「一つで完結しないで」レジェンド・平山ユージが語る、クライミングの“本当の魅力”とは
自力で壁を登るアクティビティ「クライミング」。東京オリンピックでは「スポーツクライミング」が追加種目に選ばれ、益々注目を集めています。近年インドアクライミングが楽しめる施設も増え、競技人口も増えた人気のスポーツですが、そのルーツは自然にあります。日本クライミング界のレジェンド・平山ユージさんが語る、クライミングの持つ本当の魅力とは・・・
2020/04/21 更新
制作者
YAMA HACK編集部 生井
YAMA HACK編集部。大学時代に山岳部に所属し、縦走からクライミングまでオールラウンドに活動。トレイルラン・ボルダリング・沢登りなど、山を軸とした様々なアクティビティの魅力を発信してきます。
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クライミングは今後どうなっていく?

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己の手足だけで壁を登る「フリークライミング」。2020年東京オリンピックに追加種目として『スポーツクライミング』が採用され、益々注目を集める存在となりました。
現在では、屋内でクライミングを楽しめる「クライミングジム/ボルダリングジム」が日本全国に500軒以上あり、子供から大人まで楽しめるスポーツとして人気が高まってきています。
日本クライミング界のレジェンドに話を聞いてみた
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しかし、そんなクライミングが日本で注目を集めはじめたのは比較的最近の話。そんな現在の日本のクライミングについて、プロフリークライマー・平山ユージさんにお話を伺うことが出来ました。
日本人初のワールドカップ総合優勝や世界中の岩場で数々の功績を打ち立ててきた、日本クライミング界のパイオニア。クライミングをしている人なら、その名前を聞いたことがない人はいないであろう“生ける伝説”は何を語ってくれるのでしょうか。
プロフィール
1969年生まれ。プロ・フリークライマー。日本山岳・スポーツクライミング協会副会長。小鹿野町観光大使。15歳からクライミングを始め日本国内の難関ルートを次々に踏破。高校在学時、既に日本のトップクライマーの仲間入りを果たす。17歳でアメリカ合衆国へ渡り、半年間フリークライミングのトレーニングを積んだ。19歳の時に単身フリークライミングの本場ヨーロッパへ。1998年に日本人初のワールドカップ総合優勝、2000年にも2度目の年間ランキング1位に輝く。
レジェンドが思う「現在」と「未来」

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今回の取材したイベントは、ボルダリング未経験者から初級者を対象とし、平山さんと一緒にボルダリングを一緒に楽しめるというもの。ボルダリング終了後は、平山さんが観光大使を務める埼玉県小鹿野町特産の軽食を食べながら、クライミングや小鹿野町の魅力を語るトークショーが楽しめるプログラムとなっていました。
さっそくですが、長らく日本のクライミング界を引っ張ってきた立場からみて、昨今の状況はどうのように感じていますか?
10年ぐらい前からインドアのクライミングジムが徐々に広がってきたと思うんだけど、大きく変わったと思うのは2014・2015年あたりかな。「オリンピック種目になるのではないか」という話が出てから、ジムも増えたよね。
正式に決まってから新しいジム設立のピークが来て、今は少し落ち着いているかも知れないけど、一昔前に比べると競技人口は格段に増えた。
オリンピックに夢を持った子供たちが増えたんじゃないかな。その勢いが、ジムや企業などのクライミング関係者の心を動かしたんだと思う。
一方で感じる「都市型」アクティビティとしての側面

元々、クライミングは登山技術の一つで、自然の岩を登る行為を指していました。トレーニングのために人工的に岩壁を再現した「インドアクライミング」が開発され、身近に楽しめる“スポーツ”として発展してきた経緯があります。
世界中の岩場で数々の功績を残されてきていると思いますが、アウトドアのクライミングに関してはどのように感じていますか?
アウトドアで登る人も増えていると思う。でも、インドアを体験した人の中からアウトドアへ辿り着く人は非常に少ない印象はあるね。
多くのジムが“そこで完結”しちゃっているんだよね。都内でクライミングをすることが目的だから、それは当然のことなんだけど、「もったいない」と思う部分はあるかな。
私もインドアから始めたので分かります。【ジムで楽しめるスポーツ】と捉えている人は多いですよね。
その原因のもう一つは、“導く人が少ない”ことかな。アウトドアクライミングをやっている側にも「いかに外に導くのか」といった活動が今まで少なかったと思う。
岩場の魅力も知ってほしい

自分はアウトドアからクライミングを始めた人間っていうのもあるけど、クライミングの本当の面白さはアウトドアにあると思うんだよね。だから、インドアから始めた人もアウトドアに興味を持ってほしい。
なるほど、その為にはどんなことが必要だとお考えですか?
インドアクライミングを楽しんでいる人の意識を変えていくことも大切だと思ってる。その為にはアウトドアの魅力を伝えることだったり、体験できる機会を作ることが必要だよね。
クライミングをより開かれた存在へ