え?!オシャレすぎるけど、本当にアウトドアウェア?

落ち着ついたカラーと洗練されたシルエットで、いわゆる登山ウェアとは一線を画したオシャレさ。「これで本当に山に登って大丈夫?」 とつい思ってしまいます。
ファッション性は抜群だけど、機能はちゃんとあるのか?……気になるところ。
センス抜群な北欧発のブランド<フーディニ>

フーディニの創業は1993年、女性クライマーによって誕生しました。
例えば、クライミングシーンにおいて、あとわずかな動きでホールドがつかめるというシビアな状況で、ウェアが動きを妨げてしまう。そんなときにストレスなく手が伸ばせるウェアがあれば……。
そんな思いから、身体への追従性を備え、着心地のよさを提供することをコンセプトのひとつに掲げたのが、フーディニというブランド。
そこに機能性とミニマリズムが組み合わさったことで、このようなアウトドアウェアが誕生したのです。
いまではクライミングに限らず、ファストハイクやスノーアクティビティなど幅広いシーンで活躍するアイテムを展開しています。
ハイカー人気の立役者はこのパンツでした

人気の理由のひとつは個性的なデザインにあります。裾にゴムシャーリングを施し足元に向かって細くなるシルエットは、まるで野良着の「モンペ」のよう。しかし古臭さを感じさせないのは、さすが北欧ブランドというべきでしょう。あくまで動きやすさを追求した結果生まれたデザインが、エンドユーザーの心をつかんだのです。
しかし実はこのパンツは本国では2016年に廃番となったアイテム。人気が非常に高かったため日本限定で生産を継続していたのですが、今年2020年にそれも終売となり、ついに「幻のアイテム」となってしまいました。
そのDNAを継ぐパンツが、2021年春夏に登場決定!

その新作は「Wadi Pants(ワジパンツ)」。足元に向かってテーパードするデザインを踏襲しつつ、裾をゴムシャーリングからドローコードに変更。デザインがより直線的になることで、すっきりしたシルエットになっています。


「フーディニ」らしさを示す3つのキーワード
「Swift Pants」の人気で、国内のハイカーへの認知度が高まったフーディニですが、とはいえ、どんなブランドかまだよくわからない。3つのキーワードとともに、ほかのアイテムも紹介しましょう。【女性のニーズ】にかなったウィメンズライン

その代表的アイテム「Route Shirts Dress(ルートシャツドレス)」は、いわゆるシャツワンピース。襟付きなのでオフィスカジュアルにも使えるデザイン。「まさかこれがアウトドアウェア?」と知らなければ思ってしまいます。


ハイキングなどで歩きやすいように裾の両サイドにスリットをデザイン。しゃがんでもお尻が隠れるように背中側が長めになっています。前のボタンを開けて、肌寒いときには羽織で着ることも可能。

アウトドアのフィールドで女性がどういったものを必要としているかを知り、そのニーズに答えているのも、フーディニの特徴のひとつといえるでしょう。
【暖かくて軽い】を実現した、動きやすさ抜群のフリース

2002年にリリースされた「Power Houdi(パワーフーディ)」は、フリース素材のパイオニア<ポーラテック>との共同で開発した「パワーストレッチプロ」を採用した、フーディニのアイコン的ウェア。
縫い目が肌に当たるなどといったストレスがまったくなく、当時アウトドアウェアに少なかった身体の激しい動きにも追従する優れたストレッチ性を備えることから、冬山で活動するバックカントリースキーヤーなどから人気を獲得しました。


新たに開発した「パワーストレッチプロライト」を採用することで、「Power Houdi」からボリュームを2/3にダウン。厳冬期だけでなく初秋から春先まで着ることができるため、シビアな環境を滑走するスキーヤー以外のユーザーにも裾野を広げました。
50年後を考えた【環境】へのこだわり

たとえば、近年話題に上がる「海洋のマイクロプラスティック問題」を解消するために、細かいグリッドの中に綿を閉じ込めることで洗濯時におけるマイクロプラスティックの流出を従来のフリースから約80%軽減することを実現した「パワーエア」という素材があります。
フーディニは真っ先にその素材を採用。「パワーエア」を使ったウェア「Power Air Houdi(パワーエアフーディ)」をアウトドアブランドとして世界で初めてリリースしました。

生分解性を持ち、土に埋めるとバクテリアによって分解されるこのウェアは、より環境に与える負荷が少ないアイテム。この生分解性という特徴を持つ素材は、ほかにフリースなどにも使われています。

いまや環境問題はアウトドアブランドにとっては至上命題ですが、率先してその命題に取り組む姿勢は「自分たちのフィールドを守りたい!」というユーザーにとっても共感できるのではないでしょうか。
※ブルーサイン:繊維業界における環境保護などに関わる基準のこと。使われる素材に汚染物質や有害な科学物質が含まれていないかなどを検査しており、世界でもっとも厳格な基準といわれている
目の肥えたユーザーが愛用するのには訳があった!

ただ一方で、何年も着続けられる耐久性とその先の環境負荷まで配慮したものづくり、他ブランドではあまり見かけないデザインやニュアンスカラーなどを考えると「あり!」と目の肥えたユーザーたちに支持されているのも、なるほどな理由がありました。
「山と街のボーダレス」というのは、ここ数年のアウトドアウェアにおける大きなトレンドのひとつですが、その1ブランドとして注目株であることに間違いはなさそうです。
フーディニ|公式サイト