使い捨てカイロより暖かい!ハクキンカイロの魅力

「使い捨てカイロに比べてエコ!」と話題の『ハクキンカイロ』。
●24時間保温できる!
●発熱量は使い捨てカイロの13倍!
と謳われていますが、実際のところ「どういうもの?どう使うの?何だか面倒くさそう・・・」という方がもいると思います。
今日はハクキンカイロの仕組みや暖かさ、人気の秘密について大解剖します!
名前の「ハクキン」ってどんな意味なの?
「ハクキン」とはプラチナのこと。これは、ハクキンカイロの発熱原理が「プラチナ触媒」であることに由来しています。
「ハクキンカイロ」の発熱の仕組みは? ホッカイロとの違いは?
多くの人に使われている使い捨てホッカイロは、鉄が空気中の酸素と結びつき、酸化鉄になる際の熱が利用されています。
一方ハクキンカイロは、燃料となる炭化水素の『ベンジン』という液体が気化する際、ハクキンカイロにある”プラチナ触媒※”のおかげで酸化(炭酸ガスと水に分解)されます。分解する際に発する熱を利用したのがハクキンカイロの発熱する仕組みとなっています。触媒作用の熱なので、炎が出るわけではありません。
※プラチナという物質は体積の100倍以上の酸素を吸着させる特徴があり、ハクキンカイロの発熱部分にあるガラスに微粒子が付随しています。これにより燃料の酸化を促す働きをします。
暖かさはどのくらい持続するの?
使い捨てカイロは一気に熱くなり、その後どんどんぬるくなっていくのに対し、ハクキンカイロは”プラチナ”が大量の酸素を抱え込みます。これにより、低温で長時間燃焼し続けることが可能となり、燃費が良く長持ち、しかもずっと暖かいという優れものなのです。
使い捨てカイロは一般的に保温持続時間が12時間前後と言われていますが、ハクキンカイロはなんと「24時間」と謳っています。
ハクキンカイロの使い方
ここでは実際の使い方を紹介します!慣れれば非常に簡単ですが、最初はゆっくり確実に作業してみてくださいね。
用意するもの
・ハクキンカイロ
・カイロ用ベンジン
・ライターかマッチ
・付属のベンジン専用カップ
1、火口の金属部分を持ち、火口を取り外す
V字に切れ込み入った部分を火口(ひぐち)と言います。
※注意:ここにプラチナ触媒が入っていますが、絶対に直接触れないこと!
2、タンクの口に専用カップを挿入し、ベンジンを線まで注ぐ
付属のカップを本体に差し、ベンジンを線まで注ぎましょう。カップの向きは、本体と平行にしてください。タンクには圧縮した脱脂綿が入っており、この脱脂綿をベンジンで湿らせます。
3、注油カップを90度回転させ、燃料をカイロ内に入れる
線まで入れたら、カップを90度回しましょう。カップに注いだベンジンが本体に入ります。
カップ2杯で約24時間持つので、使いたい時間によって燃料の量を調節してください!ただし、2杯以上は入れないで下さい。
4、注油カップを取り、本体をさかさまにしてカイロを軽く押す。
内部の脱脂綿が吸収しきれなかった余分な燃料を出す作業なので、必ず行ってください。
5、火口をはめたらライターなどの火を3~5秒プラチナ触媒にあてる
これは触媒反応が始まる130度まで温度を上げるという行為で、着火させているのとはまた別です。ここから触媒反応で熱を発するので、炎で熱を生み出すわけではありません。このとき、カイロを逆さまにして点火すると、傷みやすくなります。注意してください。
6、蓋をして、付属の袋に入れて完成
20~30分すると、直で持つのは厳しいほど暖かくなります。必ず袋に入れる様にしましょう。また、体に装着できるアイテムもあります。
サイズもさまざま!ハクキンカイロのラインナップ
ハクキンカイロ ハクキンウォーマースタンダード
一番スタンダードなサイズ。このサイズで24時間暖かさが持続します!
サイズ | 68×101×15mm |
---|---|
発熱持続時間 | 最大24時間(外気温0℃の場合) |
使用可能気温 | -40℃ |
点火方法 | ライター、マッチ |
ハクキンカイロ ハクキンウォーマー ミニ
スタンダードより少しサイズが小さいミニサイズ。このサイズで18時間持続します!
サイズ | 58×87×13.5mm |
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発熱持続時間 | 18時間(ベンジンカップ1杯半) |
点火方法 | ライター、マッチ |
ハクキンカイロ指定ベンジン
ハクキンカイロ用の燃料であるベンジン。「ハクキンカイロ専用ベンジン」が廃盤となり、現在は“ハクキンカイロ指定”となっているこちらの2製品のラインナップです。
ハクキンカイロの公式オンラインショップ限定には、「ハクキンカイロ ジャイアント」というものもあります。通常より大きなサイズで、なんと最大30時間保温!
ハクキンカイロ PEACOCK GIANT
まだ使い方が心配な方は、動画もチェック!
では使い方がわかったところで、大事な注意点を紹介します!
ハクキンカイロの注意点!
優れもののハクキンカイロですが、熱を出す道具です。使用する際には下記に気をつけましょう!
気をつけたい4つの注意点
①ベンジンを入れる時は火気に注意!
ハクキンカイロ自体は燃えて熱を生み出すわけではありません。しかし燃料のベンジンは可燃性。ベンジンを注油する際、火気が近くにないかどうか必ず確認しましょう。
②低温やけどに注意
本体は真鍮製ニッケルメッキです。発熱中はかなり温度が高くなります。直接触れないようにするのはもちろん、低温やけどにも注意しましょう。フタの穴部分をアルミなどで塞ぐと温度調節ができます。
③匂いが気になることも
ベンジンは独特のにおいがします。石油などのにおいに比べるとマイルドですが、Zippoオイルのほうがにおいがまろやかだという意見も。それぞれ感じ方に個人差はありますが、対策としては収納袋にアロマオイルを垂らすなどが有効です。
④飛行機に乗る時は注意
ベンジンを燃料とするため、飛行機に乗る際は「引火性液体の危険物」と認識され持ち込むことができません。綿を抜けばOKという情報もありますが、直接航空会社に問い合わせるのが確実です。
ハクキンカイロvs他カイロ(ZIPPO/I-HOT/充電式)比較!
ハクキンカイロの他にも、使い捨てではないカイロがあります。では他のカイロとハクキンカイロはどう違うのか?比較してみましょう。
vs Zippoハンディウォーマー
実はハクキンカイロのOEM商品で、Zippoブランドだけど中身はハクキンカイロといっていわれています。互換性があるためハクキンカイロの火口が使用できるという声もありますが、公式では謳っていないので取り付ける際は自己責任で!ハクキンカイロはメイドインジャパンであるのに対し、こちらは中国製のものも混在しているのようです(品番が異なる)。
ZIPPO(ジッポー) ハンディウォーマー&オイルセット
発熱持続時間:0.4oz(約11g)のオイルで約12時間発熱
点火方法:ライター、マッチ
<ハクキンカイロと比べて…>
・少し着火しづらい
・若干ハクキンカイロの方が大きい(スタンダード)
・プラチナ触媒の量が少なめ?発熱量が少ないかも
・価格はハクキンカイロより少し低め
vsポケットウォーマー i-HOT
台湾製のお手ごろ商品。ただし綿の詰め替えや火口の取換が出来ないため、故障すると本体ごと買い換える必要があります。
ポケットウォーマー i-HOT(アイホット) 燃料充填式カイロ
発熱持続時間:20ccのオイルで最長約16時間発熱
点火方法:ライター、マッチ
<ハクキンカイロと比べて…>
・着火しにくいとの声多数
・個体差が多い?
・サイズはハクキンカイロより小さめ
・レビューを見ると当たり外れの個体差が多い様な印象
・価格は1000円前後
vsバッテリー式カイロ
充電式のバッテリーカイロもメジャーになってきました。ですが持続時間において圧倒的な差があります。リチウムイオン電池内臓型と乾電池型の2種類ありますが、代表機種の平均持続時間は3時間ほど。充電が切れればその場でおしまいなので、これだけの使用だと不安かもしれません。ただし、中にはモバイルバッテリーとして使用できるものもあるので、併用も考慮してみるといいかもしれません。
SANYO 充電式カイロ eneloop kairo
重量:約80g
発熱持続時間:弱モード 約7時間/強モード 約5時間
vs使い捨てカイロ
一般的な使い捨てカイロ。貼るタイプは体に密着させる分、中の鉄製分が貼らないタイプに比べ少し少ない様です。一般的には持続時間20時間、平均温度50度前後と謳われていますが、製品によっては30~40度で停滞してしまう場合もあり、40度以上を保てるのはおよそ12~13時間程度です。
興和 ホッカイロ 貼る レギュラー 10個入
発熱持続時間:12時間
40度以上を保持し、持続する時間
<ハクキンカイロと比べて…>
・暖かくなるまで時間がかかる
・温度が落ちていくのが速い
・触っている部分だけが暖かい(ハクキンカイロは身に付けていると暖気が充満する様な感覚)
ハクキンカイロの海外流通モデル
ハクキンカイロはヨーロッパでも人気があるそう。海外流通モデルは、とてもシンプルなパッケージ。日本人は馴染みのあるレトロな絵柄の方が惹かれるかもしれません。
最後は使える燃料と消し方・メンテンナンス方法の紹介です!
ハクキンカイロの燃料は何が使えるの?
ハクキンカイロの燃料はベンジン。染み抜きや油性ペンで書いたものを消す際にも使用するものですが、カイロ用というのは意外に近所で売っていなかったりもするのでは?そんな時、代用できるものを紹介します。
①純正ではないカイロ用ベンジン
ハクキンカイロの純正ベンジンはなかなかお店で見かけることはなく、オンラインショッピングが主です。すぐになくなってしまいそう!という場合は、薬局などでベンジンを入手できますよ。ただし、大型のドラッグストアより昔からある薬局などの方が置いてある確率は高いです。
<特徴>純正に比べて少しにおいがきついことがある
<注意>「染み抜き用」のベンジンは使用しないように!化学物質など不要なものが入っている場合があり、カイロ本体を痛める可能性があります。「カイロ用」を使用しましょう。
②Zippoオイル
スーパーやコンビニなどにも置いてあるので、比較的一番手に入りやすいのがこちら。ハクキンカイロの指定燃料なので利用者も多いです。使い終わった缶は捨てずに、外出用に持ち出すために取っておくと便利ですよ。
<特徴>少し点火しにくい(その際は純正ベンジンかホワイトガソリンを少し混ぜましょう)においはまろやか。
③ホワイトガソリン
ホワイトガソリンは高精度に精製した高級ガソリンです。アウトドア用のバーナーなどで使用されたりしますので、緊急時にもしお持ちであれば使う、ぐらいで考えた方が良さそうです。
<特徴>純正に比べるとにおいがきつく持ちも短い。ただ点火はかなりしやすい。
コールマンのホワイトガソリンは少し青みががっていますが仕様なので問題ありません。カイロ用ベンジン、Zippoオイル、ホワイトガソリンは使い回せます!Zippoライターにベンジンを入れても使えますよ。緊急時には便利です!
火口のケアはしっかりしよう!
長年使用していると、発熱量が弱くなってきます。これは、触媒作用を起こすために点火時に熱を要するので、その時の汚れでどんどん火口が膜に覆われて感度が鈍くなるのが原因。実際使っていると火口がだんだん黒くなってきます。
そんな時は、火口を取り外して油汚れ用洗剤で洗うと復活! 火口をタッパーなどに入れた洗剤に漬け置き後、よく振ってから洗剤を洗い流してください。その後しっかり乾かして水気を取りましょう。
火口や綿を取り換える
火口は新品に取り換えることでまた発熱量が復活します。どうにもならない場合は交換も検討しましょう。パーツのみで販売されています。綿は、よほどのことがない限り交換の必要はありませんが、公式サイトで入手することができますよ!
ハクキンカイロ 換火口 1個入
<使用出来るカイロ>
ハクキンカイロ3R、ハクキンカイロ3Rプラチナム、ハクキンカイロ点火芯付A、ハクキンカイロスポーツ用S、PEACOCK PEACOCK PLATINUM、PEACOCKmini
ハクキンカイロの消し方

基本的には燃焼し切るまでは消えないハクキンカイロ。どうしても途中で消したい場合はジップロックなどの袋に入れることで酸素の供給が絶たれ消えます。ただ、本体はかなり熱くなっているので収納袋ごと入れてください。空気を抜くように入れるのがコツです!
ただし、あまりこれを繰り返しすぎると不純物が溜まり性能が落ちるので注意しましょう。
ハクキンカイロで寒さ知らず!

ハクキンカイロは90年以上前からある優れもの!特にキャンプやクライミングなど、「野外」で「ジッとする」場面がある場合は非常に重宝しますよ。それでいて代々受け継いでいけるほど長く使えるところも魅力的。miniを2つポケットに忍ばせるという上級者もいます!ハクキンカイロでエコに温まりましょう!