あると快適さが倍増!タープは山でも使える便利アイテム
登山でタープは、必須アイテムではありませんが、実はテント泊での快適性をアップさせる強者なのです!
たとえば日陰を作ったり、テントと組み合わせて広い前室にしたりと、1度使うとその使い勝手の良さはやみつきになること間違いなし。最近では、登山でも使用しやすいように軽量化されたモデルも販売されています。
▼タープの使用パターン
荷物置き場やタープ泊としても使えますが、雨が降った時に吹き込む恐れがあるので、山での使用を考えるとテントの前室としての利用が多いでしょう。麓のキャンプ場で1泊してから、次の日山登りをするなど、ベースキャンプ登山で重宝しますよ。
ただそれほどなじみがないアイテムだけに、「使い方がイマイチわからない」、「どんなタープがオススメなの?」と疑問に思っている人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、
・タープ設営の前に確認すべき3つのポイント
・これさえ覚えておけばOK!タープの基本的な張り方
・テントと組み合わせ!山で使い勝手のいい種類は?
・登山にオススメの軽量8モデル
を紹介していきます。ぜひ参考にしてみてくださいね。
タープ設営の前に確認すべき3つのポイント
スムーズに設営できるように、ペグや張り縄、ポールの有無や取り扱い説明書を事前に確認しておきましょう。
まずはじめに、設営する際の場所選びで意識しておきたい3つのポイントをご紹介します。
①限られたスペースのため、周りをみながら
風には強くないため、稜線上のテント場だと風にあおられてしまう可能性が。麓のキャンプ場など、ゆったりとスペースが取れるかつ安定した平地に設営するのが安全です。
またハイシーズンなど混雑が予想される場合は、使用を控えるようにしましょう。テント場によっては使用不可のところもあるので、管理人へ事前に確認しておくと安心です。
②風を逃してあげるレイアウトに
倒れてしまったり、装備が飛んでしまったりと危ないので、強風時は張らないようにしましょう。
幕がばたつかないほどの微風であれば、風が抜けるように設営するのがコツ。風向きの変化に応じて風上側を低くするなど、臨機応変に対処することも大切です。
③日陰になるレイアウトに
タープは、まったく日陰がない場所で重宝するアイテムです。そのメリットを最大限生かすために、太陽の向きを考慮して、タープ下ができるだけ日陰になるように設営しましょう。
これさえ覚えておけばOK!タープの基本的な張り方
基本的な組み立て方をみていきましょう。タープにはいろいろな種類があるものの、基本は同じです。
(1)タープを広げ、ポールを立てやすい位置に置く。張り縄を伸ばしておく。
(2)ポールを立てる。根本を少し内側に入れるのがコツ。
(3)タープの中心に向かって、サイドの張り縄4カ所をペグ止め。
(4)全体的にテンションを調節して完成。
今回はモンベルのヘキサタープ(六角形のミニタープHX)とアルミポール165cmを使用。それでは各項目詳しくみていきましょう!
タープを広げて、ポールを立てやすい位置に。すぐ止められるように、張り縄の結び目を伸ばしておきましょう。ポールや張り縄を止める位置は、説明書をチェック。小さいモデルであれば、ストックで代用も可能です。
ポール部分の張り縄は2本。左右45度になるように伸ばし、1/4ほどたるませてペグダウンしておくと立ち上げた時に支えとなります。

ポールを立てるのが1番の難所。風にあおられやすいので、できれば2人で行うと安定します。1人の場合は、風が収まっているタイミングに。
対角線状に2本立てたら、根本を少し内側に入れると安定します。

サイドの張り縄4箇所をペグ止めします。タープにしわがよらないように、張り縄の角度を調整しましょう。

テントの前室として使用する場合
ポールが1本に減るだけなので、基本的な立て方は前述したものと一緒です。テントを設営してから、前室部分と幕が重なるようにタープの設営位置を決めます。前室側にポールを1本立てたら、あとは張り縄をペグ止めして完成。
ポールの長さを短くしたり、張り縄をテント近くにしたりと、設営場所によって調整も可能です。
テントと組み合わせ!山で使い勝手のいいタープはどれ?
タープは幕の形が種類によって異なります。フィールドが限られている山のテント場では、「ヘキサタープ(六角形)」と「ウイングタープ(ひし形)」、「レクタタープ(長方形)」が場所を取らずに設営できるのでオススメです。
今回は、モンベルで販売されている各モデルを実際に設営し、テントと組み合わせて大きな前室にしてみました。
個人的な感想では、雨風に強く、大きな日陰を作れるレクタタープが抜群。各タープの設営の特徴や組み合わせした時のポイントをチェックしていきましょう。
ヘキサタープ(ミニタープHX)の場合
六角形の幕がテントの前室にぴったりと合っています。
縦に広い前室ができました。サイドはテントに被っているので、雨の降り込みも少なそうです。ただ場所をとるため、設営する際は周囲の状況を確認しましょう。
ウィングタープ(ミニタープ)の場合
基本の設営方法から、サイドのペグダウン箇所が2カ所減るだけです。幕が小さいため、設営時に風にあおられづらく、設営が楽。
ヘキサタープに比べると、面積が小さいです。太陽の向きをうまく使えば日陰はできそうですが、雨が降った時に吹き込みそう。ただ狭い場所での設営には重宝します。
レクタタープ(L.Wタープ)の場合
幕が大きいため風にあおられやすく、少し苦労しました。前室としては小さく見えますが、斜めの部分が無いので、意外と日陰が大きくとれます。
前室の延長のように、テントとのフィット感が抜群。大きくタープに覆われているため、雨風にも安心です。
もう買うっきゃない!登山にオススメの軽量8モデル
今回紹介した3種類「ヘキサタープ(六角形)」「ウイングタープ(ひし形)」「レクタタープ(長方形)」から、登山にオススメの軽量タープをピックアップ。種類ごとに軽量順で紹介していきます。ぜひお気に入りを見つけてみてくださいね。
ヘキサタープ(六角形)
・アライテント|トレックタープビヨンド
トレックライズや、エアライズの前室用として開発されたタープ。テントの形にぴったり合うようにと、珍しい5角形の幕となっています。もちろん単体でも使えるので、野宿愛好者のタープとしても人気です。
・モンベル|ミニタープHX
今回設営方法で使用したヘキサタープ。適度に面積がありながら、軽量でコンパクトなのが魅力です。登山以外にもツーリングでのタープとしてもオススメ。

・重量 :640g(870g) ※( )内はペグ、張り綱、スタッフバッグを含む重量です。・収納サイズ:23cm×φ12.5cm・幕体サイズ:338cm×280cm
ウイングタープ(ひし形)
・オクトス|ウィングタープライト
超軽量コンパクト、常にバックパックに入れておいても邪魔にならないウィングタープ。トレッキングポールでも設営できるようになっており、別途ポールが必要ありません。
・モンベル|ミニタープ
今回使用したモンベルのウィングタープ。自転車ツーリングでも持っていけるコンパクトなタープです。ソロユースにオススメ。
・重量 :390g(600g) ※( )内はペグ、張り綱、スタッフバッグを含む重量です。
・収納サイズ:21cm×φ11.5cm
・幕体サイズ:335cm×270cm
レクタタープ(長方形)
・アライテント|ツェルト用フライシート
同社のツェルト用フライシート。長方形という扱いやすい形なので、タープはもちろん、グランドシートや包まって寒さをしのぐエマージェンシーシートとしての利用もOKです。ほかにも雪山ビバーク時の雪洞の入口にも。多用途できるタープのため、山での使用にぴったりです。
・モンベル|L.W.タープ
今回使用したモンベルのレクタタープです。トレッキングポールでの使用も考慮されています。フライシートのような薄い幕で、軽量でコンパクトなのが魅力です。

・重量 :290g(500g) ※( )内はペグ、スタッフバッグを含む総重量です。
・収納サイズ:18.5cm×φ10cm
・幕体サイズ:220cm×280cm
モンベル|L.W.タープ
・パーゴワークス|ニンジャタープ
完全な長方形ではなく、手裏剣型の幕体特徴。周囲21か所にジョイントポイントあるため、張り縄のかけ場所や、自分自身、他のタープへの接続が自由自在。実に30以上の張り方が可能というタープです。
・ヒルバーグ|タープ10 UL
3メートル四方の大きめタープでありながら、750gと軽量なタープ。引裂き強度の高い幕体なので、山での使用にも重宝します。
1度使ったらきっとやみつきになるタープ
登山においてタープは、必要順位の低いアイテムでしょう。しかし1度使ってしまうと、その快適さはやみつきになります。「もっと、テント泊を快適にしたい」人に、ぜひオススメです。