マスクをつけて登山・・・く、くるしい!
今のご時世、外出時に人と話すとき、マスクの着用はエチケット。
ですが・・・登山中、運動中にマスクを着けるのは、なかなか苦しいですよね…。吐いた息と汗で、マスクが鼻と口にくっついてドロドロ。
「呼吸ができない!」
エチケット以前に、これでは熱中症など別のリスクも出てしまいそうです。
登山中のソーシャルディスタンス、どう保つ?
厚生労働省のホームページには以下の記載があります。
マスクの着用について
マスクを着用していない場合と比べ、心拍数や呼吸数、血中二酸化炭素濃度、体感温度の上昇など、身体に負担がかかることがあります。
したがって、高温や多湿といった環境下でのマスク着用は、熱中症のリスクが高まるので、屋外で人と十分な距離(2m以上)が確保できる場合には、マスクをはずすようにしましょう。
登山中にずっとマスクを着けている必要はありません。
ただし、休憩所や山頂、山小屋など人が密集していて距離が保てない場所、人と会話する時は、当然配慮が必要。
今や登山においても、マスクは必須アイテムになりつつあります。
ネックゲイター?マスク?それともフェイスマスク?
様々なメーカーから、登山向けのマスクが発売されてきています。
さらにマスクだけではなく、ネックゲイター・フェイスカバーなどでも代用できる場合も。以前「ランニング時のマスクの代用としてbuffが使える」といった報道もありましたよね。
そこで今回は、マスクやその代用になりそうなネックゲイター、フェイスカバーなどのアイテムを、実際に登山で使ってみました。
長時間つけることになるマスク。気になるの使い心地を紹介します。
▼検証した環境
場所:標高約800mでの登山
気温:山頂にあった温度計で26度(登りはじめの麓の気温は31度)
荷物:約5㎏
※今回はあくまでも使用感のレビューです。飛沫防止などの機能性については検証しておりませんので、ご了承ください。また環境により、使用の感覚は変わってくるので、あくまで個人の感想として参考にしてください。
試してみた!マスク編
今回試してみた”マスク”はこの2つ。
① ユニクロ「エアリズム」
② エヌ・リット「スポーツ・クーリングマスク」
通気性が良さがポイントのユニクロの布マスクは、、手軽に入手できるのが魅力ですよね。普段使いには快適ですが、登山ではどうなのでしょうか?スポーツ用のマスクと一緒に試してみました。
①ユニクロ 『エアリズムマスク』
”快適さを生み出すテクノロジー”として、今や多くの人が使用しているユニクロのエアリズム商品。そのエアリズムで作られた『エアリズムマスク』をまずは試してみます。
使い捨ての紙マスクを比べると蒸れは感じず、紙マスクより断然快適です!
しかし…登りで着用してみると、たった数十mで苦しくなってしまい、思わず外してしまいました…。
エアリズムマスクのパッケージ裏の「使用上の注意事項」にも
激しい運動時及び炎天下での着用はお避け下さい。
と、書いてあります。
登山で使う場合はポケットなどに入れておいて、必要な時に取り出して使うのがおすすめです。
②エヌ・リット 『スポーツ・クーリングマスク』
次に試したのがエヌリットから8月中旬に発売された『スポーツ・クーリングマスク』。
このマスク、”日本山岳ガイド協会 推奨認定品”で東京・神奈川をはじめ全国の山岳ガイドの方が愛用しているそう。
前評判も高く、期待大だったのですが、着けた瞬間、感動!
「コレ、本当にマスク?!」とまるでマスクを着けていない位、呼吸が楽。
ゆったり登山なら、着用したままでも登れます。
軽量で薄く、コンパクトなのも嬉しいポイント。リュックの僅かな隙間にも入ります。
そして、このマスク。一度濡らして絞って使うと、気化熱の働きで”接触体感温度が3度下がるひんやり感”があるそう。それは是非試してみましょう。
濡らすと重くなるのかな、と思ったのですが、絞ってみるとマスクに重さは感じませんでした。
この日は湿度も高く暑い日でしたが…確かに、少し涼しい気がします。
汗でぬれても息苦しくないので、山行時のエチケットマスクにピッタリです。
ただし注意点が一つ。商品ホームページには、以下のように書かれています。
シーンに合わせて、上手く使い分けましょう。
このマスク(フィルタ)の捕集効率実証データはありません。飛沫による様々なリスクを軽減するものとお考えください。
感染リスクの高い密になる電車などは捕集効率実証済みの不織布マスク等で。
運動時などで密ではないが飛沫を防ぐのにこのようなマスク。
と使分けてみてください。
※登山中、呼吸がゼィハァと苦しい時は、楽なマスクでもスグに外して呼吸を整えてくださいね。
試してみた!ネックゲイター編
続けて試してみたのが”ネックゲイター”。今回紹介するのはこの3つです。
③ 「buff」
④ コロンビア「スパイアトゥーピークショートネックゲイター」
⑤ エヌリット「チューブナインクール_EL」
ネックゲイターの定番商品と、フェイスマスクとしての使用も考慮された山ブランドの2商品を検証しました。
③『buff』
色柄のデザインも豊富なネックウェアの『buff』。
縫い目のないチューブ型で、幅広い用途で使えるアウトドアの定番商品ですが、こちらをマスクとして使ってみました。(私物のため、やや毛玉があります…ご了承下さい)
通常のマスクよりも布が薄いこともあり、呼吸もしやすくて快適!・・・ただし、それは短い時間の使用に限ります。buffを口元に当てたまま動くと、吐いた息と汗で、だんだん布が湿ってきて、鼻や口に貼り付き、苦しくなってきます。Buffをしたまま長時間運動をするのは危険です。
今回試したのは、ノーマルタイプの商品。クールタイプも出ているので、こちらだと使用感も違ってくるかもしれません。
登山中は首につけて、人が多いところに来たら、サッと口元まで引き上げる、とういう使い方がよいと思います。
④コロンビア 『スパイアトゥーピークショートネックゲイター 』
続いて、コロンビアの独自技術を使った新商品。汗を利用し冷却効果を実現する「オムニフリーズゼロ」搭載の『スパイアトゥーピークショートネックゲイター』を試しました。
着けてスグの呼吸の感じや使い心地は、buffと同じ感じです。ただ、速乾性のある素材なので、長時間つけても鼻・口のまわりが湿ってくることなく、快適に使い続けることができます。
クール素材を使っていて「冷たい」と感じるわけではないですが、着けていても暑さが気にならないと感じました。
耳に引っかける紐がついており、ずり落ちてくる心配もありません。
運動を行わない場合、山の休憩中などであれば、長時間でも快適に着けられそうです。
⑤エヌ・リット 『チューブナインクール_EL』
先ほど紹介したエヌ・リット『スポーツ・クーリングマスク』のネックゲイター版。エヌ・リット『チューブナインクール_EL』です。
マスクと同じ素材を使っていて、フィット感や快適性は同じ!ネックゲイタータイプなので、必要なタイミングでサッと引き上げて使ったり、手首に巻いておいたりすれば、落とすこともありません。こちらも、軽量で扱いやすいのが魅力です。
試してみた!フェイスカバー編
最後にフェイスカバーも試してみました。紹介するのはこの2つです。
⑥ミズノ「アイスタッチフェイスガード」
⑦MARUFUKU「ヤケーヌ爽クール」
フェイスカバーは、日焼け対策で使う方が多いかもしれませんが、ネックゲイター同様に飛沫対策として使えそうです。
⑥ミズノ 『アイスタッチフェイスガード』
言わずと知れた日本のスポーツメーカー「ミズノ」の商品です。スポーツマスクは完売で入手できず、フェイスカバー『アイスタッチフェイスガード』を試してみました。
写真の人は汗だくですが、着けた感じは、軽く、涼しく、快適です。
フェイスカバーは、鼻と口の前に空間ができるので、その分呼吸が楽。速乾素材なので、長時間使ってもベタベタしません。これであれば、着けたままでも動けそうです。
唯一気になる点を挙げるとしたら、風で少しピラピラすることぐらいでしょうか。日焼け対策もできるので、マスク焼けをしたくない人にもおすすめです。
後ろをボタンで留めれば、涼しくつかうこともできますよ。
⑦『ヤケーヌ』
日焼け防止用につくられた、女性に人気の商品「ヤケーヌ」。いろいろな形・柄が販売されていますが、今回試したのは『ヤケーヌ爽クール』です。
これは呼吸が圧倒的に楽!鼻のところに針金が入っていて、口と布の間に空間があるので、マスクタイプのものと比べて圧倒的に呼吸がしやすいです。汗をかいても、口や鼻に貼りついてくることはありません。
口の部分があいているので、着けたまま飲み物を飲むこともできますよ。
これで炎天下の中、激しい運動をするのはムリがありますが、ゆっくりの登山ならできそうです。顔の形に合わせて作られているので、ズレたり外れたりすることもありません。
検証をしてみて…
使用頻度が低い場合は、マスク。首に着けておいて、必要な時だけサッと引き上げて使えるのは、ネックゲイタータイプ。
日焼けもしたくない、登山中もずっと着けているのであれば、フェイスカバータイプがおすすすめです。
やはり登山向けアイテムを作っているメーカーさんは、激しい運動量に対応できるよう作っているので、登山中でも比較的楽だと感じました。
どれもメリット・デメリットはあるので、シーンに合わせて使い分けたいですね。
製品名 | 素材 | 重量 |
---|---|---|
① ユニクロ「エアリズム」 | 表生地:ポリエステル75%、ポリウレタン13%、キュプラ12% 裏生地:ナイロン59%、キュプラ31%、ポリウレタン10% フィルター:ポリプロピレン | 11g |
② エヌ・リット「スポーツ・クーリングマスク」 | ポリエステル92%、ポリウレタン8% | 6g |
③ 「buff」 | ポリエステル 95%、ポリウレタン 5% | 60g |
④ コロンビア「スパイアトゥーピークショートネックゲイター」 | ナイロン100% | 20g |
⑤ エヌリット「チューブナインクール_EL」 | ポリエステル92%、ポリウレタン8% | 22g |
⑥ ミズノ「アイスタッチフェイスガード」 | ポリエステル88%、トリアセテート12% | 29g |
⑦ MARUFUKU「ヤケーヌ爽クール」 | ポリエステル100% | 26g |
そして…
実は、いろいろと試していたら、具合が悪くなってしまいました・・・。いつも行く山なのに、この日はぐったり。
改めて、マスクを着用している間は、以下の点にご注意ください。
・強い負荷の運動は避けてください。
・水分を摂る回数が、気づかないうちに減ることがあります。のどが渇いていなくても、こまめな水分補給を心がけましょう。
・周囲の人との距離を十分にとれる場所で、マスクを一時的にはずして休憩することも必要です。
山を楽しむために、状況に合わせて適切な行動を
山小屋によっては「マスク着用必須」となっているところがあります。ネックゲイターなどの代用品では認められない可能性もあるため、必ず確認をしてくださいね。
また、使用後のマスク等は汚染している可能性があります。なるべく触らず、ポケットに直接入れず、ビニール袋などに入れて持ち帰るようにしましょう。
マスクだけでもたくさんの種類・素材の商品が販売されています。そして、マスクの代わりとなるネックゲイター、フェイスカバーなど、快適なアイテムも多数あります。
登山に出かける時には、自分の使いやすいモノを選んで、飛沫拡散防止をしていきましょう。
今回試した商品
ユニクロ エアリズムマスク
価格:¥1089(税込)
店舗または、公式オンラインストアで購入できます。
エヌ・リット N・rit
エヌ・リット N・rit チューブナイン クール_EL
サイズ: 23.5×30cm 、男女兼用
素材: ポリエステル92%、ポリウレタン8%
エヌリット N・rit スポーツ・クーリングマスク
サイズ: ワンサイズ、男女兼用
素材: ポリエステル92%、ポリウレタン8%
Buff
Buff バフ COOLNET UV+
素材:ポリエステル95% ポリウレタン5%
サイズ:男女兼用、ワンサイズ
その他: UPF50+
ミズノ アイスタッチフェイスガード
サイズ:M、L
素材:ポリエステル67%、トリアセテート33%
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