いつも通りの山ごはんでも当然美味しいですが、いつもの食事に”栄養の知識”をプラスした、栄養満点の山ごはん。そんなワンランク上の山ごはんで内側からも体を応援してあげられたら、皆さんのこれからの登山ライフがより豊かなものになるかもしれません。
そこで、管理栄養士でアウトドア料理研究家のshihoが、栄養学の知識を生かしながら、登山のお悩み別に山ごはん・行動食レシピを紹介していきます。簡単&美味しい、かつ体も喜ぶようなレシピがたくさんです!
行動食選びでこだわりたいポイントとは?

行動食はエネルギー効率の良さから甘いものをイメージしがちですが、空腹時に甘いものを沢山食べてしまうとそのあと何となくだるさを感じることはありませんか?
これは、甘いものを食べて血糖値が上がった後に“インスリン”というホルモンが大量に出て、血糖値を急激に下げようとしたことによる現象だと考えられます。
このように食後の短時間で血糖値が急上昇・その後急降下する現象を「血糖値スパイク」と言います。
そのような症状が起きやすい方は、市販のものなら、“低GI”や“ロカボ”・“低糖質”と表記されている血糖値を上げにくいものや、ナッツやチーズなどの糖質が少なくてエネルギーの高い行動食を選ぶと良いでしょう。
脂質やたんぱく質が含まれるものを一緒に摂取することで、血糖値の急激な上昇を防ぐことが出来ます。

コンビニで買えるものだけでもこんなにラインナップがあります!
甘くない行動食を作ってみよう

私自身まさに血糖値スパイクが起こりやすく、特に空腹時に山で甘いジュースを飲んだり菓子パンを食べたりすると、数時間後には歩きながら軽い疲労感のようなだるさに襲われてしまうんです。
これを防ぐために普段から必ず、小腹満たしにナッツ類や高カカオチョコ、大豆バーなどを携帯するようにしています。しかしいつも同じ行動食だとマンネリ化してしまうので、少し手をかけてオリジナルの行動食を考えてみることにしました。
糖質のとり方を気にされる方や甘いものが苦手な方でも美味しく食べられる行動食なので、ぜひお試しください!
今回は家で調理をして山に持っていくことを想定しています。
”ほろほろ、さくさく”が美味しいショートブレッド

バターをたっぷり使ったさくっと軽い美味しさのショートブレッド。
今回は甘いものが苦手な方でも美味しく食べられるように、砂糖の量を少なめにして、旨味の強いチーズをプラス。甘さ控えめのショートブレッドを作ってみました。
チーズに豊富なカルシウムは筋肉の収縮や弛緩を調整する働きがあり、良質なたんぱく質も豊富に含まれるので、登山中に積極的に食べたい食品の一つです。
材料
今回は作りやすい分量で紹介します。(約8~9本分)
薄力粉:100g
バター:60g
砂糖:大さじ2
粉チーズ:大さじ3
作り方
(下準備)・薄力粉をふるっておく。
・バターは常温に戻しておく。

【2】砂糖を2~3回に分けながら少しずつ全体が白っぽくなるまで混ぜる。


【5】袋のまま、冷蔵庫で30分くらい寝かせる。
shihoさん
しっかり寝かせることで、生地がまとまってぼろぼろになりにくくなります。


shihoさん
今回作ったショートブレッドは1本でおおよそ100Kcal。
さくさくと口当たりが良いですが、一度に沢山食べてしまうと糖質もエネルギーもとりすぎになってしまいます。
行動食として食べるのなら、1時間に1本くらいを目安にして食べるようにしましょう。
さくさくと口当たりが良いですが、一度に沢山食べてしまうと糖質もエネルギーもとりすぎになってしまいます。
行動食として食べるのなら、1時間に1本くらいを目安にして食べるようにしましょう。
自分好みの味にアレンジ自在!パスタスナック

パスタは糖質オフではありませんが、脂質が豊富なナッツと組み合わせることで、血糖値の上がり下がりが緩やかになり、腹持ちが良くなるというメリットがあります。
オリーブオイルをフレーバーオイルにしたり、味付けにお好みの調味料やスパイスを使うなどアレンジ次第でいろいろな楽しみ方ができるので、ぜひお試しください。
材料

早ゆでショートパスタ:30g
お好みのナッツ類:適量
オリーブ油:小さじ1
お好みのハーブソルト等:適量
※今回はペンネを使いましたが、他のパスタでもOK
作り方

天板にアルミホイル等を敷き、くっつかないようにパスタを並べる。

shihoさん
加熱時間はお持ちのトースターにより異なりますが、我が家のトースターは180℃(500W)・3分ほどできつね色に色づきました。
トースターが無い場合はフライパンの弱火でも作ることができます。
トースターが無い場合はフライパンの弱火でも作ることができます。


塩とハーブやスパイスなどをブレンドした「ハーブソルト」やオイルを変えるだけでアレンジ自在!
shihoさん
我が家ではキャンプで使っていたほりにし、海外のお土産で頂いたガーリックソルト、カレー入りのシーズニングソルト、クレイジーソルト、顆粒コンソメなどを使って味付けをしましたが、どれも美味しく作ることができました。
山のおやつも美味しく賢く食べよう

これからの登山は自分好みの味にアレンジしてオリジナルの行動食を持っていくのも楽しみの一つに加えてみてはいかがでしょうか。