クライミングは習い事?取材で見えたキッズスクールのリアルな事情

2019/02/05 更新

近年人気が高まっているスポーツの【クライミング】は、子供の習い事としても注目を集めています。「どんなことするのか?」「ボルダリングは同じ?」などの基本的な所から、料金・スケジュール・負担など気になるところを詳しく解説。スクールを開催するジムのスタッフ、現役の生徒、その親御さん、それぞれに気になる質問をぶつけてきました。


アイキャッチ画像撮影:YAMA HACK編集部

最近よく聞くスポーツクライミングとは?

ボルダリング風景
撮影:YAMA HACK編集部
2020年東京オリンピックの正式種目にも採用され、注目を集める『スポーツクライミング』。平たく言えば“壁登り”ですが、その競技人口は世界で3500万人ともいわれ、子供から大人まで楽しめるスポーツとして日本でも人気が高まってきています。

自分の限界への挑戦、それがクライミング

スクールの風景
撮影:YAMA HACK編集部
基本的なルールは「決められたコースを手足だけで登る」こと。難しそうなイメージを持っている人もいるかと思いますが、登りやすいコースも設定されているので、全くの初心者でも楽しむことができます。人との競争ではなく、“自分の限界レベルを更新すること”がクライミングの醍醐味の一つ。挑戦する中に楽しさがある個人スポーツなんです。

「スポーツクライミング」には「ボルダリング」や「リード」など、細かいカテゴリーがありますが、本記事では全て「クライミング」という言葉でご紹介させていただきます。
スポーツクライミング
ボルダリング壁の高さ:3~4m
安全ロープ:不使用
リード壁の高さ:10~15m
安全ロープ:使用

どこで体験できる?最近のクライミング事情

ボルダリングジム
撮影:YAMA HACK編集部
クライミングとは登山技術の一つで、元々は自然の岩を登る行為を指していました。トレーニングのために人工的に壁を再現した「インドアクライミング」が開発され、身近に楽しめる“スポーツ”として発展してきました。現在では、屋内でクライミングを楽しめる「クライミングジム・ボルダリングジム」が日本全国に500軒以上あるので、足を運べば誰でも気軽にクライミングを始めることができます。
必要なものはレンタルできるので、動きやすい服装さえあればOK。料金は店舗によって異なりますが、おおよそ3,000円前後で1日遊ぶことができるので、まずはクライミングを体験する所から始めましょう!

本格的にやっていくなら

クライミングスクール
撮影:YAMA HACK編集部
何度かジムに足を運んだ後に、子供から「もっとクライミングがしたい!上手くなりたい!」そんな要望が出てきた時におすすめしたいのが【クライミングスクール】です。最近では、小・中学生を対象としたクライミングのレッスンを開催するジムが増え、“習い事”としてスクールに通う子供が増えてきています。
しかし、水泳や少年野球と違い、比較的最近できたクライミングスクールではどんなことをしているのかイメージが難しいですよね。そこで今回、スクールを開催するジムスタッフ、スクールの生徒、保護者にインタビューを行い、「習い事としてのクライミング」がどんなものなのか、明らかにしていきたいと思います!

どんなことをしてる?クライミングスクール突撃取材

クライミングバム
撮影:YAMA HACK編集部(スクール指導歴6年のスタッフ:堀ノ内さん)
今回お邪魔したのは神奈川県横浜市にある『クライミングバム』。小・中学生を対象にレッスンを行っているスクールについて詳しくお話を伺っていきます!

大まかななレッスンの流れ

クライミングレッスン
撮影:YAMA HACK編集部(体操の風景)
こちらのスクールには全部で5つのクラスがあり、週に1回(月に4回)90分のレッスンが行われています。

<タイムスケジュール(平日)>
17:00~17:10 集合、体操、挨拶
17:10~17:40 レッスン
(10分程度の休憩)
17:50~18:20 レッスン
18:20~18:30 ミーティング、解散

学校も学年もバラバラ!スクールの指導方針とは

編集部員N
さっそくですが、バムクライミングクラブではどんなことを教えているのですか?

堀ノ内さん
基本的に「登ること」を安全に指導しています。課題をクリアするために、個人のレベルや身長の違いなど、パーソナルな部分を意識して、体の使い方やテクニックのアドバイスなどをしています。

編集部員N
スクールの雰囲気が知りたいのですが、実際にスクールの体験をすることはできますか?
また、クラスはどのように分けられているのでしょうか。

堀ノ内さん
スクールの体験入学のような形式はとっていません。まずは会員になってジムを利用してもらった後に、スクールを検討してもらっています。初心者には最初に、ルールやコツなどのレクチャーも行っていますので、初めての方でも大丈夫です。

1クラスの定員10名に対し、インストラクターは2名。個別に目標を設定しているので、学年や男女はバラバラです。学校・学年が違う生徒が集まっているので、いい刺激になっています。

ボルダリングスクール風景
撮影:YAMA HACK編集部(和気あいあいとした雰囲気)

仲間と切磋琢磨する“個人競技”

編集部員N
クライミングは頭を使うスポーツと聞きましたが、スクールではどのようなことが身に着くのでしょうか?

堀ノ内さん
全身を使うスポーツなので、さまざまな体の動かし方を覚えます。自重を支える分、基礎的な体力・筋力もつきますね。

確かに、ルートを登りきるにはコースを“読み解く能力”も必要ですが、思考を鍛える特別なメニューはありません。練習を重ねていく中で、おのずと登り方を考えるようになり、心身ともに成長してきます。

編集部員N
なるほど、クライミングは個人競技ということですが、同じクラス内でバラバラの事をやっているのでしょうか?
何か意識しているものがあれば教えてください。

堀ノ内さん
生徒はそれぞれ自分の課題に取り組んでいますが、同じエリア(壁)で行っているので、人の動きを観察したり、声を掛け合ったりしています。

人と接する距離が非常に近いスポーツなので、登る順番の譲り合いなど、“おもいやり”が大切です。個人競技だからこそ技術的なことだけでなく、基本的なな挨拶などを徹底し、周りへの配慮ができるクライマーの育成にも力を入れています。

撮影:YAMA HACK編集部(マンツーマン指導の様子)

目標は大きく!世界で活躍する選手へ

編集部員N
クライミングにも向き不向きはありますか?また、クライミングを続けていく上で大切だと思うことはなんでしょうか。

堀ノ内さん
もちろん個人差はあると思います。続けるにはやはり“自発的に練習を行う意識“が必要です。スクールには「クライミングをやりたい子」しか残りません。

ただ、何事も楽しくなれば続きませんので、“クライミングの楽しさ”を感じてもらうためのサポートをいつも心がけています。

編集部員N
ありがとうございました。最後にスクールの目標などがあれば教えてください!

堀ノ内さん
卒業生を含め、全国規模の大会で上位に入賞するなど、好成績を収めていいる生徒も多数います。
バムクライミングクラブからオリンピック選手が生まれたら嬉しいですね。

スクール風景
撮影:YAMA HACK編集部(登ってる最中は真剣そのもの)
バムクライミングクラブに限らず、いきなりのスクール入学というものはないようです。まずは通常利用でクライミングを体験し、スクールを希望する場合にはクラスに空きがあるか問い合わせるのが一般的。
初回にかかる費用は、入会金・月謝・ユニフォーム代の合計金額の14,720円。その他に、専用シューズ(クライミングシューズ)・安全ベルト(ハーネス)・滑り止め(チョーク)の3点を揃える必要がありますので、始めるのにはざっと3万円前後をみておきましょう。
バムクライミングクラブ
料金(税込)入会金:2,000円
月謝:9,720円
Tシャツ:3,000円
1ヶ月パスポート:2,280円
(月パスを購入すると期間中は何度でもジムの利用が可能になる)
クラススケジュール
(90分)
水曜日クラス|17:00~18:30
木曜日クラス|17:00~18:30
金曜日クラス|17:00~18:30
土曜日午前クラス|10:30~12:00
土曜日午後クラス|12:30~14:00
必要な道具
(目安金額)
クライミングシューズ:6,000~15,000円
ハーネス:5,000~8,000円
チョーク:1,000~2,000円

何故クライミングなの?現役スクール生の声


スクール生徒
撮影:YAMA HACK編集部(取材当時:小学校5年生)
今回インタビューに応えてくれたのはクライミング歴3年半のモカちゃん。バムクライミングクラブでは一番上のクラスにいる彼女に、クライミングの“魅力”について聞いてみました。

難しいからこそ味わえる達成感

編集部員N
よろしくお願いします。それでは最初に、クライミングを始めたきっかけを教えてください。

モカちゃん
よろしくお願いします。幼稚園の年中の時にショッピングモールで見かけて、「やってみたい」とお母さんに言ったのが最初です。
その時は友達と一緒に数回やってみただけでしたが、数年後に訪れた時に、その友達がすごい登れるようになっていたのを見て、「またやろう!」という気になりました。

編集部員N
クライミング歴は3年半とのことですが、クライミングを続けている理由はなんでしょうか?

モカちゃん
一番は課題を登れた時の“達成感”です。何回もチャレンジして、やっと登れた時は凄く嬉しい。体を動かすことも楽しいし、登る前に考えている時も楽しいです!

ボルダリング風景
撮影:YAMA HACK編集部(登る手順を考える姿)

どんどん増える“楽しみ”

編集部員N
スポーツとしての楽しさの他に、「やっていてよかった」と思えるようなことはありますか?

モカちゃん
友達が増えたことです。スクールはもちろん、大会で顔を合わせていくうちにできた友達もいます。
ジムや大会に行けば、自然と友達が増えていくので、離れたジムに行くことが楽しみになりました。

編集部員N
これからもクライミングを続けていく上で、なにか目標としているものがあれば教えてください。

モカちゃん
沢山練習して、どんどんレベルアップして色々な大会に出たいです。
いつか日本代表選手のような“強いクライマー”になって、オリンピックに出場することが夢です!

ボルダリング風景
撮影:YAMA HACK編集部(実力は大人顔負け)
しっかりとした受け応えで、礼儀正しい彼女に驚きを隠せません・・・。「楽しいからもっと沢山練習したい!」そんな強い思いがしっかりと伝わってきました。
スポーツクライミングが東京オリンピックで正式種目に採用されたことで、子供たちの大きな目標や夢になり、クライミングを続けるモチベーションになっているようです。

負担はある?保護者目線のクライミングとは

悩む女性
出典:PIXTA
クライミングで子供はどのように成長するのでしょうか?また、習い事として気になるのはやっぱり親の負担ですよね。スクールの月謝以外に必要なものはあるのかなど、モカちゃんのお母さんにお話を伺いました。

クライミングってどうなの?

編集部員N
保護者目線からみて「クライミング」というスポーツの魅力はどんな所だと思いますか?

モカちゃんママ
やっぱり本人の頑張りがはっきりと見えることですかね。難しい課題をどう乗り越えるのかを自分で考えて、自分で実践していく過程を見ていいるのはとても面白いです。

一緒にジムを回るのでトライ(登ること)を見ていることが多いのですが、登り切った瞬間はまるで自分も一緒に登っているかのような気持ちにもなります。

編集部員N
モカちゃんがクライミングを始めてから、なにか「変わったな」と思うことはありますか?

モカちゃんママ
クライミングは大人とも接する機会が多いので、挨拶をしっかりするようになりましたね。ジムでは子供や大人関係なく、距離が近いので、自然と学んでいった部分もあると思います。

競技としての面白さはもちろん、人との繋がりなどが増えていくこともクライミングの魅力だと感じています。

クライミングシューズ
出典:PIXTA(クライミングシューズは消耗品)

気になるのはやっぱり負担

編集部員N
モカちゃんは選手として活躍することを目標に、日々練習に励んでいると思いますが、現在通っているスクールの月謝以外には、どのような出費がありますか?

モカちゃんママ
大きな出費としては、ジム代シューズ代ですね。通っているスクール以外のジムを回ったりするので、その都度ジム利用代と交通費がかかります。

関東にはジムが沢山あるので、様々な場所で練習ができるはありがたいのですが、初めての行くジムでは必ず「初回登録料金」がかかりますし、月に5回以上は必ず行くのでそれなりに・・・。

週に3回以上のペースでジムに通っているので、シューズに穴があいてダメになってしまうのが早く、年に3足以上は買い替えてます。

編集部員N
金銭的な負担以外に「大変だな」と思うことはありますか?

モカちゃんママ
まだ小学生ということもありますが、ジムの利用には保護者同伴が必要なケースがほとんどなので、基本的に全て付き添っています。

大会によっては開催地が地方になることもあるので、かなり遠出になることもありますね。それでも本人が頑張っているのでできる限り応援しようと思っています。

ジュニアジュニアオリンピックの様子
実は日本はスポーツクライミングの強豪国。トップ選手は10代の前半で頭角を表してきます。その為必要なのはやはり「練習量」
クライミング選手として活躍することを目標にしている場合には、大会にも遠く足を運んだり、クライミングシューズを買い替えなど親の協力は必要不可欠なようです。

クライミングにある可能性

ボルダリングスクール
撮影:YAMA HACK編集部
クライミングは「挑戦」を繰り返し行うスポーツで終わりはありません。いつも通っているジムだけでなく、違う場所にいっても楽しむことできます。心身を鍛えられることはもちろん、人との繋がりを生むことはクライミングの大きな魅力です。
オリンピックという大きな舞台も登場し、ますます盛り上がりをみせることでしょう。親子でクライミングを楽しむこともできますので、新しい習い事として検討してみてはいかがでしょうか?

取材協力

クライミングバム <クライミングバム横浜店>
神奈川県横浜市都筑区中川中央1‐25‐1
ノースポートモール地下1階
045-532-3590
平日12:00-23:00
土日祝日10:00-21:00公式ホームページ


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ボルダリングスクール
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YAMA HACK編集部 生井
YAMA HACK編集部 生井

YAMA HACK編集部。大学時代に山岳部に所属し、縦走からクライミングまでオールラウンドに活動。トレイルラン・ボルダリング・沢登りなど、山を軸とした様々なアクティビティの魅力を発信してきます。

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