登山時のヘルメットの必要性

登山にヘルメットが必要な理由は「滑落、転倒した際に頭部を守ること」と「落石などの落下物から頭部を守ること」の2点です。
近年、山によっては人が増えており、混雑が原因の落石事故や、登山道が荒れて滑落・転倒の危険性が高い場所も。自分自身の安全確保のため、ヘルメットでの備えは大切です。
「ヘルメット着用奨励山域」も!
長野県には、山岳遭難防止対策協会が指定した「山岳ヘルメット着用奨励山域」があります。奨励山域での登山の際は、登山用ヘルメットをかぶるようにしましょう。
ただし、「奨励山域以外では、着用する必要がない」ということではありません。必ず登る山のルート状況を確認し、転倒や落石でケガをする恐れのある場所へはヘルメットを携行するのがベストです。
山域名 | 指定する山域 |
---|---|
北アルプス南部 | 槍・穂高連峰のうち、北穂高岳から涸沢岳・屏風岩、前穂高岳(北尾根から吊尾根)一帯、西穂高岳から奥穂高岳、北穂高岳から南岳(大キレット)、北鎌尾根・東鎌尾根の区域 |
北アルプス北部 | 不帰の嶮周辺、八峰キレット周辺 |
南アルプス | 甲斐駒ケ岳、鋸岳 |
中央アルプス | 宝剣岳 |
戸隠連峰 | 戸隠山、西岳 |
登山ヘルメットを選ぶときの4つのポイント
ヘルメット選ぶ際に、確認しておくべき点を紹介します。
①安全性能を満たしているか
登山用のヘルメットとして販売されているほとんどの製品は、2種類の安全基準規格「EN規格」と「UIAA規格」のいずれか、または両方に適合しています。ヘルメットなら何でもよいというわけではありませんので、安全基準を満たすモデルを選びましょう。
EN規格(EN 12492)
②サイズは合っているか
頭に合わないヘルメットを長時間被ると頭痛の原因になりますので、ショップで試してみるのが◎。寒い時期は薄手のニット帽の上から被ることもあるので、ストラップ、後頭部の調整幅が大きいタイプがおすすめです。メーカーによっては、女性向けのモデルも展開しています。
③重量が負担にならないか
長時間の着用や持ち運び時の負担になることもありますので、重量も確認してみましょう。最近では軽量モデルが多数出ています。
④フードとの相性は良いか
レインウェアのフードをヘルメットの上から被れるか確認し、フードがしっかり前まで被れて一番上までチャックが閉まるものを選びましょう。
▼ヘルメットの選び方については、こちらもチェック!
ここからは、メーカー別に登山用のヘルメットを紹介していきます。
MAMMUT(マムート)
マムート/スカイウォーカー2
耐久性のある硬化プラスチックシェル製で、通気性、着用性にもこだわったデザイン。エントリーモデルとしても最適です。
マムート/ウォールライダー
ハードシェルとクッション性のあるビーズ法発泡ポリプロピレンを組み合わせることで、かぶりやすさと軽量性を両立。
マムート ウォール ライダー
重量:[56-61cm]220g、[52-57cm]195g
EN 12492規格
マムート/クラッグ サンダー ヘルメット
シェルとフォームの組み合わせにより超軽量化。大きめのベンチレーションが特徴です。
マムート クラッグセンダー
サイズ:52-67cm、56-61cm
EN12492
PETZL(ペツル)
ペツル/ボレオ
耐久性・汎用性が高く、初めてのヘルメットとしておすすめのモデルです。
ペツル ボレオ
サイズ:(頭回り)[S/M]48-58cm、[M/L]53-61cm
EN12492、UIAA
ペツル/ボレア
ボレオの機能をベースにした女性向けモデル。髪を結んだ状態でもかぶりやすいように工夫された設計が、うれしいポイントです。
ペツル/メテオ
耐久性と快適さのバランスがよく、オールラウンドで使えます。
ペツル メテオ
サイズ:(頭回り)[S/M]48-58cm、[M/L]53-61cm
EN12492,、UIAA
ペツル/シロッコ
軽量性に秀でたモデルで、通気性も良いので快適に使えます。
ペツル シロッコ
サイズ:(頭回り)[S/M]48-58cm 、[(M/L]53-61cm
EN12492, UIAA
Black Diamond(ブラックダイヤモンド)
ブラックダイヤモンド/ハーフドーム
サイズ調整のダイヤルが片手で操作できるなど、シンプルでいて使い勝手の良い定番モデル。
ブラックダイヤモンド ハーフドーム
サイズ:[S/M]50-58cm、[M/L]56-63cm
EN12492、UIAA
ブラックダイヤモンド/ハーフドーム ウィメンズ
髪を結んだ状態でもかぶりやすい、ハーフドームのウィメンズモデル。
ブラックダイヤモンド/ベクター
シェルとフォームの組み合わせた軽量モデル。8つのベンチレーションで通気性にも配慮。ウィメンズモデルも展開しています。
ブラックダイヤモンド ベクター
サイズ:[メンズS/M]53-59cm、[メンズM/L]58-63cm、[ウィメンズ]53-59cm
EN12492、UIAA
ブラックダイヤモンド/ビジョン
軽さがありながらも、ブラックダイヤモンドのヘルメットの中で最も耐久性の高いモデル。パッドの取り外しが可能なところも◎。
ブラックダイヤモンド ビジョン
サイズ:[S/M]53~59cm、[M/L]58~63cm
EN12492、UIAA
mont-bell(モンベル)
モンベル/アルパインヘルメット
日本人の頭に合うアジアンフィットで、快適にかぶれるモデル。ダイヤルアジャスターでフィット感の繊細な調整が可能です。
重量:305gサイズ:(頭周り)54~62cmEN12492
モンベル/L.W.アルパインヘルメット
こちらも日本人にぴったりのアジアンフィット。より軽量なモデルです。
重量:[S/M]225gサイズ:(頭周り)[S/M]52~57cm、[M/L]57~62cmEN12492
CAMP(カンプ)
カンプ/アーマー
抜群のフィット感と豊富なカラーバリエーションで人気のモデル。サイドには通気性を良くするベンチレーションが施されています。
カンプ/タイタン
耐久性と快適性のバランスが良いモデルで、テクニカルなクライミングや登山にも対応。フィット感にもこだわった設計になっています。
カンプ/スム―ト
ポリカーボネイトシェルを使用した、軽量でありながら耐久性も確保。ベンチレーションが多く、抜群の通気性です。
カンプ/スピードコンプ
より安全性の高い、アスリート向けモデル。片手で簡単にサイズ調整ができます。
Climbing Technology(クライミング・テクノロジー)
クライミング・テクノロジー/ギャラクシー
縦走登山からクライミングまで、汎用性の高いモデル。ベンチレーションが多く、通気性も◎。
クライミング・テクノロジー/オリオン
シェルと衝撃吸収材の組み合わせにより通気性と軽量性に優れた、幅広いシーンで使えるモデル。片手でダイヤル式のサイズ調整が可能です。
クライミング・テクノロジー/イクリプス
頭周りのサイズが小さい人や子ども向けのモデル。
合わせて準備! ヘルメットの下にぴったりの帽子
「ヘルメットを直にかぶると、頭部の汗や蒸れが気になる…」そんなときは、薄手のキャップやヘルメット用のインナーキャップも用意しておきましょう。手ぬぐいを代用することもできますよ!
ファイントラック/パワーメッシュキャップ
耐久撥水性のあるインナーキャップ。汗抜けがよく、頭部の蒸れや不快感を軽減してくれます。
持ち運びに便利! 収納に困ったらヘルメットホルダーを活用
ザック内にヘルメットの収納をする余裕がない場合は、ヘルメットホルダーがあると便利。ザックの外側にヘルメットを取り付けることができます。仕様は様々なので、自身のザックに取り付けが可能かどうかを、購入前によく確認しましょう。
モンベル/ヘルメットホルダー
重量:77gサイズ:高さ24.5cm×幅23.5cm対応モデル:左右2本ずつのサイドテープ(幅2cm以下)が付いている中~大型バックパック
登山のお供にヘルメットを
万が一事故にあった時、ヘルメットを着用していたかどうかで結果が変わってくる場合があります。「あれば大惨事にならなかったのに…」とならないためにも、ヘルメットの持参・着用の必要性について、山へ行く前にもう一度考えてみましょう。
最近は軽量モデルや通気性の高いものがあるので、少ない負担で安全確保の手助けをしてくれるはずです!