南アルプス発!カスタムオーダーした時から山旅がはじまる『ブルーパーバックパックス』

2019/04/16 更新

南アルプスの麓に工房を構える『ブルーパーバックパックス』。TJARをはじめ、超長距離のレースやトレランレースでアスリートが愛用するバックパックです。しかしそのパックはカスタムオーダーができ、私達普通のハイカーがデイハイクや縦走に使っても、十分に機能的なもの。同ブランドを代表するふたつのパックをレビューしながら、その魅力を紹介します。


アイキャッチ画像撮影:PONCHO

 カスタムオーダーできる軽量パック「ブルーパーバックパックス」

撮影:PONCHO ※写真右のグレーのパックが『MIYAMA』、左のブルーが『RISK18』
筆者が『ブルーパーバックパックス』を知ったのは、トランス・ジャパン・アルプス・レース(TJAR)で4連覇、昨年は無補給での完走に挑戦した選手、望月将悟さんが背負っていたのを目にしたのがきっかけです。TJARは日本海から太平洋まで、日本アルプスを縦断しながら415kmを駆け抜ける過酷なレース。2018年のレースでは、望月さん以外の選手も『ブルーパーバックパックス』のパックを使用していました。

トレイルランニングと登山の要素を併せ持つこのレースでは、軽さはもちろん耐久性や長時間移動でストレスを軽減する背負い心地の良さもバックパックには求められます。ということは、『ハイキングでも機能的なパックなのではないか?』と感じたのです。

荷物類
撮影:PONCHO(写真は『MIYAMA』)
そこで今回、南アルプスの麓にある『ブルーパーバックパックス』の工房から、同ブランドを象徴するバックパック『MIYAMA』と『RISK18』をお借りし、デイハイク装備を収納してテストしてみました。

見た目以上の収納力を誇る『MIYAMA』

バランスのよい細身の本体フォルム

撮影:PONCHO
まず、ひとつめは『MIYAMA』。TJAR用に望月将悟選手とともに作り上げたバックパックです。
特長的なのが本体のフォルム。腰部分が細く、正面側が切り落とされ、肩へと鋭角に細長く伸び、通常のバックパックよりも細身です。腰部分の細さは、重心を背中の上部に載せる目的もあり、ショルダーベルトとパック本体上部とを繋ぐ細引きのトップスタビライザーを引くことで、肩甲骨付近にしっかり荷物が載り、同時に軽さを感じました。

トップスタビライザー
撮影:PONCHO(トップスタビライザーとサイドのストラップ)
パックの本体重量は360gと超軽量ですが、トップスタビライザーによって、その軽さをより強く感じることができます。本体サイドにはコンプレッション用のストラップも装備しています。細身の本体ということもあり、収納したものがパック内で動きません。岩場やハシゴ、鎖場等のバランスを要求される場所でも、荷物の重さに体がフラれることが少なく、安全性の高いパックだと感じます。

オプションのポケットが、収納性を向上!

撮影:PONCHO
本体正面に縦に長く配された止水ジッパーによる開口部は、中の荷物の取り出しがしやすいもの。本体両サイドのメッシュポケットは、行動中に使うものを収納するのに便利な大きさです。ポケットは伸縮性のある素材ではないので、マチがついていますが、大きく嵩張るものを収納するにはやや不向き。小物類を小分けして入れておくのがよいように思いました。

ボトホルダー
撮影:PONCHO(上:ジッパーポケット/下:ボトルポケット)
ウエストベルトにはパッドはなくバランスを保持する機能のもの。左側にバックルの片側が固定され、ベルトを締める容量で調節する仕様です。
またウエストベルトには大きめのジッパーポケット、本体との付け根部分にボトルを収納するポケットがあります。ジッパーポケットは斜めに開口部が配され、開閉がラク! 付け根のボトルポケットは収納力があり、ボトル以外のものを収納するのにもよいです。

本体容量は20ℓですが、豊富なポケットのおかげで全体では30ℓ程の収納力になりそうです。※これらポケット類はオプションです。

ショルダーハーネスの作り込みは秀逸!

撮影:PONCHO
本体の軽量化に対して、ショルダーハーネスにはしっかりとしたパッドが備わります。UL(ウルトラライト)系のパックでは、ショルダーハーネスも軽量化のためにパッドなし、またはかなり薄いモデルがあります。しかしこの作り込みが、疲労軽減の重要なカギになると感じました。デザイナーさんのこだわりを強く感じる仕様です。

ザック
撮影:PONCHO
一方で、軽量化を目指した本体は背面にパッドもフレームも入っていません。しかし本体内側の背面部分にULパックで使われる技を流用し、ソフトシートなどを背面側に収納すれば、それがパッド&フレーム代わりになってくれるでしょう。
軽量道具を揃え、寝袋も最小限で十分な夏山なら、テント泊山行も可能なパックです。

撮影:PONCHO

デイハイクにはこれがいい! 『RISK18』

撮影:PONCHO
『RISK18』の紹介ページを見ると、容量18ℓ、重量360gのこの小型バックパックで“オーバーナイトも可能“とありました。実際、このパックをオーダーした超長距離を走破するスペシャリスト、阪田啓一郎氏は新潟県の親不知から静岡県の大浜海岸まで、白馬三山やアルプスを経由した520kmの道のりをこのパックで走破したそうです。けれども、我々のような普通のハイカーには当然、難しい・・・・・。

とはいえ、このパックはトップアスリートのためだけのものではないことが、背負ってみてすぐにわかりました。先に紹介した『MIYAMA』同様の秀逸なショルダーハーネスは、18ℓの本体と好相性。背面長が短めなので、ショルダーハーネスのストラップを引くだけで背中上部に荷物がしっかり載り、体の一部になったような一体感を得られます。

撮影:PONCHO
オプションのフロントポケット、ウエストジッパーポケット、ボトルポケットを装着し、収納する道具も軽量なもので揃えれば、デイハイクや山小屋泊のハイキングで機能し、足取りを軽くしてくれるでしょう。
背面長の短さは、ウエストベルトの位置を腹部分へと上げ、腰まわりの自由度が高く、山小屋泊でファストパッキングの旅にでも行ってみようか! と思わせる背負い心地。「このパックと一緒の山旅なら、これまでとは違う風景に出会えそうだ!」そんな希望を抱かせてくれるパックです。

見た目に反した、”旅をするためのパック”

撮影:PONCHO
『ブルーパーバックパックス』のホームページにあるPhilosophyで、オーナーでありデザイナーの植田 徹さんは、こう書いています。

様々な手段で、ぼくらは真理を知ろうとします。
どれも自分と向き合う行為であり、シンプルになればなるほど、その行為は美しく洗練されていくのです。

バックパッカーは表現者なのです。どこへ行くかよりも、どのように行くか。何をするかではなく、どのようにするか。バックパッキングは、自らの価値観を体現する行為です。

ぼくが創るのは、そのための道具なのです。あなたの哲学に見合うギアを、ここ、南アルプスから。

撮影:PONCHO
『ブルーパーバックパックス』は、超長距離のレースやファストパッキングに挑むアスリートに多く使われています。でも、そのモノづくりのベースにあるのは、『旅の道具』なのです。できるだけシンプルに、固定観念を削ぎ落とし、それぞれがそれぞれの方法でなにかに出会うための『旅の道具』。そしてカスタムオーダーしようと思ったその時から、どんなバックパックにしようか、それを背負ってどんな山へと向かおうかと想像が膨らみ、旅がはじまるパックだとも感じました。

それでは、皆さん、よい山旅を!

オーダーについて

撮影:PONCHO
『ブルーパーバックパックス』のパックは、定期的に開催されている展示会、または工房での受注によるカスタムオーダーを基本としています。展示会の開催予定については同社ホームページで確認してみてください。展示会、工房へ行くことが難しい方は、同ホームページのオーダーページからも注文ができます。欲しいモデルを選択し、本体やフロントポケットの素材、ウエストベルトやショルダーベルトのポケットの有無、ジッパーのカラーやサイドジッパー、バンジーコードの有無、そして背面サイズを選択し、それによって自分の体と好みにあったオリジナルのバックパックを手に入れられます。
カレージブランドのよさを活かした、きめ細やかなサービスに、驚きの一言です!

ブルーパーバックパックスの詳細はこちら


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PONCHO
PONCHO

登山、トレイルラン、自転車、キャンプ、旅をテーマに雑誌、WEBで企画、執筆する編集・ライター。低山ハイクとヨガをMixしたツアー・イベント『ちょい山CLUB』を妻と共に主催する山の案内人。

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