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スイフトRL

ペツルのヘッドランプ「スイフトRL」。オーバースペックでも初心者におすすめ理由をプレゼンします!

2019年秋に発売されたペツルの「スイフトRL」。900ルーメンの明るさで重量わずか100gというハイスペックなヘッドランプの実力を知るべく、東京都最高峰の雲取山でのテント泊ハイクで使ってきました。

目次

アイキャッチ画像撮影:PONCHO

明るさと軽さを両立した、高価なハイスペックモデル!ですが……

スイフトRL カラーバリエーション

提供:アルテリア 画像編集:PONCHO

登山用のヘッドランプとして信頼と人気がともに高いフランスのクライミング機器メーカー<ペツル>から、2019年秋に、新しいヘッドランプが発売されました。その名は「スイフトRL」。「スイフト」とは敏速、「RL」はリアクティブライティングという機能を装備していることを意味します。定価14,300円(税込)とかなり高価なハイスペックモデル。

 

今回はこの「スイフトRL」を東京都最高峰の雲取山へとテント泊ハイクの際に装備して、使用感を試してきました。

結果を先にお伝えすると、アクティブ向きだと思っていたこのヘッドランプは、夜の山を移動することに不慣れなビギナーこそ、使うべきヘッドランプでした!

旧モデルの3倍の明るさで、15g軽量化されてます

スイフトRL レッド

まず、注目すべきは明るさと軽さです。旧モデルの「リアクティックプラス」は最高出力300ルーメン、重量115gでした。対して「スイフトRL」は最高出力900ルーメン、重量はわずか100gです。明るさは3倍になったのに、重量は15gも軽量化されているんです!

スイフトRLを着用してトレラン

提供:アルテリア

登山ビギナーのために解説すると、ルーメンとは光源から全ての方向に放出される光の量のこと。

基本的には、この値が大きい程、明るいヘッドランプです。現在登山用ヘッドランプは、最高出力200~300ルーメンが中心となっています。
ちなみに600ルーメン以上の高出力モデルは、だいたい重量が150g以上あります。それらと比べると、「スイフトRL」は明るさと軽さに飛び抜けたスペックを持つヘッドランプといえます。

明るいだけでなく、何を見るかで光を自動的に調節してくれる!

スイフトRL ライト部分

撮影:PONCHO

「スイフトRL」でまず注目したいのが、ペツルのハイスペック・ヘッドランプに搭載されている「リアクティブライティング」という自動調光機能です。その仕組みは、上の写真の本体右側の丸い光センサーでヘッドランプが放った反射光を捉えて、明るさを自動的に調節。しかし単に明るさの強弱を調節するだけではありません。光の形状も調節します。

 

装備されている光の形状は2種類です。本体中央のワイドライトが周囲を広く照らし、遠くを見通すと本体左側のスポットライトが加わったミックスライトになります。そしてトレイルの状況に応じて、最適な光を選択してくれるので。

明るさと光の形状が自動で変わるから、安全性も向上

光の形状

提供:アルテリア 画像編集:PONCHO

例えば急な登りや階段で足下を見る際に強い光のままだとまぶしく感じるものですが、今回のテストではすぐにセンサーが反応してワイドライトに変わり、足下の周囲を広くやわらかく照らしてくれました。

 

また下りや平坦な場所でトレイルをよく確認しながら進もうとするとミックスライトに切り替わり、地面の凸凹からトレイル脇の標識まで、暗闇の山の中で幅広い視界を提供してくれました。
ストレスフリーとは、まさにこのことです!

スイフトRL 使用例

撮影:PONCHO ※※ヘッドランプの前に手をかざすと、光が弱まり、外すとまた光が強まりました。

このリアクティブライティング機能を使えば、トレイル状況に応じて明るさを手動で変える必要がありません。歩きながら無駄な動きをしてバランスを崩すことがなく、歩きに集中できます。つまり安全性が高まります。

 

富士山ご来光登山や、アルプスで日の出前の早朝出発、秋冬の日没が早い季節の登山など、夜間の移動が多く想定される場合、山に慣れていない、夜のトレイルを歩くことに慣れていないビギナーにとって、「スイフトRL」は、とても心強いヘッドランプです。

LEDの弱点を補い、電池寿命を延ばしてくれます

スイフトRL スペック表

提供:アルテリア

「スイフトRL」は自動調光するリアクティブライティングモード以外にも、明るさを固定して使うスタンダードモード、そして弱、中、強の明るさのレベルを選べます。リアクティブのレベル強で前方遠くを見ると、900ルーメンで灯ります。ですが、通常の登山ではオーバースペックです。

明るさと電池寿命のバランスなら「リアクティブのレベル中」

スイフトRLを使用してバーナーを点火

撮影:PONCHO

今回、モードとレベルをいろいろ試してみて、登山で有効だと思ったのは、リアクティブで照射レベル「中」です。カタログ値で明るさ300ルーメン、照射距離55mで照射時間は5~40時間。さらに本体を下向き、足下を照らすようにするとリアクティブモードがより機能しやすく、電池寿命を延ばせます。

 

ナイトハイクでは100ルーメン以上あれば十分な明るさと言われています。でもLEDヘッドランプは、長時間使用しているうちに明るさが落ちて、暗くなります。だから同モードの照射レベル弱は100ルーメンですが、これだと長時間使用で少し暗いと感じることがあります。

スイフトRLを着用して登山

提供:アルテリア 編集:PONCHO

でも300ルーメンの明るさであれば、多少暗くなったとしても問題ない明るさが続きます。リアクティブモードなら少なくとも5時間、実際にはさらに長寿命です。登山用ヘッドランプで、これほど十分な明るさが長続きし、しかも100gという軽さを実現しているモデルは、他に思い浮かびません。

その他の良いと思った点と、これあったらいいな機能

スイフトRL スイッチ

撮影:PONCHO

その他の良い点

・旧モデルにあったスマホアプリでの管理ができなくなった代わりに、ボタンひとつで操作できる簡単仕様になったこと。
・ヘッドバンドの後頭部側が二股仕様で、本体100gという軽さ以上のフィット感あり。サイズが合うなら他の手持ちのヘッドランプにも取り付けたいと思う程、快適です。
・USB ポート(Micro B)で充電可能な 2350 mAh リチウムイオンバッテリーを搭載。スマホ用モバイルバッテリーを使用して充電可能です。
・本体光センサーの上部にバッテリー残量を5段階表示するインジケーターあり。バッテリー残量の心配無用です。
スイフトRL 本体とバンド

撮影:PONCHO

あったらいいなと感じた機能

・リアクティブライティングは自動調光してくれますが、山小屋やテント場で他のハイカーへのまぶしさを軽減するものではありません。ペツルの下位モデルにある赤色光のライトが装備されていれば、周囲に配慮できるのに・・・。

結果:アクティブハイカーからビギナーまで使えます!

スイフトRL

撮影:PONCHO

携帯に邪魔にならない軽さ、夜間移動に安全性の高い自動調光、バッテリー寿命の長さ、さらには装着感のよさを感じた「スイフトRL」。ペツルでは激しい動きの伴うアクティビティー向きとしていますが、夜の不安を軽減する十分な明るさは、山を登る多くのハイカーのお守りとなると感じました。ちょっと高価ですが、間違いなく安心感のあるヘッドランプです。

ペツル/スイフトRLの詳細はこちら

ペツル スイフトRL

照射力: 900 ルーメン (ANSI-FL1 規格)
重量: 100 g
テクノロジー: リアクティブライティング、スタンダードライティング
ビームパターン: ワイド、ミックス
電源: 2350 mAh リチウムイオン リチャージャブルバッテリー (付属)
充電時間: 6時間
耐水性能: IPX4 (全天候型)
カラー: ブラック、オレンジ、ブルー

それでは皆さん、よい山旅を!