい人、ヤマレコ内のコミュニティで共有したい人

現在地がわかったら、地図読みをしよう

読図をする人
出典:PIXTA
どのアプリでも現在地とその周辺の地図が表示されます。せっかくアプリを入れたのであれば、現在地から見える景色と地図を比べて、等高線の数や形状によってリアルな地形がどのようになっているか見てみましょう。
地図が読めることで、計画を立てるときにそのコースがどのくらい急峻なのか、どんな景色なのかをなんとなく掴めるようになってきます。

モバイルバッテリーはもはや登山の【必須装備】

モバイルバッテリー
出典:PIXTA
全てのアプリは「機内モード」にすることでGPS以外のすべての通信を遮断して電池の消耗を大幅に抑えることができますが、もしもの時、アプリの使用時間が長期に及べば当然電池切れの恐れが出てきます。

仮に、地図アプリを使っていなかったとしても、通信手段は最後の命綱。登山をするときは地図アプリのインストールはもちろん、スマートフォン用のモバイルバッテリーも必ず用意するようにしましょう。

「道迷い遭難」はゼロにできる。アプリを入れることが”当たり前”の文化になるように!

スマホを扱う人
出典:PIXTA
全国の遭難者は20年以上前から右肩上がり傾向で、現在は年間3000人ほど。そして、そのうち4割が道迷いといわれています。もし登山者全員が地図アプリを使ってさえいれば、道に迷う人を約1200人も減らすことができます。アプリをインストールして地図をダウンロードするまでわずか5分ほど。どんなに小さな山でも入山する前にできることなので、ぜひ次の登山から取り入れてみてください!

YAMAP

山と高原地図(通常版)/山と高原地図ホーダイ

ジオグラフィカ

ヤマレコMAP

関連する記事

関連する山行記録 byヤマレコ

アプリ比較
この記事が気に入ったら
「いいね!」をしよう
YAMA HACK編集部
YAMA HACK編集部

YAMA HACK運営&記事編集担当。登山をきっかけに自然の力に魅了される。山で飲むコーヒーが大好き。何かあれば必ず山に行き、心身共に整える。山について新しい視点を与えられるような記事作りを心がけて日々執筆活動を行う。

登山専用コミュニティサイト「ヤマレコ」

OFFICIAL SNS

 

LINEでYAMA HACKをもっと手軽に。

登山用品から登山・トレッキングまで山に関する情報を毎日配信!
LINE友達限定の毎月当たるプレゼントキャンペーンも開催中!