アイキャッチ画像撮影:筆者
ペツルは1970年に創業したフランスの登山用品メーカー

撮影:筆者
ペツルはクライミングや救助に使われるハーネスやピッケル、登山用ヘッドランプなどを主に製造するフランスのメーカーです。山岳からレスキューまで、その高い信頼と実績で世界でも広く知られてきました。
そんなペツルの代表的な製品とも言えるのが「ヘルメット」なんです。
軽量性✕耐久性を兼ね備えたペツルのヘルメット
まずはペツルのヘルメットの特徴を4つご紹介します。
- 横からの衝撃にも強い安心設計
- 超軽量モデルもあり!
- 大きめな通気孔と脱着可能なパッドで快適&清潔
- 全モデルでヘッドライトを装着可能
①横からの衝撃にも強い安心設計

提供:ぺツル
ヘルメットとして絶対に譲れないのが「安全性」です。その点ペツルは、最も守るべき頭頂部はもちろん、後ろや左右からの衝撃にも強い製品を作るべく、「トップ&サイドプロテクション」という独自基準を設定。現在販売されている全モデルでこの基準をクリアし、登山でも安心して使える性能を実現しています。
②超軽量モデルあり!

撮影:YAMA HACK編集部
ヘルメットと言えば重さが気になるところですが、ペツルは軽量性にこだわった製品をラインナップ。中でも最軽量モデル「シロッコ」はわずか160g(S/Mサイズ)と、もはや着用することを忘れてしまうほどの軽量性を実現しています。軽量性が重視されるクライマーにも選ばれているのも納得です。
③大きめな通気孔と脱着可能なパッドで快適&清潔

撮影:筆者
「大きめな通気孔」も特徴の一つ。蒸れる印象の強いヘルメットですが、ペツルの製品は通気孔が大きめに設計されているため、気温の高い山でも蒸れを最小限に抑えてくれます。

撮影:筆者
内部のパッドは面ファスナーで簡単に着脱可能。洗うことはもちろん、スペアパーツに張り替えることも可能なため、常に清潔に保つことが可能です。
④全モデルでヘッドライトを装着可能

撮影:筆者
ヘッドライトも全モデルで装備可能です。専用の固定爪でしっかり固定されるため、激しい運動の中でも安心して使うことができます。
ヘルメットのタイプは大きく分けて3種類!
ペツルで販売されているヘルメットは大きく分けて「①ハイブリッド」「②インモールド」「③ハードシェル/ハイブリッド」の3つに分けることができます。それぞれについて詳しくご紹介します。

撮影:筆者
- ハイブリッド:超軽量でフィット感も高いが価格が高め
- インモールド:軽量性と保護性能のバランスが良い
- ハードシェル/ハイブリッド:やや重めだが、耐久性が高く価格も手頃
①ハイブリッド:超軽量で疲れにくいが価格が高め

撮影:筆者
軽量さをとことん追求したのがハイブリッドタイプです。発泡ポリスチレンフォームライナーを発泡ポリプロピレンフォームシェルで覆い、さらに頭頂部だけポリカーボネート製クラウンで包み込むことで、高い軽量性を実現しています。一方で、表面がプラスチックのタイプと比較すると耐摩耗性や耐久性はやや劣り、価格も高めです。
メリット:とにかく軽い
デメリット:価格が高め、耐摩耗性や耐久性がやや劣る
該当商品:シロッコ
②インモールド:軽量性と保護性能のバランスが良い

撮影:筆者
インモールドタイプでは、衝撃吸収のための発泡ポリスチレンフォームを、耐久性のあるポリカーボネートシェルで覆っています。この構造により、軽量でありながらも高い保護性能を実現しています。さらに「③ハードシェル/ハイブリッド」と比べると、通気孔が多いため通気性が高いのも特徴です。
メリット:軽量性と保護性能のバランスの良さ
デメリット:「①ハイブリッド」よりやや重い
該当商品:メテオ、メテオラ
③ハードシェル/ハイブリッド:やや重めだが、耐久性が高く価格も手頃

撮影:筆者
発泡ポリプロピレンフォームを、ABS樹脂と呼ばれる強度の高いプラスチックで覆ったのが「ハードシェル/ハイブリッド」タイプです。表面がプラスチックであるため摩擦に強く、耐久性も高いのが特徴です。さらに価格も手軽なため初めてのヘルメットとしても選びやすいですが、他のタイプと比較するとやや重めです。
メリット:高い耐久性と手頃な価格
デメリット:やや重い
該当商品:ボレオ、ボレア
ペツルのヘルメット全5モデルを比較して紹介
構造の違いを理解したら、ヘルメットの各モデルの違いを見ていきましょう。大人用として販売されている全モデルの基本情報をグラフでまとめてみました。
モデル | シロッコ (男女兼用) | メテオ (男女兼用) | メテオラ (女性モデル) | ボレオ (男女兼用) | ボレア (女性モデル) |
---|---|---|---|---|---|
写真 | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() |
構造タイプ | ハイブリッド | インモールド | ハードシェル/ハイブリッド | ||
特徴 | 超軽量 | 軽量性と保護性能のバランス | 高い耐久性と手頃な価格 | ||
重量 (g) | 160g (S/M)、 170g (M/L) | 225g (S/M)、 240g(M/L) | 225g | 285g (S/M)、 295g(M/L) | 295 g |
カラー | ホワイト/オレンジ、ブラック/オレンジ | ブラック、レッド | グレー、バイオレッド | ブルー、オレンジ、レッド、ホワイト、グレー | ホワイト、ターコイズ、バイオレット |
こんな人におすすめ | 軽さを求めたい人 | 軽量さと保護性のバランスを重視したい人 | コスパを重視したい人 |
ここからは各モデルの詳細をご紹介します。
圧倒的な軽さの「シロッコ」
① 超軽量設計
シロッコの最大の特徴は、その軽さです
。通常のヘルメットの重さが250~300g程度であるのに対して、シロッコのS/Mサイズはわずか160gしかありません。
全体を発泡ポリプロピレン製シェルで構成しつつ、頭頂部のみEPS(発泡ポリスチレン製)ライナーと呼ばれるクッション構造を採用することで、圧倒的な軽さと高い衝撃吸収性能を実現しています。
ほとんどの山岳アクティビティに適応可能ですが、特に軽さが重視されるクライミングや登山に最適なモデルです。
② 高い快適性
大きな通気孔が設けられているため、通気性も抜群。長時間の使用でも蒸れにくくなっています。通気孔が大きいからと言って耐久性に不安があるかといえばもちろんそんなことはなく、触ってみるとその堅牢性を感じることができます。
▼シロッコの着用イメージ
ペツル シロッコ
構造タイプ | ハイブリッド |
---|---|
重量 (g) | 160g (S/M)、 170g (M/L) |
カラー | ホワイト/オレンジ、ブラック/オレンジ |
ペツルの最軽量ヘルメット
軽量さと耐久性のバランスに優れた「メテオ(男女兼用)」「メテオラ(女性向け)」
① 丈夫で軽量
「インモールド構造」を採用しているのがメテオ、メテオラです。ハードな山岳シーンでも躊躇することなく使える高い耐久性を持ちつつ、発泡ポリスチレンフォームにより軽量性も実現しています。シロッコと同様、ほとんどの山岳アクティビティで使うことができます。
② 高い快適性
シロッコと同様、通気孔が大きなデザインで頭が蒸れにくい設計になっています。特にメテオラはポニーテールが当たりにくいデザインとなっており、髪の長い方でも快適です。
③ スキーツーリング用としても
メテオ・メテオラは、スキーツーリング用として認証を受けた初めてのヘルメットでもあります。スキー用ゴーグルやバイザーの取り付けが容易なため、スキーツーリング向けに使いたい方にも最適です。
▼メテオ(男女兼用)の着用イメージ
▼メテオラ(女性向け)」の着用イメージ
ペツル メテオ
構造タイプ | インモールド |
---|---|
重量 (g) | 225g (S/M)、 240g(M/L) |
カラー | ブラック、レッド |
軽量性と保護性能のバランスの良い男女兼用モデル
ペツル メテオラ
構造タイプ | インモールド |
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重量 (g) | 225g |
カラー | グレー、バイオレッド |
軽量性と保護性能のバランスの高い女性向けモデル
耐久性が高くお手頃価格な「ボレオ(男女兼用)」「ボレア(女性向け)」
① 高い保護性能
外側全体を耐久性の高い樹脂で覆うことで、高い保護性能を実現したのがボレオ、ボレアです。山行中に発生しがちな擦れに強いため、安心して持ち運ぶことができます。ボレアはポニーテールにも対応したデザインが施されているため、女性に使いやすい設計です。
②手頃な価格
他モデルと比べると最も手頃な価格を実現しています。クライミング、ケイビング、キャニオニングなど、様々な用途に使うことできるため、コストパフォーマンスの高いモデルを探している方にもおすすめです。
▼ボレオ(男女兼用)の着用イメージ
▼ボレア(女性向け)の着用イメージ
ペツル ボレオ
構造タイプ | ハードシェル/ハイブリッド |
---|---|
重量 (g) | 285g (S/M)、 295g(M/L) |
カラー | ブルー、オレンジ、レッド、ホワイト、グレー |
高い耐久性とお手頃価格が特徴の男女兼用モデル
ペツル ボレア
構造タイプ | ハードシェル/ハイブリッド |
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重量 (g) | 295 g |
カラー | ホワイト、ターコイズ、バイオレット |
高い耐久性と手頃な価格が特徴の女性向けモデル
【まとめ】ヘルメットはこう選ぶ!
最後に、改めてそれぞれのヘルメットがどんな人におすすめかをまとめます。
・軽量さを求めるなら→シロッコ(男女兼用)
・保護性能と軽量さのバランスを取るなら→メテオ(男女兼用)・メテオラ(女性向け)
・コストを抑えたいなら→ボレオ(男女兼用)・ボレア(女性向け)
モデルの目星がついたら、あとはサイズの確認。男性は「S/M(頭囲 48-58cm)」と「M/L(と頭囲 53-61cm)」の2サイズ、女性は更に「女性向けモデル(頭囲 52-58cm)」を加えた3サイズがあるため、それぞれを実際に被った上で、一番しっくりくるサイズを探しましょう。その他、帽子やビーニー、フードの上からの着用がある場合は、そのサイズも考慮して選びます。
ヘルメットの正しい装着方法
性能の高いペツルのヘルメットも、間違った装着の仕方だとその性能も半減。正しい装着方法をしっかりマスターしましょう。
① ヘッドバンドをしっかり広げて頭にかぶる
② ストラップを引いてバンドを頭囲に合わせる
③ ヘッドバンドを後頭部の少し深い位置に下げることで安定したかぶり心地に
④ あご紐の位置調節用バックルは、息苦しくならないように耳たぶの下くらいに調整
⑤ 閉じる際は、あご紐を引っ張ってバックルがしっかりとロックされていることを確認
使ったらケアが基本!メンテナンス方法
ヘルメットの性能を維持し、寿命を延ばすためにもメンテナンスは不可欠です。使用後はメンテナンスも忘れずにしましょう。
①中性洗剤を含んだぬるま湯(最高温度 30 ℃)で洗い、水道水でよくすすぐ
②洗浄後は直射日光を避けて自然乾燥させる
③パーツに破損がないか確認。内部のフォームなど交換可能なパーツもあるため、必要であればペツルの公式販売ページより確認
ペツルのメルメットで安全快適な登山を!

撮影:筆者
似ているようで、実は各モデルでしっかり色が出ているペツルのヘルメット。ご自身の登山スタイルや利用シーンに合わせて選ぶことで力を最大限発揮してくれます。ペツルのヘルメットを相棒に、是非アウトドアアクティビティを更に楽しんでください!
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