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晴れの国”岡山”は登山にピッタリの山がたくさん
晴れの国として知られる岡山県の山は、南北で大きく山の様子が異なります。岡山県北部は標高1000mを超える中国山地が広がり、標高400~600mくらいの吉備高原を挟み、南部の瀬戸内海方面へと向かうにつれて、徐々に標高が低くなっていくのです。岡山県北と県南で見える景色が全く変わる
県北には、1000mを超える山々が連なる中国山地が県を東西に貫き、雄大な山岳風景が広がります。それに対し県南の山々は、街からのアプローチが良好で、頂上からは美しい瀬戸内の海を望めることが特徴です。岡山の登山は車が便利
公共交通が隅々まで行き渡っているとは言えない岡山において、登山口までのアプローチにはやはり車が便利です。首都圏から岡山の登山を計画している方は、岡山駅や岡山桃太郎空港からレンタカーを利用するのが便利です。今回紹介する岡山の山
▼県北エリア
①後山(うしろやま)
②日名倉山(ひなくらやま)
③那岐山(なぎさん)
④上蒜山(かみひるぜん)
⑤中蒜山(なかひるぜん)
⑥下蒜山(しもひるぜん)
⑦三ヶ上(さんがじょう)
⑧剣山(けんざん)
▼県南エリア
⑨鬼ノ城山(きのじょうやま)
⑩熊山(くまやま)
⑪王子が岳(おうじがだけ)
豊かな自然に囲まれた岡山県北エリアの山8選
県北には中国山地の1000mを超える山々が広がり、旭川・高梁川・吉井川といった河川の源流域ともなっています。また、美作三湯といった西日本有数の温泉地もある自然豊かなエリアです。①岡山県最高峰の”後山”

県北部の兵庫県との県境に位置する後山(うしろやま)は、標高1344mと岡山県の最高峰です。古くから修験道の霊場として栄えており「西の大峰」とも呼ばれ、近畿百名山、中国百名山に選定されています。
■オススメの登山ルート

駒の尾登山口(60分)→駒の尾山(60分)→船木山(30分)→後山(30分)→船木山(70分)→駒の尾山(45分)→駒の尾登山口
【登山口】
駒の尾登山口(西粟倉村側)
▼車の場合
中国自動車道 作用JCT⇛鳥取自動車道⇛市戸坂峠道路⇛一般道にでて大茅の方向に進む
<駐車場>
駒の尾登山口駐車場(トイレあり)
②気軽に山頂を楽しめる”日名倉山”
標高:1047m後山から南側に目を向けると見える山が日名倉山(ひなくらやま)です。なだらかで均整の取れた姿から、美作富士(みまさかふじ)とも呼ばれています。麓には自然公園が整備されいており、リュバンベールというフランス製の鐘がシンボルです。
■オススメの登山ルート
ベルピール自然公園の駐車場を利用して頂上付近まで車で行き、そこから山頂まで登ります。山頂からの眺望は良く、北側にそびえる後山が印象的です。帰りはベルピール公園の鐘楼に立ち寄り、リュバンベールの鐘を鳴らしてみてはいかがでしょうか?
登山口(20分)→日名倉山山頂(20分)→登山口(30分)
【登山起点】
ベルピール駐車場
▼車の場合
中国自動車道 作用JCT⇛鳥取自動車道を大原・鳥取方面に進む⇛高速大原IC⇛国道429号線を目的地まで進む
<駐車場>
ベルピール駐車場
③遮るものがない、360度の展望が広がる”那岐山”

鳥取県との県境に跨る那岐山(なぎさん)は、後山と並び岡山県内の中国山地を代表する山です。山名の由来は、日本神話の伊弉諾尊(イザナギノミコト)を祀る神社があるという説と、後山と背比べをして負け泣いたことから、ナキ(泣き)ノセンとなった民話など諸説あります。
■オススメの登山ルート
那岐山麗山の駅から1㎞ほど北上した地点ににある駐車場を起点に登山を開始。登山口から大神岩と呼ばれる巨岩を経由して那岐山山頂へ。ハイライトはなんといっても山頂からの眺望で、兵庫県の氷ノ山や鳥取の大山(だいせん)、そして日本海まで見渡すことができます。美作三湯の一つである湯郷温泉も、下山後に立寄りたいですね。
第一駐車場(60分)→大神岩(60分)→那岐山山頂(20分)→菩提寺コース出合(80分)→第一駐車場
【登山口】
那岐山登山口駐車場(第1駐車場)
※駐車場は第3駐車場まであります。
▼車の場合
中国自動車道 美作IC⇛県道51号線⇛国道429号線⇛県道7号線⇛県道51号線⇛県道53号線を進み目的地へ
<駐車場>
那岐山登山口駐車場
④麓のグルメも魅力的な”上蒜山”
標高:1202m岡山県の最北端にある上蒜山は、蒜山三座の1つで日本200名山にも選定されています。山陰を代表する大山に近く、頂上から望む姿は圧巻です。麓に広がる蒜山高原には観光牧場があり、ジャージ牛乳を使用したアイスクリームやチーズ、ワイン工場を楽しむことができます。
■オススメの登山ルート
スタートは広々とした牧場の中を緩やかに登ります。樹林帯に入ると、一転して階段の急登が連続。そして、頂上稜線が近づくと登りも穏やかになり展望が開けてきます。山腹に広がる牧場の風景やお隣の県の大山を望みながら頂上まで上り詰めます。
駐車場(110分)→槍ヶ峯(40分)→上蒜山山頂(30分)→槍ヶ峯(80分)→駐車場
【登山口】
上蒜山登山口駐車場
▼車の場合
中国自動車道 蒜山IC⇛県道422号線を蒜山福田の目的地まで進む
<駐車場>
上蒜山登山口駐車場
⑤タフな急登が続く”中蒜山”
標高:1123m蒜山三座の中央に位置する中蒜山(なかひるぜん)、上蒜山とは頂上稜線で隣り合っています。登山口の塩釜の付近には、日本名水100選の塩釜冷泉が。山頂からは上蒜山と下蒜山が両翼に広がり、その懐に抱かれるように蒜山高原が広がっています。
■オススメの登山ルート
登山口は塩釜ロッジから出発します。塩釜の冷泉で、この日の飲用水を補給するのもよいでしょう。塩釜から中蒜山の山頂までは、ほぼ直登のルートですす。距離は短いものの、胸を突く急登が続き、要所にはロープや鎖が設置してあります。
塩釜の冷泉(50分)→日留神社(50分)→中蒜山山頂(40分)→日留神社(40分)→塩釜の冷泉(50分)
【登山口】
塩竈ロッジ登山専用駐車場
▼車の場合
中国自動車道 蒜山IC⇛県道482号線を蒜山下福田の目的地まで進む
<駐車場>
塩竈ロッジ登山専用駐車場
⑥山頂からの眺めが抜群な”下蒜山”
標高:1100m下蒜山は蒜山三座の東に位置し、標高では他の2座に譲るものの、眺望の良さでは三座随一です。頂上は360度のパノラマが開け、北には日本海、西は稜線に中・上蒜山が連なり、その先には烏ヶ山や大山も遠望できます。
■オススメの登山ルート

犬挾峠(100分)→下蒜山(80分)→犬挾峠
【登山口】
下蒜山登山口駐車場
▼車の場合
中国自動車道 湯原IC⇛国道313号線に入る⇛国道482号線を進む⇛美作街道を進み目的地を目指す
<駐車場>
下蒜山登山口駐車場
⑦頂上に石仏が鎮座する”三ヶ上”

二つのピークを持つ山容の美しい山ヶ上(さんがじょう)です。不思議な名前の由来は、山の上から因幡(いなば)、伯耆(ほうき)、備前(びぜん)の三か国が見えるという説も。山頂部は岩場が所々突き出しており印象的な景観を形作り、修験道に因んだ石仏を目にすることができます。
■オススメの登山ルート
上齋原振興センターを出発し、林道と樹林帯を登り進みます。この一帯は多様な高山植物が咲き誇ることが特徴的。二つのピークのうち山ヶ上の最高地点(1060m)の地点に役行者の石仏があり、そこから少し下った岩陰に不動明王の石仏があります。そこから三角点山頂(1035m)までは僅かな距離です。
上齋原振興センター(150分)→三ヶ上最高峰(30分)→三ヶ上三角点峰(30分)三ヶ上最高峰(120分)→上齋原振興センター
【登山口】
鏡野町上齋原振興センター
▼車の場合
中国自動車道 院庄IC⇛国道179号線に入り目的地を目指す
<駐車場>
鏡野町上齋原振興センター
⑧気軽に大展望を楽しめる”剣山”
標高:962m岡山県新見市と鳥取県日野町の県境にまたがる剣山(けんざん)は、三角錐状の山容を持つ美しい山です。標高は1000mに満たないものの、周囲には遮るものがない山頂からは360度の展望が開けます。東西に中国山地の山々、北に鳥取の大山を望み、眼下には美しい里山の風景が広がります。
■オススメの登山ルート
国道180号線明地トンネルの付近にある駐車場が出発地点です。きれいに整備され歩きやすい登山道には要所に休憩所やベンチが設置されています。頂上までは60分程度の道のりです。なだらかな草地の山頂部から眺望を楽しんだ後は、同じ道で辿って下山します。
明地トンネル南側の駐車場(60分)→剣山山頂(40分)→明地トンネル南側の駐車場
【登山口】
新見美しい森
▼車の場合
中国自動車道 新見IC⇛国道180号線に入り目的地を目指す
<駐車場>
新見美しい森
瀬戸内海を望める岡山県南エリアの山3選
岡山県南部の山々は、標高はそれほど高くはありませんが、それぞれの山に独自色があるのが特徴。瀬戸内海の良好な眺望も魅力です。⑨桃太郎のルーツとされる伝説の地”鬼ノ城山”
標高:397m総社市奥坂にある鬼ノ城山(きのじょうざん)は、397mのテーブル上の山です。吉備津彦命(きびつひこのみこと)がこの地を居城にしていた鬼を退治したという伝説が、桃太郎民話のルーツとも言われています。
■オススメの登山ルート
ビジターセンターに駐車して散策スタート。綺麗に整備された道を登っていくと、古代に建造された状態を復元した城門や、城壁や水門の遺跡が次々と現れます。歴史のロマンを随所に感じながらハイキングを楽しみましょう。また、眺望も素晴らしく岡山平野を一望し、さらに瀬戸内の島々まで見晴らすことができます。
鬼城山ビジターセンター(15分)→鬼城山(30分)→温羅遺跡(40分)→鬼城山ビジターセンター
【登山口】
鬼ノ城ビジターセンター
▼車の場合
山陽自動車道岡山JCT⇛岡山自動車道 高速岡山総社IC⇛国道180号線に入る⇛県道271号線に入り目的地へ向かう
<駐車場>
鬼ノ城ビジターセンター
⑩ピラミッドのような遺跡が見られる”熊山”
標高:507m熊山(くまやま)は古くから霊峰として栄えた山で、山頂付近には熊山遺跡と呼ばれる仏教遺跡や樹齢1000年の天然杉があります。低山ながら、山頂からは瀬戸内海の島々や四国の山並みを望むことができる魅力的な山です。
■オススメの登山ルート
綺麗に整備された登山道を進むと、5合目を過ぎたあたりにカエル岩と呼ばれる大岩があります。山頂では熊山神社や遺跡だけでなく、展望台からの景色も楽しむのがオススメ。
熊山駅付近の駐車場(10分)→登山口(50分)→五合目展望台(50分)→熊山遺跡(30分)→五合目展望台(30分)→登山口(10分)→熊山駅付近の駐車場
【登山起点】
熊山駅周辺の無料駐車場
▼車の場合
山陽自動車道 和気IC⇛国道374号線⇛国道395号線⇛県道180号線に入り、熊山駅を目指す
<駐車場>
熊山駅周辺の無料駐車場
⑪人気のクライミングスポット”王子が岳”
標高:235m児島半島の南端に位置する王子が岳(おうじがたけ)は、巨岩や奇岩が向きだしたユニークな景観を持つ山です。「おじさん岩」「にこにこ岩」「ひつじ岩」名づけられた岩をめぐる遊歩道が整備されいます。ボルダリングやクラインミングが楽しめる場所としても人気です。
■オススメの登山ルート
瀬戸内海に隣接した王子が岳は、山の随所で瀬戸内海の島々や瀬戸大橋などのオーシャンビューを楽しむことができます。遊歩道はどこも綺麗に整備されており、しっかりとした登山の装備がなくても安心して歩けます。
渋川港登山道入口(80分)→新割山(50分)→渋川港登山道入口
【登山口】
渋川港無料駐車場に駐車
▼車の場合
山陽自動車道 水島IC⇛県道21号線⇛県道276号線⇛国道430号線を進み目的地を目指す
<駐車場>
渋川港無料駐車場に駐車
初心者が知っておきたい登山の服装について
登山に適した服装を選ぶことでより安全に登山を楽しむことができます。エリアによっては本格的な登山になるので、きちんと準備をしていきましょう。Tシャツは乾きやすさが大切
登山は長い時間に渡り動いたり止まったりを繰り返すので、汗でシャツが濡れて体が冷えてしまう恐れがあります。快適に登山をするためにも、乾きやすい素材を用いたTシャツを選びましょう。▼登山の服装に関して詳しくチェックしよう
登山パンツは動きやすいものを選ぼう
登山パンツに大切なのは動きやすいこと。丈夫さも大切ですがストレッチ性の高い生地を選ぶようにしましょう。登山靴で快適に登山を楽しもう
登山靴では舗装されていない道を歩くことがほとんどなので、悪路でも滑りにくい靴が必要です。また、雨やぬかるみから浸水を防ぐ防水性を備えた靴を選びましょう。レインウェアを持っていれば雨の日も安心
山の天候は変化しやすく急に雨が降ることもあります。雨に濡れて体が冷えないように、雨を防ぐレインウェアは必ず持っていきたいアイテムです。意外と忘れがちなのが登山帽子
一般的に標高が1000m高くなると、紫外線量は10%アップすると言われています(*1)。帽子は紫外線から頭部を守ってくれる他、怪我の防止にもつながります。魅力いっぱいの岡山の山に登ろう
県南と県北では大きく特徴のことなる岡山県の山々。ほとんどの山が日帰りで登ることが可能なので、ぜひ一度登ってみてください。【登山時の注意点】
・登山にはしっかりとした装備と充分なトレーニングをしたうえで入山して下さい。(足首まである登山靴、厚手の靴下、雨具上下、防寒具、ヘッドランプ、帽子、ザック、速乾性の衣類、食料、水など。)
・登山路も複数あり分岐も多くあるので地図・コンパスも必携。
・もしものためにも登山届と山岳保険を忘れずに!
・紹介したコースは、登山経験や体力、天候などによって難易度が変わります。あくまでも参考とし、ご自身の体力に合わせた無理のない計画を立てて登山を楽しんで下さい。