冬の山は景色が綺麗! でも、寒さが心配…
冬も登山をする人は、きっとその景色の素晴らしさを知っていることでしょう。空気が澄んでいて晴天率も高く、空の青と雪の白のコントラストが美しい冬の山。それが見たくて山へ向かう人がほとんどかと思いますが、一番懸念されるのは『寒さ』ですよね。
雪がある冬登山のあったか対策、教えて~!
冬山登山をする人は、登山のパフォーマンスを下げないために色々な知恵や工夫を凝らしているはず! そこで今回は、Instagramで冬山を楽しんでいる方々をリサーチ。ズバリ『あなたのあったか対策は?』という質問をぶつけてみました。 すると参考にしたいテクニックが続出! みなさんの素敵な写真とともに、ジャンルごとにご紹介していきます。
圧倒的にウール派多数!
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インナーは上下ともにウールを着ています。またインナー以外の靴下や下着もウールというウールまみれ(笑)
雪山は動くと汗をかいてしまうけれどウールを着ていれば汗冷えの心配もなく、保温してくれるので重宝しています。(@asu04g096さん)
冬場はテント泊でもベースレイヤーは着たままになることが多いので、温かく消臭効果のあるメリノウール系を着ています。(@air111forceさん)
汗冷え対策で、肌に触れる部分は下着以外は全てウールでまとめてます(長袖Tとタイツ)冬山では化繊Tは着ません。(@takec_konさん)
今回お話を伺った方の全員が、ウールのベースレイヤーを愛用! やはり温かさはもちろん、汗冷えせず消臭効果もあるのが嬉しいところです。
また、ウェア繋がりでフリースパンツ(タイツ)+ハードシェルパンツの組み合わせという方も。
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下はミレーのスーパーパワーパンツの上にハードシェルを履いてます。個人的にスーパーパワーパンツはPolartecで肌触りも良く、動きやすく、とっても暖かくておすすめです!(@hrk_mtacさん)
Polartecのタイツは着心地が抜群! 小屋やテントでのリラックスタイムにも重宝してくれますよ。
ミレー スーパーパワーパンツ
重量:260g
サイズS~XL
寒いからって着すぎは×
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暑くなれば脱ぎ寒くなれば着る、の重ね着が基本です。モンベルのwool薄手インナー+アイベックス厚手のインナー、ノースフェイスのフリース、最後にノースフェイスのオールマウンテンジャケット。これで無敵です。
寒いと思ったことはないです!(@3776.rieさん)
雪山登山を始めた当初、講習会でダウンを着て登ろうとしたところ講師の方にも指摘されました。ほんとにそれで歩くの?と。
寒かったので「はい。」と2つ返事で歩きだしましたが、ものの数十分で暑くて脱ぎました。(@k.panaco0318さん)
出だしは寒いので多く着がちですが、すぐに暑くなって脱ぐ…というのは身に覚えがある方も多いのでは? 面倒くさがらずにこまめに調整するのが、パフォーマンスを下げないという点で結局一番近道なのかもしれません。
やっぱカイロは持ってくよね?
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ハクキンカイロを内ポケと腰ポケに1個ずつ入れていきます。どんな極寒でも暖かく、ずっと外気温でも半日ちょっとは持ってくれるので、腰ポケでスマホや行動食などを温めつつ行動したりします。
小屋に着いたら布団の足元に入れておいたり。懐のは予備で、着火せずに落とさないようにジップ付きの内ポケに入れてます。(@takec_konさん)
一方、環境によってはこんな意見も。使い分けがカギのようですね!
カイロは「マグマ」がお勧め。野外労働者用に作られていてかなり熱く、時間も長持ち。ハクキンカイロなどもあるが雑に扱えなかったりかなり低温まで(-25℃以下くらい)冷えると消えてしまうことがある。(@raicyou_pさん)
予備も準備するのは冬山のキホン
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予備のゴーグル持っていきます、結露して凍ることが多いので。(@raicyou_pさん)
寒さ対策はとにかくなるべく表面に出る部分を減らすことです。特に首や指先は冷えやすいのでネックウォーマーを2枚にしたり、手袋も必ず山頂では交換するようにしています。(@syouheeeさん)
小物類も予備を持っていく方が多く見られました。特に手袋は、寒さから手先を守るための必須アイテム! 濡れてしまうとピンチです。
爆風で飛ばされた、または濡れた時のためにニットキャップとグローブは予備を持っていってます。(@air111forceさん)
グローブは何枚かを使い分けています。皮製のグローブ(インナーが外せるもの)、ラックナーウールのヒマラヤングラブ、テムレス、ファイントラックのパワーメッシュインナーなどをその時の状況でレイヤリングしています。
テムレスは雪山に行くまでの車のチェーン付け用にも別に1組用意しています。(@k.panaco0318さん)
登山者の間で密かに人気の”テムレス”も注目。小物類はウェアに比べるとまだお値段も抑えめなので、1つで賄おうとせず数種類を使い分けることも快適に過ごすコツのようです。
甘く見ちゃダメ…冬山の日焼け!
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「OUTDOOR UV」日焼け止めスティックは必ず持っていきます!雪山は紫外線が強く照り返しもキツイので日焼け止めは必須!だけど手袋を外して日焼け止めを塗るのは寒い!
OUTDOOR UVであれば手袋をしたままでも使用できます!サイズもそれほど大きくないのでポケットに入れて何回も塗り直しています。(@asu04g096さん)
雪山は照り返しが強いため日焼けがつきもの。性別に関係なく、日焼け対策は忘れずに行いたいものです。下山してから悲惨な目になる前に!
雪中テント泊の裏ワザ!
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テント泊ではダウンシューズは必須アイテムです。シュラフの中でも足先は冷えるのでダウンシューズを履いて寝ています。
あと、雪山ではテント内に登山靴を入れることになるので、大きめのビニール袋を1枚持ってます。ビニール袋は雪を溶かして水を作る時の入れ物にもなるし、足を入れると温かいのであると色々役に立ちます。
他にも凍らせたくない小物や電子機器、飲み物はシュラフの中に入れたり、スタッフサックに入れて枕にして体温で温めてます。(@air111forceさん)
ビバークシート(エスケープヴィヴィプロ)をシュラフカバーとして代用。プロのタイプはシート内の発熱効果が非常に優れており通常のゴアシュラフカバーより断然暖かくポカポカします。
あと、寝る前にプラティパスのソフトボトルに熱湯を入れて湯たんぽ代わりに。特に足元に置き末端を暖かくすると寝付きやすいです。また、シュラフの中に登山靴を入れておけるなら、翌朝暖かい靴を履いて出発できます。
汗かいて濡れた髪で寝ると身体を冷やすので、首に手ぬぐい巻くこともあり。髪も乾くし温かいです。(@erriiikkkkaaaaさん)
眠る時間は翌日への体力回復・温存の意味もあるので、こうした細かいテクニックが活きてきます。
スマホや電子機器系はどうしてる?
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GPS内蔵時計(GARMIN EPISJ)を使用します。トレースもなく雪に埋まった地形は自分の場所を見失います。GPSやスマホを出さずに簡単に現在地を確認できるので。あくまでも補助ですけど!(@raicyou_pさん)
ブリザードで視界不良となった時のためにガーミンのGPSを必携をしてます。スマートフォンは厳冬期では電池が即死しますので。スマートフォンやカメラの電池を長持ちさせるためにホッカイロと一緒に入れたりしてます。(@air111forceさん)
寒い時期はスマホのバッテリー問題や、そもそも夏道と景色が変わることも珍しくありません。せっかくの便利なツールは使うが吉!
冬ならではの飲み物・食べ物の工夫!
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コーヒーは身体を冷やすので暖を取るときは絶対紅茶。同じ暖かい飲み物でも効果はまるで別。(@erriiikkkkaaaaさん)
テルモスの中身は、甘い紅茶にしています。飲むとホッとします。(@piyopiyoymさん)
飲み物は、コーヒーより紅茶派が多い様でした。腰を落ち着けた食事は鍋やスープ類などのあったかごはんが人気ですが、では行動食はみなさんどうしているのでしょうか?
チーズとドライフルーツが体を温めるとあったので、これを食べるようにしています。(@syouheeeさん)
四季問わずですが、冬はチョコもキャラメルもガリガリに凍る中、練乳は片手で扱いやすく高カロリーなのでポケットに忍ばせてます。紅茶やコーヒーに入れたり、そのまま行動食にしたり、練乳は一番の山の友です!(@erriiikkkkaaaaさん)
油分の多いドーナツは凍らないし、長時間歩行で胃が付かれていても結構食べられてカロリー効率が良い。(@raicyou_pさん)
なるほど!やはり寒いと体温を上げようとするため、より高カロリーなものが選ばれている印象です。さらには出発前のこんな情報も。
出発前には味噌汁。発酵食品は体内温度を上げ代謝UPしてくれるので、飲むと全身温か。さらにはB1とたんぱく質が摂取できる栄養満点食材です。(@erriiikkkkaaaaさん)
女子必見!? プチプラを活用
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何と今回お伺いした方の中で、プチプラアイテムを雪山で活用している方が複数名! 自身で様々なウェアやギアを試した結果、部分使いで使えそうなものは賢く使いたいというお手本です。
サポータータイツの上に、薄手のもこもこパンツ(お腹まで隠れるやつ。3coinsで売ってるような)履いてます(笑)そしたらシリセードしてもそんなに冷えないし、雪が中に入りにくいし、入ってもまだましですw(@ayaneco8824さん)
何気に300円ショップの裏起毛あったかレギンスが重宝します(笑)個人的にPolartecに負けてないので、厳冬期富士山でもベースレイヤーに使いました。(@erriiikkkkaaaaさん)
他にも、こんな裏ワザも!
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やっぱり日陰などを歩いてたり、小屋でじっとしてたら足元が冷えてきます。なので中敷きの裏にキッチンの隙間などに貼るアルミテープを貼って、冷たさを凌いだり。(@ayaneco8824さん)
一眼レフなどは下山後は結露する。ドライサックに大量のシリカゲルを入れておき、そこにカメラ入れて空気が入らないようにすれば結露は減るし寿命が延ばせます。(@raicyou_pさん)
役立つアイディア満載!どうか楽しい冬山ハイクを!
実際に冬山に行っている登山者に聞いてみると、「これやってる!」というテクニックから、目からウロコのワザまで冬山を楽しむアイディアが満載でした! 「寒いから…」と億劫になりがちですが、冬は冬にしか見ることのできない素晴らしい景色が広がっています。今回ご紹介したアイディアを駆使して、冬も思い切り登山を楽しみましょう。ご協力頂いた皆さんありがとうございました!
YAMA HACKでは、みなさんの山フォトを募集しています。Instagramアカウントでハッシュタグ「#私の山フォト」「#私の山道具」「#私の山ごはん」「#山の知恵袋」を付けて投稿した方の中から編集部がおすすめの写真をご紹介しているので、どんどん投稿してみてくださいね。