天城山のシャクナゲ

天城山|シャクナゲが咲き誇る伊豆の山へ。春〜初夏におすすめの縦走&周回コース

日本百名山のひとつである伊豆半島の「天城山」は、初夏になるとピンクの花が彩る「シャクナゲコース」で知られています。今回は歩きごたえのある天城峠までの縦走コースと、アセビとシャクナゲに彩られる周回コースを紹介。縦走コースは実際に歩いた際の写真で詳細紹介しているので、登山初心者にも安心です!

目次

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山小屋や行政・関連機関が発信する最新情報を入手したうえで登山計画を立て、安全登山をしましょう。
アイキャッチ画像出典:PIXTA

天城山はどんな山?

天城山

出典:PIXTA
標高所在地最高気温(6月‐8月)最低気温(6月‐8月)
1,406m静岡県伊豆半島18.7℃13.2℃

天城山(あまぎさん)は静岡県の伊豆半島のほぼ中央に位置する連山の総称です。伊豆半島最高峰である万三郎岳(1,406m)をはじめ、万二郎岳(1,299m)、遠笠山(1,197m)などからなっています。

ピンクと白に彩られた、美しい花の登山道

天城山の石楠花

出典:PIXTA(シャクナゲ)

天城山といえば「シャクナゲコース」の登山道でも知られています。万二郎岳と万三郎岳のあいだに「石楠立(はなだて)」という場所があり、ここのあたりがシャクナゲの群生地になっているのです。見頃は5月中旬〜6月初旬です。

アセビ

出典:PIXTA(アセビ)

また、万二郎岳から石楠立のあいだは「アセビのトンネル」と言われ、こちらは白いアセビの花が鈴なりになっていて愛らしいです。こちらの見頃は3月〜4月頃とシャクナゲより少し早くなっています。

春から初夏にかけて、花が咲き誇る天城山の山歩きは気分も明るくなること間違いなしです!もちろん紅葉シーズンも美しく、冬も歩けるので通年で登山を楽しむことができる山です。

登山の前に天気と地図もチェック!

温暖な気候で海からの湿った風が山にぶつかり雨雲となるため降水量の多い地域になっています。晴れの予報でも雨具を忘れずに持って行きましょう。かすみで視界が悪くなることもあるので注意しましょう。
てんきとくらす|天城山
※登山指数を参考に、天気予報や天気概況などの情報も検討したうえで登山計画を立てましょう

昭文社 山と高原地図|伊豆 天城山

 写真でルート解説|歩きごたえ抜群の天城山縦走コース

合計距離: 16.49 km
最高点の標高: 1373 m
最低点の標高: 664 m
累積標高(上り): 1904 m
累積標高(下り): -2294 m
【体力レベル】★★★☆☆
日帰り
コースタイム:7時間20分(縦走)
参考:ヤマプラ
【技術的難易度】★★☆☆☆
・登山装備が必要
・登山経験、地図読み能力があることが望ましい
凡例はこちらをクリック:グレーディング表

 

ルート概要(縦走)
天城縦走登山口(20分)→四辻(55分)→万二郎岳(40分)→石楠立(35分)→万三郎岳(140分)→八丁池(10分)→上り御幸歩道入り口(20分)→コマドリ歩道入口(5分)→大見分岐点(60分)→向峠(30分)→天城峠(25分)→天城峠バス停

天城高原ゴルフ場登山口から天城峠までのコースを写真で紹介します。コースはよく整備されており、道標も多くあるので迷わずに登山することができます。

天城山の登山口

天城山の登山口

撮影:nao

天城高原ゴルフ場のバス停を降りたら目の前に登山口があります。バス停横のハイカー専用駐車場内にきれいなトイレがあるので、ここで用を足してから行きましょう。

万二郎岳への道

天城山の道

撮影:nao

樹林帯を歩きますが、ブナやヒメシャラなどの細い樹が多いため視界は明るいです。

四辻

天城山の四辻

撮影:nao

四辻の分岐を万二郎岳方面へ進みます。

万二郎岳山頂

天城山の分岐点

撮影:nao

急坂から平らな地形になると万二郎岳の山頂に到着です。
天城山の眺望

撮影:nao

山頂からの展望はあまりありませんが、東伊豆町が見渡せます。

馬の背

天城山に登る人

撮影:nao

万二郎岳から岩場を少し下ると、気持ちのいい尾根歩きが続きます。

アセビのトンネル

天城山のアセビのトンネル

撮影:nao

春は登山道を覆うアセビの花がとてもきれいです。

石楠立(はなだて)

天城山の看板

撮影:nao

道標はありますが、分岐はないのでそのまま道を進みます。
このあたりはシャクナゲの群落地で初夏には見事な花を見ることができます。

万三郎岳山頂

天城山の標識

撮影:nao

伊豆半島の最高峰で1,406mの万三郎岳。あまり展望はありませんが、木々の合い間から富士山が見えることも。
天城山から見た景色

撮影:nao

天城山のひとつでもある遠笠山も見える。
マイカーで来たひとは万三郎分岐点から天城高原駐車場へ戻ることができます。

八丁池への下り

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撮影:nao

ブナやヒメシャラの林の明るい登山道。
天城山の登山道

撮影:nao

気持ちいい道ですが、広く平坦なので迷いやすい。登山道を外れないように注意しましょう。

八丁池

八丁池

出典:PIXTA

天城の瞳と呼ばれる美しい断層湖に到着。天然記念物のモリアオガエルが多く生息しています。

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撮影:nao

八丁池の周りは広く平らな草地が広がっているので、ここでのんびりしている人も多いです。

八丁池のトイレ

天城山のトイレ

撮影:nao

池を右手に進むとトイレがあります。
時間がなければ、ここから林道を40分ほど下れば八丁池口のバス停があるので下山も可能です。

上り御幸歩道

天城山の表札

撮影:nao

八丁池からすぐのところに下り御幸歩道がありますが、間違わないように上り御幸歩道を進みます。

わさび田

天城山のわさび田

撮影:nao

涼しげな川の音が聞こえてきたら、わさび田が見えてきます。

天城峠

天城山の天城峠

撮影:nao

天城峠に展望はありませんが、ベンチとテーブルがあるので休憩ができます。
下山には旧天城トンネルの方向へ下ります。

【旧天城トンネル】

天城トンネル

出典:PIXTA

『伊豆の踊り子』や『天城越え』でも有名な天城山隋道です。現存する石造りのトンネルでは日本最長で445.5m。
ここから10分で天城峠のバス停です。バスの本数は少ないので注意しましょう。ヘッドランプは必携です。

登山道を彩るピンク&白の花|天城シャクナゲ周回コース

合計距離: 8.68 km
最高点の標高: 1379 m
最低点の標高: 1050 m
累積標高(上り): 1155 m
累積標高(下り): -1155 m
【体力レベル】★★★☆☆
日帰り
コースタイム:4時間45分(周回)
参考:ヤマプラ
【技術的難易度】★★★☆☆
・登山装備が必要
・登山経験、地図読み能力があることが望ましい
凡例はこちらをクリック:グレーディング表

 

ルート概要(周回)
天城縦走登山口(20分)→四辻(55分)→万二郎岳(40分)→石楠立(45分)→涸沢分岐点(70分)→四辻(20分)→天城縦走登山口

このコースは万三郎岳までは縦走コースと同じ道を歩きますが、周回して登山口に戻ります。コースタイムは縦走より短くなりますが、アセビとシャクナゲの花の道を通ることができます。クルマで訪れる人や手軽に天城山を歩いてみたい人におすすめのコースです。
天城山のシャクナゲ

出典:PIXTA

天城山へのアクセス

今回紹介した縦走コースは下山口にクルマをデポするのが難しいので、公共交通の利用がおすすめです。逆に周回コースであれば、天城高原駐車場に停めて登山ができるので、クルマの際にはこちらが便利です。

クルマの場合

伊豆スカイライン「天城高原」ICー県道111号ー天城高原駐車場

■天城高原駐車場
台数:100台
トイレ:あり
料金:無料

公共交通の場合

JR「伊東」駅より東海バス「天城東急リゾートシャトルバス」乗車−「天城縦走登山口」バス停下車
※縦走時の戻りは「天城峠」バス停より「修善寺駅行き」もしくは「河津駅行き」乗車になります
東海バス|運行時刻検索

自然豊かな天城山を歩こう

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撮影:nao

登山口の標高も高く、レベルに合わせたコースで登山やハイキングを楽しめます。歴史や文化にふれられる旧天城トンネル、原生林の森は明るく快適で、春はアセビやマメザクラ、初夏のシャクナゲ、秋の紅葉など、季節ごとの自然を感じることができます。ぜひ天城縦走路を歩いてみてください。

※この記事内の情報は特記がない限り公開初出時のものとなります。登山道の状況や交通アクセス、駐車場ならびに関連施設などの情報に関しては、最新情報をご確認のうえお出かけください。

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