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鎌倉ガイド|衣張山ハイキングコース

「武家の古都」として数多くの社寺や文化財を有する人気の観光地・鎌倉。相模湾に面し南側に湘南海岸が広がる美しい街ですが、東・北・西の三方を山に囲まれた天然の要塞ともいえる場所です。

そしてその山々には四季折々の自然を満喫できるハイキングコースが多数整備されています。今回は中でも絶景の眺望を楽しむことができる衣張山(きぬはりやま)ハイキングコースを紹介します。

目次

アイキャッチ画像撮影:鷲尾 太輔

富士山や伊豆諸島までのパノラマが広がる絶景の展望ポイント

衣張山山頂

撮影:鷲尾 太輔(衣張山山頂)

鎌倉市街地の東にそびえる衣張山(きぬはりやま)は、富士山はもちろん伊豆大島や三浦半島までを見渡すことができる展望スポットです。

そのパノラマを楽しむだけでも良いのですが、せっかくなら鎌倉ならではの歴史を感じるスポットも楽しんでみたいものですね。

今回は鎌倉駅を起点に、別願寺・安養院・報国寺などの古刹や、鎌倉防衛の拠点でもあった切通しも楽しむ、変化に富んだ縦走(尾根を伝って複数の山々を歩く)コースを歩いてみます。

衣張山ハイキングコース概要

鎌倉:衣張山ハイキングコースの地図

作成:橋爪 勇志(衣張山ハイキングコースの地図)
コース概要
鎌倉駅(0.5km・8分)→本覚寺入口(1.8km・30分)→釈迦堂切通し
(0.5km・40分)→浅間山(0.6km・15分)→衣張山(1km・25分)→報国寺(0.3km・5分)→浄明寺バス停

 

(上記の所要時間に見どころの観光時間や休憩時間は含まれていません)
【体力レベル】★☆☆☆☆
日帰り
コースタイム:約2時間3分

参考:ヤマレコ

【技術的難易度】★★☆☆☆
・登山装備が必要
・登山経験、地図読み能力があることが望ましい
凡例はこちらをクリック:グレーディング表

登山口情報

鎌倉駅東口

撮影:鷲尾 太輔(鎌倉駅東口)

スタート地点はJR鎌倉駅東口。ここから多数の路線バスが鎌倉周辺に向けて発着しています。構内には飲食店・土産物屋・コンビニエンスストア・公衆トイレなどの施設が完備。ハイキングに必要なものを購入することができます。

コース詳細ガイド

今回のコース

出典:YAMAP(今回のコース)*画像クリックで拡大可
今回はコースを2つのセクションに分けて紹介します。

 

▶Section1:鎌倉駅〜釈迦堂切通し
(2.3km・約38分)
▶Section2:釈迦堂切通し〜浄妙寺バス停
(2.4km・約1時間25分)

Section1:鎌倉駅〜釈迦堂切通し(2.3km・約38分)

Section1

出典:YAMAP(Section1)

最初のセクションは全て舗装路歩きです。沿道には多数の寺院や神社が点在しているので、気になるところがあれば立ち寄って参拝してもよいでしょう。

若宮大路

撮影:鷲尾 太輔(若宮大路)

鎌倉駅のロータリーを背に進むと、若宮大路に出ます。横断歩道を渡ったら、右へ進みましょう。

鎌倉郵便局

撮影:鷲尾 太輔(鎌倉郵便局)

わずかな区間で若宮大路とはお別れ、鎌倉郵便局から左の路地へと入ります。

本覚寺

撮影:鷲尾 太輔(本覚寺)

やがて右手に本覚寺が見えてきます。佐渡への流罪を解かれて鎌倉に戻った日蓮上人が、布教を再開したというお堂の跡に建立された寺院。春の桜や初秋のサルスベリの花が見事です。

鎌倉婦人子供会館

撮影:鷲尾 太輔(鎌倉婦人子供会館)

やがて正面に鎌倉婦人子供会館があるT字路に出ます。ここは右へ進みましょう。

夷堂橋

撮影:鷲尾 太輔(夷堂橋)

日蓮上人が布教活動を行なったお堂・夷(えびす)堂の名を冠した橋で、滑川を渡ります。古くから重要な交通路であり、伝説が残る「鎌倉十橋」のひとつでもあります。

妙本寺山門

撮影:鷲尾 太輔(妙本寺山門)

夷堂橋から直進すると、日蓮上人が開山した日蓮宗の本山・妙本寺の大きな山門に突き当たります。山門をくぐらずに、右手の小さな路地へ進みます。

常栄寺

撮影:鷲尾 太輔(常栄寺)

少し進むと左手に「ぼたもち寺」の別名を持つ常栄寺が。処刑場に送られていく日蓮上人へ、ある尼僧(にそう)がぼたもちを差し出したという伝承が由来となっています。

八雲神社

撮影:鷲尾 太輔(八雲神社)

この先へ進むと厄除けにご利益があるという八雲神社が左手に見えてきます。祇園山ハイキングコースのスタート地点でもあります。

大町大路に出る

撮影:鷲尾 太輔(大町大路に出る)

さらに進むと道は広い2車線道路である県道311号鎌倉葉山線にぶつかります。ここを左に進み、しばらくは県道沿いを歩きます。

別願寺

撮影:鷲尾 太輔(別願寺)

やがて左手には別願寺が。室町時代に足利将軍家が関東地方を統治するために置いた鎌倉府の長官・鎌倉公方の菩提寺でもあります。

上行寺

撮影:鷲尾 太輔(上行寺)

さらに進んだ県道を挟んだ右手に上行寺が見えます。癌封じのご利益がある寺院として有名です。

安養院

撮影:鷲尾 太輔(安養院)

続いて左手に立派な山門を構えた安養院の入口が現れます。

鎌倉幕府初代将軍である源頼朝の妻・北条政子ゆかりの寺で、彼女の法名「安養院」が寺名の由来。境内には北条政子の墓といわれる石塔もあります。

撮影:鷲尾 太輔(大町大路から左折)

コンビニエンスストアの先に見える信号のある十字路を左折して、県道から離れます。

撮影:鷲尾 太輔(大宝寺入口)

県道の喧騒から一変して、静かな住宅街を進んでいきます。途中左手には、平安時代に東北地方で起こった戦争・後三年の役を鎮圧した、新羅三郎源義光の墓がある大宝寺の入口があります。

閑静な住宅街

撮影:鷲尾 太輔(閑静な住宅街)

衣張山周辺を源流とする逆川に沿って、静かな住宅街を進んでいきます。

二叉路

撮影:鷲尾 太輔(二叉路)

やがて道が二手に分かれます。設置されている道標を確認してみましょう。

二叉路にある道標

撮影:鷲尾 太輔(二叉路にある道標)

釈迦堂切通しは、左の道を進むよう案内されています。

ちなみに、右の道を進んだ住宅街の奥にある平成巡礼道登山口からも衣張山に登ることができます。釈迦堂切通しに立ち寄らないのであれば、こちらの方が階段が整備されており、より歩きやすいハイキングコースです。

衣張山入口との分岐

撮影:鷲尾 太輔(衣張山入口との分岐)

二叉路を左に入り、住宅街の中の道をやや上りながら進みます。写真の場所が衣張山登山口との分岐ですが、いったん真っ直ぐ進みましょう。

工事中の釈迦堂切通し

撮影:鷲尾 太輔(工事中の釈迦堂切通し)

釈迦堂切通しは崩落対策工事のため2023年5月末まで通行止めで、フェンス越しからしか望むことができません。

鎌倉市HP|史跡大町釈迦堂口遺跡崩落対策工事について

 

釈迦堂切通し

出典:PIXTA(釈迦堂切通し)

かつてのように通り抜けができるようになると、釈迦堂切通しの魅力をより堪能できることでしょう。

Section2:釈迦堂切通し〜浄妙寺バス停(2.4km・約1時間25分)

Section2

出典:YAMAP(Section2)

次のセクションではいよいよ衣張山へ登ります。最初に浅間山へ登頂して、衣張山へ縦走。住宅街へ下り、竹林で有名な報国寺へ立ち寄って、ゴール地点の浄明寺バス停をめざします。

衣張山入口との分岐

撮影:鷲尾 太輔(衣張山入口との分岐)

釈迦堂切通しから[17]の分岐へ戻り、東方向に進みます。

衣張山入口

撮影:鷲尾 太輔(衣張山入口)

舗装路を上っていくと、右手に衣張山登山口の標識があり、ここからハイキングコースが始まります。

やぐらの跡と思われる場所

撮影:鷲尾 太輔(やぐらの跡と思われる場所)

案内板などはありませんが、やぐら(横穴式の中世のお墓)と思われる場所も。思わぬところで、歴史の息吹を感じ取ることができるのも鎌倉ハイキングの魅力です。

森の中のハイキングコース

撮影:鷲尾 太輔(森の中のハイキングコース)

ハイキングコースは、やがて稜線に向かって森の中をジグザグに登る区間へと入ります。

やぶが濃い場所も

撮影:鷲尾 太輔(やぶが濃い場所も)

一部やぶが濃く生い茂っている場所もありますが、踏み跡は明瞭なのであせらず進みましょう。

竹に囲まれたコース

撮影:鷲尾 太輔(竹に囲まれたコース)

やがて周囲の植生が竹に変わると、少しずつなだらかになってきます。めざす最初の山頂・浅間山は目前です。

撮影:鷲尾 太輔(浅間山山頂)

不意に視界が開け、浅間山の山頂に到着。小さな石仏と石塔が安置されています。

浅間山からの眺望

撮影:鷲尾 太輔(浅間山からの眺望)

浅間山は南側が開けており、相模湾を眺望することができます。

衣張山との鞍部

撮影:鷲尾 太輔(衣張山との鞍部)

浅間山から稜線(山から山へと続く尾根)を北へ下り、衣張山をめざします。鞍部(山と山の間の低くなった場所)付近は道が狭くなっているので、注意して通過してください。

衣張山の山頂直下

撮影:鷲尾 太輔(衣張山の山頂直下)

登り返すと衣張山の山頂は目前です。

衣張山山頂

撮影:鷲尾 太輔(衣張山山頂)

石仏と石塔が安置された衣張山山頂は、ちょっとした広場になっています。

衣張山からの眺望

撮影:鷲尾 太輔(衣張山からの眺望)

南西方向にせり出した部分の樹木が刈り払われており、鎌倉市街や由比ヶ浜はもちろん、空気が澄んだ日には富士山までを見渡すことができます。

衣張山からの下り

撮影:鷲尾 太輔(衣張山からの下り)

衣張山山頂を後にして、東側へ回り込んで下っていきます。笹や樹木に覆われて、視界はあまりありません。

階段状のハイキングコース

撮影:鷲尾 太輔(階段状のハイキングコース)

下りコースは、ところどころ階段状になっています。地面が濡れているときはぬかるんで滑りやすいので、注意が必要です。

かわいらしい石仏

撮影:鷲尾 太輔(かわいらしい石仏)

路傍にはこんな石仏もあり、思わずほっこり。

小さな沢を越える

撮影:鷲尾 太輔(小さな沢を越える)

下りきって小さな沢を越えると、林の中の平坦な道を進みます。

林から住宅街へ

撮影:鷲尾 太輔(林から住宅街へ)

間伐で切り倒された木々が点在する林を進むと、やがて前方に住宅街が見えてきます。舗装路に出たら、そのまま住宅街の中を進みましょう。

十字路

撮影:鷲尾 太輔(十字路)

「田楽辻子のみち」という標識のある十字路を、右に曲がります。

報国寺への道

撮影:鷲尾 太輔(報国寺への道)

右側に山が迫る住宅街の中を、報国寺へ向かって歩いていきます。

報国寺山門

撮影:鷲尾 太輔(報国寺山門)

報国寺の山門に到着です。せっかくなので境内に立ち寄ってみましょう(拝観料:300円)。

撮影:鷲尾 太輔(報国寺の竹林)

報国寺は竹林が美しい寺として有名です。苔むした庭園と竹林の緑の階調は、ハイキングコースとは違った美しさを感じさせてくれます。

金沢街道へ

撮影:鷲尾 太輔(金沢街道へ)

報国寺を後にして、鎌倉駅へ戻るバスが走る県道204号線・通称金沢街道をめざします。

撮影:鷲尾 太輔(浄明寺バス停)

金沢街道に出てすぐ右手にあるのが、浄明寺バス停。鎌倉駅へは京急バスに乗って約10分の道のりです。

鎌倉ならではの寺社めぐりと一緒に楽しむハイキング

報国寺の庭園

撮影:鷲尾 太輔(報国寺の庭園)

今回のハイキングコースは、衣張山周辺以外は閑静な住宅街など市街地を歩きます。そしてその沿道には紹介したように数々の寺社仏閣が点在。興味がある寺社に参拝すれば、鎌倉の自然と歴史をバランスよく楽しむことができるでしょう。

ハイキングの服装はこちら

鎌倉のハイキングコースはこちら

鎌倉のハイキング おすすめ6コース

気になるコースをCHECK!

1. 葛原岡・大仏ハイキングコース

コースタイム01:53 コース距離4.5km

歴史ある寺社と自然あふれるハイキングをバランスよく体感できるコース。歩みを進めるにしたがって近づく海の眺望も魅力。

 

2. 天園ハイキングコース(鎌倉アルプス)

コースタイム02:19 コース距離5.8km

鎌倉市最高所・大平山も踏破する歩き応え抜群のハイキング王道コース。四季折々の魅力がある山麓の古刹も必見。

 

3. 衣張山ハイキングコース

コースタイム02:03 コース距離4.7km

山頂からは鎌倉市街から海までの絶景を一望。山麓にも魅力あふれる寺社が点在するハイキングコース。

 

4. 祇園山ハイキングコース

コースタイム01:17 コース距離3.4km

コース中に点在する史跡も、見晴台からの展望も魅力的。緑が美しい道で程よく自然を感じられるハイキングコース。

 

5. 朝比奈切通しハイキングコース

コースタイム00:45 コース距離1.8km

武家の古都・鎌倉守護の名残を色濃く留めた道。コンパクトながら歴史の面影を存分に感じ取れるハイキングコース。

 

6. 名越切通しハイキングコース

コースタイム01:56 コース距離6.1km

自然と調和した防衛拠点・大切岸は必見。石廟や切通しも点在する、先人の労苦を偲び自然との調和を実感するハイキングコース。