富士山の周りをぐるりと一周する旅はいかが? ~山梨側~
文化遺産富士山の周りに点在している構成資産は、実は観光の穴場。その中でも、1年を通じて訪れることができるスポットを、山梨県と静岡県のそれぞれからピックアップしてご紹介します。美しい富士山を望み、歴史を読みながら旅を楽しんでみてはいかがでしょう。まずは山梨県側から!
①山中湖
富士山の裾野に点在する富士五湖。中でも一番面積が大きいのが山中湖です。湖の周囲には企業や大学の保養地が建ち並び、夏には多くの観光客で賑わいます。山梨県と神奈川県を流れる相模川の源流でもあります。
②忍野八海
忍野村にある八つの湧水池が忍野八海です。富士山の雪解け水で、地下に染み込み、長い時間をかけて地上に湧き出した透明度の高い水質が特徴です。富士山信仰の霊場で八つの池それぞれに竜の神様が祀られています。
③御師旧外川家住宅
富士山信仰の拠点として、参詣者の食事や宿泊を世話する宿坊が御師住宅です。旧外山家住宅の母屋は1768年に築造された貴重な建物で、江戸時代の山岳信仰を伝える貴重な資料として、国の重要文化財にもなっています。
④北口本宮冨士浅間神社
全国にある浅間神社の一社ですが、その歴史は古く日本武尊(やまとたけるのみこと)がこの地に祠を建てたことが始まりとも伝えられています。江戸時代に富士山信仰が庶民の間に広がると、多くの信者が集まるようになりました。
⑤船津胎内樹型
富士山から噴出した溶岩が大木を飲み込み、木の形を残したまま冷えて固まった空洞が溶岩樹型です。船津胎内樹型は複数の木が重なった状態で形作られた大きな洞窟で、有機的なうねりやしわが表面を覆いまるで人の胎内のいるかのような雰囲気です。
⑥河口浅間神社
浅間神社の一社で河口湖の側にあるのでこの名を冠しています。山裾にひっそりと佇む趣きのある社殿、古木が周囲を囲み、中でも「七本杉」と呼ばれる樹齢1200年の杉の木は、山梨県指定天然記念物に指定されています。
⑦河口湖
面積こそ山中湖に譲るものの周囲の距離は一番長いのが河口湖です。入り組んだ湖岸線からは、多彩な自然景観を楽しむことができます。遊覧船やロープウェイ、美術館などの観光施設がある他、近年は温泉街としても賑わっています。
⑧本栖湖
富士五湖の中で最も西に位置し、水深が一番深いのが本栖湖です。観光地的な賑わいは少なく自然を多く残す景観も特徴です。とりわけ有名なのが湖に富士山の姿を映すいわゆる「逆さ富士」の名所で、五千円札の裏面に描かれる逆さ富士のモデルとなっています。
さらなる日本の美しさを求めて景勝地へ
<昇仙峡>
富士山と並び山梨県を代表する名勝が昇仙峡です。甲府市北部の渓谷にあり、山水画を思わせるような渓流や滝そして荒々しい岩峰が美しい風景を形作っています。中でも目を引くのが主峰の覚円峰、鋭く屹立したその姿は中国の泰山にも比較されるほどです。
【公共交通】
JR中央本線:甲府駅で下車
南口バスターミナル4番乗降口から昇仙峡行き
【マイカー】
中央自動車道:甲府南IC(東京方面)または甲府昭和IC(長野方面)から一般道へ
昇仙峡ラインを経て、昇仙峡無料駐車場で下車