「一つで完結しないで」レジェンド・平山ユージが語る、クライミングの“本当の魅力”とは

2019/09/30 更新

自力で壁を登るアクティビティ「クライミング」。東京オリンピックでは「スポーツクライミング」が追加種目に選ばれ、益々注目を集めています。近年インドアクライミングが楽しめる施設も増え、競技人口も増えた人気のスポーツですが、そのルーツは自然にあります。日本クライミング界のレジェンド・平山ユージさんが語る、クライミングの持つ本当の魅力とは・・・

アイキャッチ画像撮影:YAMA HACK編集部

クライミングは今後どうなっていく?

ボルダリング風景
撮影:YAMA HACK編集部
己の手足だけで壁を登る「フリークライミング」。2020年東京オリンピックに追加種目として『スポーツクライミング』が採用され、益々注目を集める存在となりました。

現在では、屋内でクライミングを楽しめる「クライミングジム/ボルダリングジム」が日本全国に500軒以上あり、子供から大人まで楽しめるスポーツとして人気が高まってきています。

日本クライミング界のレジェンドに話を聞いてみた

平山ユージ
撮影:YAMA HACK編集部
しかし、そんなクライミングが日本で注目を集めはじめたのは比較的最近の話。そんな現在の日本のクライミングについて、プロフリークライマー・平山ユージさんにお話を伺うことが出来ました。
日本人初のワールドカップ総合優勝や世界中の岩場で数々の功績を打ち立ててきた、日本クライミング界のパイオニア。クライミングをしている人なら、その名前を聞いたことがない人はいないであろう“生ける伝説”は何を語ってくれるのでしょうか。

プロフィール
1969年生まれ。プロ・フリークライマー。日本山岳・スポーツクライミング協会副会長。小鹿野町観光大使。15歳からクライミングを始め日本国内の難関ルートを次々に踏破。高校在学時、既に日本のトップクライマーの仲間入りを果たす。17歳でアメリカ合衆国へ渡り、半年間フリークライミングのトレーニングを積んだ。19歳の時に単身フリークライミングの本場ヨーロッパへ。1998年に日本人初のワールドカップ総合優勝、2000年にも2度目の年間ランキング1位に輝く。

レジェンドが思う「現在」と「未来」

平山ユージさん
撮影:YAMA HACK編集部
今回の取材したイベントは、ボルダリング未経験者から初級者を対象とし、平山さんと一緒にボルダリングを一緒に楽しめるというもの。ボルダリング終了後は、平山さんが観光大使を務める埼玉県小鹿野町特産の軽食を食べながら、クライミングや小鹿野町の魅力を語るトークショーが楽しめるプログラムとなっていました。

編集部 生井
本日はよろしくお願いします。

平山さん
よろしくお願いします。


編集部 生井
さっそくですが、長らく日本のクライミング界を引っ張ってきた立場からみて、昨今の状況はどうのように感じていますか?

平山さん
10年ぐらい前からインドアのクライミングジムが徐々に広がってきたと思うんだけど、大きく変わったと思うのは2014・2015年あたりかな。「オリンピック種目になるのではないか」という話が出てから、ジムも増えたよね。

正式に決まってから新しいジム設立のピークが来て、今は少し落ち着いているかも知れないけど、一昔前に比べると競技人口は格段に増えた。


編集部 生井
やはりオリンピックの影響は大きいんですね。

平山さん
オリンピックに夢を持った子供たちが増えたんじゃないかな。その勢いが、ジムや企業などのクライミング関係者の心を動かしたんだと思う。

一方で感じる「都市型」アクティビティとしての側面

クライミングバム 元々、クライミングは登山技術の一つで、自然の岩を登る行為を指していました。トレーニングのために人工的に岩壁を再現した「インドアクライミング」が開発され、身近に楽しめる“スポーツ”として発展してきた経緯があります。

編集部 生井
世界中の岩場で数々の功績を残されてきていると思いますが、アウトドアのクライミングに関してはどのように感じていますか?

平山さん
アウトドアで登る人も増えていると思う。でも、インドアを体験した人の中からアウトドアへ辿り着く人は非常に少ない印象はあるね。


編集部 生井
それは何故だと思いますか?

平山さん
多くのジムが“そこで完結”しちゃっているんだよね。都内でクライミングをすることが目的だから、それは当然のことなんだけど、「もったいない」と思う部分はあるかな。


編集部 生井
私もインドアから始めたので分かります。【ジムで楽しめるスポーツ】と捉えている人は多いですよね。

平山さん
その原因のもう一つは、“導く人が少ない”ことかな。アウトドアクライミングをやっている側にも「いかに外に導くのか」といった活動が今まで少なかったと思う。

岩場の魅力も知ってほしい

平山ユージ
平山さん
自分はアウトドアからクライミングを始めた人間っていうのもあるけど、クライミングの本当の面白さはアウトドアにあると思うんだよね。だから、インドアから始めた人もアウトドアに興味を持ってほしい。

編集部 生井
なるほど、その為にはどんなことが必要だとお考えですか?

平山さん
インドアクライミングを楽しんでいる人の意識を変えていくことも大切だと思ってる。その為にはアウトドアの魅力を伝えることだったり、体験できる機会を作ることが必要だよね。

クライミングをより開かれた存在へ




撮影:YAMA HACK編集部
イベントは平山さんが作成した課題を中心に、大変な盛り上がり。トークショーでは、平山さんのこれまで活動を迫力ある映像で紹介。その時のエピソードなどを交え、クライミングの魅力をたっぷりと聞くことができました。

編集部 生井
今回のようなイベントを通じて、どんなことを伝えたいですか?

平山さん
やっぱり、アウトドアに行くのが楽しそうだなって思ってほしいよね。小鹿野町のような場所にはクライミングだけじゃなくて、特産物があったり、地元の美味しいものとか、文化とか、地域の魅力にも触れて欲しい。

「自然」というものが一つのフックとなって、その地に訪れる。その先には、食事や宿泊など、いろんな形で地域に還元されるような流れができたらいいよね。クライミングが都会と地方を結ぶきっかけになったらうれしい。


編集部 生井
最後に、これからのクライミングへの想いを教えてください!

平山さん
東京オリンピックで選手が活躍するともっともっと多くの人が興味を持つ人が増えると思う。大事なのは、そこだけで終わらずに、アウトドアを体験して感動してもらうこと。

普段都会で過ごしている人にこそ自然を感じて欲しいな。岩場に行って、その面白さに触れて欲しい。それが「あの場所に行ってみたい!」「あの岩に登ってみたい!」そんな思いに繋がっていく。

これこそが、僕の思う“理想的なクライミングの姿”かな。クライミングを通じて、心身ともに健康になっていく人が増えていったらいいな。まだまだ課題も多いけど、これからだよね!!

クライミングを通じてアウトドアへ

ボルダリング
撮影:YAMA HACK編集部
日本クライミング界のレジェンドが、先頭に立って活動を続ける理由には、未来を見据えた熱い想いがありました。
クライミングはアウトドアを盛り上げる大きな可能性を秘めています。東京オリンピックの影響もあり、益々盛り上がりを見せるクライミングですが、これからの平山さんの活動も目が離せません。

イベント主催|クラブツーリズム

クラブツーリズム 国内外の様々なツアーを主催するクラブツーリズム。今回のイベントは2019年9月19日(木)にも開催予定なので、気になる方は予約をお早めに!
イベント詳細はこちら

アウトドアクライミング体験イベントも開催

小鹿野町でのイベント 今回のイベントでも紹介されている【埼玉県秩父郡小鹿野町】でのアウトドアクライミングの体験ツアーも開催予定。自然の岩場でクライミングをしてみたい方は要チェックです!

【開催日時】
2019年10月19日(土)
2019年10月20日(日)

イベント詳細はこちら

取材協力|VILLARS climbing 有明


撮影:YAMA HACK編集部
会場となったVILLARS有明では通常のボルダリングが楽しめるのはもちろん、最新の「ARボルダリング」を体験することも可能。年齢や経験を問わず、ゲーム感覚で楽しむことができます。最新のフィットネスマシンやカフェエリアが併設された都市型ボルダリングジム。しっかり鍛えたい人からゆっくりくつろぎたい人まで、幅広い層が楽しめる施設となっています。また、キッズ向けのスクールも開催しているので、レベルアップを目指している人にもおすすめです。

■おすすめプラン
ARボルダリングの体験後にダイワロイネット東京有明ホテルのランチが楽しめる人気のプラン

詳細はこちら

■店舗情報
住所|東京都江東区有明3-7-3 ダイワロイネットホテル東京有明2F
電話番号|03-5579-6985
営業時間|07:00~22:00(全日)
アクセス|りんかい線「国際展示場駅」、ゆりかもめ「有明駅」より徒歩1分

VILLARS climbing 有明

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平山ユージ
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YAMA HACK編集部 生井
YAMA HACK編集部 生井

YAMA HACK編集部。大学時代に山岳部に所属し、縦走からクライミングまでオールラウンドに活動。トレイルラン・ボルダリング・沢登りなど、山を軸とした様々なアクティビティの魅力を発信してきます。

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