マイテントがほしい! でも、どれにしよう…
テント泊登山を楽しむ上で重要なテント選び。各メーカーからさまざまなデザインや機能のテントが出ているので、どれにするか悩んでしまう人が多いのではないでしょうか。
「いくつか候補はあるけれど、安い買い物ではないし、どうにも決めきれない…」。そんなとき参考になるのが、実際に使っている人のナマの声。そこで今回は、ユーザーのリアルな口コミをご紹介しちゃいます!
みんなの評価が知りたい! あなたのテント、どうですか?
人気メーカーのテントを厳選して11型ピックアップ。「購入の決め手となったポイント」や、使ってみて感じた「優れた点」「おしい点」を愛用者に聞いてみました。
【1】いずれ雪山でも使うことを想定!
@yohei.0918さん[登山歴:3年]
<モンベル> ステラリッジ2
【このテントに決めたポイント】
テントを購入するにあたり、いずれ雪山でも使用したいと考えていました。ステラリッジの別売りのフライシートは3シーズン用とスノー用が分かれており、オールシーズン使用出来ることが1番の決め手です。
また自分自身はまだまだ初心者でシングルウォールのテントには少し不安がありました。長く使えてコストパフォーマンスに優れていると思ったのでモンベルのステラリッジを購入しました。【使ってみて分かったこと】
[優秀!]他のテントを使用したことがないので詳しくは分かりませんが、経験が少ない自分には最適なテントだと思います。
軽量でテントの設営も難しくなく、ソロで使用する分には室内も広々としています。[おしい!]今まで色んな山をこのテントとともにしてきましたが、使い勝手が悪いと思ったことは一度もありません。ただ、ステラリッジは使用されている方が多いのでハイシーズンのテント場などでは目印を付けておかないと間違ってしまうこともあるかもしれません(笑)。
@yohei.0918さんのおっしゃる通り、ステラリッジは山で見かけることが多いですよね。それだけ評価が高く、人気だということ。編集部員も、フライシートのカラーバリエーションが増えることを期待しています。
【2】とにかく軽い!
@ryohbaさん[登山歴3年]
<ビッグアグネス> フライクリーク HV UL1
【このテントに決めたポイント】
軽さと、自立式、薄いモスグリーンがかわいいところ。1kgを切る軽量ながらも、ダブルウォール、かつ特にインナーテントがメッシュ仕様なのでシュラフ等が結露で濡れることのない点です。【使ってみて分かったこと】
[優秀!]とにかく軽い。前室が思っていたより広く靴や水を横に置いた状態で料理ができるし、高さがあるのでバーナーの火でテントを溶かす心配も不要でした。
メッシュ仕様のため、思った通りに結露でシュラフが濡れることがありません(夏山のみ経験)。[おしい!]ポールがY字のため、テントの側面から風を受けると、Y字の奥側が風に押されて潰れてしまうため、風向きには特に配慮が必要です。
登山頻度は月平均2回程度という@ryohbaさん。登山を初めた年にモンベルのステラリッジを買い、今回軽さを求めて2台目とのことです。経験を重ねるごとに登山スタイルが変わり、新たなテントがほしくなっちゃいますよね~!
ビッグアグネス フライクリーク HV UL1
素材:
[本体]20d通気加工リップストップナイロン、10dポリエステルメッシュ
[フロア]0dリップストップシルナイロン(1200mm)
[フライ]15dリップストップシルナイロンPU(1200mm)
[ポール]DACフェザーライトNFL
[ペグ]アルミ
【3】かっこいいデザインがたまらない!
@syouheeeさん[登山歴7年]
<ザ・ノース・フェイス> アサルト2
【このテントに決めたポイント】
ノースフェイスが好きなのと、見た目が単純に好みだったので購入しました。冬山登山もするので冬山登山泊と平地でのキャンプ両方で使用可能という点も購入理由の一つです。【使ってみて分かったこと】
[優秀!]見た目がかっこよく、ほぼ人と被りません。構造が簡単なところも◎です。[おしい!]シングルウォールなのでどうしても結露してしまいます。ポールの通を穴が小さいところ、収納サイズが大きいところが難点。
お写真からも@syouheeeさんのノースフェイス愛が伝わってきます。イエローのギアで統一されていて、素敵ですね! 機能性はもちろん、見た目のかっこよさを重視する人も多いのでは?
ザ・ノース・フェイス アサルト2
素材:
[キャノピー]DryWall3.0(15Dナイロンフェイス、30Dバッカー、防水透湿ラミネート)
[フロア]40D ナイロンリップストップ 3,000mmシリコン(PUコーティング)
[フライシート]30D ナイロンリップストップ
【4】軽量かつ4シーズン対応!
@yokotatu915さん[登山歴:5年]
<ブラックダイヤモンド> ハイライト
【このテントに決めたポイント】
見た目と4シーズン対応なところ、軽量さで決めました。【使ってみて分かったこと】
[優秀!]ドアが広く開放感があります。4シーズン対応で1.42gと軽く、見た目も好みです。[おしい!]設営時にポールを直接テント内側の金具部分に固定するので、ポールで生地を貫通させないかが心配です。
前室がないため、靴やザックを中に入れなければなりません(外付けの前室を購入予定です)。私は身長が高いため少し窮屈に感じます。
前室の有無については好みや、それぞれに強み・弱みがあります。@yokotatu915さんのように背が高い方は、自分の身長も考慮して選んでも良いかもしれません。
ブラックダイヤモンド ハイライト
素材:
[キャノピー]30dポリエステルファブリック
[フロア]30Dシルナイロン
【5】信頼のおける耐久性!
@riko_rdellfieldさん[登山歴:2年]
<ダンロップ> VS-10
【このテントに決めたポイント】
耐久性に信頼が置けること、長辺側に入口があること、吊り下げ式で設営が簡単であることが大きな理由ですが、もう1つ決め手になったのは・・・。
カラーです!!
フライシートのクラッシックなブルーと本体のオレンジが気に入っています。あまり他の人と被らないのもいいです。【使ってみて分かったこと】
[優秀!]初心者の私でも設営が楽にできたこと。これは素晴らしいです。前室が広いので、使い勝手が良いところも◎。
カラーが人とかぶらないので、テン場で見つけやすいかもしれないですね(まだ混雑したテン場の経験なし)。なんといっても、あのブルーがお気に入りなので、気持ちがウキウキします!![おしい!]改良してほしいのは、フライシートとポールの固定方法。シートについている紐をポールに結びつけるのですが、これが手間です。まだ経験不足なので、悪条件下で素早く結べる自信がないです。
後は、若干重い点。この耐久性を保持したまま、あと少し軽量化されると申し分ないです。
テントを購入するにあたっては、ネットで調べたり、実際に使っている山友さんのお話を聞いたり、見せてもらって決めたという@riko_rdellfieldさん。ユーザーの評価、特に友人の口コミは貴重です。
ダンロップ VS-10
素材:
[フライシート]30Dポリエステルリップ(ポリウレタン防水加工)
[インナーテント]30Dポリエステルリップ(通気撥水加工)
[グランドシート]75Dポリエステルタフタ(ポリウレタン防水加工)
[ポール]DAC/NSL8.5mm
【6】出入りがしやすく、開放感たっぷり!
@ryo_the_ridewalkerさん[登山歴:3年]
<ヒルバーグ> ウナ
【このテントに決めたポイント】
設営、撤収の楽さと前室がない開放感です。
僕は、登山とツーリングでテント泊をすることが多く、連泊する際はどちらの場合も、朝早く撤収して移動、そして、日暮れ前に次の場所で設営と繰り返すことがあるので、設営と撤収が楽に行えるウナを選びました。【使ってみて分かったこと】
[優秀!]入り口が大きく前室がないため、荷物の出し入れだったりテントの出入りがすごく楽です。開放感もあるため、テントの中から景色を見やすいのも良いですね。大人が横になって二人寝られる広さがあるので、ペアで移動する際はテント一つで済み、荷物を減らせて助かっています。
前室がないウナですが、インナーが吊り下げ式なので、一部の吊り下げ部を外すことで前室を作ることができます。寝る時は、そうやって靴等を置くスペースを作っています。
また、インナーもグランドシートも吊り下げ式のため、付けたままで収納できるがとても楽です。設営する時もポールを差し込むだけで、フライシート、インナー、グランドシートが付いた状態で立ち上げ可能。天候が悪い時の設営の際に凄く助かりました。
収納サイズも、カタログ値より実際は圧縮すると半分ぐらいの大きさになるので持ち運びしやすいです。スタッフサックがかなり大きめなので、サッと収納できます。
サンドカラーは自然に溶け込みやすいので、その場の雰囲気を崩さない点も良いなと思いました。夏の暑い時期は、メッシュインナーに変えたり、蚊帳としても重宝。一年を通して愛用しています。
[おしい!]使用上の不満は特にありません。
しいていうと、壊れた時や破損した時に国内メーカーに比べて、保証だったり、アフターを対応できるお店が少ないのかなと感じます。海外メーカーを使うには仕方ないかなとは思いますが…。使い方次第で登山やツーリング、キャンプにと色んなシーンで使えるテントなので僕は好きです。
@ryo_the_ridewalkerさんのように、様々なアクティビティで1つのテントを使えると嬉しいですね。そして、購入後のメンテナンスやアフターフォローの有無も、テントを選ぶポイントになりそうです。
【7】急な悪天候時の安心感!
@k330.mさん[登山歴:5年]
<ヒルバーグ> ソウロ
【このテントに決めたポイント】
4シーズン使える自立式、前室があることが選ぶポイントでした。ULを意識している中で、急な悪天候等を想定した時にヒルバーグの信頼性と安心感を買いました。なによりカッコイイ!!【使ってみて分かったこと】
[優秀!]設営も簡単だし、付属の袋が大きめなので雑に入れても収まります。使いやすい前室は、雨風も入りにくく安心です。強風のテント場では、多くの方がフレームが歪んでいる中、堂々たる姿を見せつけてくれました![おしい!]しかし、1人用テントと考えると軽量テントがたくさんありますし、高価ですね…(笑)。
耐久性・重量・価格で理想のバランスをとるのは非常に難しいということを痛感させられます。もちろん安いと耐久性が劣るということではないですが、@k330.mさんのように自分が信頼するテントの方が安心ですよね。
【8】丈夫な素材とフレーム構造!
@kazunari12さん[登山歴:5年]
<エムエスアール> エリクサー2
【このテントに決めたポイント】
デニール数も他のと比べて丈夫で、フレーム構造的にも強そうだったことが決めたポイント。個人的にはMSRを使いたかったことと、色や形が好きだったので選びました。【使ってみて分かったこと】
[優秀!]設営も簡単で、快適に過ごせる広さがあります。ダブルウォールで前室が2つもとれてかなり便利。[おしい!]山に持って行くには、他のテンと比べて重いという点です。
担いで登ることを考えると、@kazunari12さんのように“重さ”を気にされる方も多いよう。ちなみに、エリクサー2のフライシートは通常のライトグレーに加えて、ヨーロッパ限定モデルのグリーンがあります。
エムエスアール エリクサー2
素材:
[キャノピー]40DリップストップナイロンDWR コーティング、20D マイクロメッシュ
[フロア]70D ナイロンタフタ 耐水圧3,000mm ポリウレタン&DWRコーティング
[フライ]68D ポリエステルリップストップ 耐水圧1,500mm ポリウレタン&DWR コーティング
[ポール]7000 シリーズアルミ
【9】 透湿永久撥水素材で快適!
@lupin.igさん[登山歴:2年]
<ゼログラム> エルチャルテン1.5P
【このテントに決めたポイント】
決めたポイントは最大2名で使えて軽量、フライ・インナー・グランドシートが一体となった超簡単設営、そしてなんといっても透湿永久撥水のモノフィラメントインナーです。【使ってみて分かったこと】
[優秀!]テント場について5分もあれば余裕で設営完了できるのはありがたいです。モノフィラメントインナーも噂通り結露なし、フライについた水滴戻りもなく、とても快適です。[おしい!]いまのところ欠点が見当たりません。私がテントに求めていたものがすべて詰まった理想のテントです。
本格的に登山を始めてからは2年目、テント泊経験は意外と長く、それまでの10年間程は山中でのキャンプが趣味だったという@lupin.igさん。これまで様々なメーカーのテントを使ってきた中で、各メーカーのいいとこどりをしたようなEl Chalten 1.5Pに出会ったそうです。
ゼログラム エルチャルテン1.5P
素材:
[フライ]20D N/R silicone/PU coated
[インナー]20D monofila
[フロア]15D N/R silicone/PU coated
[ペグ]DAC NSL 8.5mm
[ポール]DAC J-stake, Silver
【10】設営・撤収が楽ちん!
@hiro_1220nqさん[登山歴:5年]
<マウンテンハードウエア> ゴーストスカイ2テント
【このテントに決めたポイント】
人と被らないテントがほしいと思い色んなメーカーを探していたところ、ゴーストスカイと出会いました。白幕のシンプルさ、形も六角形のようなデザインに心惹かれましたが、最も重要視していたテントの設営の容易さが初めてテント泊をする際の決め手となったと思います。【使ってみて分かったこと】
[優秀!]最も良い点としては前項でも述べた設営の速さです。吊り下げ式なため、フックに引っ掛けるだけで簡単に外幕と内幕の固定ができます。また撤収時もフックを外すだけで片付けができるため、雨天時や夏の暑い日には助かります。左右それぞれに入口と広い全室があり、ソロでは左右それぞれに荷物を置くことが可能ですし、2人で使う際は左右それぞれから出入りができるのでまたぐこともありません。また、雨天時での前室での調理も便利です。暑いときは左右の前室を開けておけば通気性も良く、心地よく過ごせます。
初めてのテント泊は登山を始めて3年目のときだったという@hiro_1220nqさん。なかなかテント泊できていない状態だそうです。設営・撤収が簡単であることは、疲れているときや悪天候のときに、ありがたみを大いに感じるメリットです。
マウンテンハードウェア ゴーストスカイ2
素材:
[本体]20Dナイロンニットメッシュ
[フライ]20DナイロンリップストップSil/PU1200mmFR
[フロア]40Dナイロンリップストップ1500mmエスタータイプポリウレタン/SIL
[ポール]DACフェザーライトNSL
【11】 他の人とかぶらないテント!
@izumi_ntgalaxyさん[登山歴:2年]
<ヘルスポート> Reinsfjell Superlight
【このテントに決めたポイント】
2人用、自立式、軽量、広め、他の人と被らないところです。【使ってみて分かったこと】
[優秀!]前室が左右にあるので出入りが楽です。[おしい!]その分大きいので、テント場によっては張れない場合があるのが難点です。
このテントが初めての山テントという@izumi_ntgalaxyさん。前室が両面にあるのは便利ですね。そして「人と被らないテント」を探している方、結構多いようです。
口コミで分かった、テント選び10のポイント
気になったテントはありましたか? みんなの「購入の決め手となったポイント」や「使ってみて分かった点」こそ、購入前にぜひとも確認しておきたいところです。
一般的には、初めてのテントは『自立式』『ダブルウォール』が安心とされています。ただ、それは万人に当てはまるわけではありません。ご紹介した13人のように、自分の登山スタイルに寄り添ったテントを選ぶことが大切。自分好みのテントの方が、より登山が楽しくなるはずです。
テントを選ぶときのポイント10コ!
もちろん、テント選びのポイントとなる下記①~⑩それぞれのメリット・デメリットを理解していることが大前提。
①対応シーズン(3シーズン or 4シーズン)
②大きさ(1人用 or 2人用)
➂素材
④重量
⑤シングルウォール or ダブルウォール
⑥自立式 or 非自立式
➆入口の位置(前室の有無)
⑧設営・撤収のしやすさ
⑨見た目のデザイン
⑩メーカーのアフターフォロー
上記のポイントは、メーカーの公式サイトに公開されているスペックや、ショップでサンプルを確認することで、自分の希望に沿っているかどうかをある程度判断することができます。
その一方で、山で使ってみて初めて気づくことも意外とあるもの。特に「もっとこうだったら嬉しいのに…」という面は、なかなか表には出てきません。山で気になるテントをみかけたら、思い切って声をかけ、感想を聞いてみるのもひとつの手ですよ。
夢のマイホームを手に入れよう!
テント選びはよく“物件選び”に例えられるように、まさに山でのマイホーム選び。自分が理想とする条件をどれくらい満たしているか、どの点は妥協できるかなどを考えながら候補をどんどん絞っていくのも楽しいものです。実際に使っている登山者の声を参考に、自分にぴったりのテントを見つけて、テント泊登山を楽しみましょう!
▼登山用テントじゃなきゃダメ?
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