富士山の周りをぐるりと一周する旅はいかが? ~静岡側~
続いて静岡県側の構成資産をご紹介します。綺麗な円錐状の富士山ですが、静岡側から見た富士山と、山梨側から見た富士山では、やや趣が異なります。シュッと細見に立ち上がる静岡側は女富士、ゴツゴツと荒々しい山肌が特長の山梨側は男富士と言われています。みなさんは、どちら側から見た富士山が好みでしょうか。
①人穴富士講遺跡
富士講とは江戸時代に庶民の間で広がった富士山信仰の団体です。人穴富士講遺跡は溶岩流によってできた83mの洞窟で、富士講の開祖である角行が中に籠り修行をしたと伝えられます。現在は中に入ることはできません。
②白糸ノ滝
周囲200mほどの絶壁から、まるで白いカーテンのように水が落ちる白糸の滝、一筋一筋の水の流れが絹糸のようだと、この名前が付きました。滝の大半は崖の隙間から湧き出る地下水という珍しい滝で、日本の滝100選にも選ばれています。
③村山浅間神社
富士山信仰における参拝登山道として古くから使われてきた富士山村山口登山道、その起点にあるのが村山浅間神社です。村山は富士山の修験道の拠点で、この場所には寺院が置かれていました。明治の廃仏毀釈により神社に置き換わり現在に至っています。
④山宮浅間神社
数ある浅間神社のうち最も古いとされるのがこの参宮浅間神社です。本宮浅間大社との繋がりが深く、この神社から移転されたと伝えられています。境内には富士山を遥拝するための遥拝所や、古の祭祀が行われた石塁など、歴史を感じさせる史跡が多くあります。
⑤富士山本宮浅間大社
全国に1,300ある浅間神社の総本社が富士山本宮浅間大社です。富士宮市街にある本宮と、富士山山頂の奥宮があります。現在の本宮本殿は徳川家康が建立したもので、国の重要文化財に指定されています。境内には富士山の湧き水からなる湧玉池があります。
⑥三保松原
駿河湾に突き出た三保半島、その海岸線の約7kmに渡って群生している松林が三保松原です。この松林越しに望む富士の姿は、海、松、富士とまさに日本の風景そのもの。歌川広重の浮世絵にも描かれている名勝です。
*他の構成資産とは離れた場所に位置していますので、資産巡りをする場合は、ここを起点あるいは終点にすると効率的です。
⑦東口本宮冨士浅間神社
富士山の東を守るかのように鎮座するが東口本宮富士浅間神社です。平安時代に富士山の東側で噴火が起こり、その鎮火を祈願するためにしつらえた祭祀場がその起源とされています。現在は須走登山道の起点としても知られています。
*住所は静岡県ですが、山中湖に近い場所にありますので、山梨側の構成資産と併せて巡るのがおすすめです。
さらなる日本の美しさを求めて景勝地へ
<日本平>
静岡にも+αで訪れたい絶景の地があります。静岡市の有度山(うどやま)とそのゆるやかな山腹一帯である日本平です。日本武尊の伝説がその名の由来とも。ロープウェイが架設されており、広々とした山頂からは三保半島や清水港を一望。そしてその先には富士山が美しく佇み、夜景もおすすめです。
【公共交通】
東海道新幹線:JR静岡駅で下車
JR静岡駅11番バス停で乗車、県営駐車場・日本平ホテル入口へ
【マイカー】
東名高速道路:清水IC(東京方面)または静岡IC(名古屋方面)から一般道へ