ヌカカに刺された時の応急処置
対策をしていても、登山中にヌカカに刺されてしまうこともあるかもしれません。遅れて気づくことも多いかもしれませんが、気づいたその時点からでも応急処置を試みましょう。症状がひどい場合は無理せず病院へ。
① 患部を水洗いする

ヌカカに刺されてしまった場合は、患部を流水でよく洗い流しましょう。水洗いは冷やす効果も期待できるので、数十秒でさっと終わらせるのではなく、時間をかけ患部を摘みながら絞り出すように洗うのが効果的です。患部は清潔にして、強く擦ったり掻きむしることのないようにしましょう。
② 患部を冷やす

ヌカカに刺されると、時間経過と共に腫れやかゆみが出てきます。患部をよく洗った後、保冷剤などで冷やすことで炎症やかゆみを抑えることが期待できます。登山時で冷やすものがない時は、流水に患部をしばらくつけて冷却することも有効。街中では、自動販売機で買った冷たい缶ジュースで冷やすという方法もあります。
③ 抗ヒスタミン薬を塗る

冷やしたあとは、抗ヒスタミン薬を患部に塗りましょう。抗炎症成分入りのステロイド配合薬を塗布することで、症状の緩和が期待できます。
④ 症状が重い場合は病院を受診

これらの応急処置を行っても、かゆみや炎症などの症状が重く辛い場合は、無理せずに医療機関を受診しましょう。1、2ヶ所なら自宅で様子をみるケースもありますが、数ヶ所以上刺されている場合は、特にかゆみなどの症状に悩まされることも多くなるので、受診することをおすすめします。
ヌカカ対策をして登山を楽しもう

とっても小さなヌカカですが、刺されると後がとても大変です。その場では症状が出なくても、遅れてしつこいかゆみがやってくるので、帰宅してからも油断はできません。登山中はできるだけの対策をして、ヌカカに刺されないようにしましょう。
今回教えてくれた方
\教えてくれた専門家/

一社)セルズ環境教育デザイン研究所|西海太介氏
神奈川県横浜市生まれ。
『危険生物対策』や『アカデミックな自然教育』を専門とする生物学習指導者。
昆虫学を玉川大学農学部で学んだ後、高尾ビジターセンターや横須賀2公園での自然解説員経験を経て、2015年「セルズ環境教育デザイン研究所」を創業。
現在、危険生物のリスクマネジメントをはじめとした指導者養成、小中学生向けの「生物学研究コース」などの専門講座を開講するほか、メディア出演や執筆・監修、中華人民共和国内の自然学校の指導者養成を行うなど幅広く携わる。
監修書籍に『すごく危険な毒せいぶつ図鑑』(世界文化社)。
著書に、『身近にあふれる「危険な生物」が3時間でわかる本』(明日香出版社)など。
世界文化社 すごく危険な毒せいぶつ図鑑
明日香出版社 身近にあふれる「危険な生物」が3時間でわかる本