今年もっとも活躍した山道具を大公開!
2022年も残すところあとわずか。まだまだ新型コロナウイルス感染症の影響下にありましたが、コロナ禍以前のような登山が徐々にできるようになった一年でした。各メーカーから注目の製品も続々と登場し、新たなアイテムを購入した人もいるのではないでしょうか。
今回は、YAMA HACK編集部員が「手に入れてよかった!」と感じた、2022年に大活躍したギアを紹介します。
ギミックが秀逸!心がおどるテント

SEA TO SUMMIT / ALTO TR1 PLUS
ファーストテントを購入するにあたり、悩みに悩んでたどり着いたのがシートゥサミットの「アルトTR1プラステント」。結論、これにして大正解でした!
はじめはずっと「ダブルウォール・自立式・2人用(かつ軽量)」のテントを探していたのですが、ある時ふと思いました。「どうせペグダウンするなら半自立式でもいいし、ある程度の居住性があれば1人用でもいいかも」と。そうして出会った(というか恋に落ちた)のが、このテントでした。
ハートを射抜かれたポイントは、考え抜かれたギミックの数々!
インナーテントとフライの収納袋は、それぞれテント内部の角に取り付けることが可能。私は夜中に起きて水を飲むことが多いので、片方はウォーターボトル入れに。もう片方には、シュラフやマットの収納袋、予備のペグなどを入れています。
ポールの袋は天井に取り付けることができ、中にヘッドランプを入れれば「ライトバー」に!深く打ち込めない地面でも安定しやすいように、オリジナルのペグには3段の切れ込みが入っています。

そして1人用なのに窮屈さを感じない居住性も、お気に入りのポイント。1人用テントだとザックは頭上か足元に置く形が多いと思いますが、アルトTR1プラスのフロアは五角形なので、横に突き出たスペースに置けます。
テントが上向きに引っ張られる独特なポール形状のおかげで、高さもばっちり。着替えたり荷物を整理したりしやすいうえに、顔周りに圧迫感がないので快適です。
使うたびに「よく考えられているな〜」と感心してしまう、心がおどるテント。2023年もこの相棒と一緒にテント泊するのが今から楽しみです!

杉浦
なくてもいいけどあると便利!たった13gのマルチディッシュ
2022年はウェアよりギア、さらに大物より小物を多く購入した気がします。
小物ってお手頃価格で買えるので、出かけたついでにチャリン、イベント行ったらチャリン、雑誌見たらチャリン……気づいたらとんでもない金額を使っちゃってるんですよね。同じようなの持ってた!ってことも多々。
でもそんな時でも、お買い物ってほんと楽しいんです。
そんな私が22年、みんなにおすすめしていたのがコレ、エバニューの「マルチディッシュ」。わずか13gのチタン製のお皿です。

EVERNEW / mulTiDish
最初は試しに一枚だけ購入したのですが、すぐに「もう一枚あっても便利かも!」と、一週間後にはなぜか3枚に増えていました。
こんなに必要ないでしょ、そう思いますよね。

このマルチディッシュ、サイズ感もとっても絶妙。
お皿として使ったり、アルコールストーブの受け皿として使ったり、400FD・760FDカップのフタとしても使えたり……。何通りもの使い方ができるので、何枚持っていても足りないくらい。
グループ登山時のおすそ分け用のお皿にも使っています。

最近はもっぱらTi570Cupと400FDを愛用しているのですが、きれいにスタッキングできるのも好きなポイント。底にマルチディッシュを入れてその上に400FD、アルコールストーブなどなど……気持ちいいくらいにハマるんです。同ブランドならではの気持ちよさですよね。
登山好きの方にはお馴染みすぎるブランドですが、2022年はエバニュー沼にどっぷりつかってしまいました!
2023年の新作も気になるアイテムが目白押しだったので今から楽しみです♪♪

川尻
背負えるスーツケース。旅のお供は「コトパクシ / アルパ35L トラベルパック」

Cotopaxi / Allpa 35L Travel Pack
2022年もトレイルランニングの大会にいくつか参加してきました。
トレランは日本各地で開催されているので、前泊で現地に向かうことが多くなります。
そんな時に活躍してくれたのが、コトパクシの「アルパ 35L トラベルパック」です。

使いやすさの秘密はガバッと開くこの構造。
35Lの容量で、シューズやザック、ボトル、着替えなど必要なものは全て収まります。スーツケースのように大きく開くバッグ内は、メッシュで仕切られているので整理も簡単。
左側の収納は小さめのメッシュ(小2・中1)で分割されているので、モバイルバッテリーやコード類など、細々したものを整理できます。

PCとタブレット用のスリーブポケットもあるので、出張時にも便利。

さらに、背負い心地がしっかりしているのも嬉しいポイント。
メインはトラベル用途ですが、登山向けのバックパックと同様のハーネスが備わっているので、重い荷物を入れても快適です。ちょっとしたハイキングならこのまま行けちゃいますね。
来年もこのバックに山道具を詰めて、たくさん出かけたいと思います。

青木
洗練感たっぷりなのに、超アウトドア派のGPSウォッチ

SUUNTO / SUUNTO 9 PEAK
ウェアやシューズ、ザックは登る山によって使い分けていますが、ひとつだけ、2022年のすべての山行を共にしたアイテムがあります。
それが、スントのGPSウォッチ「スント 9 ピーク」。日帰り低山や夏の高山縦走から雪山登山まで、大活躍した一年でした。

GPSナビゲーションは、予め取り込んでおいたルートと自分が歩いた軌跡のみ。分岐で方向を確認するときなど、このシンプルさが私は好みです。予定ルートを外れると、アラートで教えてくれるところも◎。
ここでは紹介しきれませんが、気圧の傾向から危険な天候の変化を教えてくれるストームアラートがあったり、血中酸素濃度の測定ができたりと、登山のときにあると便利なさまざまな機能が揃っています。バッテリー駆動時間も長め。耐久性も半端ないです。

なにより気に入っているところは、洗練されたデザイン。アウトドアウォッチとは思えないほど薄型なので、たくさん重ね着をするときでも邪魔になりにくいんです。
以前に使っていたアウトドアウォッチは、フェイスが大きすぎて、シェルの袖口に引っ掛かる……操作ボタンが手の甲にあたって痛い……なんてことがありました。
その点、「スント 9 ピーク」はフェイスも小ぶりで、不便に感じることは今のところありません。女性の手につけても違和感なし。ベルトの端をピンで固定できるので、手首回りもスッキリ。キレイめなスタイルにも馴染み、いまや日常でも手放せない存在です。
「それどこの時計?」と聞かれることも多いんです。発売時に、メーカー自身が「スント史上最高傑作」と断言していただけあるなと感じます!
機能も良くて見た目もいい!ひとめぼれしたスリーピングバッグ
今年こそ高所へテント泊に行きたいという思いで、持っている薄めのスリーピングバッグではなく、しっかりとした3シーズン使えるスリーピングバッグを購入しました。
ダウン目当てで色々なお店をまわり、ナンガ「オーロラライト450dx 」のロングサイズを発見してひとめぼれ。暖かくて肌触りも良くてサイズもぴったり。光沢のあるブラウンカラーも自分好みで惹かれました。

NANGA / AURORA LIGHT 450 DX
値段も値段なので即決できず、それからありとあらゆるスリーピングバッグを調べ、オーダー会にも伺い熟考した結果、どのアイテムもそれぞれの良さがあるけど「やはりあれが忘れられない」と最後はフィーリング強めで購入した一品です。
つるつるした肌触りのよい生地で、逆に寝汗でベタベタ肌に貼りつかないか一抹の不安がありましたが、実際使ってみると全くそんなこともなく快適に熟睡できました。

私の足は太めなので、足回りにもう少しゆとりがあると嬉しいなとも思いましたが、その分かさばったり重くなるので、結果的にはこれが自分の理想形だと思える今年のベストギアです!
カラーもお気に入りなので、家に飾っていても気分がアガります。

岩倉
機能充実な万能モバイルバッテリー
今年は1泊以上でフィールドに出ていることが多かった一年。友人に、いつ家に帰ってるの?と突っ込まれる時期もありました(笑)。
そんな2022年、ないと不安になるほど重宝したのが、エレコムの「NESTOUT モバイルバッテリー」と「LEDランタン LAMP-1」です。

ELECOM / NESTOUT モバイルバッテリー
ELECOM / LEDランタン LAMP-1
ELECOM / LEDランタン LAMP-1
残量が一目で分かる所や防水・防塵に加え、電池をシリコンクッションで包んだ耐衝撃設計など、モバイルバッテリーとしてのスペックは「ちょっとオシャレなよくあるやつじゃん!」と思いきや、私のさらなる推しポイントは別売りのLEDランタン。

どうですか、この工事現場にあるバルーンライトの様な見た目。キュンキュンしてきます。
最大350ルーメン(倫理値)とヘッドランプと同じくらいの明るさ。光量調整は無段階なので、つまみをクルクル回すのも、まるでランタンの火を光量調節しているみたいで楽しいんです。

難点は、全方向を照らしてくれるので、明るさがほしい時に地面置きで最大にすると、360度どこにいても眩しいこと。ランタンシェードを被せれば和らぎますが、荷物をできるだけ軽く少なくしたい方には不向きかもしれません。
ランタンとして一晩中使用した後もスマホを1回分は充電できているので、あまりスマホを使わない私には充分です!来年も手放せないこと間違いないでしょう。

浅野
山でも街でもずっと快適でいたい!を叶える一軍ウェア
今年もザック、シューズ、ウェアなど新商品から気になっていたアイテムまで、いろいろと試しました。
編集長という立場上、記事制作扱いにならず自腹での購入が正直痛いですが、2022年も家庭とアイテム欲のバランスを上手に保てたと思います。
たくさんの良いギアに出会ったので紹介するアイテムを絞るのに悩みましたが、無理をいって2種類紹介します。
より乾きやすい簡素なシャツ

サチエダ山シャツ
2022年もっとも着て洗濯しただろうアイテムがこのシャツ。新潟にお住まいの方のハンドメイドシャツで、通称「サチエダシャツ」と呼ばれています。すごく機能性に富んでいるというわけではありませんが、
・シャツとしてのカタチがキレイ
・山のウェアとしては珍しいスタンドカラー
・速乾性も必要十分
・シワもつきにくいので、雑にバックパックに入れても気にならない
ということで山でも普段着としても一軍ウェアとして春~秋を支えてくれました。長袖の着心地にはまり、半袖も購入。気になるところを強いていうなら、バックパックとの干渉で裾がめくれやすいことくらいです(現在は改良されている可能性あり)。
カジュアルながらキレイめなカタチなので、講演などの仕事をする時にも着用することが多かったです。
ウール混紡のアンダーウェア

BRING / WUNDERWEAR “ONE”50/50
[sn] super.natural / M BASE MID BOXER 175
今年精力的にテストをしたのがアンダーウェア。長期で山に入ることもあるので、できるだけ長く快適に過ごせるように内側から改革を図るべく、さまざまなアンダーウェアを試しました。アウトドアブランドから出ているものは正直大きな不満がでるものはありませんでしたが、特に気に入ったのがこの2つ。
ブリングの「ワンダーウェア ワン 50/50」(写真左側)と[sn]スーパーナチュラルの「メンズ ベース ミッド ボクサー 175」(写真右側)。
「ワンダーウェア ワン」の良さはなんといっても無縫製が生み出す、フィットする着心地。多くのアンダーウェアの腰部分はゴムになっていることが多いですが、ワンダーウェアは編み上げになっており、締め付けもなく柔らかくフィット。
また、少し深いのでお腹の冷えが気になる人にもうれしい。ただ、他のものと比べると厚手の印象なので夏よりは春、秋、冬などに使用していました。
「メンズ ベース ミッド ボクサー 175」はオールシーズン使える厚み。速乾性と調湿性で、行動中も泊まりの停滞中も快適そのもの。ワンダーウェアに比べると薄い作りなので、夏山の一軍アンダーウェアとして活用していました。
どちらも最大4日間(前泊含むと5日)履いた後に温泉でにおいチェック(自分の嗅覚でチェック)しましたが、ほっとする結果になったので、2023年も中からオトコを磨いていきます。

大迫
あなたの「ベストギア2022」もぜひ教えてください!
YAMA HACKでは、みなさんのお気に入りの写真を募集中。Instagramにて、ハッシュタグ「#私の山フォト」「#私の山道具」「#私の山ごはん」を付けて投稿した方の中から、編集部がおすすめの写真を毎日ご紹介しています。今年買ってよかった山道具も、どしどし投稿してみてください。
また、YAMA HACKの公式アカウント(@yama_hack)とは別に、“編集部なかの人”アカウント(@yamahack_henshu)にて、日々の登山の様子や記事制作の裏側、おすすめの山道具などをゆる~くお届けしています。ぜひこちらもチェックしてみてくださいね。
SUUNTO SUUNTO 9 PEAK(GRANITE BLUE TITANIUM)
素材 | ベゼルの素材:グレード5チタン レンズの素材:サファイアクリスタル ケースの素材:グレード5チタン、ガラス繊維強化ポリアミド ストラップの素材:シリコン |
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サイズ | 縦43×横43×厚10.6mm |
重量 | 52g |
主な機能 | ・インテリジェントバッテリーモード ・80以上のスポーツモード ・サファイアガラスとグレード5チタン ・GPSナビゲーション ・天候に関わる機能 ・血中酸素レベル ・ワイヤレス(OVER THE AIR)更新 ・100m耐水 |
NANGA AURORA LIGHT 450 DX(レギュラー)
生地 | 表地:15dn オーロラテックス® 裏地:15dn リップストップナイロン |
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内部構造 | 上面:ボックスキルト構造 下面:シングルキル |
フィルパワー | スパニッシュダックダウン90-10% (760FP) |
ダウン量 | 450g |
サイズ | ショート、レギュラー、ロング |
収納サイズ | φ14×30cm |
総重量 | 865g |
快適使用温度/下限温度 | 0℃ / -5℃ |
ELECOM NESTOUT モバイルバッテリー
対応機種 | iPhoneおよびUSB端子で充電するスマートフォン、タブレット、他小型電子機器 |
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重量 | 約140g |
外形寸法 | 幅約36×奥行約36×高さ約135mm |
くり返し使用回数 | 1000回 |
充電時間 | 約2時間 ※5V/3AのAC充電器を使用した場合 |
コネクタ形状(電源入力側) | USB Type-C(TM)(USB-C(TM))ポート |
定格入力電圧 | 5V |
定格入力電流 | 3A |
コネクタ形状(電源出力側) | USB Type-C(TM)(USB-C(TM))ポート×1 USB-Aポート×1 |
定格出力電圧 | 5V |
定格出力電流 | 合計15W USB Type-C(TM)(USB-C(TM))は3A、USB-Aは2.4A |
電池種類 | 充電式リチウムイオン電池 |
電池定格容量 | 3.6V 5000mAh |
付属品 | ○PSE 特定以外の電気用品 |
ELECOM LEDランタン LAMP-1
明るさ(全光束) | 最大約290lm ※積分球による全光束値 |
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明るさ(理論値) | 最大約350lm |
調光 | 無段階調整(電球色) |
LED灯数 | 8個 |
設計寿命 | 発光時間60000h ※製品の寿命を保証するものではありません |
外形寸法(約) | ライト(ツマミ折り畳み時):幅約53×奥行50×高さ65mm ミニ三脚(開脚時):幅145×奥行130×高さ45mm ミニ三脚(閉脚時):幅31×奥行29×高さ90mm |
重量 | 約75g(三脚他を含む) |
動作温度 | 0~40℃ |
付属品 | 取扱説明書、接続パーツ、ミニ三脚、収納袋、 |
定格入力電力 | 7.5W |
定格入力電圧 | 5V |
定格入力電流 | 1.0A |
発光方式 | 広域発光(点灯) |