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【2025年】ブラックダイヤモンドのヘルメット9モデルを徹底解説

【2025年】ブラックダイヤモンドのヘルメット9モデルを徹底解説

落石や転倒などから頭を守ってくれる大切な山岳ヘルメット。いざ買おうと思ってもさまざまなモデルがあり、どれを選んだらいいのか難しいところですよね。

今回は、「ブラックダイヤモンド」のヘルメットのシリーズごとの特徴やラインナップを徹底解説します

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目次

アイキャッチ画像撮影:YAMA HACK編集部

多彩なラインナップがそろうブラックダイヤモンドのヘルメット

ブラックダイヤモンドのロゴ
撮影:YAMA HACK編集部

ブラックダイヤモンドは、クライミングを始めバックカントリーやトレッキングのギアも手掛けるアメリカのメーカーです。「クライマーによるクライマーのためのメーカー」として、イヴォン・シュイナード氏が立ち上げたシュイナードイクイップメント社を引き継ぐ形で設立されました。

ここからは、ブラックダイヤモンドのヘルメットの特徴を紹介します。

多様なニーズに応える幅広いラインナップ

ブラックダイヤモンドのヘルメット3モデル
撮影:YAMA HACK編集部

登山用ヘルメットを取り扱うメーカーの中でもラインナップ数が多い、ブラックダイヤモンド。2023年の時点で、4シリーズ9モデルのヘルメットを展開しています。定番モデルからハイスペックなモデル、女性用やキッズ用とラインナップが豊富

大人用のユニセックスモデルはどれもS/MとM/Lの2サイズ展開で、多くの人にフィットしやすい点も特徴です。M/Lの最大サイズは頭囲63cmと大きいため、頭部が大きめの方やヘルメットの下にインナーキャップを被りたい方なども選びやすいでしょう。

なかには、頭部の形状にフィットしやすい2ピース構造(アウターシェルが2分割・2部構成)のモデルもあります。

MIPSテクノロジーを搭載しているモデルも!

MIPS機能を搭載したヘルメットの層

提供:LOST ARROW

MIPSとは、多方向衝撃保護システム(The Multi-directional Impact Protection System)の略で、回転のかかった衝撃から頭部を保護するテクノロジーのこと。自転車用ヘルメットに多く採用されている機能です。

MIPS機能を搭載したヘルメットの内側

提供:LOST ARROW

転倒や滑落により垂直以外の方向から衝撃を受けると、黄色の低摩擦ライナーが滑らかに動き、回転力のダメージを軽減させて脳震盪などを予防してくれます。
MIPS搭載モデルには「MIPS」と書かれているので、転倒・滑落時の衝撃を少しでも緩和したい人はチェックしてみましょう。

ブラックダイヤモンドのヘルメット、どれがいいの?

ヘルメットを被ってクライミングをする人

出典:PIXTA

前提として、ヘルメット選びでは「頭にフィットすること」が重要です。店頭などで必ず実物を装着して、ご自身の頭に合うことを確かめてから購入してください。

とはいえフィットするモデルがいくつかある場合や、候補のモデルを絞り込んでから取り扱い店舗に足を運んだほうが効率的な場合もあるでしょう。

そこで押さえておきたいのが、ヘルメットのタイプによる違いです。

ヘルメットは大きくわけて3タイプ

ヘルメットの構造はインナーシェル(内側)とアウターシェル(外側)からなり、製法の違いにより「ハードシェル」「インモールド」「ハイブリッド」の3タイプに分けられます。

どのタイプも、インナーシェルには緩衝材としてEPSやEPPのフォームが使われています。

EPS(発泡ポリスチレン、発泡スチロール)の特徴
衝撃吸収性がある・強度がある・軽量・成形しやすい

EPP(発泡ポリプロピレン)の特徴
EPSの特徴に加えて、より軽量・弾力性に優れる

ここからは、3タイプの違いを見ていきましょう。

①頑丈な「ハードシェル」タイプ

ハードシェルタイプのヘルメット
撮影:YAMA HACK編集部

ABS樹脂製のアウターシェルに、頭頂部を中心にEPSフォームをはめ込んだ構造がハードシェルタイプ。ABS樹脂は、耐衝撃性・強度・剛性などに優れ、衝撃を受けても壊れにくい頑丈な素材です。

アウターシェルがやや厚めになるため重くなり、通気孔も小さく少なめです。一方で傷に強く、全体的な大きさはインモールドタイプよりコンパクト。価格も1万円を下回る物が多く、リーズナブルです。

②軽量な「インモールド」タイプ

インモールドタイプのヘルメット
撮影:YAMA HACK編集部

ポリカーボネートなどのシェルにEPSやEPPのフォームを流し込んで圧着し、一体成型したものがインモールドタイプです。ポリカーボネートはABS樹脂よりも耐衝撃性に優れています。

圧縮しにくくフォームが厚めになってしまうため、同じサイズでもハードシェルタイプより大きめのシルエットに。しかし、頭全体をカバーするフォームはフィット感に優れ、軽いので長時間被っても疲れにくい点が特長です。通気孔が大きく数も多い傾向にあり、蒸れにくいメリットも。

その反面ハードシェルタイプより高価で、アウターシェルが薄いがゆえに凹みや傷が付きやすい点がデメリットです。

③双方を組み合わせた「ハイブリッド」タイプ

ハイブリッドタイプのヘルメット
撮影:YAMA HACK編集部

ハードシェルタイプとインモールドタイプのいいとこ取りで、耐衝撃性と軽量性を兼ね備えているのがハイブリッドタイプ。
衝撃を吸収するインナーシェルが頭部全体を覆いつつ、アウターシェルが組み合わせられています。衝撃を受けやすい部分のみアウターシェルで強化されているものから、全体をカバーするものまでさまざまです。

▼ヘルメットの選び方については、こちらもチェック!

ブラックダイヤモンドのヘルメットのラインナップ一覧

現在ラインナップされているブラックダイヤモンドのヘルメットは、ハードシェルとハイブリッドの2タイプ。過去にはインモールドタイプのモデルも展開されていましたが、現在はありません。

また、ハーフドームとその他のモデルでは、側面からの保護性能にも違いがあります。

タイプ別にモデルを分類すると、以下の通り。

ハードシェルハイブリッド
重量重いやや重い↔軽い
大きさすっきり大きめ
側面保護なしあり
価格安価やや安価↔高価
モデル名ハーフドームシリーズキャピタンシリーズビジョンシリーズベイパーシリーズ
ハーフドーム


ハーフドームウィメンズ
キャピタン
ブラックダイヤモンドのキャピタン

キッズキャピタン
ブラックダイヤモンドのキッズキャピタン
キャピタン MIPS
ブラックダイヤモンドのキャピタンMIPS

キッズキャピタン MIPS
ブラックダイヤモンドのキッズキャピタンMIPS
ビジョン
ブラックダイヤモンドのビジョン
ビジョン MIPS
ブラックダイヤモンドのビジョンMIPS
ベイパー
特徴コスパ抜群の定番モデルフィット感と衝撃吸収性に優れるキャピタンのMIPSモデル軽量性と堅牢性のバランス◎ビジョンのMIPSモデル最軽量ハイエンドモデル

提供:LOST ARROW(左より、ハーフドームハーフドームウィメンズキャピタンキッズキャピタンキャピタン MIPSキッズキャピタン MIPSビジョンビジョン MIPSベイパー

具体的なシリーズやモデルごとの特徴は、次の項目で詳しく紹介していきます。

ブラックダイヤモンドのヘルメット一覧

タイプごとに、各モデルの特徴を解説します。

ハードシェルタイプのヘルメットシリーズ

ハーフドームシリーズ

ブラックダイヤモンドのハーフドーム

提供:LOST ARROW

ハーフドームシリーズは、登山用ヘルメットを初めて購入する方にもぴったりな、コストパフォーマンスに優れた定番モデルです。

頭部のフィット感は片手で簡単に操作できるダイヤル式で、左右均等に調整できます。ヘッドランプは前後各2箇所のクリップで固定します。

ブラックダイヤモンド ハーフドーム

素材 外側:ABSシェル
内側:EPSフォーム
サイズ S/M=50~58cm
M/L=56~63cm
重量 S/M=330g
M/L=350g
カラー BDオレンジ、デニム、レイン、スレート

口コミ・レビュー

軽くフィッティングもよい
定番のヘルメット。スレート色を選んだが、グリーンのアクセントで格好もよい!軽くフィッティングが良いのでとても良い。調整も簡単。内装のパッドが取り換え可能のようなので、汚れたら交換できるのもよい。

出典: 楽天市場

ベーシックカラーの他に、山の中でも視認しやすいオレンジも。4色のカラーバリエーションです。

ブラックダイヤモンド ハーフドーム ウィメンズ

素材 外側:ABSシェル
内側:EPSフォーム
サイズ ワンサイズ=52~58㎝
重量 330g
カラー アルミニウム、カスピアン

口コミ・レビュー

夏が楽しみです。
立山等の登山予定の為に購入しました。女性用で色も落ち着いていて軽さも程々で、登山専門店で実物を確認してからの購入です。発送も早く梱包もしっかりしていました。被った感じは、ちょっと乗っかってる感があるけど、それは想定内でした。
これで今年の夏は、立山登山に一つ安心が加わりました。楽しみです。4にしたのはまだ使用してないからです。

出典: 楽天市場

レディース用はポニーテールが干渉しないデザインで、女性の頭部にフィットしやすい形状に作られています。

ハイブリッドタイプのヘルメットシリーズ

キャピタンシリーズ

ブラックダイヤモンドのキャピタン

提供:LOST ARROW(正面 / 背面

頭部全体をカバーするABS樹脂の2ピース構造が、キャピタンシリーズの最大の特徴。これにより頭の形に合わせた自由度の高い成形が可能となり、ヘルメットをかぶったときのフィット感を高めています

ヘッドランプは、前方2箇所のクリップと後方のバンジーコードで固定。
またキッズモデルも展開し、大人用・キッズ用ともにMIPS搭載モデルもあります。

ブラックダイヤモンド キャピタン

素材 外側:ABSシェル
内側:EPPフォーム+EPSフォーム
サイズ S/M=50~58cm
M/L=56~63cm
重量 S/M=285g
M/L=295g
カラー アストラルブルー/ブラック、マルベリー/ブラック、オクタン/ブラック、パティナ/ブラック、ピューター/ブラック

口コミ・レビュー

軽くてサイズも良い感じで、キャップ帽をかぶってもナイスフィットって感じです。登山の安全対策に買いました。

出典: 楽天市場

インナーシェルはEPPとEPSの2種類の衝撃吸収材を使用し、側面や後頭部を保護。堅牢性を備えつつ、多くのベンチレーターで通気性も確保しています。カラーバリエーションも豊富。

ブラックダイヤモンド キッズキャピタン

素材 外側:ABSシェル
内側:EPSフォーム
サイズ ワンサイズ=49~57cm
重量 358g
カラー ウルトラブルー/パーシモン

自転車とクライミングに対応可能な、汎用性の高いキッズ用のキャピタン。ステッカーセットが付属しています。表と裏で色の違うストラップは、装着時のねじれ確認やサイズ調整の際に見やすくて便利です。

ブラックダイヤモンド キャピタンMIPS

素材 外側:ABSシェル
内側:EPPフォーム+EPSフォーム
サイズ S/M=50~58cm
M/L=56~63cm
重量 S/M=320g
M/L=355g
カラー ブラック/ホワイト

MIPS機能を搭載したモデル。保護性能が高い一方、通常モデルよりも重めです。

ブラックダイヤモンド キッズキャピタン MIPS

素材 外側:ABSシェル
内側:EPSフォーム
サイズ ワンサイズ=49~57cm
重量 383g
カラー アロイ/ウルトライエロー

キッズキャピタンと同じく、自転車とクライミングの両方に対応しています。MIPS搭載により、転倒時の衝撃を軽減。こちらもステッカーセットが付属し、ストラップの色は表と裏で異なります。

ビジョンシリーズ

ブラックダイヤモンドのビジョン

提供:LOST ARROW

ブラックダイヤモンドのヘルメットの中で、最も堅牢でオールラウンドなモデルです。
耐衝撃性に優れたEPSフォームと軽量で弾力性に富んだEPPフォームを組み合わせ、頭頂部のみABSを採用した複合シェル。S/Mサイズで220gの軽さ、MIPS搭載でもS/Mサイズで260gと、軽量性も備えたバランスのよいモデルです。

キャピタン同様、ヘッドランプは前方2箇所のクリップと後方のバンジーコードで固定します。

ブラックダイヤモンド ビジョン

素材 外側:ABSシェル
内側:EPPフォーム+EPSフォーム
サイズ S/M=53~59cm
M/L=58~63cm
重量 S/M=220g
M/L=240g
カラー ボルドー、アクアベルテ、ハイパーレッド、タンドラ、ストームブルー、アストラルブルー

口コミ・レビュー

大きめサイズがあり良かった
頭がデカイので、大きめサイズを探していました。軽くて負担少なく、ちょうど良いです。

出典: 楽天市場

内側のパッドは取り外し・裏返し可能で、メンテナンスも容易。暑い時期でも快適に使用できます。

ブラックダイヤモンド ビジョン MIPS

素材 外側:ABSシェル
内側:EPPフォーム+EPSフォーム
サイズ S/M=53~59cm
M/L=58~63cm
重量 S/M=260g
カラー ブラック

MIPS機能を搭載したモデルです。

ベイパーシリーズ

ブラックダイヤモンドのベイパー

提供:LOST ARROW

ベイパーは、S/Mサイズでわずか170gという軽さを誇るハイエンドモデルです。むき出しのインナーシェルは軽量なEPPで、多くのベンチレーターにより通気性も確保。衝撃を受けやすい頭頂部には、耐衝撃性・軽量性に優れたポリカーボネートのアウターシェル、ALUULAという高強度の補強材、EPSが採用されています。

軽くて長時間着用してもストレスフリーなので、山岳レースなどに向いています。

山岳ヘルメットの厳しい安全規格をクリアしているものの、ベンチレーターが大きい分、細かな落石には注意が必要です。

ブラックダイヤモンド ベイパー

素材 頭頂部外側:ポリカーボネート
頭頂部中間層:ALUULA
内側:EPP、頭頂部のみESP
サイズ S/M=53~59cm
M/L=58~63cm
重量 S/M=170g
M/L=180g
カラー ブラック、オクタン、ホワイト

ヘルメットのメンテナンスと保管方法

沢登りをするパーティ

出典:PIXTA

山行によって、ヘルメットが濡れたり汚れたりすることがあります。ヘルメットが汚れたらぬるま湯につけ、洗濯石鹸で洗いましょう。その後は直射日光が当たらない場所で自然乾燥させてください。

完全に乾燥したら、直射日光や熱源の近くを避け、乾いた場所で保管しましょう。

ヘルメットを安全に使うための注意点

ヘルメットの機能を最大限に引き出すために、気を付けたいポイントが3つあります。

フィッティングしてから購入を

ヘルメットを着用している女性

提供:LOST ARROW

頭の形も人それぞれです。サイズの頭囲は合っていてもモデルによって形が異なるため、実際に着用してしっかりフィットするかどうかを確認してから、購入しましょう。

フィッティングの方法

1.ダイヤルまたはラチェットアジャスターで、バックストラップを緩める。
2.ヘルメットを着用し、きつ過ぎない程度にバックストラップを調整する。
3.あご紐のバックルを留め、きつ過ぎない程度に調整する。
4.頭を前後左右に振ってもヘルメットがずれることなくぴったりとフィットし、保護する範囲が最大になっていることを確認する。

ヘルメットの着用のOKとNGの例

出典:PIXTA、編集:筆者

サイクリングやモータースポーツには使用不可

ブラックダイヤモンドのビジョンを被ってクライミングをする人

提供:LOST ARROW

ブラックダイヤモンドのヘルメットは登山・アイスクライミング・ロッククライミング用に設計されているため、一部のモデルを除きサイクリングやモータースポーツには使用できません。

※キッズキャピタンとキッズキャピタン MIPSは、自転車にも使用できます。

亀裂やくぼみがあれば買い替えを

ブラックダイヤモンドのヘルメット裏面に記載された製造日
撮影:YAMA HACK編集部(裏面に記載されたヘルメットの製造日)

適切にお手入れしていても、使用頻度が高いと2〜5年で寿命を迎えることも。未使用の保管でも、最大10年が寿命の目安です。製造日はヘルメットの裏面に記載されています。

また使用頻度や年数に関わらず、ヘルメットに亀裂やくぼみがある場合、ストラップの摩耗やバックルが痛んでいる場合は危険なので、新しいヘルメットに買い替えましょう。

自分にぴったりのヘルメットを選ぼう

ビジョンをかぶってクライミングをする人

提供:LOST ARROW

クライミングはもちろん、登山を楽しむうえでも大切なヘルメット。ブラックダイヤモンドのヘルメットは、安全規格をクリアしているだけでなく、様々なユーザーやニーズに応える機能を備えています。自分に合うヘルメットを見つけて正しく着用し、安全にクライミングや登山を楽しみましょう!

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