アルパインクライマーかつ森林で働く林業家。馬目弘仁さんが案内する「里山の魅力」

2021/06/11 更新

「登山界のアカデミー賞」ともいわれる「ピオレドール」を受賞したアルパインクライマーで林業にも携わる馬目弘仁さん。2020年冬より活動の拠点とする長野県で新たに里山でのガイド活動〈馬目森林山岳案内事務所〉を始めました。世界的に活躍する登山家が、なぜ低山である里山案内をするのだろう? その目的や里山の魅力を、実際に馬目さんのガイドのもと体験してきました。

アイキャッチ画像撮影:青木 圭(ch. books)

柔和な笑顔のピオレドーラー・馬目弘仁さんと山歩き

馬目さんポートレイト
ガイドの馬目弘仁さんと合流し、登山口へ。
優秀な登山家に贈られる国際的な栄誉賞で「登山界のアカデミー賞」との異名を持つ「ピオレドール」。馬目弘仁(まのめ・ひろよし)さんは2012年、43歳のときに、ネパール・ヒマラヤの標高6,767mのキャシャール峰南リッジ(尾根)に3人のチームで初登頂し、翌2013年「ピオレドール」を受賞しました。

……というと、登山家特有のストイックさを併せ持つ屈強な山屋のような人物像を想像していましたが、集合場所で待っていてくれた馬目さんは、なんとも穏やかな雰囲気を放ち、和やかな笑顔が印象的でした。

「なかなか険しいハイキングコースはどうでしょう?」

馬目森林山岳案内事務所HP
馬目さんの公式サイトより。登攀の記録も記されています。
ガイド内容は依頼主の希望や山歩きの熟練度に応じて選べますが、今回は森林案内をメインに、里山の魅力を楽しめるコースを馬目さんにセレクトしてもらいました。

もちろん、通常のガイドの場合、登りたい山を伝えて案内をお願いすることも可能ですし、今回のように希望する条件を馬目さんにお伝えして提案してもらうこともできます。

馬目さんからの候補は3プラン。そのなかから選んだのは、長野県中部の山間に位置する生坂村を南北に走る生坂山脈の主峰・京ヶ倉(きょうがくら)と大城(おおじょう)の縦走コースです。

馬目さんからのメールでの紹介文は以下の通りです。

標高990mの里山ですが、岩稜ありのなかなか険しいハイキングコースです。高度感満点でアップダウンもあり、割と人気の山かなと思います。場合によってはロープを出したいところもあります(用意いたします)。コースタイムは、全行程4時間くらいでしょうか。


出典:国土地理院地図、ルート作成:編集部
ちょっとしたスリルと探検気分も楽しめそうな山の提案!

そしてこの文面からも、馬目さんの人柄とガイドの様子がなんとなく伝わるのではないでしょうか。メールでは事前に装備リストも送ってもらいました。ということで、いざ、京ヶ倉・大城へ!

登りながら訊いた、馬目さんの「山の履歴」

急勾配を登る
インタビューや会話ができるペースで山を歩いていきます。
登山道に入るとすぐに急登に。しかし馬目さんのほどよいペースに合わせて登っていくと、息が切れることもなく会話を楽しみながら進むことができました。

そこで馬目さんがどうして山を始めるようになったのか、これまでの「山の履歴」を訊いてみました。

釣り好きから世界的なアルパインクライマーに

若かりし頃の馬目さん
提供:馬目弘仁さん(若かりし頃のクライミング)
1969年生まれ、福島県いわき市出身。最高峰は1,000m足らずという海沿いのまちで育った馬目さんが登山に目覚めたきっかけは、意外にも釣りだったそうです。

「僕が小学生の頃にルアー釣りブームが来て、渓流でイワナやヤマメを釣ってみたいという思いで、高校で山岳部に入ったんです。その部室に転がっていた雑誌『山と溪谷』でヒマラヤ登山やロッククライミングを知り、アルペン的な雰囲気に憧れて行きたいと思うようになりました。それからずっと山登りです」

大学は登山のフィールドが近い長野県の信州大学に進学。農学部で林学科を専攻し、あえて大学山岳会には入らず、社会人山岳会に入会しました。

「大学山岳会では山の基礎から学びますが、僕はすぐに岩登りがしたかったんです」

そんな前のめりの発言どおり、入学後は本格的にロッククライミングの世界に没入。大学3年次には半年間休学して初の海外ツアーであるヨーロッパアルプスへ遠征し、さらに22歳の時には初のネパール・ヒマラヤへ。エベレストを中心とするクーンブ山群のクスムカングル峰(6,367m)北稜を登攀したのです。

就職後も止まない登山愛、再び信州へ

大学卒業後は就職し、埼玉県に移住するも、アルパインクライミングは継続。その後4年半勤めた会社を退職して長野県松本市に移住。以来、20年以上、いまも同市を拠点に活動しています。

移住後は松本広域森林組合に就職し、現在はクライミング技術を応用しながら高木を安全に伐採する「特殊伐採」のチームに所属。また、近年は伝染病によるマツ枯れの伐採作業にも携わり、森林現場作業歴は20年以上に及びます。

テンカンポチェ峰遠征
提供:馬目弘仁さん(テンカンポチェ峰遠征時)
その間、2006年には足掛け12年、4回目の挑戦でインド・ヒマラヤのメルー中央稜(6,330m)シャークスフィンに第2登。2008年にはネパール・ヒマラヤのテンカンポチェ峰(6,460m)北東壁に初登攀しました。

そして2012年、「ピオレドール」受賞の対象となったキャシャール峰(6,770m)南ピラーに初登頂。さらに2017年には5,612mの無名岩峰にも初登攀しています。

アルピニストが里山の森林ガイドに。その理由とは?

世界の山々で先鋭的な初登攀を重ねてきた馬目さんですが、本業の林業ではチェーンソーを担いで毎日のように里山に行き、次第にその魅力を実感するようになったといいます。

「一緒に仕事をしている仲間から山菜やきのこを教えてもらったり、時にはブヨに刺されたりウルシにかぶれたりもしながら、面白いばかりではなく時期によっては不快なこともたくさんあるものの、里山もなかなかいいなと思っていました」

アイスクライミング
提供:馬目弘仁さん(国内でのアイスクライミングにて)
そうしたなかで2020年秋からガイド活動を始めたきっかけは、“補助金頼み”ともいわれる国内林業の先行きの不透明さがあったそう。ただ「特殊伐採」と山岳ガイドを組み合わせたら、林業の世界でも仕事を続けていける。そんな思いに加え、コロナ禍での心境の変化もあったようです。

「去年、緊急事態宣言下での登山がSNS上で炎上していたので、僕もアルパインクライミングを自粛して里山ばかり巡ってみたらなかなか面白くて。実際、里山はガイドを頼むほどの山ではないと思うんですが、一回ご案内すれば、あとはお客さんご自身で季節を変えたりして何度でも来ることができます。そのきっかけづくりのお手伝いをさせてもらえたらと思っています」

そこに林業の経験を踏まえた森林案内を組み合わせるのが、馬目さんのガイドスタイルです。

「いろいろと森林のことを覚えるレクチャーというよりは、自然観察を気軽に楽しむサポートができたらいいですね」

ガイド中の馬目さん
大きなコブのある木を発見。なぜこんな不思議な形になってしまうのかも教えてもらえます。

下山時に子どもをおんぶ?!登山者に合わせた山歩き

もちろん、初めて山登りをする人には歩き方やトレッキングポールの使い方から教えますし、さまざまな要望にも対応しています。例えば、保育園年中組の女の子を含めた親子3世代の家族の里山ガイドをしたときには、帰り道に馬目さんが女の子をおぶって下山したそう。

「登りやすい低山でしたが、女性だけのグループだったので、お子さんが歩けなくなった時のことを考えてご相談を受けました。僕がおんぶするなどのサポートができれば、小さなお子さんがいるご家族でも山登りを楽しんでいただけます」

ヤクの鈴
ヤクのツノでできた大きな鈴を熊よけに使用。
そんな会話の合間に響き渡るのは、馬目さんの熊鈴。ひときわ大きく高らかです。これはエベレスト街道の奥地で買ったヤクのツノでできた鈴で、ネパールの山間部に行くとあちこちでこの音が鳴り響いているのだとか。そんな鈴の音が、異国情緒もかき立ててくれます。

これが里山?!急勾配の先に広がる絶景に感動

狭いながらも整備された登山道は30分ほどでさらに急峻に。「これから気をつけてください」と馬目さん。


木の根などに注意しながら、急登していきます。
戦国時代に番兵が物見をしていたこの山は、当時、眺望のために木々が伐採された禿山だったのではないかと馬目さんは話します。

「太い広葉樹が全然なくてアカマツが生えているということは、一回伐採された後だと思われます。この辺のアカマツの樹齢は70年あるかないか。マツ林は長野県の原風景ではないんです」


アカマツは一度禿山になって荒廃した土地に生えることが多いのだそう。
そんな話をしていると視界が開け、眼下に生坂ダムや水鳥公園が見渡せる「おおこば見晴台」へ。その絶景たるや! 独特に蛇行する犀川のうねりや生坂村ののどかな風景、その先に見える残雪の北アルプスの眺めに心が弾みます。

おおこば見晴台
人里とダムとが眼下に。さらに遠くに北アルプスの山並みが。
さらにしばらく登るとロープやハシゴのある急坂に。このポリエチレン製のトラロープはクライミングロープとは作りが異なり、強度はあるものの結束強度が弱く、紫外線劣化すると簡単に切れてしまうため「あまり頼りにしないほうがよいですよ」と馬目さん。

トラロープ
設置されているトラロープを確認する馬目さん。自前のロープも用意。
この急傾斜を越えるとさらに視界が開け、稜線に出ました。西側に雄大な北アルプスの峰々、東側には聖高原や四阿屋山(あずまやさん)、岩殿山(いわどのさん)といった地域の里山が重なり合い、緑豊かな森が広がります。

北アルプスの絶景
西側の風景。迫力ある北アルプスの山並みは圧巻!
里山の山並み
東側の風景。こちらは高くはないですが深い山並みが続いています。
稜線をはさんで東西の絶景を一望できる景色に感動です!

里山だといって侮れない高度感「馬の背」に挑戦!

稜線歩き
急登を終えての稜線歩き。近隣の山のことを教えてもらいます。
稜線までは登山口から1時間ほど。この先は京ヶ倉山頂までゆるやかな稜線歩きが続きます。

「四阿屋山は片道1時間ちょっとで頂上に行けるのんびりした山で、登山者も少なく、村の天然記念物になっているブナの原生林が裏側に広がります。岩殿山のハイキングコースも、京ヶ倉のように岩がゴツゴツしていますし、同じく堆積岩からなる大姥山(おおうばやま)は金太郎伝説の山で、1時間半もあれば頂上に行けますが、鎖場が連続して面白いですよ」


稜線上にはところどころに侵食によってできた砂岩や礫岩が出現。
馬目さんによる周辺の里山情報もとても魅力的。まだ京ヶ倉の山頂にも着いていないというのに、あの山もこの山も登ってみたい……とワクワクしてきます。

岩壁の間を抜けながら細尾根を進むと、巨岩の上を歩く馬の背と巻き道の分岐へ。

馬の背分岐
「馬の背」と名付けられた場所はだいたいが……。
「せっかくなので眺めのよい馬の背に行きましょう」と馬目さん。

山頂直下の馬の背は、その名の通り馬の背中のような形状で左右が深く落ち、木々もない岩肌なので、高所恐怖症の人には不向きかも? と思えるほど高さを感じますが、そのぶん眺望は最高。東側の山々が間近に迫ってくるようです。

馬の背
「高度感満点」とメールにあったのは本当だった!
そこから最後の急な岩稜を登りきると、小高い丘のような京ヶ倉山頂に到着しました。

老若男女の登山者が思い思いに休憩を取っていて、ノンアルコールビールとつまみを片手に涼風と絶景を楽しんでいる人がいたりと、なんとも気持ちよさそう。登山口から約1時間半の山行で高山の雰囲気を楽しめるこの山の人気の理由を実感しました。

京ヶ倉山頂にて
思わず撮影したくなる絶景ポイントです。

山岳ガイド資格事情とこれからのステップアップ


馬目さん自身の話もうかがっていきます。
「本当はこういうのんびりした里山の仕事をしたいんですが、僕のイメージからアルパインクライミング系の問い合わせがけっこうあるんです」

現在は「山岳ガイドステージⅠ」(国内で1年を通して登山ルートのガイドを行えるものの、岩壁登攀、雪稜バリエーション、積雪期の岩稜バリエーション、フリークライミング講習は不可)の資格しかなく、今年、国内で季節を問わずすべての山岳ガイドを行える「山岳ガイドステージⅡ」の資格を取る予定なのだそう。

昨年1年かけて「山岳ガイドステージⅠ」の資格を取得した馬目さん。書類審査の筆記試験や夏山での4日間の実技試験、ファーストエイド検定、積雪期・残雪期の雪崩の検定など、1つひとつをクリアしたそうです。

「ひさびさに受験勉強をしました。費用もかなりかかったので、元が取れるほどガイドの仕事ができればいいんですが(笑)」

依頼者は女性が多いからこその細やかな気配り

登山ルートのガイドをする
ステージⅠでは登山ルートのガイドが可能。岩稜も馬目さんとなら安心です。
なお、これまでのところ、ガイドの依頼者はすべて女性客なのだとか。その際に課題となっているのが、トイレ問題だそうです。

「山でのトイレに慣れていないお客さんばかりなので、夏山では水分摂取を我慢して熱中症になってしまう危険性があります。今日も携帯トイレとツェルトを持ってきています」

母校の信州大学ではしばらく登山学実習の講師を務めたこともあるそうで、その経験を踏まえ、ガイドとして細部まで気を配られている様子がうかがえました。

ピオレドールを受賞したキャシャール峰登攀のこと

大城までの稜線歩き
次の山頂「大城」を目指します。
京ヶ倉での小休止を終え、北側に見える大城までは約20分。道中に生えるヤマウルシや河原などに生えるツタウルシ(クサウルシ)などの有毒植物の話を聞きながら稜線をしばらく進みます。

双子岩や天狗岩といった奇岩を経て、ほどなくして標高980mの大城の山頂に到着しました。

天狗岩
道中には奇岩もあり、目を楽しませてくれます。
山頂で昼食をとりながら「ピオレドール」を受賞したキャシャール峰の登攀の話を聞きました。

2000年にようやく登頂が解禁された、長く未解禁の山だったキャシャール峰ですが、馬目さんは自身初のネパール・ヒマラヤ遠征を果たした学生時代にこの山に出合って美しさに魅了されたそう。そして20年以上を経た2012年、大岩壁を二分するように立ちはだかる未踏峰の南リッジを初登攀すべく、登山家の花谷泰広さん、青木達哉さんの2人に声をかけたのです。

「格好いいじゃん、これにしよう」……提案が現実に

キャシャール登頂
提供:The North Face、撮影:花谷泰広さん(左より青木さん、馬目さん)
馬目さんを突き動かすきっかけとなったのは、前年、2011年の東日本大震災です。この年にヒマラヤ遠征の予定があったものの、両親が松本に避難してきたことから計画を外れた馬目さんは、半年ほど経って実家の状況も落ち着いたころ、改めてヒマラヤに登りたい気持ちがふつふつと湧き上がったのだそう。

「未踏峰に登りたいと、まず花谷くんにキャシャールを提案したら『格好いいじゃん、これにしよう』と」

本気なのか冗談なのか真意を図りかねるほど軽いトーンの話ですが、標高差が2,000m以上あるルートでスケールがあり、岩登りだけではなく急な雪壁も登ったり氷を飛び移るセクションもあったりとさまざまな力が求められ、未踏峰ゆえに行かないとわからないことも多かったようです。

キャシャール登攀
提供:The North Face、撮影:花谷泰広さん

ヒマラヤ登山話を聞きながら、山頂での至福の時間

昼食時ともあって、次第に話題はヒマラヤでの食事関係に。興味深かったのは、水の話題です。行動中の水分は3人で2Lほどしか持てず、夜と朝にひたすらテントで雪を融かし、水分を摂取するのだそう。

また、軽量化をめざしつつも満足感のある食事を求め、最近は柿の種を日本から持参する話や、軽量化のために服のタグを全部切るクライマーの話、山行記録はつけるの? ……といった素朴な疑問まで、さまざまな話題で盛り上がりました(ちなみに馬目さんは“極端にズボラ”だそうで、日記もつけず写真も撮らないとか)。

そんなユニークな話を聞きながら、時折、話題が途切れた際の静けさの心地よいこと! なんて贅沢な時間なんだ、としみじみと心に満足感が染み渡りました。


奥深い自然と歴史を持つ、魅力的な信州の里山

今も2~3年に一度、ヒマラヤに行くという馬目さん。昨年はネパール・ヒマラヤのロールワリン山群にある6,000mほどの山を登る予定でしたが、コロナ禍で中止になってしまいました。しばらくは日本の登山を楽しみたいといいます。

「この春先の里山は虫がいないのがいいですが、意外と紅葉も終わって少し肌寒い11月がすごくいいんですよ。木々の葉が落葉して眺めがいいし、カラマツの葉が地面に落ちている初冬のちょっと寂しい雰囲気は味があります。信州の人は春が好きですが、もともと信州出身ではないからそう思うのかな」

なお、今回は京ヶ倉・大城を選びましたが、ほかに長野県東部にある上田市の人気の独鈷山でもマイナーな岩稜コースや、北アルプスの絶景が広がる大町市の鍬ノ峰・仏崎コースもおすすめとのことです。

植生の不思議を知り、山里の暮らしを思う

植生について説明中
高い木を見上げながら、このあたりの植生について説明する馬目さん。
大城山頂から下山道のあいだ、このあたりの植生について、面白い話を教えてもらいました。

アカマツの間にゴヨウマツ(五葉松)という異なるマツが生えているところ。幹の色が異なりますし、アカマツの葉は針状で2本1組になっていますが、ゴヨウマツは1カ所から葉が5本出ているので違いがわかります。

ゴヨウマツの葉
葉が5枚あるので、ゴヨウマツ。
また、アカマツは成長が早く、条件がよければあっという間に大きくなって30mほどの樹高になりますが、尾根上のアカマツの樹高は18mほど。

「土地の栄養が樹高に影響するんです。ここのアカマツはあまり高さがないので、生育環境としてはよくないことがわかります」

樹齢を見る馬目さん
指で指しているのは、成長の遅い小さなマツ。
マツなど針葉樹の樹齢の数え方も教わりました。樹齢は樹高と比例するわけではなく、葉や芽の数から判断できるのです。よく見ると、地面に樹齢十数年ながら成長が遅いマツがたくさん生えていて、痩せた土地ながら森の生命力を感じました。


江戸時代以前より下生坂から昭和四十年まで大城や入山方面へ行く重要な生活道路の峠道であった。明治以降は入山分校の生徒が昭和四十年まで上生坂の本校へ、また、生坂中学校への通学路でもあった。(後略)

歩いている途中に、興味深い案内板を発見。なんと、この登山道が昭和40年まで村の重要な生活道路として使われており、小学校の通学路でもあったというのです! 子どもたちはどれだけ足腰を鍛えられていたことでしょう。往時に思いを馳せながら歩きます。

道中に咲くレンゲツツジやヤマツツジなどの花々、シカに樹皮を食べられたリョウブの樹木といった野生動物の痕跡も眺めながら、4時間ほどで車を停めた下山口へと到着しました。

ゆっくり深く楽しむ。馬目さんらしい里山案内の1日

馬目ガイド
ピオレドーラーというだけでない、馬目さんの人となりを知ることができました。
馬目さんの人となりを物語るようなゆっくりとした山行で楽しんだ里山案内は、アルパインクライマーの一面も感じつつ、馬目さんのご家族など身近な話なども聞け、純粋に「また馬目さんと一緒に山に登りたいな」と温かな気持ちに包まれました。

そして四季を通じて楽しめ、気軽に非日常感を味わえる里山の魅力も存分に堪能することができました。

アルパインクライミングと林業、それぞれの活動を通して得た幅広い知見に加え、今年は山岳ガイドステージⅡの資格取得にも挑戦する馬目さん。その相乗効果により、登山ガイドと里山の森林案内はより深みを増していくことでしょう。

馬目森林山岳案内事務所|公式サイト

撮影:青木 圭(ch. books)

\ この記事の感想を教えてください /
GOOD! BAD

関連する記事

関連する山行記録 byヤマレコ

この記事が気に入ったら
「いいね!」をしよう
島田浩美(ch.books)

編集者/ライター/書店員。長野県出身・在住。信州大学卒業後2年間の海外放浪生活を送り、帰国後、地元出版社勤務を経て長野市に「旅とアート」がテーマの書店「ch.books」オープン。趣味は山登り、特技はマラソン。体力には自信あり。

登山専用コミュニティサイト「ヤマレコ」

アウトドアのすべてを、ひとつのアプリで。

150以上のアウトドアメディアの記事や動画、3万枚以上のみんなの写真も見られる!
アウトドアの「知りたい!」「行きたい!」がきっと見つかる!
お気に入りの記事や写真を集めて、スキマ時間に素早くチェック!