「山頂でコーヒーを飲むために登山してます」って言ってみたい!
山頂で豆を挽いて、コーヒーを飲んでいる人を見かけたことはありませんか?景色を見ながら、コーヒーを飲んでいる姿って、なんだかカッコよいですよね。
今回は「私(俺)もおしゃれに山でコーヒーを飲みたい!」という方のために、コーヒーの淹れ方と必要な道具を解説していきます。
なぜ人は、コーヒーを飲むために山に登るのだろう
実は、登山好きの人の中には、“山でコーヒーを飲むために山に登る”という人もいるほど。
登山では、無駄を省きできるだけ荷物を軽くするのが基本。それにも関わらず、山で飲むコーヒー(通称:山コーヒー)好きの人は、コーヒー豆やミルなどの、コーヒーにしか使わないようなものを入れてまで、山コーヒーを楽しみます。
もしかしたら、山コーヒーには『コーヒー以上の何か』があるのかもしれませんね。
山で飲むコーヒーはひと味違うらしい
『自然の中で味わうコーヒーは絶品だ』と、山頂でコーヒーを楽しむ人は言います。美しい山々や満点に広がる星空を見ながら飲むコーヒーは、普段と違う味わいを楽しめるようです。
山でコーヒー飲むのって難しくないの?
とはいえ、山コーヒーに憧れはあっても、“結構ハードル高そう…”と感じる人も多いのではないでしょうか。
その理由は「コーヒーの淹れ方を知らない」や「何が必要かわからない」というものがほとんど。手軽さや出来上がるコーヒーの味に違いはあるものの、山でコーヒーを飲む方法が大きく5つあるんです。
山でコーヒーを飲む方法は5つ
①ミル挽き
その場でコーヒー豆をミルで挽いて、ドリップする方法。道具や手間はかかりますが、挽きたての香り高いコーヒーを楽しめます。
②ドリップバック
市販のドリップバックに頂上でお湯を淹れる方法です。ミル挽きより味は劣るものの、手軽においしいコーヒーを楽しむことが可能。
③インスタントコーヒー
お湯に入れるだけの簡易さが魅力。いろいろ凝るのはめんどう!という方にはピッタリの方法です。
④水筒に入れて持っていく
事前に家で淹れたコーヒーを水筒で持ち運ぶという方法。淹れたてにはかないませんが、本格的なコーヒーがサッと飲めます。
⑤山荘で購入する
山荘がある場合はそこで購入するのもOK。一切の手間なく、コーヒーを飲むことができます。
それぞれ、良し悪しがあるので、自分にあった方法を選びましょう。ただ、どの方法でも山で美しい景色を見ながら飲めば、美味しく感じると思います。
でも、憧れるのはやっぱり”ミル挽き”
山で優雅にコーヒーを楽しむなら、やはり”ミル挽きコーヒー”が断然おすすめです!山で味わう挽きたてのコーヒーは格別。豆を“ゴリゴリ”と挽いている姿も上級者っぽくて魅力的です。
実際にミル挽きコーヒーを淹れてみよう!

■ミル挽きコーヒーに必要な道具一覧
名称 | 詳細 |
---|---|
①ペーパーフィルター | コーヒーの粉を入れて、コーヒーを抽出するのに使用。 |
②ドリッパー | 抽出時にフィルターをセットする。 |
③ミル | コーヒー豆を挽き、粉の状態にする道具。 |
④コーヒー豆 | 豆は空気に触れると味が落ちるため、なるべく密封しよう。 |
⑤コップ | コーヒーを飲むためのコップ。お気に入りを選ぼう。 |
⑥ガスバーナー | 抽出のための、お湯を沸かす道具。 |
⑦コッヘル | 水を入れて、お湯を沸かす。 |
※今回は⑦コッヘルでお湯を注ぎましたが、できるだけ細くお湯を注ぎたいので「注ぎ口」があるコッヘルや、ヤカンがおすすめです。
必要な道具がそろったら、実際にコーヒーを淹れてみましょう。
【1】お湯を沸かす
POINT①:お湯の温度は95℃前後
お湯が沸くのには時間がかかるので、一番最初に取り掛かりましょう。
ぬるすぎるとコーヒーの味が抽出できず、高すぎると酸味が強くなります。目安は、お湯がボコボコと沸騰し始めたら火を止め、表面の泡がしずまったぐらいが95℃。中には温度計で、温度を計るこだわりを見せる人も。
ただし標高により、沸点が変わるなど山での温度管理は困難です。そういった場合は、あまり神経質になりすぎないようにしましょう。
【2】コーヒー豆をミルに入れる
POINT②:一杯分の目安は10g~13g
一杯分の量がどれくらいなのかを、事前に家で確認しておくとスムーズ。また、必要な量だけを小分けにして持参するのもおすすめです。
【3】コーヒー豆を挽く
POINT③:ペーパードリップには”中挽き”がおすすめ
グラニュー糖位の粒の大きさが目安です。ミルの種類によって、豆を挽く粗さの調整の方法が異なるので、注意しましょう。
POINT④:焦らずゆっくりと優雅に豆を挽く
早く飲みたいからといって、急いで回すとコーヒーに熱が加わり、味が落ちてしまうことも。
山コーヒーは焦らず優雅に!を心がけ、豆を挽く「ゴリゴリ」という音を楽しみましょう。中には「豆を挽いているだけで幸せ」という人もいるくらいです。
実際に豆を挽き終わった状態です。挽きたての香りがなんともたまりません。この『挽きたての香り』を感じられるのは、ミル挽きの特権です。
【4】ペーパーフィルターを折る
フィルターの種類は、ドリッパーの形によって変わります。味や使いやすさに差がでるので、必ず適したフィルターを選びましょう。今回は、右のタイプを使用します。
フィルターを、ドリッパーにフィットさせるために、赤くなっているギザギザした接着部分を折っていきましょう。
ギザギザの部分を手に取って、左から右に向かって折っていきます。
接着部分をきちんと折ることで、フィルターとドリッパーが密着し、おいしいコーヒーを淹れる準備が整います。
【5】フィルターをセット
POINT⑤:フィルターをセットする際に、軽くドリッパーに押さえつける
折ったフィルターを、ドリッパーにセット。この時に、ドリッパーとの隙間をなくすと、コーヒーが抽出されやすくなります。その後、ドリッパーをコップの上に設置してください。
POINT⑥:コーヒーを注ぐ前にコップを温めておく
このひと手間で、コーヒーの味わいが格段にアップします。
【6】コーヒーの粉を入れる
POINT⑦:コーヒーの表面を平らにする
コーヒーをフィルターに入れたら、ドリッパーを軽く揺すってコーヒーの表面を平らに。こうすることで、お湯を均一に注ぎやすくなります。
【7】コーヒーにお湯を注いでいく
POINT⑧:お湯は”ゆっくり、細く”を心がける
お湯を注ぐ角度は90度になるように意識し、フィルターの壁面などからお湯をかけないように注意しましょう。
POINT⑨:”の”の字を書くようにお湯を注ぐ
中心から「の」の字を描くように、お湯を注ぎます。
POINT⑩:コーヒーは”蒸らし”でうまくなる
お湯を注ぐと、コーヒーのガスで粉が膨張するので、一旦お湯を注ぐのを止めます。
コーヒーに含まれるガスを放出させ、コーヒーとお湯をなじみやすくします。これを”蒸らし”と呼び、おいしいコーヒーを抽出するために大切な工程になります。
水面が上から1/3程度減ったら、泡が消えないうちに、ゆっくりお湯を注いでいきます。
注いでは止めを何度か繰り返して、コーヒーを抽出していきます。
【8】あとはゆっくりと景色を見ながらコーヒーを楽しむ
POINT⑪:景色を見ながらゆっくりと飲む
コーヒーを淹れ終わったら、あとはゆっくりとコーヒータイムを楽しみましょう。
普段は挽いた状態で販売されたコーヒーを飲んでいるのですが、挽きたてのコーヒーは、想像以上に香りがたっていて、おいしかったです。
飲み残しは絶対に捨てない
飲みきれない場合は、ティッシュに吸わせたり、ペットボトルに入れたりして、必ず持ち帰るようにしましょう。コーヒーを捨てると環境に負荷をかけてしまいます。
山でミル挽きコーヒーを淹れるためのアイテム
ミル挽きコーヒーの淹れ方がわかったら、あとは道具を揃えるだけ。必要なアイテムをみていきましょう。
ガスバーナー
山で抽出用のお湯を沸かすために必要なガスバーナー。すでにお持ちの方は、手持ちの物でOKです。
■プリムス P-153 ウルトラバーナー
バーナーの定番、プリムス。軽量・コンパクトながら圧倒的なパワーが人気のアイテムです。4本のゴトクは安定性も◎。
プリムス P-153 ウルトラバーナー
収納サイズ:7.5×8.8×3.0cm
本体重量:116g
ケトル
少々かさばりますが、注ぎ口があってお湯をゆっくり注ぎやすいケトルはコーヒーを入れるのに最適です。コッヘルでも代用可能。
■ユニフレーム 山ケトル
軽量で持ち運びしやすく、たっぷりとお湯が沸かせる優秀ケトル。一度にコーヒー約5杯分のお湯が沸かせます。
クリアボトル
コーヒー豆の酸化を防ぐために便利なクリアボトル。ジップロックなどでも代用可能です。
■ナルゲン コーヒービーンズキャニスター 150g
コーヒー豆150gを保存可能。目盛り付きなので容量を一目で確認することができます。
ナルゲン コーヒービーンズキャニスター 150g
耐熱温度:本体/100℃、キャップ/120℃
耐冷温度:本体/-20℃、キャップ/0℃
コーヒーミル
コーヒー豆を挽くために必要。持ち運びしやすいコンパクトなモデルは、家でもアウトドアでも大活躍!
■ポーレックス セラミックコーヒーミル
コンパクトな設計でアウトドアにピッタリ。サイズは2種類。耐久性が高く錆びにくいセラミック刃を採用。細挽きから粗挽きまで、挽き方も調整可能な本格派のコーヒーミルです。
ポーレックス セラミックコーヒーミル
サイズ:【スタンダード】本体:約 高さ19×直径5cm、ハンドル:約 長さ15cm
【ミニ】本体:約 高さ13.5×直径5cm、ハンドル:約 長さ15cm
挽けるコーヒー豆:【スタンダード】30g(約3人分)
【ミニ】20g(約2人分)
ドリッパー
コーヒーを抽出する時に必要。コンパクトに収納できるタイプのものが、登山には最適です。
■スノーピーク フォールディングコーヒードリッパー 「焚火台型」
キャンプでお馴染みの焚き火台をモチーフにしたドリッパー。抽出具合が上から確認しやすいのも特徴。
スノーピーク フォールディングコーヒードリッパー 「焚火台型」
サイズ:本体使用時:104(W)×104(D)×96(H)mm/収納時:170(W)×140(D)×14(H)mm
重量:140g
コーヒーフィルター
ドリップする時に必要なコーヒーフィルター。大容量のものを購入しておけば、お家でもアウトドアでも、存分にコーヒータイムを楽しむことができます。
■Kalita コーヒーフィルター FP101濾紙 【1~2人用】
初めてのハンドドリップでも使いやすい設計。100枚入りなので、お家でのドリップ練習にもピッタリ。
Kalita コーヒーフィルター FP101濾紙 【1~2人用】
サイズ:200㎜×45㎜×82㎜
重量:86g
枚数:100枚
コーヒー豆
コーヒーの種類は実に豊富。産地によって、風味やコクが全く違います。お好みの豆をチョイスして、最高のコーヒータイムを堪能しましょう。
山で贅沢なコーヒータイムを満喫しよう!
山でのコーヒータイムって優雅でおしゃれですよね。“コーヒー豆を挽くのって難しそう…”と思われがちですが、道具さえ揃えてしまえば、案外簡単に始めることができちゃいます。あとは、時間をかけて自分の好みの温度や味を研究してみましょう。