「無事帰る」をモットーにしたファーストエイドポーチ

不整地を歩く登山では、怪我やトラブルのリスクは避けられません。トラブルと遭遇したときもすぐに治療を受けられないため、応急処置ができるように準備しておくことは山に入るすべての人にとって大切です。
そこで重宝されるのがファーストエイドポーチ。薬や衛生用品などを収納するポーチで、中にはジッパー付きの袋を代用している人もいます。
ただ、「すぐに取り出せるのか」、「咄嗟の時に使いやすいか」は別問題。

そんな中、新たに誕生したのがPAAGOWORK(パーゴワークス)のMY FIRST AID(マイファーストエイド)。通常の袋型のポーチではなく、アイテムを入れたジップバックをファイリングするポーチなんです。
そこには無事帰るための工夫と想いが込められていました。
使いやすく整理しやすい! 4つの注目ポイント
早速、マイファーストエイドの特徴を見ていきましょう。主なポイントは4つです。
①ジップバッグをファイリングできる「POPSシステム」

マイファーストエイド、一番の特徴はジッパーバッグを本のようにめくれる形式であること。
独自に開発した中綴じシステム「POPS(Paago Organizing Pocket System)」によって、専用ジッパーバッグの追加や取り外しが自由にできます。

ポーチひとつあたり4枚のジッパーバッグが付いています。
防水性と清潔面に優れている上にアイテムや症状、シーン別に収納ができ、ラベリングも可能。ジッパーバッグはオプションで追加購入できるため、カスタマイズ性が高いのもポイントです。
②大切な情報を伝えられる「IDカード」が付属

自分自身が怪我で動けなくなった緊急時に、緊急連絡先や血液型など処置に必要な情報を伝えられる防水のIDシートが付属しています。
③大容量の内ポケットが2種類
ポーチの内にはジッパー付きのポケットとフラップ式のポケットの2種類が付属。エマージェンシーシート、携帯トイレなどかさのあるものや、ヘッドライトなどのすぐ取り出したいものを収納するのにぴったりです。
④スムーズなダブルジッパー

どこからでも開けやすいダブルジッパー式です。両サイドにタブもついているため、スムーズに開閉できます。見た目以上にしっかりとマチが作られているため、たっぷり収納できます。
サイズはSとMの2種類。アクティビティに合わせてチョイス

マイファーストエイドにはSとMサイズの2種類があり、携行するアイテム量やアクティビティに合わせて選ぶことができます。
サイズ | 外寸 (高さx幅x奥行) | 重量 | ジッパーバッグサイズ (内寸) | 収納例 | 主な用途 |
Sサイズ | 150×110×40mm | 35g | 130×80mm | ばんそうこう、ポイズンリムーバーなど | トレイルランニングなど最小限の荷物携行3 |
Mサイズ | 190×135×40mm | 45g | 170×105mm | 三角巾、テーピング、アレルギー用のエピペンなど | より多くのアイテムを携行したい場合 |
Sサイズはポケットティッシュとほぼ同じサイズ感で、Mサイズには三角巾やテーピングといったかさばるアイテムも収納可能。日帰り山行やトレイルランニングがメインならSサイズ、山小屋・テント泊も想定した登山ならMサイズがおすすめです。
リアルな声が生み出した唯一無二のポーチ
なぜ、こんなにも独創的なポーチが誕生したのか。理由は、これまでのファーストエイドキットが抱えていた課題とパーゴワークスの想いにありました。

パーゴワークス(PAAGOWORKS)はアウトドア自由主義を掲げ、登山やトレイルランニング、バックカントリー、自転車まで幅広い遊びを提案する国内アウトドアブランド。外遊びを楽しむためのギアを作る一方で、安全啓蒙にも力を入れたいという想いからマイファーストエイドの開発に乗り出したそうです。
開発するにあたり、ユーザーボイスを収集するアンケート調査や山岳ガイド、医療従事者へのヒアリングも実施しました。そこで明らかになったのが、トラブル遭遇率の高さと既存のファーストエイドキットへの懸念点です。
1194件の8割が山行中にトラブルと遭遇したと回答があり、最も多かったのがすり傷・切り傷というでした。
一方、多くの登山者が既存のファーストエイドバッグに満足しておらず、その代用としてジッパー付き袋を活用しているという実態も明らかに。ジッパー付き袋の利点として、防水性や視認性、衛生面に優れているという点が挙げられました。
それらを踏まえ数多のブラッシュアップを経た上で、満を持してマイファーストエイドが誕生したのです。
使って実感。「POPSシステム」という圧倒的な利便性
さて、使いやすさに特化したマイファーストエイドですが、最大の特徴といえばPOPSシステムに間違いはないでしょう。実際に使用していく中で編集部と筆者が体感した利便性をご紹介します。
日帰り、宿泊登山のアイテム入れ替えも楽々
とりわけ編集部で評判が高かったのが、POPSシステムを活用すれば山行計画に合わせてファーストエイドの中身を手軽に入れ替えられる点。
例えば、日帰り用アイテムをベースにして、山行計画に合わせてジップバッグでアイテムを足し引きすれば瞬時にベストなエイドキットが完成するという算段です。
コツはジップバッグを駆使して種類別・シーン別でアイテムを分類しておくこと。ただ、人によって何がどのように必要かは異なりますので、そこが悩みどころといえるでしょう。
かくいう筆者も、使いはじめて1ヶ月半経ちますがまだまだ迷走中です。個人的におすすめのサイズはM。必要に応じてジップバッグを抜けばかなり薄くなりますし、必要な時は携帯トイレなども収納できるため、さまざまなアクティビティへの持ち出しやすさを感じています。
リスクに特化した専用ジップバッグを作るのもおすすめ
さて、そんなマイファーストエイドには筆者も度々助けられています。

テント泊登山では、重い荷物を担いで長距離を歩いたこともあり、筆者は靴擦れを起こしてしまいました。
テントの中で就寝前に処置をしたのですが、とにかく眠い。あまりの疲労感に目も半分開いていない状態でマイファーストエイドを取り出しましたが、予め靴擦れを想定した応急処置アイテムをジップバッグにまとめておいたため、スムーズに治療ができました。

また別の山行でのこと。まんまとヤマビルの餌食になった筆者が、ヒル用ジップバッグを作っておくべきだったということです。
スプレーはすぐに取り出しやすいようザックのサイドポケットに入れておくとして、
- 消毒用アルコールか塩(ヒルをはがすために使用)
- 清潔なガーゼや包帯(血が止まるまでは軽く圧迫)
- 虫刺され薬
- 絆創膏(止血後に使用)
など、「ヒルに嚙まれたときに使うアイテム」をひとまとめにしておけば、もっとスムーズに対処できたのではないかと感じました。
事前に山域情報を確認し、遭遇率の高いアクシデントに合わせたジップバッグを作っておく。そんな工夫ができるのもPOPSシステムを備えたマイファーストエイドの良いところではないでしょうか。
いざという時も焦らないために

マイファーストエイドを片手にパッキングをあれこれ試していると、思考が整理されるような感覚があります。
「このアイテムはどのようなシーンで使うだろう、それならどうやって収納するのがベストだろうか」
一つひとつのアイテムを吟味して、ジップバッグに入れ中綴じする。細部まで思考を巡らせることで、いざというときの対応が以前よりも鮮明に思い浮かぶようになりました。
それが「無事帰る」につながるのだとしたら、マイファーストエイドはすべての人におすすめできるアイテムです。整理されたファーストエイドポーチとともに、いざフィールドへ!
パーゴワークス マイファーストエイド S
パーゴワークス マイファーストエイドM