【写真で旅する北アルプス】絶対オススメ! 絶景の稜線漫歩ルートガイド

2019/10/16 更新

『天空の楽園』 『牧歌的な風景』 『花いっぱいの稜線』 『ぽくぽく歩きの木道』…なんとも平和で夢いっぱいの言葉が並んでいますが、そんなキーワードにピンときたアナタ! 実際にそんなところがあるのです! それは北アルプス屈指のステキ縦走コース。 なんと三百名山、二百名山、百名山と順に訪ね、旅の終わりには神秘的な池がアナタをお出迎え。 広がる風景は本場スイスアルプスさながら! 今回はそんな素敵なコースをたっぷりの写真とともに一緒に旅しましょう!

台風19号の影響により、主に東北、関東、中部、近畿を含め、山域によっては通行が困難な状態となっている場合があります。 登山情報を調べる際には、各行政のHPや山荘・山小屋の運営するHP/SNSをご覧いただき、登山道や交通機関の状況を必ずご確認ください。 通行にあたっては、十分注意し、危険と判断された場合は引き返すなど、適切な対応をお願いします。


北アルプスってどんなところ?

槍ヶ岳近影
「北アルプス」と聞いて、皆さんはどんなイメージをお持ちですか? 岩場、鎖場、岩稜帯など、敷居の高いイメージがあるかもしれません。 と同時に、「北アルプス」の響きに「素敵!」と感じられるハイカーさんも多いのではないでしょうか。

この景色、まさに天空の楽園!

北アルプスは国内屈指の山岳リゾート、様々な顔を持ち合わせています。 険しい山容地帯もあれば、写真のような牧歌的風景広がる穏やかな山容地帯もたくさん! こんな風景を眺めながら、のんびり稜線を歩いてみたいと思いませんか?

そこで、長野県自然保護レンジャー北アルプス地区担当である筆者が、何度も訪れているイチオシ稜線コースをたくさんの写真と共にご紹介します。この絶景の数々を見れば、きっとあなたも行きたくなるはず!

天空の山旅コース、オススメは贅沢に2泊3日!

距離標準コースタイム日程体力度技術度
32.1km21時間10分2泊3日★★★★★
1泊2日★★★★
のんびり歩いて2泊3日の山旅ですが、1泊2日で周遊することも可能です。 また、300名山(朝日岳)、200名山(雪倉岳)、100名山(白馬岳)とピークを踏むことが出来るのも魅力です!

この縦走ルートは、至るところに高山植物が咲き乱れ、ハイカーの目を楽しませてくれます。 また、稜線区間が多いため、広々とした風景が望め、幸福感をもたらしてくれる事うけあい!

それでは早速、絶景の稜線歩きに出掛けましょう!

1日目 蓮華温泉~五輪高原~朝日岳~朝日小屋

蓮華温泉からスタート!

1日目、蓮華温泉ロッジ手前にある無料駐車場からスタート。 眼前にはすでに絶景が広がっており、気分が高揚します。

最初は木漏れ日美しい樹林帯がメイン。 蓮華温泉からはいったん標高を下げていくので、ウォーミングアップがてら歩きましょう。 その後、白高地沢橋を渡ると、五輪尾根への登りのはじまりです。

天空お散歩のはじまり!

樹林帯を抜け、木の階段を登っていくと一気に視界がひらけます。美しい木道が伸びる五輪高原では、素晴らしい開放感を味わえますよ。

花園三角点に到着。 名前のとおり、様々な高山植物が咲き乱れています。

ノコンギク、ニッコウキスゲ、マツムシソウ、ハクサンコザクラ、ミヤマキンポウゲ、シナノキンバイ、ヒメシャジン、ワタスゲ、ウサギギク、などなど、数え切れない種類の花々がお出迎えしてくれます。

木道のぽくぽく歩きを堪能、ひたすら美しい風景の中を歩きます。 途中、冷たい水場とベンチがある休憩適地があるので、ザックを下ろし一休みしましょう。

冷たい雪解け水で休憩したら、ふたたびハイクアップ! 少しずつ標高を上げていきます。 振り返ると、五輪尾根の美しい風景、そして、その中に一本伸びる木道がなんとも牧歌的です。

遅くまで雪渓が残るエリアにはチングルマの群落があり、グリーンの登山道を彩っています。 目指す朝日岳も目の前に見えてきます。

五輪尾根を終え稜線に。そして山頂へ!

多くのハイカーが憧れる栂海新道。 その分岐、吹上のコルに到着です。 ここからは日本海が望めます。 朝日岳山頂までもう一息。 頑張りましょう!

気持ちの良い尾根筋をしばらく登っていくと、朝日岳(2,418M)に到着です! 盆休みなどのトップシーズンでも、ここの山頂は高確率で貸切状態です。 ザックを下ろし、360°のパノラマビューを楽しみましょう!

山頂からは白馬の峰々が望めます。 また、たくさんの花たちが咲き誇っていますので、登頂した満足感はとても高いでしょう。 静かな時間と空間を楽しむことができ、幸福感に浸れます。

また、奥には剱岳と立山も望むことができ、本当にすばらしい絶景が待っています。

朝日岳山頂をたっぷり堪能したら、絶景を望みながら本日の宿泊地、朝日小屋へ向かいます。 天空の散歩道という形容がぴったりです。

朝日小屋への道のりは基本くだりで楽々! こちらもたくさんの花々が迎えてくれます。

しばらく下ると牧歌的に佇む朝日小屋が見えてきます。 雪解け水のおかげで、小屋は水が豊富です。

朝日小屋で夕食はいかが?

朝日小屋の夕食 朝日小屋は夕食が有名な小屋です。 事前予約をするとテント泊の方でも食事可能。 富山県に位置しており、郷土料理の昆布じめや富山おでん、富山湾からのホタルイカの沖漬けなどが楽しめるとだけあって、お酒もご飯もついつい進んでしまいます。

テント場から少し行ったところに、日本海に沈む夕日を楽しめるスポットがあります。 真っ赤な夕焼けに萌ゆるチングルマ・・・素敵な1日の締めくくりとなるでしょう。

▼1日目の行程
スタート経由地ゴール距離標準コースタイム
蓮華温泉五輪高原
朝日岳
朝日小屋11.4km8時間20分
続いては、雪倉岳、そして 憧れの白馬岳を目指しましょう!

2日目 朝日小屋~雪倉岳~白馬岳~白馬山荘

まずは水平道で木道と絶景を楽しむ!

朝日小屋を出発、水平道にて雪倉岳を目指します。 多少のアップダウンはあれど、きれいに整備された木道が多く牧歌的。 また、日が当たらないうちのハイクは涼しくて快適です。

しばらく進むと小桜ヶ原に。 ここは木道が延びる美しい湿地帯。 目指す雪倉岳が見えてきます。 その奥には旭岳の雄姿も。

振り返ると、朝日を浴びる穏やかな朝日岳が。 牧歌的な風景につい幸せの笑顔がこぼれることでしょう!

どっしりと重量感のある雪倉岳に取り付く!

いよいよ雪倉岳に取り付いていきます。 ずっしりとした重量感のある雪倉岳、下から見上げるとその存在感は圧巻。 ルートは左側から巻いていきます。

途中、来た道を振り返ると、こんな絶景が。 手前のピークが赤男山、奥が朝日岳です。

道中はたくさんの花が咲き乱れていますので、登りの疲れを癒してくれます。

マツムシソウの向こうに雪倉岳山頂。 いよいよピークを迎えます。 長い登りですが、一歩一歩着実に進んでいきましょう!

絶景広がる雪倉岳山頂!

そして到着、雪倉岳(2,611M)! 腰掛けられる岩がたくさんあるので、絶景を堪能しながら大休憩を取りましょう。長い道のりでしたが、山頂の絶景が疲れを吹き飛ばしてくれるはず。

雪倉岳山頂から白馬岳方面を望む。 手前に鉢ヶ岳、奥左手側に白馬岳、中央のピラミダルなピークは旭岳。

山肌はまるで絵画のよう。 存分に堪能してください。 そして白馬岳まで、これから歩いていく稜線が伸びています。

目指そう、白馬岳!

雪倉岳から、まずは雪倉避難小屋目指してくだります。 開放的な風景の中を歩け、とても心地良い区間です。 避難小屋付近はマツムシソウが大群落しており、見ものです!

避難小屋を過ぎると、鉱山道分岐まで鉢ヶ岳の中腹をトラバースして進みます。 こちらも斜面にワンサカと花が咲いていて、最高のお散歩を楽しめます。

いよいよ北アルプスらしい残雪の山肌を望む絶景ゾーンの始まりです! 旭岳~清水岳(しょうずだけ)の風景に心躍ることでしょう。

鉱山道分岐を過ぎると、壮大な風景にくわえ、多くの花も咲き乱れまさに別天地、天空の楽園そのものです。

時期が合えば、この辺りは高山植物の女王「コマクサ」も群落しています。 年によって見頃の時期はまちまちですので、最新の情報をチェックして行くと良いでしょう。 地上に出ているコマクサの株は、わずか 10cm程度ですが、その根は地中で周辺1mにも達していることもあるため、近付かずにズームを使用し撮影するようにしましょう。

黒ザクを越すと、目の前に翌日歩く稜線が見えてきます。 肉眼では稜線上を歩く人影が見え、遮るもののない稜線漫歩を楽しめることがわかります。 明日自分がそこを歩くことを想像し、きっとわくわくするはず。


三国境。 さぁ、ここから白馬岳まではあとひと登りですよ!

そして到着、憧れの白馬岳(2,932M)! 人気の山のため、ハイカーさんで賑わっています。

山頂からは、剱・立山連峰のほか、360°のパノラマビューが広がっています。 山頂を充分堪能したら、本日の宿泊地、白馬山荘へ下ります。 山頂直下にあり10分ほどで到着します。

▼2日目の行程
スタート経由地ゴール距離標準コースタイム
朝日小屋雪倉岳
白馬岳
白馬山荘11.4km7時間55分
いよいよ最終日!神秘的な「白馬大池」へ!

3日目 白馬山荘~白馬岳~小蓮華山~白馬大池~蓮華温泉

まずは白馬岳でご来光を!

白馬山頂からはご来光が望めます。 山旅の最終日、せっかくなので出発前にご来光を眺めてみてはいかがでしょう。

昇る太陽、染まる世界。 日差しを浴び、太陽の暖かさを全身で感じます。 さぁ、小屋で朝食を摂り、山旅最終日を楽しみましょう!

小蓮華山、そして白馬大池へ 稜線漫歩の旅!

白馬山荘から白馬岳を経由し、まずは三国境まで下ります。 最終日は下りメインの稜線歩きになるので、のんびり楽しみましょう。

三国境から左手に広がる鉢ヶ岳、雪倉岳方面のダイナミックな風景。

小蓮華山の手前には、トウヤクリンドウが群落。 この辺り、少々アップダウンはありますが、いずれも大きくないので、花と風景を楽しみながら頑張りましょう。

そして、鉄剣が聳える小蓮華山(2,766M)に到着! この山旅の最後のピークです。

小蓮華山からは、この2日間歩いてきた峰々が見渡せます! 縦走路を振り返ることができる素晴らしいロケーションです。 景色を堪能したら、いよいよクライマックス。 白馬大池に向けて、山旅の〆に入っていきましょう。

神秘的な白馬大池へ

平和な稜線歩きを楽しんでいると、突如現れる神秘的な池「白馬大池」。 その深い色合いと美しさは、目を見張るものがあります。 感動する事うけあいです!

なんと牧歌的で平和なのでしょうか。 改めて、天空の楽園という言葉を思い浮かべます。

白馬大池とは、標高2,379mにあり、北アルプス山中では、風吹大池に次いで2番目の大きさを誇る。 第四紀中期から後期にかけて活発に活動した白馬大池火山の噴出物により堰き止められてできた火山性の湖である。 (Wikipediaより一部抜粋)

湖畔には白馬大池山荘があり、外テーブルで休憩もできます。 穏やかな湖畔付近を散策してみるのも良いでしょう。 ここから蓮華温泉までコースタイム2時間の下山。 旅の締め括りに向け、一息いれましょう。 岩ゴロが多くあるため、浮石やスリップなど、足元には注意が必要。

登山中の事故は、疲労と気の緩みから、残りの行程1/4で発生することが多いため、笑顔で素敵な山旅終えられるよう、気を引き締めて下山しましょう!

▼3日目の行程

スタート経由地ゴール距離標準コースタイム
白馬山荘小蓮華山
白馬大池
蓮華温泉9.4km4時間55分

お疲れさまでした!


いかがでしたか? 北アルプス屈指の縦走コース。 フォトからもとても素敵な雰囲気が伝わってきたのではないでしょうか。 本記事でバーチャルハイクを楽しまれたら、今度は是非、実際に天空の楽園へ出掛けてみてください! それでは皆さま、どうぞ良い山行を!

※花の開花時期は、種類や年によってまちまちのため、ヤマレコなどの登山SNSサイトから情報収集のうえ、日程決定をオススメします。 また、朝日岳への登山道は、7月末でも残雪が多く残ることがあるため、朝日小屋のウェブサイトにて登山道状況の情報を発信していますので、事前にチェックすると良いでしょう。

※本記事は、2018年8月上旬取材時のフォトをメインに構成されています。

撮影・文 三宅 雅也 (山岳ライター、長野県自然保護レンジャー)

アクセス&山小屋情報

蓮華温泉へのアクセス

■マイカー利用の場合 (2018年車両通行可能期間=6月下旬から10月20日まで)
上信越道 長野IC → 蓮華温泉駐車場 約93㎞
長野自動車道 安曇野IC → 蓮華温泉駐車場 約100km
白馬岳蓮華温泉ロッジ手前 無料駐車場 = 約70台駐車可能
WC = 24時間利用可能

■バス利用の場合
糸魚川バス 白馬岳登山バス (蓮華線) 利用
糸魚川駅 発 = 42km @ 1,790円
平岩駅 発 = 22km @ 1,210円
※別途 手荷物料 310円 必要
2018年7月14日(土)~8月19日(日) → 毎日運行
2018年8月25日(土)~10月14日(日) → 土日祝のみ運行
お問い合わせ先:糸魚川バス 025-552-0180
詳しくは以下PDF参照。
糸魚川 白馬岳登山バス

山小屋情報

■白馬岳蓮華温泉ロッジ
住所   新潟県糸魚川市横町5-5-14
電話   090-2524-7237
入浴   800円 (内湯)
宿泊   要問い合わせ
予約   上記電話にて予約受付

蓮華温泉ロッジ

■朝日小屋
住所   富山県下新川郡朝日町笹川
電話   080-2962-4639 (衛星電話)
入浴   -
宿泊   2食付 10,000円/夕食のみ 9,000円/朝食のみ 8,300円
素泊まり 7,000円/幕営 1,000円
予約   上記衛星電話、またはネット予約可

朝日小屋

■白馬山荘
住所   長野県北安曇郡白馬村北城
電話   0261-72-2002
入浴   -
宿泊   2食付 10,000円/夕食のみ 8,900円/朝食のみ 8,200円
素泊まり 6,800円/幕営 –
予約   上記電話、またはネット予約可

白馬山荘

■村営白馬岳頂上宿舎
住所   長野県北安曇郡白馬村北城 国有林125ヲ林小班
電話   0261-75-3788
入浴   -
宿泊   2食付 10,000円/夕食のみ 8,900円/朝食のみ 8,200円
素泊まり 6,800円/幕営 1,000円
予約   上記電話、またはネット予約可

白馬村営山小屋

■白馬大池山荘
住所   長野県 白馬大池北西湖畔
電話   0261-72-2002
入浴   -
宿泊   2食付 10,000円/夕食のみ 8,900円/朝食のみ 8,200円
素泊まり 6,800円/幕営 1,000円
予約   上記電話、またはネット予約可

白馬大池山荘


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三宅 雅也
三宅 雅也

長野県自然保護レンジャー、山岳ライター。 アルプスを中心に、トレランから厳冬期登山まで幅広く活動。 鷲羽-水晶-赤牛岳、槍ヶ岳~笠ヶ岳、荒川三山、中央アルプス主峰全山など、ロング日帰りのスピードハイクを得意とする。 また、キャンピングカーにて、登山と旅を掛け合わせた「外遊び人生漫遊術」を構築中。 スピードハイクの詳細はこちら! ウェブサイトはこちら

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