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「冬の間にこれだけでOK!」理学療法士が教える、登山がラクになる“たった3つ”の簡単トレーニング(2ページ目)

持久力強化 ― 休憩だらけの登山を卒業!

「坂道/階段インターバルウォーク」
撮影:YAMA HACK編集部

持久力の強化におすすめなのは「坂道/階段インターバルウォーク」。息切れしにくく、長時間動き続けられる体をつくるトレーニングです。

心肺機能+脚の筋持久力をまとめて鍛えられるのがメリット。登山に近い動きができる、近所の坂道や階段で行います。なければ平地でも構いません。

こんな人におすすめ

  • 登りで息が上がりやすい
  • 後半に一気にペースダウンする
  • 荷物の重さに長時間耐えられない

坂道/階段インターバルウォーク」のやり方

「坂道/階段インターバルウォーク」のやり方
撮影:YAMA HACK編集部
  1. “やや息が弾む”速さで階段または坂道を2~3分上る
  2. ゆっくり下り、2~3分休憩する
  3. ①②を繰り返し、合計20~30分行う
    (最初は10~15分でもOK)

理学ボディ・藤田史弥さま

藤田さん

スピードを出すのは上りだけ、下りは膝を壊しやすいのでゆっくりと歩きます。

強度の目安は、「少しきつい」と「ラク」の間を行き来する感覚で。いきなり全力で頑張らず、徐々にペースを掴みましょう。

持久力を高めるには“頻度”が大事。週2~3回続けると、変化を感じやすくなります。持病がある場合は、事前に医師に相談してください。

バランス感覚強化 ― つまづき事故を減らす“踏ん張る力”

リュックを背負って片脚バランス
撮影:YAMA HACK編集部

バランス感覚(平衡性)の強化におすすめなのは「リュックを背負って片脚バランス」。ふらつかずに踏ん張る力を高め、荷物を背負った状態での重心コントロールを鍛えるトレーニングです。

バランスを維持するために重要な役割を果たしている“感覚器”は3つあります。もっとも大きな情報源の「視覚(7割)」、身体の姿勢や動きを全身の受容器で感知する「体勢感覚(2割)」、体の回転や平衡感覚を感知する内耳にある三半規管の「前庭感覚(1割)」です。

高齢になるほど鈍くなる、これらの傾きを感知するセンサーを刺激し、バランス感覚を体に覚えこませていきます

こんな人におすすめ

  • 下山時によくふらつく
  • トレッキングポールに頼りきりになる
  • つまずくことが多い

「リュックを背負って片脚バランス」のやり方

「リュックを背負って片脚バランス」のやり方
撮影:YAMA HACK編集部
  1. 軽めのリュックを背負う
    (2~3kg程度から)
  2. 壁やイスの近くで、片脚で立つ
    (脚は軽く上げる程度でOK)
  3. 体勢を整えたら、両手を前で組む
  4. 上半身だけをゆっくり左右にひねる
  5. 片脚20~30秒キープを、左右3セット行う

理学ボディ・藤田史弥さま

藤田さん

足の指で床を“掴む”イメージで行うのがポイント。親指から小指まで、体重を足裏全体に均等に乗せるように意識してみましょう。

不安があれば、指先で壁に触れながらでOK。無理に長くキープせず、グラつく前に一度脚を下ろします。この一連の動きを繰り返し、体に覚えこませることで、「ふらついたときに足を出す」という感覚を鍛える練習にもなるんです。

上級者は目をつぶって行うと、さらに鍛えられます。

柔軟性強化 ― 身体を守る“動ける余白”をつくる

おしり・もも・ふくらはぎのストレッチ

柔軟性強化におすすめなのは「おしり・もも・ふくらはぎのストレッチ」。

身体が硬いと可動域が狭くなり、無理な姿勢で踏ん張ったり、特定の部位に負担が集中してしまうことも。関節や筋肉がスムーズに連動する柔軟性があると、「ちょっと姿勢を変える」「一歩を微調整する」といった動きが自然にできるようになり、転倒や怪我の予防につながります。

まずは、今回紹介した「筋力」「持久力」「バランス感覚」を鍛えるとレーニングの前後に、以下のストレッチを取り入れるだけでOK。ただし、トレーニング前後では、同じストレッチでもやり方を変えるのがポイントです。

理学ボディ・藤田史弥さま

藤田さん

トレーニング前のストレッチはサッと短くでOK

筋肉はゴムのように伸び縮みし、運動中の主な役割は「縮むこと」です。運動前に長時間、引っ張ったままキープしてしまうと、筋肉がダルっと伸びきり、いざ動こうとしたときに力が入りにくくなることがあります。

そのため、運動前は2分以上伸ばしっぱなしにしないのが大切。目安は、「30秒ほど伸ばしてやめる」くらいで十分です。

理学ボディ・藤田史弥さま

藤田さん

トレーニング後のストレッチはじっくり長くが◎

一方、運動後の筋肉は、縮む動きをたくさん繰り返した状態になっています。
そのまま放っておくと、縮んだ状態のまま固まり、いわゆる身体が硬い状態に。これが続くと、柔軟性は少しずつ失われていきます。

だからこそ、運動後はしっかり伸ばすことが大切。目安は1〜2分程度、気持ちよく感じるところまで伸ばしてあげましょう。

「もも前」のストレッチのやり方

「もも前」のストレッチのやり方
撮影:YAMA HACK編集部
  1. 右脚を後ろに曲げて、右手で足を持つ
    (左手は壁などにつけてバランスをとる)
  2. 膝が太ももより前に出ないようにし、太ももの前側を伸ばす
    (脚を後ろに引くほど、よく伸びる)
  3. 左脚も同様に行う

トレーニング前:30秒×3セット
トレーニング後:1~2分程度

「もも裏&おしり」のストレッチのやり方

「もも裏&おしり」のストレッチのやり方
撮影:YAMA HACK編集部
  1. 前屈をし、手で脚を掴む
  2. 体を上下に揺らし、もも裏とおしりを伸ばす
  3. 一度起き上がり、再び同じ動きをする
    (繰り返すことで、どんどん前屈が深くなる)

トレーニング前:20秒×3セット
トレーニング後:1~2分程度

「ふくらはぎ」のストレッチのやり方

「ふくらはぎ」のストレッチのやり方
撮影:YAMA HACK編集部(本や雑誌などでもOK)
  1. 縁石や段差に、右足の指の付け根あたりまでを乗せる
  2. 左足は右足の前に出し、上半身を真っ直ぐ起こして、右ふくらはぎを伸ばす
    (難しい場合は左足を真横に置き、徐々に前へ)
  3. 足を入れ替えて、左ふくらはぎも同様に伸ばす

トレーニング前:30秒×3セット
トレーニング後:1~2分程度

今日からちょこっとでOK!

登山の体力づくり

「全部やらなきゃ」と思う必要はありません。大切なのは、できることを少しずつ。まずは、最も強化したい“体力”のトレーニングからでOKです。それだけでも、次の登山で「前より楽かも」「下山が怖くなかった」と感じられるはず。

体力づくりは登山を“頑張るため”ではなく、長く楽しむための準備。万全に整えることで自信や安心感が生まれ、登山当日の集中力アップにもつながります。無理なく、気負わず、今日から一歩始めてみてください。

続けるためのコツと安全のポイント

  • 頻度の目安
  • 週2~3回
  • 1回15~20分で十分
  • 「継続」が一番大事
  • 負荷の目安
  • 「翌日少し重いかな?」程度
  • 強い痛みや違和感が出たら中止
  • 筋肉痛なら2~3日休む
  • 無理をしない
  • 体調が悪いときは休む
  • 持病がある場合は、医師・専門家に相談する

取材協力:株式会社理学ボディ

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