柔和な笑顔のピオレドーラー・馬目弘仁さんと山歩き
優秀な登山家に贈られる国際的な栄誉賞で「登山界のアカデミー賞」との異名を持つ「ピオレドール」。馬目弘仁(まのめ・ひろよし)さんは2012年、43歳のときに、ネパール・ヒマラヤの標高6,767mのキャシャール峰南リッジ(尾根)に3人のチームで初登頂し、翌2013年「ピオレドール」を受賞しました。
……というと、登山家特有のストイックさを併せ持つ屈強な山屋のような人物像を想像していましたが、集合場所で待っていてくれた馬目さんは、なんとも穏やかな雰囲気を放ち、和やかな笑顔が印象的でした。
「なかなか険しいハイキングコースはどうでしょう?」
ガイド内容は依頼主の希望や山歩きの熟練度に応じて選べますが、今回は森林案内をメインに、里山の魅力を楽しめるコースを馬目さんにセレクトしてもらいました。
もちろん、通常のガイドの場合、登りたい山を伝えて案内をお願いすることも可能ですし、今回のように希望する条件を馬目さんにお伝えして提案してもらうこともできます。
馬目さんからの候補は3プラン。そのなかから選んだのは、長野県中部の山間に位置する生坂村を南北に走る生坂山脈の主峰・京ヶ倉(きょうがくら)と大城(おおじょう)の縦走コースです。
馬目さんからのメールでの紹介文は以下の通りです。
標高990mの里山ですが、岩稜ありのなかなか険しいハイキングコースです。高度感満点でアップダウンもあり、割と人気の山かなと思います。場合によってはロープを出したいところもあります(用意いたします)。コースタイムは、全行程4時間くらいでしょうか。
ちょっとしたスリルと探検気分も楽しめそうな山の提案!
そしてこの文面からも、馬目さんの人柄とガイドの様子がなんとなく伝わるのではないでしょうか。メールでは事前に装備リストも送ってもらいました。ということで、いざ、京ヶ倉・大城へ!
登りながら訊いた、馬目さんの「山の履歴」
登山道に入るとすぐに急登に。しかし馬目さんのほどよいペースに合わせて登っていくと、息が切れることもなく会話を楽しみながら進むことができました。
そこで馬目さんがどうして山を始めるようになったのか、これまでの「山の履歴」を訊いてみました。