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寒い季節の強い味方アクティブインサレーション

出典:PIXTA
「アクティブインサレーション」は、近年の秋冬登山で注目される新しいタイプの行動着。蒸れを軽減する通気性だけでなく、保温性にも優れているので、寒い季節のアクティブなシーンに最適です。
レイヤリングの中ではミドルレイヤーに分類されるウェアで、生地の中間層には中綿などの保温材を封入。静止時だけでなく行動中も快適に過ごせるように設計されています。
ザ・ノース・フェイスの「ベントリックスジャケット」が間違いない!

中でも、ザ・ノース・フェイスの「ベントリックスジャケット」は、多くのアウトドアユーザーから高い評価を得ている一着です。
冬の厳しい環境にも対応する機能と、ザ・ノース・フェイスらしい街使いにも馴染みやすいデザイン性を兼ね備え、その使い勝手の良さからアクティブインサレーションの最初の一着としてもおすすめです。
動きによって中綿が通気する!?

提供:Goldwin
そんなベントリックスジャケットのキーとなるのが、ザ・ノース・フェイス独自開発の中綿素材「ベントリックス(VENTRIX)※」。
その特徴は、「VENT=通気口」の名前の通り、通気性に優れた、あたたかくも蒸れにくい特殊な構造にあります。
※2024年現在、ベントリックスシリーズの中綿には再生ポリエステルを使った「VENTRIX ECO」が採用されています。
動くと通気し、止まると保温する

提供:Goldwin
「ベントリックス」は、中綿にスリットと呼ばれる細い切れ目が入っています。
これがなかなか面白い仕組みになっていて、スリットは行動中の体の動きに応じて開いて通気を生み、ウェア内の余計な熱を排出。逆に動きを止めるとスリットは閉まり、ウェア内の熱が外へ逃げないシステムになっています。
まるで中綿が呼吸をしているかのように、体の動きに合わせてスマートに体温調節をしてくれるのです。

提供:Goldwin
また「ベントリックス」はストレッチ性にも優れ、体を動かしたときのウェアの動きに合わせた位置と向きに施されています。そのため、最も効果的に【通気↔︎保温】の切り替えがおこなえる設計になっています。
スリットを最大限に活かす表地と裏地

そして表地と裏地には、ベントリックスの通気性とストレッチ性を最大限に活かす15デニールの高通気で軽量なストレッチナイロンを採用。
生地には撥水加工も施されており、多少の雨や雪でも、ウェアの濡れを防ぎます。

また裏地には小さなドット状のレーザーホールが設けてあり、通気性を高めウェア内に溜まった熱を排出しやすい構造になっています。
熱すぎず寒くない、ほどよい保温性

中間層には40g/m²のベントリックス・エコが封入されており、アクティブインサレーションの中では中厚手に分類されます。
ジャケットタイプなので、秋の登山ではアウターとして、厳冬期登山ではミドルレイヤーとして使うなど、多様な使い方が可能です。
あたたかいのに蒸れにくい、魔法のジャケットでした

モデル:身長169cm、Lサイズ着用
そんなベントリックスジャケットを、秋の霧ヶ峰で使ってみました。
そこで感じたのが、保温性と通気性のバランスの良さ。雪山でも活躍する保温性を持ちながらも、軽やかで空気が通りやすく、寒い季節の快適な行動を後押ししてくれるウェアでした。
使ってみて印象的だったポイントを紹介します。
「あたたかいのに蒸れない」を実感!

手に取った時は軽く薄っすらした印象だったベントリックスジャケットですが、着用するとインサレーションらしいあたたかさが体を包みます。
この日の気温は15度ほど。通常であれば薄手のミドルレイヤーでも良いような天気ですが、せっかくのテストなので2時間ほどの登山で終始着用してみました。
そこで驚いたのが、思ったよりも蒸れないんです。
気温が気温だけに、汗だくを覚悟していましたが、「熱くて着ていられない」ということはありませんでした。もちろん歩くと汗は出ますが、しっかり蒸れが排出されていることがわかります。
着脱の回数を最小限に減らし、行動中の手間を減らせるウェアだと感じます。
ライター橋爪
私は代謝がよく、汗をかきやすい体質です。
私の場合、ベントリックスジャケットは気温が5度以下になるような晩秋〜冬の登山で使いたいと感じました!
止まっていても心地よいあたたかさ

今回のような気温が高めの場合、特に止まっているようなシーンで心地よいあたたかさがありました。
気温が10度以上あるような季節であっても、休憩時や小屋泊・テント泊に使えるインサレーションとして、また早朝の気温の低い時間帯の行動着としても活躍しそうです。
ただし、防風性はそこまで高くはないので注意。稜線上など風が強い場所では、アウターをレイヤリングしましょう。
ずっと着ていたくなる軽やかさ

軽やかなジャケットなのでサッと羽織ることができます。
重量は公式で約260g(Lサイズ)と、アクティブインサレーションの中でも比較的軽量で、ザックにしまっておく場合もそこまでスペースを取りません。
ライター橋爪
アクティブインサレーションというと、ちょっとゴワッとしたイメージもありますが、ベントリックスジャケットは思っていた以上に軽やかでした。
やわらかい着心地も高ポイントです。
腕の曲げ伸ばしも快適

さすがストレッチ性にもこだわったウェアだけあって、生地はよく伸びます。
岩場など、肩や腕の動きが大きいシーンであっても、袖が突っ張っることはなく、ストレスなく行動ができました。
ピッケルによる腕の動きが多い雪山登山など、アクティブシーンでその機能性を発揮できそうです。
撥水性も十分!よく弾きます

撥水加工が施された表地は、水を吹きかければコロコロと水滴となって落ちていきます。
もちろん「防水性」が備わっているわけではありませんので、雨や雪のシーンではアウターの着用が基本。
ライター橋爪
短時間の小雨や小雪程度であれば、これだけでも行動できそうですね!
シンプルだけど使い勝手がいい!細かな機能もGOOD
ザ・ノース・フェイスらしい、シンプルながらも使い方が考えられたデザインも魅力的です。
左胸内ポケットに本体を収納できるポケッタブル仕様


左胸には、スマホもスッポリ入る大きめの内ポケットを配置。ポケッタブル仕様になっていて、ウェアをポケットに押し込むことでコンパクトに携帯できます。
バックパックに干渉しにくいサイドポケット

両サイドのファスナーポケットは、バックパックのハーネスが干渉しにくい位置に配置されています。
摩耗しやすい部分はハードフェイスプリントで補強

肩周り、背中下部、肘下の部分には、耐摩耗性に優れたハードフェイスプリントが施されています。バックパックを背負った際に擦れやすい箇所や、摩耗が起こりやすい腕の部分をしっかりと保護します。
ライター橋爪
ハードフェイスプリント部分には蜂の巣状の模様が施されています。
デザイン的にもそんなに目立つことはないので、タウンユースでも気になることはなさそうです!
ゴム仕様でストレスのない袖口・裾

袖口や裾はゴム仕様になっていて、ドローコードなどでの調整の手間はありません。キツすぎず、緩すぎず、ほどよいフィット感。冷たい風の侵入を防ぎます。
ベントリックスジャケットともに快適な行動を

中綿素材「ベントリックス」により、運動時と休憩時の体温変化にスマートに対応してくれるベントリックスジャケット。
気温の高い中でのテストではありましたが、通気と保温の切り替えがよく考えられた、シンプルながらも優秀なアクティブインサレーションだと感じました。
秋冬の心強い味方に、いかがでしょうか。
ザ・ノース・フェイス ベントリックスジャケット【メンズ】
素材 | <表地・裏地>15D Mechanical Stretch Breathable Recycled Nylon(ナイロン100%) <中綿>VENTRIX ECO(ポリエステル100%) |
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重量 | 約260g(Lサイズ) |
カラー | クレイグレー、アーバンネイビー、ブラック |
サイズ | S、M、L、XL、XXL |
ザ・ノース・フェイス ベントリックスジャケット【レディース】
素材 | <表地・裏地>15D Mechanical Stretch Breathable Recycled Nylon(ナイロン100%) <中綿>VENTRIX ECO(ポリエステル100%) |
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重量 | 約235g(Lサイズ) |
カラー | クレイグレー、アルジーブルー、ブラック |
サイズ | S、M、L、XL |
便利なベストタイプも展開中!

ベントリックスジャケットの機能をそのままに、使い勝手の良い「ベントリックスベスト」も展開中!
スッキリとしたシルエットのクルーネックタイプで、あまりモコモコ感もなく、薄手のシャツとの組み合わせも良さそうです。

「歩くと熱いけど、止まると肌寒い」そんな春や秋の登山で使いやすいベストだと感じました。コンパクトに収納できるので、一着持っていると何かと役立ちそうです。
ザ・ノース・フェイス ベントリックスベスト【ユニセックス】
素材 | <表地・裏地>15D Mechanical Stretch Breathable Recycled Nylon(ナイロン100%)<中綿>VENTRIX ECO(ポリエステル100%) |
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重量 | 約145g(WLサイズ)、約165g(Lサイズ) |
カラー | クレイグレー、アーバンネイビー、ブラック |
サイズ | WS、WM、WL、S、M、L、XL、XXL |