カタチの違いにはワケがある。登山におすすめの『ペグ』大集合

2019/05/10 更新

テントの設営に欠かせない道具『ペグ』。何気なく使っているアイテムではありますが、その素材や形状は多種多様。地面の状態に応じて向き不向きがあります。そんないろんな種類のペグを集め特徴をまとめてみました。目的に応じたペグを見つけて、テント泊をさらに楽しく快適に。


アイキャッチ画像撮影:ぶん

テントの付属品の一つ「ペグ」

撮影:ぶん
テントを買うと必ずついているの『ペグ』は、テントを設営する際に地面に打ち込む杭のこと。このペグをしっかりと地中に固定することで、より強風の中でもテントをしっかり支える事ができる道具の一つです。

ペグは基本的にテントに付属されているので、「種類」についてあまり深く考えた事がない人もいるのではないでしょうか?実はそのペグには、色々な種類があるんです!

形や素材…ペグの種類は実にさまざま

撮影:ぶん
いくつかの種類のペグをかき集めてみました。パッと見たただけでもその形状や大きさ、素材感はさまざま。
まずはペグの素材や形状について、それぞれご紹介します!

素材は5種類

一般的に素材は5種類から作られており、素材によって特徴が大きく変わります。
アルミスチールプラスチック鍛造
(たんぞう)
チタン
軽さ×
耐久性××
貫通力××
コスト××

アルミ…軽くて強度があり、バランスが取れている
スチール…価格が安いが抜けやすく曲がりやすい
プラスチック…軽いが固い地面にとても弱い。劣化しやすく壊れやすい
鍛造…耐久性と貫通力がとても高いが重い。コストがかかる
チタン…「強い、軽い、錆びない」近年で注目の素材。コストがかかる

その他にもアルミを加工した素材「ジュラルミン」や「カーボン」を織り交ぜたペグもあります。

形もたくさん!

素材だけではなく、形も実にさまざまなものがあります。ここでは代表的な4つを紹介します。

①ピンペグ
ピンペグ
撮影:ぶん
草地などの地面が比較的柔らかい場所で有効です。しかし使える場面が限られているので、これだけでは心配。最低でもこれより強力なペグを用意しておく必要があります。

②V・U字ペグ
Vペグ
撮影:ぶん
断面がV字のものをV字ペグと呼びます。比較的安価で山岳用テントの付属品として付いていることが多いため、登山では最もポピュラーなペグ。またペグの向きに対して斜めに打ち込むと曲がりやすいので注意が必要です。溝部分に土がつきやすく、使用後は水洗いが必要となります。

③X・Y字ペグ
Yペグ
撮影:ぶん
断面がXもしくはYのものをX字ペグ・Y字ペグと呼び、それぞれほぼ同様の機能を持っています。力がY字の場合は3方向へ、X字の場合は4方向へ分散されるため、V字ペグよりも折れにくく強度が高いのが特徴。またペグの溝に土が残りやすいため水洗いが必要となります。

④鍛造ペグ
鍛造ペグ
撮影:ぶん
鍛造(金属を叩くことで強度をあげる加工法)により整形されたペグです。とても強度が高く、その強さは固い石でも砕いてしまうほど。その一方で重量があるため、登山での使用はおすすめできません。とは言っても、その強度は捨てがたいもの。オートキャンプ場などの車で荷を運べるシーンでは心強い相棒となるペグです。

なんでいろんな種類があるの?

それは「いろんな地面に対応するため」です。テントを張る場所は砂地から岩だらけの固い地面までさまざま。
ペグにもそれぞれ向き不向きがあり、幕営する場所に合ったペグを選択することで、テントが正しく固定されより安全で快適なテント泊を過ごすことができます。
ピンペグV・U字ペグX・Y字ペグ鍛造ペグ
メリット安い、軽量、コンパクト固定力が高い、重ねて収納できるV・U字ペグよりも固定力が高く折れにくい折れない、固い地面でも容易に打ち込める
デメリット曲がりやすい使用後に土が溜まりやすい使用後に土が溜まりやすい、V・U字ペグよりも高価なものが多い重い、高価
おすすめ シーン草地などの地面が比較的柔らかな場所樹林帯〜石の少ない高山帯万能。あまりにも固い地面には刺さらない車移動が前提のキャンプ場など
 

キャンプ用・登山用って区別あるの?

出典:PIXTA
ほとんどのメーカーはペグを「キャンプ用」「登山用」などの区分けをしていません。
しかし、テント山行においてその必須機能は明確です!

①軽量
ペグの中には1本500gを超えるものも。こんな大物を山に持っていくわけにはいきませんね。軽量であることは登山において大切な要素です。

②コンパクト
ペグは10cm程のものから50cmを超えるものまで長さもさまざま。登山では10〜15cm程度のサイズが一般的とされています。

③強度
山の上で「ペグが折れた!」なんてことになったら大変!思い切り打ち込んでも折れない強度は必須です。

ここからは『登山用』におすすめのペグをシーンごとにご紹介!

軽さを重視して軽量山行|山の登山口シーン

出典:PIXTA
登山口にあるテント場は草地や樹林帯などの柔らかい地面が多く、ある程度の強度を持ったペグであれば苦労せず打ち込むことができるでしょう。そのため「軽量性」と「コンパクト性」を持ったペグがおすすめです。

mont-bell アルミペグ16

一本160円(+税)のリーズナブルでありながら高い強度を持ったアルミペグ。同製品では19cm・27cmのバリエーションもあり、用途に応じて使い分けれるのも魅力。
モンベルアルミぺぐ16
出典:mont-bell
サイズ:160mm
重量:10g
素材:アルミニウム合金
mont-bell アルミペグ16

MSR ダートステイク6

軽量なABS樹脂を使ったペグ。先端にはアルミ素材が用いられており、柔らかい地面でもしっかりと固定することができます。同製品では23cmのモデルも発売されています。
ITEM
MSR(エムエスアール) ダートステイク6
サイズ:150mm
重量:8g
材質:ABS、アルミ

土質に応じた万能型|山の中腹シーン

出典:PIXTA
山の中腹では樹林帯もあれば砂礫の混ざった土、岩がゴロゴロしている場所など土質はさまざま。そのため、幅広いシーンで使える万能型のペグが便利です!

MSR カーボンコアステイク

超軽量でありながらも高い耐久性と貫通力を持ったさまざまシーンで活用できる万能ペグ。悩んだ時はこれを持って行けば間違いなし!
ITEM
MSR エムエスアール カーボンコアステイク
サイズ:150mm
重量:5.75g
素材:アルミ、カーボンファイバー

ペグの中では最軽量かつ最強ということで6本購入。
テントはダンロップ製の自立型なので、ペグなしでも大丈夫ですが、風で飛ばされないようにペグ打ちする場合に使用。
大変高価ですが、とにかく軽くて丈夫なので荷物の負担にならず、また持っているだけでなんだかカッコイイ気がするのは不思議です。


ARAITENT クロスペグ

樹林帯〜砂礫の混ざった場所まで幅広く使用できるX字型ペグ。素材はアルミですがX字型のため強度も心配ありません。
ITEM
アライテント・ライペンクロスペグ
サイズ:175mm
重量:12g
素材:アルミ

固い地盤に対応できる強度が大切|山の稜線シーン

出典:PIXTA
稜線でのテント泊は山好きならば誰もが憧れるシーン。でもその分ハードルはちょっと高く感じますね。強風にさらされやすい稜線上は念入りにテントを固定しておく必要があります。また固い地面や岩が露出している場所も多いため、強度が高く固定力のあるペグの選択が大切です。

FREELIGHT ウルトラライトネイルペグ

非常に強い貫通力と耐久性を持ったチタン素材のペグ。公式ムービーではコンクリートに穴を開けてしまうほどの威力が。高山帯の友として文句なしの一品!
FREELIGHT ウルトラライトネイルペグ2
出典:FREELIGHT
サイズ:155mm
重量:9g(ラインを結んだ状態)
素材:チタン
FREELIGHT ウルトラライトネイルペグ

Boundless Voyage テントペグ 

強く打ち込んでも折れない耐久性と、地面の下にある石をも砕いて貫通させてしまう強力ペグ。高級素材のチタンとしては比較的安価なのも魅力です。
ITEM
Boundless Voyage テントペグ
サイズ:165mm
重量:15g
素材:チタン


ペグ固定方法のコツ

ペグ説明変更
撮影:ぶん
ペグを地面に刺すことを「ペグダウン」と言います。ペグは地面に対して約60度、張り網に対して約90度になるように刺すことで最も強度が出ます。埋め込む深さは地面の状態にもよってきます(※)が、ペグの頭が埋まらない程度に2〜3㎝残しておくのが理想です。
※)ペグの効きが弱い場合は頭まで埋め込んでしまう手段もありますが、抜き出すのが大変になります。

ハンマーの代わりに石を使おう!

ペグの石
撮影:ぶん
登山では少しでも荷物を軽くしたいもの。テント山行では打ち込み用のハンマーは持っていかず「石」で代用するのが一般的です。
ポイントは手の平に収まるサイズで握りやすい石を選ぶこと。

また近年では軽量ハンマーも発売されているので、のんびりテント泊を楽しむ場合などは持っていくのも良いかもしれません。
ITEM
MSR ステイクハンマー
サイズ:285mm
重量:312g
素材:ステンレス、アルミ

ハンマーなのに軽い。しかしヘッドは柄の部分より重いのでしっかりとした打突感がある。今まで山行の時はテントのペグ打ちは石で叩いていたが、これは軽いので山行に持って行けるんじゃないか?そんなに荷物にならないしほかの使い道も工夫次第でありそうだ。これは良い商品です。


もしペグが刺せない場所だったら…

石を使ったペグ固定
撮影・画像加工:ぶん
ペグが刺さらない…という時には、石を使った固定方法があります。アルプスなどの主要なテント場にはほとんどの場合、こうした固定用の石が置かれてる場合が多いです。
※石での固定は、張り網の取り付けを逆にし自在金具をテント側に取り付けることで調整がしやすくなります

ペグと石で固定する

ペグがないとき1
イラスト:ぶん
ペグの中心に張り網を縛り付け、小さめの石で抑え込みます。その上から大きめの石で押さえつけるように固定。その後テント側にある自在金具を調整します。

②石を使って固定する

ペグがないとき2
イラスト:ぶん
石に張り網を巻きつけ、ずれないように他の石で固定します。大きな石がない場合は小さな石をたくさん積んで固定させる方法も。

ペグを楽しもう!そして、もっと快適なテント泊を

ペグのまとめ
撮影:ぶん
筆者自身、いままで付属品を疑問を持たず使用してきましたが、ペグを変えるだけでこんなにもテント泊の楽しみが変わるとは思ってもいませんでした。
ペグは地味なアイテムではありますが、こだわってみると自然と愛着が出てくるものです。いろんなペグを揃えて「今回のテント場はあーいう場所だから、このペグで行こうかな…」そんなことを考えるだけでウキウキしてきますね。

ペグを選ぶことで、もっと快適で楽しいテント泊になりますよ。


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ぶん

日本アルプスに囲まれた、長野県の伊那谷生まれ。登山好きな母親に連れられ、山を駆け巡って育つ。アルパインクライミングや沢登り、冬山縦走など、ちょこっとスパイスの効いた登山が大好き。

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