”たくさんの山に登りたい”その思いから日本一周へ!北アルプスを独り占めできる「赤牛岳」の絶景に感動

2021/06/01 更新

登山女性向け情報ページ「POLE POLE」。そこで、山の魅力や楽しさを発信してくれる存在がアンバサダー。今回は、色々な山を登るために自転車で日本一周しながら、各地の様子を紹介してくれている<rui>さんの登場です。思い入れのある山や、チャレンジしたい山など、ひとりの女性登山者として山について、胸に思い描いていることをインタビューしました!


アイキャッチ提供:るいさん(日本一周中の宗谷岬にて)

山に登る理由は人それぞれ

撮影:YAMAHACK編集部
山に登る人は、初心者からベテラン、スタイルもきっかけも様々で、いろいろな人がいますよね。そして、その数だけ山へ登る理由や想い、楽しみ方も存在します。コロナウイルスでの自粛期間もあり、より山について考える時間も多かったのではないでしょうか。

YAMA HACKでは、これまでアウトドアに関わる多くの人達に、山への想いを聞いてきました。様々な人の話を聞くと、自分とは違う価値観や共感できるポイントだったり、新しい山の魅力を発見できるかもしれません。

今回は、よりYAMA HACK読者に近い登山者「POLEPOLEアンバサダー」の方に、山への想いを聞いてみたいと思います。

「POLE POLE」アンバサダーってどんな人?


『POLE POLE』とは女性のための登山情報ページ。登山が好きなすべての女性に、レベルや年齢にとらわれることなく自分らしく山を楽しんでほしい、そんな想いをカタチにする場所として2020年3月にOPENしました。
そのPOLE POLEで、女性ならではの視点で山の楽しさや魅力を発信してくれる存在がアンバサダーさん。自分らしく山を楽しみ、その思い出の詰まった写真などを投稿してくれています。

いつも見ているだけでワクワクする写真を投稿してくれるアンバサダーさんって、どんな人なんだろう?
普段なかなか聞くことのできない山への想いを聞いてみたい!

そんな訳で、「思い出の山」や「挑戦してみたい山」など山にまつわるお話を伺ってきました。

初めまして!POLE POLEアンバサダー<rui>さん

提供:るいさん(Instagram/_isirui_
プロフィール|ruiさん
名前:るい
登山歴:5年  
登山好きな母に連れられ、幼い頃から山に登ることが普通である環境で育つ。就職後、ソロで山に登り始め山中心の生活にシフト。日本各地の山を登るために退職し自転車で日本一周を敢行中。現在は、世情を考え一旦中断し沖縄県に住んでいます。
出典:sotoshiru/rui
提供:るいさん
とにかく山が大好きで、日本各地をめぐりながら山の素晴らしさを紹介する行動力抜群なるいさん。 早速、大好きな山の話を聞いてみましょう!

私の大好きな山、それは「赤牛岳」

提供:るいさん(水晶岳から赤牛岳へ)

赤牛岳
標高:2,864.2m
所在地:富山県富山市
北アルプスの奥地、飛騨山脈に位置する赤牛岳。赤茶色の山肌に牛が寝ているように見える姿から、その名がついたと言われています。山頂は360度の大パノラマで、薬師岳をはじめ槍ヶ岳や烏帽子岳、黒部湖も一望できるほどの絶景。
ただし、どの登山口からも距離があり、付近の山々とともに縦走で訪れる場合がほとんど。そのため、人が少なく静かな山行を楽しめます。

── 元々、登山が身近なものだったと伺っていますが、初めて山へ登った時のことを覚えていますか?

るいさん
九州出身なんですが、母が山に登る人だったので初めて登ったのは久住山だと聞いています。山が好きと言うより、おやつに釣られて一緒に登ってたみたいですが。笑


── なるほど。子どもの頃からずっと登山してきたんですね?

るいさん
中学になると、部活があったりで山に行かなくなりましたね。
就職後、シフトの関係で休日が不定期だったので、ひとりで出来ることを探した中で、もう一度山に行こうかなって。


── ひとりで出来ることって他にも色々あるじゃないですか。山を選んだ理由って何かありますか?

るいさん
大きな理由はないんですけど…小さい頃にやってたから、また再開するのに抵抗がなかったんですよね。そしたら、見事にハマってしまって。
日本の色々な山に登りたくなって、仕事を辞めて日本一周することにしました。

提供:るいさん(日本一周129日目は福井県の雄島へ)
── えっ!?今、さらっとすごいこと言いましたよね。笑。「山に登るため」に仕事を辞めたんですか?

るいさん
そうなんです。地元の大分からは、仕事をしながらだと最長でも2泊3日で四国の山に登るのが精一杯で。
北アルプスとかもっと色々な山に登りたいという気持ちが大きくなり、自転車で日本一周すれば移動費も浮くしいいかな、と考えたんです。
こんな大胆なことは今しかできないかもしれない!と思って、思い切って行動してみました。

北アルプスの地図の真ん中にあるから、赤牛岳に登りたい!

提供:るいさん(赤牛岳山頂で。登った山の名前を書き込んでいったそう)
── これまでに登った山の中で、思い入れのある山はどこですか?

るいさん
思い出に残っている山行や景色はたくさんあるので難しいのですが…今回は「赤牛岳」を選びました!
一昨年の夏に北アルプス縦走をしてその時に登ったのですが、この時が”北アルプスデビュー”、さらに”縦走デビュー”だったので、どの山もすごく思い出に残っています。


── 縦走デビューでなかなか渋い山を選びましたね~。登るきっかけってなんでしたか?

るいさん
縦走に誘ってくれた友達が、「北アルプスの地図を広げた時に真ん中にある赤牛岳に登りたい!」と言ったのが最初です。なので赤牛岳を基準に行程も考えました。


── そうやって登る山を決めるのすごく面白いですね!この時の旅程を教えてください。

るいさん
赤牛岳へは2泊3日以上ないといけないとわかったのですが、初めての北アルプスだったので、色々行きたい気持ちもあり…
折立〜薬師峠〜黒部吾郎岳〜鷲羽岳〜水晶岳〜赤牛岳〜双六小屋〜笠ヶ岳〜新穂高温泉》の5泊6日で計画しました。
長期縦走もこの時が初めてだったし、台風で双六小屋に停滞もしたので、より印象に残っています。


── 初めての縦走で、なかなかハードな行程ですね!

るいさん
そうですよね。笑
でも自転車旅をしていたのもあって、体力や脚力はあったので、チャレンジしてみることにしました!

北アルプスを独り占め!ひたすら続く稜線の景色に感動

提供:るいさん(水晶岳から赤牛岳への稜線の眺め)
初めての長期縦走で5泊6日テント泊に挑戦したるいさん。念願の北アルプスでの印象に残っている景色について、写真と共に語ってくれました。

── 初めての北アルプス縦走はどうでしたか?

るいさん
めちゃくちゃ感動しました!
稜線が大好きなのですが、赤牛岳に行く道はずーっと稜線しかないので…歩いていてすごく嬉しかったです。


提供:るいさん(鷲羽岳から水晶岳の眺め)
提供:るいさん(赤牛岳山頂にて)
── 赤牛岳のどんなところが好きですか?

るいさん
山頂から360度見渡せる大パノラマです。北アルプスがこれでもかというくらい見渡せる山頂に感動しました。
それに山頂だけじゃなく、水晶岳から赤牛岳までの登山道が本当に素晴らしい眺めなんです。とにかく長かったですけど…赤牛岳がずっと見えているのに、全然着かないっていう。笑

朝日に稜線…とにかく絶景だらけ


提供:るいさん(鷲羽岳からの朝日や鷲羽岳〜水晶岳〜赤牛岳の稜線など、どれも絶景ばかり)
── うわー…どれも絶景ですね!朝日の写真も、光と雲の感じが素敵です。

るいさん
縦走3日目に鷲羽岳から見た朝日も印象に残っています。
朝日を見るために、早朝3時すぎに三俣山荘のテン場を出発し、鷲羽岳で朝日を迎えました。とにかくキレイで最高の眺めでした!

その後、水晶岳、赤牛岳と縦走し同じ道を通って三俣山荘のテン場に戻りました。


── 水晶岳まで、という方はよく聞くのですが、赤牛岳まで行って、しかも戻ってくるっていうのはなかなか通ですよね。

るいさん
たしかに…水晶岳から赤牛岳に行って戻ってくる間に出会ったのは、3人だけでしたね。距離は長くて大変でしたが、三俣に荷物を置いて行ったので、身軽でしたよ。
でも人が少なかったので、縦走路はとても静かで北アルプスを独り占めしているかのような気持ちになれました。


絶景を楽しみながら稜線歩きを満喫したことを語ってくれたるいさん。北アルプス縦走デビューの楽しさが、伝わってきましたね!

今後チャレンジしてみたいのは「奥穂高岳〜西穂高岳縦走」

出典:PIXTA(奥穂高岳からジャンダルムへ)

奥穂高岳
標高:3,190m
所在地:長野県松本市
北アルプスの奥穂高岳は、富士山、南アルプス・北岳に次いで日本国内で3番目に高い山。穂高岳の中央に聳え、山頂から西穂高岳に続く稜線上には、岩の要塞ジャンダルムを望むことができます。
山頂へは、鎖やハシゴが設置された岩稜を通過するため、技術、体力、装備の要素を備えた上級者のみがチャレンジ可能。

西穂高岳
標高:2,909m
所在地:長野県松本市、岐阜県高山市
北アルプス穂高連峰の最も南西に位置する西穂高岳。新穂高温泉からロープウェイを利用すれば、気軽に山頂に立つことができます。
一方、奥穂高山頂〜西穂高岳山頂を目指す通称「ジャンダルム」は、北アルプスの中で最も危険なルートと言われ、上級者しか歩くことのできない道。剥き出しの岩肌の迫力ある景観は、多くの登山者の憧れの的。

── 今後、登ってみたい山を教えてください。

るいさん
奥穂高岳〜西穂高岳への縦走をしたいです。本当は、去年の夏に行く予定だったんですがコロナウイルスの影響で行けなくて。
今年か来年にはチャレンジしたいですね。


── かなりハードな場所ですね。どんなところに魅力を感じていますか?

るいさん
写真を見てかっこいいなと思いました。
それに、一般ルートとして最難関と言われているのでいつかは踏破してみたいですね。


── どのくらいの日数で考えていますか?

るいさん
まだあまり考えてはいないですが、しばらくは沖縄に住むので…行くとしたら1回の山行で色々と登りたいですね。最低でも4泊はしたいです。


── またまた長期になりそうですね。笑

るいさん
そうですね〜、一回山に入ったらできるだけ長い時間山にいたいタイプなんです。
赤牛岳縦走の時は双六小屋でテント泊できなかったので、まずはそこでテント泊したいです。それで槍ヶ岳にも登って、そこから全部繋げたいですね!

“山に登ること”が自分にとって自然なこと



提供:るいさん(5泊6日縦走時のザック)
── 現時点でも色々なエリアの山を登っていると思うのですが、どのくらい登りました?

るいさん
北アルプスは結構いきましたね。今は全国あわせて109座くらいかな。


── それだけ登ってきた中で、どんな山が好きですか?

るいさん
元々、山から他の山を撮るのが好きなんです。だから、稜線からの景色がキレイな山はいいですよね。
逆に、最初に樹林帯が延々と続いたりするのは苦手です。急登もあんまり好きじゃないですね。笑


── たしかに樹林帯は景色が見えないですもんね…。

るいさん
樹林帯スタートの時は、山頂で景色を見るのだけを楽しみに、ひたすら頑張って歩いてます。
テント泊が好きなのもの、テントから顔を出せばすぐに景色を見られるからなんです。夜にテントから星空が見えるのが、またいいんですよね!


── 景色がいいと嬉しいですよね〜。るいさんにとって”山の魅力”って何ですか?

るいさん
その質問よくされるんですけど…実は自分でもまだよくわからないんです。
昔から山にいることがごく自然でしたし、今も”頑張って”山に行くという感覚はなくて。
ただどの山であっても、登る時にはしっかり準備して挑んでいるので、特別な場所ではありますね。街と違って不自由な場所ですし。


── るいさんにとっては、山に登るのが自然なことなんですね。でも「興味があるならやってみよう!」っていう行動力がすごいですね。

るいさん
興味があることは、なんでもすぐやりたくなっちゃうんですよね。笑

今が1番時間があって何にも縛られていないから、出来ること、やりたいことは全部やろう!って思ってます。
カメラも山がきっかけで始めましたし、いい景色を撮影しながら登るのも楽しいです。

そういう山の魅力で言うと、1番の楽しみは本格的な山メシを作って最高のロケーションで食べることですね!

”山ごはん”にもこだわってます

山漬けの生活を送っている、るいさん。実は”山ごはん”にも相当のこだわりがあるとの事。
最後に、こだわりの山ごはんを紹介してもらいました。

── 山ごはんは”しっかり作る派”とお聞きしたのですが。

るいさん
朝日を見るために、朝駆けで山に登るので、テン場にはお昼くらいに着いちゃうんですよ。
だから、昼寝してから時間をかけてご飯を作ります。

※朝駆け(あさがけ)とは、元々は早朝に人を訪ねること。そこから転じて、超早朝に山へ登ることをいう九州独自の言い回し。九州の登山者の間では「朝駆け登山」が密かなブームなんだとか。

提供:るいさん(餃子や唐揚げ、野菜たっぷりのカレーなど本格的な山ご飯を作っているんだそう)
── どの写真も美味しそうな料理ばかりですね。

るいさん
基本的にお米は炊きますし、肉や野菜も生で持っていきますよ。鶏肉を揚げて唐揚げにしたり、写真の餃子は皮から作りました!


── えっ!?そこから…小麦粉こねて?

るいさん
はい。笑


提供:るいさん(テントの中で皮を作ってます)
── これは食べてみたいですね〜。カメラに食材に…るいさんのザックは相当重そうですね。

るいさん
めちゃくちゃ重いですよ。食材がザックの半分を占めていることもあります。
ただ、食材は食べて減っていくのでどんどん軽くはなっていきます。笑


山の上で、丁寧に作られたご飯を食べられるのって最高に幸せなことですね。るいさんの元気の源は”食”にもあるのかもしれません。
好きなことにはどんどんチャレンジする姿が印象的なるいさんの投稿&ブログも要チェックです!

▼るいさんの自転車日本一周の様子がわかるブログはこちら
旅×写真×山

るいさんが紹介してくれた山



女性のための登山情報ページPOLE POLE

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高橋 典子

ハイクとミニマルキャンプをこよなく愛するフリーライター。次はどこに行こうか、9歳の息子と地図を眺めるのが日課。最近は、山岳気象予報に興味津々!

登山専用コミュニティサイト「ヤマレコ」