アイキャッチ画像撮影:鷲尾 太輔
縦走も楽しい御岳山

御岳山は周囲に複数の奥多摩の山々が連なっており、それぞれの山と組み合わせた縦走も楽しみです。中でも御岳山からの距離が近く、縦走にチャレンジしやすいのが東側に連なる日の出山(902m)です。
その名の通り東側が開けており初日の出鑑賞でも人気の山へ縦走し、これも登山の醍醐味である下山後の温泉を満喫するコースを紹介します。
コース概要
最高点の標高: 913 m
最低点の標高: 356 m
累積標高(上り): 733 m
累積標高(下り): -1200 m
コース概要
御岳山駅(10分)→東京都御岳ビジターセンター(30分)→御岳山(10分)→長尾平分岐(5分)→長尾平展望台(5分)→長尾平分岐(25分)→七代ノ滝(25分)→ロックガーデン(30分)→綾広の滝(30分)→長尾平分岐(5分)→武蔵御嶽神社(60分)→日の出山(70分)→日の出山ハイキングコース入口(15分)→日の出山登山口バス停(10分)→つるつる温泉
御岳山へのアクセス

御岳山へ登るには、まず御岳登山鉄道(ケーブルカー)滝本駅をめざします。ケーブルカーは、中腹の滝本駅(標高407.6m)から御岳山駅(標高831m)までの区間を約6分間で結んでいます。料金の支払いは現金のほか交通系ICカードにも対応。また、乗客が多いときは臨時増発される場合もあります。
電話:0428-78-8121
営業時間:7:30~18:30
料金:片道600円、往復1,200円(大人)
往路

最寄駅のJR青梅線・御嶽駅で下車します。駅名は「御嶽」、バス停やケーブルカーは「御岳」と表記が異なるのも興味深いところです。

御嶽駅から車道を渡って左手へ進むと、西東京バス「ケーブル下」行きのバスの発着場があります。登山客が多い時期はバスが増便されるので、焦らずにバス乗場へ並びましょう。
京王バス・西東京バス|御岳駅 時刻表

「ケーブル下」バス停に着いたら、舗装路をひと登りで、ケーブルカー滝本駅へ到着します。
復路

復路はつるつる温泉バス停から、西東京バス「武蔵五日市駅」行きのバスに乗車します。

武蔵五日市駅はJR五日市線の終着駅で、拝島駅でJR青梅線に接続します。
コース詳細ガイド

今回はコースを5つのセクションに分けて紹介します。
セクション①:御岳山駅〜武蔵御嶽神社(40分)
セクション②:武蔵御嶽神社〜長尾平〜七代の滝〜ロックガーデン〜綾広の滝(100分)
セクション③:綾広の滝〜武蔵御嶽神社(35分)
セクション④:武蔵御嶽神社〜日の出山(60分)
セクション⑤:日の出山〜つるつる温泉(95分)
*各セクションをクリックすると、そのセクションへジャンプします
セクション①:御岳山駅〜武蔵御嶽神社(40分)

この区間はケーブルカー御岳山駅から武蔵御嶽神社へ続く参道です。途中に階段はありますが、すべて舗装されています。

御岳山駅から左手へ、参道が続いています。「歓迎」の門をくぐり、平坦な舗装路を進んでいきます。

朱塗りの鳥居をくぐると前方には御岳山が見えてきます。左奥にそびえる尖った山は奥の院です。

やがて参道は杉林の中へと入ります。眺望はありませんが、左側の柵には随所に東京都御岳ビジターセンターが設置した御岳山に関する解説板が点在しており、飽きることがありません。

左下からケーブルカーを利用しない表参道が、右上から富士峰園地を経由した道が合流すると、すぐに東京都御岳ビジターセンターの建物が右手に現れます。御岳山に関するさまざまな情報発信を行っており、開館時間内(9:00〜16:30・月曜または祝日翌日の火曜日と年末年始は休館)であれば、トイレ利用や休憩も可能です。

ビジターセンターから先の参道沿いには、宿坊が点在しています。

この看板を左折してもOKですが、坂を下った右側にある茅葺き屋根の馬場家御師住宅へと直進していきます。今も御岳山では数多くの宿坊が営業していますが、こちらは江戸時代末期の宿坊の建物が現存しており、東京都指定有形文化財となっています。

馬場家御師住宅の先にある、この角を左折します。すぐに先ほどの角を左折してきた道とぶつかるので、右手へと進みます。

だんだんと、参道の勾配が急になってきます。息を整えて、無理せずゆっくりと進んでいきましょう。

さらに参道を上っていくと、右前方の斜面に国指定天然記念物の神代ケヤキやそびえています。樹高約30m、幹周り約8.2mの堂々たる巨木です。

神代ケヤキの樹下を通って右折すると、参道沿いには食事処や土産物屋が立ち並んでいます。

手水舎がある鳥居前広場からは、石段が始まります。大鳥居をくぐり朱塗りの随身門をめざします。石段を避けたい場合は、左へ女坂という坂道だけの参道が延びています。

随身門をくぐったら、参道は左手へと延びています。周囲には関東各地の御嶽講の信者が奉納した石板が林立しています。

左手へロックガーデンや大岳山への登山道が延びています。ここも石段を直進して、霧の御坂と呼ばれる参道を鳥居をくぐりながら進みます。

やや左折しながら石段を上っていくと参道の左右には献灯が立ち並びます。左上に見える朱塗りと漆喰の建物は宝物殿で、トイレも併設されています。

参道を右折して左手に木造の社務所が見えれば、武蔵御嶽神社でもっとも大きな社殿である幣殿・拝殿は目の前です。
セクション②:武蔵御嶽神社〜長尾平〜七代の滝〜ロックガーデン〜綾広の滝(100分)

このセクションは長尾平で展望を楽しんだ後、七代の滝まで一気に下り、ロックガーデンから綾広の滝へと養沢川源流部の清流沿いを登り返していきます。

霧の御坂を下ったら、写真の「岩石園・大岳山→」の道標通りに右方向へ進みます。武蔵御嶽神社の社務所すぐ下からも近道が延びていますが急坂となるので、ここまで下った方が無難です。

杉木立の中の斜面をトラバース(横断)するように、ゆるやかに下っていきます。やがて右手から武蔵御嶽神社の社務所すぐ下からの近道が合流します。

さらに下ると長尾平分岐へ出ます。左手は長尾平への平坦な道、正面は七代の滝への急坂、右手へトラバース道の続きという三叉路で、右斜面に長谷川恒男氏の碑が設置されています。

長谷川恒男氏は、1977年から1979年にかけてヨーロッパアルプス三大北壁(アイガー・マッターホルン・グランドジョラス)すべての冬季単独登攀を日本人として初めて成功させるなど、数々の歴史的な冒険登山を成し遂げた登山家・山岳ガイドです。
長谷川氏がパキスタンでの雪崩で亡くなってから20年目となる2011年、その業績を顕彰するために氏の名を冠した山岳耐久レース・ハセツネCUPのコース上に記念碑が設置されました。

長尾平は東へ張り出した尾根状の広場で、ベンチ・テーブルやトイレも設置されており、休憩にも最適です。

尾根の中ほどは緊急時に使用されるヘリポートとなっています。気持ちのよい芝生の広場となっており、普段は日の出山や奥の院の眺望も楽しむことができます。

尾根の先端は東屋が設置された展望台になっています。これから目指す日の出山やその南に連なる麻生山(794m)がよく見えます。ここで眺望を楽しんだら長尾平分岐へ戻ります。

長尾平分岐から七代の滝へは、標高差170m以上の下りとなります。急勾配の登山道や滑りやすい岩場もあるので、雨天時などが注意が必要。自信がない場合は右手のトラバース道をもう少し進めば、七代の滝を経由せずにロックガーデンへ下るルートもあります。

七代の滝への下りは、急な石段から始まります。膝への負担も大きいので、小刻みな足さばきで下っていきましょう。

ひと下りすると写真のような平坦なトラバース区間も現れますが、そう長くは続きません。

登山道はトラバースから尾根上に変わり、急な岩場への下りと変わります。

この斜面の右下には、養沢川の支流が流れ込んでいます。斜面からの滑落には十分注意しましょう。支流を橋で渡ってから巨岩がそびえる斜面を登り返すと、七代の滝です。

ようやく七代の滝へ到着です。滝壺の周囲は滑りやすい岩場となっており、滑落死亡事故も発生しているので、注意して行動しましょう。

七代の滝からは、5つほどの鉄製階段を登り返していきます。要所にはロープも設置されていますが、階段が濡れている時などはスリップに注意しましょう。

前方左上に天狗岩が見えてくると、トラバース道から直接ロックガーデンへ下る道と合流します。天狗岩は鎖が設置されており登ることもできますが、岩の上も木の根で埋め尽くされており、滑落には注意が必要です。

天狗岩を左上に見ながら下っていくと、ロックガーデンです。ここからは渓流沿いに、ゆるやかに登り返していきます。

ロックガーデンは写真のような飛び石を渡って、右岸と左岸を行き来しながら進んでいきます。

苔むした岩の間を流れる清流は、時に爽やかに、時にしっとりとした風情を醸し出します。

しばらく登っていくと、ロックガーデン休憩舎があります。東屋とトイレが設置されており、ベンチ・テーブルで休憩することができます。

ロックガーデン休憩舎を過ぎると左右の斜面がやや高くそそり立ち、渓谷全体の幅が狭くなってきます。冒険心を掻き立てられる風景です。

前方に黒い建物が見えてきます。ここは滝行修行をする人々がその前後に祈祷や休憩の場として利用する場所で、ここまで来れば綾広の滝は間近です。

御幣がかけられた木製の門をくぐると、綾広の滝へ到着です。ロックガーデンの水と潤いの風景のゴール地点、ゆっくり満喫しましょう。

綾広の滝を過ぎると、石段を経由して滝上部の斜面へ登り返していきます。

滝上部の斜面は道幅が狭いトラバース道となっており、右側に鉄柵が設置されています。途中からは綾広の滝を上部から見下ろすことができます。

鉄柵が終わってゆるやかに登り返していくと、休憩舎が現れます。ここで大岳山からの登山道が合流します。
セクション③:綾広の滝〜武蔵御嶽神社(35分)

このセクションでは、奥の院(1,077m)の東斜面中腹を武蔵御嶽神社へと戻ります。ほとんどの区間がトラバースの平坦な道です。

大岳山からの登山道と合流して、御嶽神社・御岳山駅方面へと進んでいきます。

登山道の傍らには、小さな水場があります。水量はあまり多くないものの、貴重な給水ポイントです。

ロックガーデン上流にあたる沢のひとつを、木製の橋で越えていきます。

登山道は、斜面の中腹をトラバース(横断)するように進んでいきます。基本的には平坦ですが、細かなアップダウンはあります。

登山道を進んでいくと、前方に奥の院口トイレが見えてきます。微生物などを利用した最新のバイオトイレです。

奥の院口トイレ前で、右手へ引続きトラバース道を通って武蔵御嶽神社へ戻る道と、直登して奥の院へと向かう道が分岐します。今回は右手のトラバース道へと進みます。

分岐からしばらくは、ゆるやかな下り坂が続きます。

樹間からは、御岳山や日の出山を望むことができるポイントもあります。

砂防堰堤が設けられた涸れた沢を、木製の橋で越えます。

基本的には杉などの針葉樹林の中を歩きますが、このような広葉樹林帯も。秋には紅葉が美しく色づく場所です。

左前方に木製の鳥居が見えてくると、左側から奥の院からの登山道が合流します。

ロックガーデンへの分岐を右側に見ながら、ゆるやかに登り返していきます。

長尾平分岐まで戻ってきました。週末・祝日はここで長尾茶屋が営業しています。

杉木立の中をさらに登り返していくと、左手の斜面に武蔵御嶽神社への近道が延びています。今回は右側の道を直進します。

武蔵御嶽神社の参道まで戻ってきました。右折して随身門をめざします。
セクション④:武蔵御嶽神社〜日の出山(60分)

このセクションは、御岳山から日の出山へ縦走するコースです。土産物屋や食事処が並ぶ参道を抜けて、しばらくは舗装路が続き、武蔵御嶽神社東端の鳥居からは木製階段を登ります。

参道の石段を下り、随身門をくぐります。さらに下ると大鳥居を経て鳥居前広場へ。土産物屋や食事処が並ぶ参道を進みます。

参道の突き当たりにある民宿・町久保田の前に道標が設置されています。右手へ進むと、日の出山への縦走路の入口です。

アスファルト舗装された道を、茅葺き屋根の寶樹閣を右手に見ながら、さらに下っていきます。

水車が目印の宿坊・山香荘を左手に見ながら、さらに下っていきます。この付近は、コンクリートやカラータイルで舗装された道です。

さらに下っていくと、足元は舗装路から未舗装路へと変わります。墓地を左上に見ながら進むと「関東ふれあいの道」の道標が現れます。

南斜面のトラバースを終えて、いったん明瞭な尾根道へと変わります。

尾根を登り返していくと、左手に農地と日の出山の展望が広がります。

登山道はふたたび登り基調になり、尾根の南側をトラバースしながら進みます。

さらに進むと、鳥居をくぐります。反対側から見ると「武蔵御嶽神社」の表記があり、ここが武蔵御嶽神社の神域の東端となっているようです。

鳥居をくぐったら、左の木製階段を登り返していきます。

斜面の左側には、巨岩がそびえています。崩落の危険性は少ない場所ですが、その迫力を感じながら素早く通過しましょう。

またしても木製階段の上りになります。斜度はゆるやかなので、焦らずゆっくりと歩みを進めましょう。

さらに登ると、左上の稜線に山小屋・東雲山荘が見えてきます。残念ながら現在の耐震基準を満たしていないため、宿泊はできません。

日の出山の山頂直下で巻き道との分岐である日の出平には、トイレが設置されています。

日の出山へは、トイレ左側の石段を登っていきます。

日の出山山頂には三角点のほか、展望案内板や東屋が設置されています。

日の出山山頂は、東屋だけでなく東側斜面にもベンチが多数設置されています。東京都心方面の眺望を、存分に満喫することができる絶景ポイントです。
セクション⑤:日の出山〜つるつる温泉(95分)

このセクションでは、基本的に杉林の中の登山道をひたすら下ります。多摩川支流の平井川沿いの林道からは舗装路を歩き、つるつる温泉をめざします。

日の出山からの下りは、短い石段から始まりやがて道幅の広い木製階段へと変わります。

三室山・二俣尾駅からのルートが左手から合流します。この先は左が木製階段、右が土道の斜面に分かれますが、どちらを下ってもすぐに合流します。

今度は右手から、御岳山からの巻道が合流します。やや進むと、クロモ上見晴台という休憩ポイントがあります。

クロモ上見晴台からも、木製階段の下りがしばらく続きます。

木製階段が終わるとベンチがあり、ここから右下の林道へといったん出ます。奥に見える伐採跡が目立つ山が麻生山です。

林道は未舗装の砂利道で、乾燥した日は砂埃が多い区間です。ヘアピンカーブを、ひとつ下ります。

ヘアピンカーブのすぐ先で林道と分かれ、左手の登山道へと進みます。

林道から離れると杉林の中の単調な下りが続きますが、写真のように展望が広がるポイントもあります。

ベンチが設置された広場にあるのが、日本武尊(やまとたけるのみこと)が顎をのせて休憩したという伝承が残り、岩の上に馬頭観音の祠が祀られている顎掛岩です。

顎掛岩から先は、杉林の中をひたすらジグザグに下っていきます。足に疲労が蓄積しているので、木の根や浮石に注意しましょう。

続いて登山道が溝状にえぐれた洗堀地形の中を下っていきます。

左手に滝本不動尊のお堂が見えたら、登山道は終わりです。右下へ下ると、アスファルト舗装された林道が延びています。

林道は平井川の渓流に沿ってひたすら谷間を下ります。前方に集落が見えてくれば、ゴールは間もなくです。

つるつる温泉からの道が、左手から合流します。日の出山登山口バス停は直進して150mですが、ベンチも待合所もありません。よほどバスの時間が迫っていなければ、武蔵五日市駅行バスの始発でもあるつるつる温泉をめざしましょう。

舗装路を登りながら、つるつる温泉をめざします。施設の詳細はこの後に紹介しますが、バス時間の都合などで入浴できなくても、待合所・自動販売機・トイレがバス停に併設されています。
生涯青春の湯 つるつる温泉

泉質はアルカリ性単純温泉で、その名の通り肌がつるつるになるとの評判の立ち寄り温泉です。各種お風呂からスパサロン、休憩大広間など充実した設備が特長です。
住所:東京都西多摩郡日の出町大久野4718
電話:042-597-1126
営業時間:10:00~20:00(最終受付19:00まで)
天気予報と登山ルートを事前にチェック
御岳山へ出かける前には、現地の天気を確認しましょう。また、地図などを事前に用意して自分が歩くルートをしっかり把握してください。
御岳山の天気予報
御岳山のふもと(青梅市)の10日間天気
| 日付 | 06月30日 (火) |
07月01日 (水) |
07月02日 (木) |
07月03日 (金) |
07月04日 (土) |
07月05日 (日) |
07月06日 (月) |
07月07日 (火) |
07月08日 (水) |
07月09日 (木) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 天気 | ![]() 曇 |
![]() 曇のち雨 |
![]() 曇時々雨 |
![]() 曇 |
![]() 曇 |
![]() 雨のち曇 |
![]() 曇一時雨 |
![]() 曇 |
![]() 曇のち雨 |
![]() 曇のち晴 |
| 気温 (℃) |
26 21 |
27 20 |
23 20 |
26 19 |
27 20 |
26 20 |
27 21 |
29 21 |
30 22 |
31 23 |
| 降水 確率 |
40% | 80% | 80% | 40% | 40% | 90% | 70% | 40% | 50% | 40% |
データ提供元:日本気象協会
御岳山の地図
昭文社 山と高原地図 奥多摩 御岳山・大岳山
吉備人出版 奥多摩登山詳細図 東編
御岳山からの縦走登山を楽しもう!

今回は日の出山への比較的手軽な縦走コースを紹介しましたが、御岳山からは様々な山へ縦走することができます。御岳山の南西に連なる東京都唯一の日本二百名山でもある大岳山(1,267m)は、特に御岳山と組み合わせて登る人が多い山です。
体調や天候次第にあわせて、最短距離で下山可能なエスケープルートも登山計画段階からチェックした上で、安全な縦走登山を楽しんでください。
※この記事内の情報は特記がない限り公開初出時のものとなります。登山道の状況や交通アクセス、駐車場ならびに関連施設などの情報に関しては、最新情報をご確認のうえお出かけください。






